第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の世界経済は、米国を中心に景気は概ね堅調に推移しましたが、英国のEU離脱問題による影響のほか、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や米国新政権の政策動向の不確実性など、景気の先行きは不透明な状況が続きました。国内経済については、企業収益や雇用・所得環境に底堅さが見られるなど、総じて緩やかな回復基調をたどりました。
 当歯科業界におきましては、デジタル化の進展により市場環境は大きく変化しており、世界規模で企業間競争が激化するなど、引き続き厳しい事業環境が続きました。
 このような状況の中、当社グループは第二次中期経営計画の2年目を迎え、海外事業の拡大と国内事業の基盤強化をベースに、将来の成長に向けた施策を推進しました。海外市場において売上拡大を図るため、ブラジル・サンパウロに販売子会社を設立するとともに、インドにおいて販売子会社の設立に向けた手続きを進めるなど、成長市場での販売基盤の強化に向けた取組みを行いました。また、中国をはじめ今後拡大する海外需要に対して安定的に製品を供給するため、本社敷地内に新たにセラミック材料の製造工場を建設し、生産体制の強化を図るなど、積極的な事業活動を展開してまいりました。
 しかしながら、当連結会計年度の売上高は、為替の円高による影響もあり、22,305百万円と前年同期比670百万円(2.9%)の減収となりました。
 営業利益は、減収の影響や積極的な販売活動に伴う費用負担の増加により、1,382百万円と前年同期比186百万円(11.9%)の減益となりました。経常利益は、為替差損などの営業外費用が増加したため、1,141百万円と前年同期比252百万円(18.1%)の減益となりましたが、税金費用の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は、836百万円と前年同期比47百万円(6.0%)の増益となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

①  デンタル関連事業

国内におきましては、歯科接着用レジンセメント「ブロックHCセム」や歯科重合用光照射器「ペンブライト」を市場投入しました。これらの新製品に加え、当社の注力分野である化工品やCAD/CAM関連製品が売上に寄与しましたが、市場競争の激化により、人工歯をはじめ既存の主力製品の販売が計画に届かず、前年同期比減収となりました。海外では、積極的な拡販戦略が功を奏し、北米や中国で売上が堅調に推移しましたが、為替の円高の影響により、前年同期比減収となりました。
 これらの結果、デンタル関連事業の売上高は、20,267百万円と前年同期比732百万円(3.5%)の減収となり、営業利益は1,380百万円と前年同期比134百万円(8.9%)の減益となりました。

 

 

②  ネイル関連事業

ネイル業界におきましては、市場は緩やかな拡大傾向を維持しているものの、ユーザーの低価格志向の高まりを背景に、業界全体で価格競争の様相を呈するなど、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
 国内では、ジェルネイル製品の新色カラージェルを市場投入するほか、全国各地で製品の優位性を訴求するセミナーを積極展開しましたが、主力製品の「L・E・D GEL Presto」が伸び悩み、売上は低調に推移しました。海外では、積極的なプロモーション活動により、米国や台湾においてジェルネイル製品の認知度が高まったことから、売上は好調に推移いたしました。
 これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、1,944百万円と前年同期比50百万円(2.7%)の増収となりましたが、利益面は、販売費及び一般管理費の増加により、営業損失25百万円と前年同期比47百万円の減益となりました。

 

③  その他の事業

当社グループの株式会社松風プロダクツ京都において、歯科用研磨材の生産技術を応用し、工業用研磨材を製造販売しております。その他の事業の売上高は、93百万円と前年同期比10百万円(12.8%)の増収となり、営業利益は22百万円とほぼ前年同期並みとなりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ、369百万円増加し、4,652百万円となりました。                                                           

 

①  営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、2,308百万円のプラス(前期比797百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,141百万円によるものであります。

 

②  投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,052百万円のマイナス(前期比1,801百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出823百万円によるものであります。

 

③  財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは835百万円のマイナス(前期比1,316百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出385百万円や親会社による配当金の支払286百万円によるものであります。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

11,433

1.0

ネイル関連事業

434

14.5

その他の事業

101

16.3

合計

11,969

1.6

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

294

△24.0

33

△4.7

ネイル関連事業

その他の事業

合計

294

△24.0

33

△4.7

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

20,267

△3.5

ネイル関連事業

1,944

2.7

その他の事業

93

12.8

合計

22,305

△2.9

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。

3  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針・経営戦略等

当社グループは「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」ことを経営理念に、「企業活動のあらゆる局面で、質を重視しつつ量的な成長・拡大をはかる」こと、また、「あらゆる変化を先取りし、積極的に挑戦する」ことを行動指針としております。これらの行動を通じて、顧客のみなさまにご満足いただける製品を提供し、また株主のみなさまからの信頼と期待に応えることを経営の基本方針としております。

