第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の大型経済対策の発表や日銀のETF買入枠の倍増等により、実質GDPが4四半期連続プラス成長になるなど、緩やかな回復基調が続きました。

 個人消費は、力強さには欠けるものの、失業率が22年2カ月ぶりに2%台まで低下するなど、雇用情勢の着実な改善を背景に持ち直しています。また、設備投資は、円高や企業収益の悪化等により回復ペースが鈍化していましたが、海外経済の回復等により持ち直しの動きが見られます。

 一方で、英国のEU離脱決定後の欧州の政治リスクや東アジアでの地政学的リスクに加え、米国新政権の保護貿易主義的な経済政策の影響が懸念され、依然として景気の先行きは不透明な状況です。

 このような状況のもと、セメント業界向け耐火物を中心とする耐火物事業は、国内セメント販売数量が平成28年11月以降は前年同月比プラスが継続するなど底打ちの兆しが見られる中で、売上高は前連結会計年度を若干下回りましたが、組織構造改革による生産と販売体制の連携強化と効率化およびコストダウンに取り組んだ結果、利益は前年度を大幅に上回ることができました。

 プラント事業については、国内設備投資環境の改善もあり、環境関連工事が引き続き好調で、売上高、利益ともに増加いたしました。

 建材及び舗装用材事業については、工事作業員の不足や受注競争の激化に加え、予想以上に公共工事の着工が遅延したこともあり、売上高、利益ともに減少いたしました。

 不動産賃貸事業は、遊休不動産の活用にも積極的に取り組んだ結果、売上高、利益ともに増加いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,285百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は718百万円(前連結会計年度比137.1%増)、経常利益は772百万円(前連結会計年度比128.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は524百万円(前連結会計年度比235.8%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(耐火物事業)

 耐火物事業につきましては、当連結会計年度の売上高は3,634百万円(前連結会計年度比6.4%減)、セグメント利益は178百万円(前連結会計年度比559.4%増)となりました。

(プラント事業)

 プラント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は4,349百万円(前連結会計年度比20.7%増)、セグメント利益は415百万円(前連結会計年度比204.2%増)となりました。

(建材及び舗装用材事業)

 建材及び舗装用材事業につきましては、当連結会計年度の売上高は2,041百万円(前連結会計年度比6.4%減)、セグメント利益は45百万円(前連結会計年度比14.6%減)となりました。

(不動産賃貸事業)

 不動産賃貸事業につきましては、当連結会計年度の売上高は235百万円(前連結会計年度比10.2%増)、セグメント利益は136百万円(前連結会計年度比18.0%増)となりました。

(その他)

 主に、外注品等を販売する事業であり、当連結会計年度の売上高は24百万円(前連結会計年度比33.6%増)、セグメント利益は5百万円(前連結会計年度比87.6%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は238百万円(前連結会計年度比11.4%)増加し、2,324百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は724百万円(前連結会計年度は138百万円の使用)となりました。

 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益773百万円及び減価償却費181百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額226百万円、法人税等の支払額52百万円及び工事損失引当金の減少額48百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は352百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。

 収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入128百万円及び定期預金の払戻による収入97百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出282百万円、有価証券の取得による支出100百万円、定期預金の預入による支出97百万円及び投資有価証券の取得による支出50百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は132百万円(前連結会計年度比248.5%増)となりました。

 支出の主な内訳は、社債の償還による支出70百万円及び配当金の支払額57百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

3,034,035

△7.1

プラント事業

3,569,803

+19.7

建材及び舗装用材事業

1,702,055

△0.2

不動産賃貸事業

その他

合計

8,305,895

+4.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

耐火物事業

3,849,976

+1.2

1,188,582

+22.2

プラント事業

4,284,313

+10.9

1,736,933

△3.6

建材及び舗装用材事業

2,181,658

+0.1

232,853

+150.9

不動産賃貸事業

235,508

+10.2

その他

27,643

+72.9

4,378

+160.9

合計

10,579,100

+5.0

3,162,746

+10.2

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

3,634,155

△6.4

プラント事業

4,349,133

+20.7

建材及び舗装用材事業

2,041,627

△6.4

不動産賃貸事業

235,508

+10.2

その他

24,943

+33.6

合計

10,285,368

+3.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の経営環境につきましては、個人消費は依然として力強さには欠けるものの、東京オリンピック関連や生産性向上に関わる設備投資の増加、経済対策に伴う公共投資の執行が押し上げ要因となり、緩やかな回復基調が続くことが期待されます。

一方、世界経済は欧州の政治リスクや東アジアでの地政学的リスクに加え、米国新政権の保護貿易主義的な経済政策の影響が懸念され、依然として不透明な環境が続くと予想されます。

このような状況のなか、当社グループといたしましては、環境変化への耐性を高めるため、従来から事業構造改革の重点方針としている「セラミックス・耐火物事業」への取組みを一層深化させ、経営全般に亘る改革を着実に実行することにより、企業体質の更なる強化と永続的な会社の発展に注力いたします。

「耐火物事業」は組織改革により部所間の障壁を取り除き、製造・販売・技術の一体運営を図っておりますが、今後更なる効果を発揮すべく、社内の情報の共有化により生産性を改善することで、コストダウンと品質の向上・安定化を図るとともに、新たな顧客の開拓へ向けて営業活動を強化してまいります。

