第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、半期報告書提出日時点において判断したものです。

(1) 経営成績等の状況

(百万円)

 

前中間連結会計期間

(自  2023年 4月 1日

至  2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2024年 4月 1日

至  2024年 9月30日)

増  減

金  額

売上高比

(%)

金  額

売上高比

(%)

増減金額

増減率

(%)

売上高

985,290

100.0

998,588

100.0

13,298

1.3

営業利益

54,002

5.5

37,876

3.8

△16,126

△29.9

税引前利益

77,867

7.9

51,820

5.2

△26,047

△33.5

親会社の所有者に帰属する中間利益

56,487

5.7

36,078

3.6

△20,409

△36.1

米ドル平均為替レート          (円)

141

153

ユーロ平均為替レート          (円)

153

166

 

  当中間連結会計期間の世界経済は、各国におけるインフレ率の低下の影響もあり緩やかに成長しました。当社の主要市場である半導体関連や情報通信関連市場においては、主にAI関連は需要が増加しましたが、市場全体としては本格的な回復には至りませんでした。

 

  当中間連結会計期間の売上高は、コアコンポーネントセグメントは横ばいとなったものの、電子部品セグメント及びソリューションセグメントが円安の影響もあり増収となったことから、前中間連結会計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)に比べ、13,298百万円(1.3%)増加の998,588百万円となりました。

  利益は、部品の受注低迷に伴う生産設備の稼働率低下や人件費等の増加を主因に減少しました。レポーティングセグメント別では、ソリューションセグメントは円安の影響を主因に増益となったものの、コアコンポーネントセグメント及び電子部品セグメントは、半導体部品有機材料事業及びKyocera AVX Components Corporationグループ(以下「KAVX」)の需要が大きく減少したことにより減益となりました。これにより、営業利益は前中間連結会計期間に比べ、16,126百万円(29.9%)減少の37,876百万円、税引前利益は同26,047百万円(33.5%)減少の51,820百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同20,409百万円(36.1%)減少の36,078百万円となりました。

 

〔レポーティングセグメントの状況〕

 

レポーティングセグメント別売上高

(百万円)

 

前中間連結会計期間

(自  2023年 4月 1日

至  2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2024年 4月 1日

至  2024年 9月30日)

増  減

金  額

構成比

(%)

金  額

構成比

(%)

増減金額

増減率

(%)

コアコンポーネント

282,402

28.7

281,678

28.2

△724

△0.3

 

産業・車載用部品

109,165

11.1

113,857

11.4

4,692

4.3

 

半導体関連部品

158,916

16.1

151,741

15.2

△7,175

△4.5

 

その他

14,321

1.5

16,080

1.6

1,759

12.3

電子部品

174,758

17.7

180,923

18.1

6,165

3.5

ソリューション

537,094

54.5

546,187

54.7

9,093

1.7

 

機械工具

159,622

16.2

160,810

16.1

1,188

0.7

 

ドキュメントソリューション

212,891

21.6

232,222

23.2

19,331

9.1

 

コミュニケーション

105,045

10.7

105,480

10.6

435

0.4

 

その他

59,536

6.0

47,675

4.8

△11,861

△19.9

その他の事業

9,749

1.0

8,079

0.8

△1,670

△17.1

調整及び消去

△18,713

△1.9

△18,279

△1.8

434

売上高

985,290

100.0

998,588

100.0

13,298

1.3

 

レポーティングセグメント別利益(△損失)

 

(百万円)

 

前中間連結会計期間

(自  2023年 4月 1日

至  2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2024年 4月 1日

至  2024年 9月30日)

増  減

金  額

売上高比

(%)

金  額

売上高比

(%)

増減金額

増減率

(%)

コアコンポーネント

30,466

10.8

17,295

6.1

△13,171

△43.2

 

産業・車載用部品

11,737

10.8

10,983

9.6

△754

△6.4

 

半導体関連部品

18,767

11.8

5,634

3.7

△13,133

△70.0

 

その他

△38

678

4.2

716

電子部品

9,860

5.6

47

0.0

△9,813

△99.5

ソリューション

31,377

5.8

33,299

6.1

1,922

6.1

 

機械工具

9,212

5.8

9,434

5.9

222

2.4

 

ドキュメントソリューション

19,352

9.1

21,491

9.3

2,139

11.1

 

コミュニケーション

593

0.6

1,119

1.1

526

88.7

 