当社グループは2022年の創立100周年に向けた長期ビジョン「連結売上高500億円、連結営業利益75億円」の達成、またそこへ至るまでの目標として第二次中期経営計画で掲げた連結売上高285億円(平成30年3月期)を目指すため、当社グループは次の7つの項目を目標達成のための重要な戦略と位置づけております。

○地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発・投入
  ○販売網の整備
  ○販売拠点の整備
  ○国内外学術ネットワークの構築
  ○生産拠点の再配置、海外生産の拡大
  ○海外人材育成・確保
  ○資金需要の拡大に対応するための資金調達

 

(2)目標とする経営指標

目標とする経営指標につきましては、2022年に迎える当社創立100周年の連結売上高500億円、連結営業利益75億円の達成を長期的な目標に掲げています。また、そこへ向けての取組み課題や進むべき道筋を明確にした第二次中期経営計画では、平成30年3月期の連結売上高285億円を掲げ、これを実現するための経営指標として、世界各地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発・投入による新製品売上高比率15%(※1)以上の維持、海外事業の拡大方針に基づいた海外売上高比率50%(※2)を目指しております。
 ※1 当社売上高に占める最近3年間に発売した新製品の売上高構成比率
 ※2 連結売上高に占めるデンタル関連事業の海外売上高の構成比率
 

(3)経営環境及び対処すべき課題

今後の経済情勢につきましては、米国の景気拡大や資源価格の持ち直しなどにより、世界経済全体は引き続き緩やかな成長が続くものと見込まれます。しかしながら、米国新政権の政策運営をはじめ、欧州の政治情勢、新興国経済の減速、地政学的リスクの高まりなど、経済に与える不安材料も多く、今後も先行き不透明な事業環境が継続することが予想されます。

歯科業界におきましては、国内市場は審美・予防ニーズの高まりなどのプラス要因はあるものの、市場の成熟化に伴って製品の差別化が難しくなり、技術競争及び価格競争は厳しさを増しております。一方、海外市場における歯科医療の需要は、欧米諸国の巨大市場の存在に加え、新興国で中間所得層人口の増加に伴う需要拡大の動きが見られるなど、今後ますます高まっていくものと考えております。

第二次中期経営計画の最終年度である2017年度は、主要課題に対して着実な成果を上げるために、実行スピードを加速し、当社グループの中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
 具体的には、デンタル関連事業では、研究効率の向上に向けた取組みを推進し、開発期間の短縮を図るとともに、グローバルな需要に対応するため、グループ生産体制の強化を進めてまいります。国内においては、注力分野への重点的な販売活動を推進するほか、歯科医療従事者への情報提供活動を展開してまいります。また、海外においては、引き続き販売網を拡充するとともに、他社との提携等を強化し、海外における事業展開のスピードを高めてまいります。
 ネイル関連事業におきましては、国内で新ブランドの展開や一般消費者向けジェルネイル製品の販路拡大を推進するとともに、今後も成長が期待されるアジア市場で営業活動の強化を図ってまいります。
 その他の事業におきましては、当社グループの技術力を活用した製品開発を進めるほか、既存顧客への販売拡大と新規顧客の開拓を図り、売上の拡大に努めてまいります。

 

なお、当社は、平成28年5月13日開催の当社取締役会において、会社法施行規則に定める「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を一部変更するとともに、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。)への対応方針の内容を一部変更したうえで継続することを決定し、本対応方針継続の承認議案を平成28年6月28日開催の第144回定時株主総会に提出、承認されました。

 

 

Ⅰ 基本方針の内容
 
 当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 しかし、歯科器材の国際的メーカーである当社の経営においては、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、そして世界の歯科医療に貢献し、このことを通じて人々の「健康」と「美」に貢献するという当社に与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値を構成する要素等への理解が不可欠であり、これらを継続的に維持、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉等を機軸とした中長期的な視野を持った取組みが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
 当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切にご判断いただくためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。
 

 

Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

 

当社は、基本方針の実現に資する特別な取組みとして、創立100周年を迎える2022年の“あるべき姿”を見据え、その実現に向けて、欧米を中心とした先進国市場や、経済成長に伴う生活水準の向上が期待される新興国市場の需要を取り込むべく、経営資源を海外へシフトし、海外事業の拡大を軸に取り組んでまいります。具体的な取組みとしては、「中期経営計画」を策定し、① 地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発、② 生産拠点の再配置、海外生産の拡大、③ 販売網・販売拠点の整備及び構築、④ 海外展開を積極的に進めるための人材育成、確保といった施策を通じて、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
 また、激しい企業環境の変化に迅速に対応し、責任の明確化を図り、機動性を確保することを目的として、平成23年6月の株主総会において取締役の員数を大幅に削減するとともに、業務執行に関する意思決定のスピードを速めるため、執行役員制度を導入しております。取締役8名のうち2名は独立社外取締役でありますが、当社は、独立社外取締役がその知見に基づき助言を行うこと、経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じて経営の監督を行うこと、利益相反に関する監督を行うこと、ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることが、独立社外取締役の主たる役割の一つと考えております。さらに、当社は、社外役員の独立性を確保するために、当社独自の社外役員の独立性基準を定めております。