「プラント事業」においても、新たな技術動向に対応した新製品の開発を強化し、新規顧客獲得に向けて努力するとともに、顧客の海外進出を見据え海外販売にも積極的に取組んでまいります。「建材及び舗装用材事業」においては、東京オリンピック関連の需要などを確実に受注増につなげるとともに、技術開発の強化により高機能の製品開発に注力し、新たな顧客の開拓に努めてまいります。

各事業においてこれらの戦略を着実に実行し、グループ各社の特色を活かした連携の一層の強化により、企業価値の向上に取組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(景気及び市場の動向)

 当社の耐火物事業はセメント市場向けが主力のため、政府の公共事業政策や建設業界の動向により大きな影響を受ける可能性があります。また、プラント事業も設備投資の動向、建材及び舗装用材事業も公共事業の動向に影響を受ける度合いが大きく、これらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(原料、燃料価格の高騰)

 当社グループの製品製造のために調達している原料及び燃料価格が高騰し、今後もこれらの価格が高水準で推移し、または更なる高騰がある場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(災害による影響)

 当社グループの生産拠点は、岐阜県瑞浪市、愛知県半田市、三重県四日市市等にあり、各工場で製品品種ごとの分業体制を採っております。各工場とも火災、風水害等の影響を最小限とするため定期点検等の災害防止対策を講じておりますが、これら災害が発生した場合、また特に想定されている東海大地震が発生した場合、かなりの震度が予想される地域にあるだけに、当社グループの生産及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(製品の品質)

 当社グループの製品に欠陥が生じないよう品質管理基準を定め生産を行っております。また、欠陥による損害賠償等が発生した場合に備え、製造物責任保険に加入し業績への影響を最小限に抑える手段を講じております。しかし、製品の欠陥によるクレームに対処すべく製品保証、補修工事などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(その他)

 同業他社との競合による販売価格低下・利益率低下、環境規制の強化、社員の高齢化及び定年に伴う技術・ノウハウの伝承などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、①耐火物及びその関連技術、②ニューセラミックス技術、③各種工業炉及び付帯設備技術、並びに④建材及び舗装用材料・工法技術の4分野を中心に、経営基盤と事業競争力強化を実現するため研究開発に力を注いでおります。

 これらの研究開発は、当社の技術研究所、各工場、プラント部及び連結子会社の美州興産㈱技術部が連携し、耐火物事業(セラミックス・耐火物事業)、プラント事業、建材及び舗装用材事業においてそれぞれ研究テーマを設定し推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は212百万円であり、この内訳は耐火物事業116百万円、プラント事業73百万円、建材及び舗装用材事業21百万円であります。

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動のテーマは下記のとおりであります。

○耐火物事業(セラミックス・耐火物事業)

(1)耐火物の新製品開発及び既存製品の品質改良

(2)耐火物の補修技術の開発

(3)耐火物及びセラミックスの革新的製造技術の開発

(4)高機能非酸化物系ニューセラミックスの研究開発

(5)機能性酸化物系ニューセラミックスの研究開発

(6)軽量複合材料の研究開発

○プラント事業

(1)工業炉の高効率化に関する熱マネージメントシステムの開発

(2)マイクロウエーブ加熱装置の実用化技術の開発

(3)工業炉の雰囲気制御に関する開発及び改良

○建材及び舗装用材事業

(1)路面温度上昇抑制舗装用遮熱セラミックス骨材の研究開発

(2)街路・景観舗装材の材料と工法の研究開発

(3)機能性道路維持補修材の材料と工法の研究開発

(4)工場・倉庫床の高機能化に伴う塗り床材の材料と工法の研究開発

(5)インフラ整備に向けたセラミックス系材料の応用技術開発

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。将来の見通しに関する部分は、事業環境等の予想し得ない変化により、実際とは異なる可能性があります。

 

(1)財政状態の分析

〔資産の状況〕

 流動資産は、たな卸資産が減少したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有価証券の増加などにより、全体としては9,159百万円(前連結会計年度比674百万円増)となりました。固定資産は、繰延税金資産が減少したものの、機械装置及び運搬具(純額)、建設仮勘定の増加などにより、全体としては5,087百万円(前連結会計年度比107百万円増)となりました。その結果、資産合計では14,247百万円(前連結会計年度比782百万円増)となりました。

〔負債の状況〕

 流動負債は、工事損失引当金が減少したものの、未払法人税等、未払消費税等が増加したことなどにより、全体としては4,498百万円(前連結会計年度比243百万円増)となりました。固定負債は、株式給付引当金が増加したものの、社債の減少などにより、全体としては1,866百万円(前連結会計年度比69百万円減)となりました。その結果、負債合計では、6,364百万円(前連結会計年度比174百万円増)となりました。

〔純資産の状況〕

 純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金の増加などにより7,882百万円(前連結会計年度比607百万円増)となり、自己資本比率は50.3%(前連結会計年度比1.3ポイント増)となりました。

 

(2)経営成績の分析

 1[業績等の概要] (1)業績 をご参照ください。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況 をご参照ください。