その他

2,220

3.7

1,255

2.6

△965

△43.5

その他の事業

△20,130

△23,023

△2,893

事業利益計

51,573

5.2

27,618

2.8

△23,955

△46.4

本社部門損益等

26,294

24,202

△2,092

△8.0

税引前利益

77,867

7.9

51,820

5.2

△26,047

△33.5

(注)当社は、当中間連結会計期間より、前連結会計年度まで「その他の事業」に含めていたエネルギーソリューション事業を「ソリューション」セグメントの「その他」に含めることとし、「本社部門損益等」に含めていたエネルギー関連出資に伴う持分法損益等についても同セグメントに含めて業績管理することとしました。これに伴い、前中間連結会計期間の業績は、この管理区分にて表示しています。

 

レポーティングセグメント別の業績は次のとおりです。

a.  コアコンポーネント

  当中間連結会計期間の売上高は、前中間連結会計期間に比べ、724百万円(0.3%)減少の281,678百万円となりました。事業利益は同13,171百万円(43.2%)減少の17,295百万円となり、利益率は6.1%へ低下しました。

  売上高は、主に販売において半導体製造装置向けファインセラミック部品等が増加したものの、情報通信インフラ市場向け有機基板が減少となったことにより、横ばいとなりました。事業利益は、主に有機基板の売上減少や、減価償却費等の固定費の増加により、減少しました。

 

b.  電子部品

  当中間連結会計期間の売上高は、前中間連結会計期間に比べ、6,165百万円(3.5%)増加の180,923百万円となりました。事業利益は同9,813百万円(99.5%)減少の47百万円となりました。

  売上高は、情報通信及び産業機器市場向けコンデンサや水晶部品等が円安効果もあり増収となったことを主因に増加しました。一方、事業利益は、KAVXにおける新工場の稼働率低迷に伴う原価率の上昇及び人件費等の増加、並びに宮崎県日向灘を震源とする地震に伴う損失の発生により、大幅に減少しました。

 

c.  ソリューション

  当中間連結会計期間の売上高は、前中間連結会計期間に比べ、9,093百万円(1.7%)増加の546,187百万円となりました。事業利益は同1,922百万円(6.1%)増加の33,299百万円となり、利益率は6.1%へ向上しました。

  主にドキュメントソリューション事業が増収となったことに加え、円安効果もあり、レポーティングセグメント全体で増収増益となりました。

 

(2) 財政状態の状況

(百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当中間連結会計期間

(2024年9月30日)

増減金額

資産合計

4,465,376

4,408,426

△56,950

負債合計

1,212,518

1,174,658

△37,860

資本合計

3,252,858

3,233,768

△19,090

 

 当中間連結会計期間末の資産合計は、資本性証券及び負債性証券が増加した一方、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ56,950百万円(1.3%)減少し、4,408,426百万円となりました。負債合計は、主に営業債務及びその他の債務が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ37,860百万円(3.1%)減少し、1,174,658百万円となりました。資本合計は、主にその他の資本の構成要素の減少により、前連結会計年度末に比べ19,090百万円(0.6%)減少し、3,233,768百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

(百万円)

 

 

前中間連結会計期間

(自  2023年 4月 1日

至  2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2024年 4月 1日

至  2024年 9月30日)

増減金額

営業活動によるキャッシュ・フロー

111,268

125,949

14,681

投資活動によるキャッシュ・フロー

△81,568

△102,836

△21,268

財務活動によるキャッシュ・フロー

△28,679

△51,094

△22,415

現金及び現金同等物に係る換算差額

20,128

△9,949

△30,077

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

21,149

△37,930

△59,079

現金及び現金同等物の期首残高

373,500

424,792

51,292

現金及び現金同等物の中間期末残高

394,649

386,862

△7,787

 

  現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高の424,792百万円に比べ、37,930百万円(8.9%)減少し、386,862百万円となりました。

a.  営業活動によるキャッシュ・フロー

  当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・インは、前中間連結会計期間の111,268百万円に比べ、14,681百万円(13.2%)増加し、125,949百万円となりました。これは主に中間利益が減少した一方、営業債務が減少から増加に転じたことによるものです。

b.  投資活動によるキャッシュ・フロー

  当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・アウトは、前中間連結会計期間の81,568百万円に比べ、21,268百万円(26.1%)増加し、102,836百万円となりました。これは主に有形固定資産及び有価証券の購入による支出が増加したことによるものです。

c.  財務活動によるキャッシュ・フロー

  当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・アウトは、前中間連結会計期間の28,679百万円に比べ、22,415百万円(78.2%)増加し、51,094百万円となりました。これは主に自己株式の取得による支出が減少した一方、借入金の調達が減少したことによるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社の資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金ですが、将来の更なる成長に向けた投資のために、金融機関からの借入も実施しています。なお、一部の借入には資金調達コストの引き下げを目的として、当社が保有するKDDI㈱の株式の一部を担保に設定しています。詳細は「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 注記7. 借入金」を参照ください。