なお、当社は、取締役及び監査役の、就任時及び就任後に必要とされる知識、情報を提供するため、外部研修等の活用を含め、適宜役員研修を実施しております。

このような体制整備のほか、当社では情報開示の充実がコーポレート・ガバナンスにとって有効な機能を果たすと考えており、各種の会社情報を適時、適切にかつ積極的に開示することによって、株主の皆様やその他外部からのチェック機能を高め、経営の透明度を高めることを今後とも充実させていきたいと考えております。
 

Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
 
 当社は、平成28年5月13日開催の取締役会において、Iで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本対応方針」といいます。)を継続することを決議いたしました。
 本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③取締役会又は株主総会が新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の発行等を利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。
 当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。
 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。
 当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる企業価値検討委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置を発動すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置を発動すべきか否か、対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきか否か等の本対応方針に係る重要な判断に際しては、企業価値検討委員会に諮問することとします。企業価値検討委員会は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置発動を勧告した場合、②大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置発動を勧告した場合、及び③大規模買付者による大規模買付行為ないしその提案内容の評価、検討の結果、対抗措置の不発動を勧告した場合を除き、新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。

当社取締役会は、株主総会決議に従って、又は取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り企業価値検討委員会の上記勧告を最大限尊重し、新株予約権の発行等の対抗措置の発動又は不発動に関する会社法上の機関としての決議を遅滞なく行うものとします。対抗措置として新株予約権の発行を実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が対抗措置の発動を決定した後も、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の変更又は停止を行うことがあります。当社取締役会は、上記決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
 本対応方針の有効期限は、平成28年6月28日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以後も同様とします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。
 なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレス http://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載する平成28年5月13日付プレスリリースをご覧下さい。
 

Ⅳ 具体的取組みに対する当社取締役の判断及びその理由
 
 Ⅱに記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、Ⅱに記載したとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
 また、Ⅲに記載した本対応方針も、Ⅲに記載したとおり、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として企業価値検討委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、企業価値検討委員会が株主総会に諮る必要がないと判断する限定的な場合を除き、原則として株主総会決議によって対抗措置の発動の可否が決せられること、本対応方針の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成29年6月27日)現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの有価証券報告書に記載した業績については、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には当社グループが事業の展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載していますが、これに限られるものではありません。

また当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項も含めて、投資家の判断上、重要と考えられる事項については積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成29年6月27日)現在において予測しているものです。

 

(1) 製造販売業等の許可等に関するリスク

当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類及び体外診断用医薬品等は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等に分類されます。
 これら商品を市販(製造販売)するには、製造販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、適切な製造管理、品質管理の下に製造から出荷するための品質保証組織と市販後も安全で適正な使用を確保(推進)するための安全管理組織を設置し、総括製造販売責任者等の下で法に準拠した手順で管理活動を実施することが求められます。またこれに付帯して医薬品や医薬部外品、医療機器等を製造するにあたっては、製造業の登録、又医療機関に販売するためには、販売業許可も必要になります。
 当社グループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可等を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
 上記許可等の有効期間は、製造販売業許可は5年、販売業許可は6年、製造業登録は5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、現時点において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。

 

(2) 品質及び安全性に関するリスク

当社グループは医薬品医療機器等法やその他規制要求事項を遵守し、適切に品質マネジメントシステムが運用されておりますが、当社グループが製造販売する医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な安全確保措置を講じなければなりません。
 その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製造物責任に関するリスク

歯科材料の研究、開発、製造販売により、当社グループは潜在的な製造物責任請求の対象となります。これまでに、製造物責任の重要な請求若しくは訴追を受けたことはありませんが、将来的には直面する可能性がないとはいえません。これらのリスクに対応するため、当社グループは国内外における製造物責任保険に加入していますが、当社グループが負う可能性のある責任を補償するには十分でない場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法規制又は訴訟に関するリスク

当社グループの事業は、会社法、医薬品医療機器等法、環境法規制、外為法等の様々な法規制に関連しています。当社グループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産に関するリスク

当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受ける可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新製品開発に関するリスク

当社グループは、人工歯をはじめとした歯科材料全般の製品化研究を行うとともに、歯科用機械器具等、歯科医療全域にわたる研究開発を行っています。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、その後の工業化研究を経て上市するには、医薬品や医薬部外品、医療機器等として、医薬品医療機器等法に基づく規制の許認可等が必要となります。
 これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した試験で良い結果が得られ、承認又は認証申請した場合であっても、申請書の審査過程及びGMP/QMS適合性調査等の様々な理由により承認又は認証が遅れたり、取得できなかったり、又は自主的に申請の取り下げなどの場合があります。
 これらの場合に、当社グループの収益性を低下させ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 医療保険制度の動向に関するリスク