  当中間連結会計期間末において現金及び現金同等物を386,862百万円保有しています。また、当中間連結会計期間末の借入金残高は210,357百万円であり、主として円建です。

  当社は、当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における主な資金需要として、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当金の支払等を見込んでいます。

  これらの資金需要については、営業活動等で獲得した自己資金に加え、金融機関からの借入にて対応する予定です。ただし、現時点では格付機関による信用格付に影響を与えるような外部からの資金調達を行う予定はありません。当社は、主要な取引先金融機関と良好な関係を構築していることから、今後の事業資金の調達に関して問題は無いと認識しています。

  また、既存事業の拡大及び新規事業創出のためのM&Aに多額の資金需要が生じる場合には、金融機関からの借入に加え、社債及び株式の発行といった資金調達手段を有しています。

  なお、当中間連結会計期間において、資金の流動性に重大な問題は生じていませんが、今後主要市場での需要動向が悪化した場合や、製品価格が当社の予想を大きく超えて下落した場合等においては、当社の資金の流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断

 要約中間連結財務諸表の作成において、経営者が行った重要な会計上の見積り及び判断については、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

 

(6) 経営方針・経営戦略・優先的に対処すべき課題等

 当社は、前事業年度の有価証券報告書に記載のとおり、中期経営計画の達成に向けた取り組みを進めています。当中間連結会計期間においては、中期経営計画に対する進捗状況を踏まえた各セグメントの施策の検証に加え、政策保有株式に関する方針の変更並びに今後の企業価値向上に向けた経営改革について検討を行い、この内容について2025年3月期上期決算説明会にて公表しました。
 
 本取り組みの詳細は、以下URLより当社ウェブサイトに掲載の資料をご参照ください。https://www.kyocera.co.jp/ir/library/pdf/presentation/FY25_2Q_p.pdf

(7) 研究開発活動

  当中間連結会計期間の研究開発費は、前中間連結会計期間の50,757百万円から7,175百万円(14.1%)増加し、57,932百万円となりました。

  なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した研究開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

(8) 生産、受注及び販売の実績

 

レポーティングセグメント別受注高

(百万円)

 

前中間連結会計期間

(自  2023年 4月 1日

至  2023年 9月30日)

当中間連結会計期間

(自  2024年 4月 1日

至  2024年 9月30日)

増減率

(%)

金  額

構成比

(%)

金  額

構成比

(%)

コアコンポーネント

277,875

28.2

288,712

28.3

3.9

 

産業・車載用部品

113,819

11.6

126,434

12.4

11.1

 

半導体関連部品

149,287

15.1

145,847

14.3

△2.3

 

その他

14,769

1.5

16,431

1.6

11.3

電子部品

175,445

17.8

181,400

17.8

3.4

ソリューション

540,253

54.8

559,806

54.8

3.6

 

機械工具

160,717

16.3

161,275

15.8

0.3

 

ドキュメントソリューション

211,517

21.4

232,331

22.7

9.8

 

コミュニケーション

110,753

11.2

112,013

11.0

1.1

 

その他

57,266

5.9

54,187

5.3

△5.4

その他の事業

10,489

1.0

5,602

0.5

△46.6

調整及び消去

△17,943

△1.8

△14,663

△1.4

受注高

986,119

100.0

1,020,857

100.0

3.5

(注)1  当社は、需要の増加や顧客の要求、市場の変化等に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績は販売実

績に類似しています。このため、生産及び販売の実績は「(1) 経営成績等の状況 〔レポーティングセグメント

の状況〕」に関連付けて示しています。

2  当中間連結会計期間より、前連結会計年度まで「その他の事業」に含めていたエネルギーソリューション事業

を「ソリューション」セグメントの「その他」に含めることとしました。これに伴い、前中間連結会計期間の

受注高は、この管理区分にて表示しています。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。