当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク

日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界でも最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 市場性のある株式の減損に関するリスク

当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株式相場が大幅に下落した場合、有価証券評価損の計上により当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(10) 子会社株式の減損に関するリスク

当社グループが保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、時価のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理を余儀なくされ、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(11) 外国為替変動に関するリスク

外国為替変動は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループが為替リスクを負っている外貨建て取引における影響のほか、邦貨建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。

また、決算報告書は円を基準通貨として作成するため、在外子会社業績の邦貨換算に当たり、為替レートの変動により財務諸表項目に影響を与え、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えることとなります。

 

(12) 工場の閉鎖又は操業停止に関するリスク

火災、地震又はその他の人災若しくは自然災害により当社グループの工場、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンピュータ情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(14) 国際的な事業活動に関するリスク

当社グループは、海外各国において様々な事業活動を展開しておりますが、海外各国における、法規制や医療保険制度はもとより、海外各国の政治、経済、文化、法律、商慣習など当社グループ会社を取り巻く様々な環境は、将来に亘って不確実であり、またこれら環境の違いや、そこから派生する様々な問題は、当社グループの財政状態及び経営成績に、悪影響を与える可能性があります。

 

(15) 財務制限条項

金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、本契約には財務制限条項が付されております。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

独占販売契約

契約会社名

相手先

国名

契約内容

契約期間

株式会社松風
(当社)

ジョンソン・エンド・
ジョンソン  メディカル㈱

日本

同社歯科用商品の販売総代理店契約

平成11年12月21日から1年、以後1年毎の自動更新

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発活動につきましては、研削材をはじめ歯科用材料全般、歯科周辺機器及びネイル関連製品についての研究開発を行っております。当連結会計年度は研究開発費として1,408百万円を投入いたしました。
  セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(デンタル関連事業)

CAD/CAM分野では、青色LEDにより一度に最大7歯まで高精度スキャニング可能な「松風S-WAVEスキャナー D-850」を6月に発売いたしました。

接着修復分野では、CAD/CAM冠レジンブロックと親和性の高いプライマーの採用により、CAD/CAM冠を支台歯に強固に接着させるレジンセメント「ブロックHCセム」を4月に発売いたしました。また、当社独自のS-PRGフィラーを配合し、小児歯科治療に適した特性をもつ小児う蝕治療専用の歯科充填用コンポジットレジン「ビューティフィル キッズ」を6月に、また三井化学株式会社と共同開発した新規モノマーの配合により低い重合収縮率をもつ歯科充填用コンポジットレジン「ビューティフィルⅡ LS」を7月に発売いたしました。

補てつ(綴)修復分野では、これまで欧州で先行販売を行い、特に操作性が好評であったフロータイプの歯冠用硬質レジン「セラマージュ アップ」を国内でも4月より発売いたしました。また、高強度で耐久性に優れる歯冠用硬質レジン「セラマージュ デュオ」を2月に国内先行発売いたしました。3月には、歯科メタルセラミック修復用陶材「Vintage PRO(ヴィンテージ プロ)」及び「SHOFU MZ Primer Plus(松風 MZプライマー プラス)」を欧州で発売いたしました。「SHOFU MZ Primer Plus」は歯科金属用接着材料・歯科セラミックス用接着材料であり、これまでそれぞれ個別にプライマーを発売していましたが、機能を統合した製品としました。また、金属鋳造体製作時に鋳造リング内面のライナー材として用いる生体適合性に優れた「松風フィッティングライナー バイオ」を3月に発売いたしました。

研削材分野では、支台歯形成に適した歯科用ダイヤモンドバー「松風ダイヤモンドポイントFG」にファイン4形態をこれまでのラインナップに追加し、11月に発売いたしました。

器械器具分野では、コンポジットレジンの重合に用いるコンパクトな歯科重合用光照射器「ペンブライト」を8月に発売いたしました。また、前述の歯冠用硬質レジン「セラマージュ デュオ」を加熱重合する際に用いる「ヒートボックス」を2月に発売いたしました。

新規分野の器械として、小児歯科向けに開発した口唇閉鎖力測定器「りっぷるくん」の発売(2015年9月)に引き続き、小児・矯正歯科分野以外においても口輪筋のトレーニングを行うことができる「りっぷるとれーなー」を7月に発売いたしました。日本人の死亡原因第3位の誤嚥性肺炎の防止につながるため、高齢者の摂食トレーニング用器械としても潜在的な需要は大きいと考えられます。

 

(ネイル関連事業)

ジェルネイル分野では、操作性と審美性に優れた可視光線LED硬化ジェルネイルシステム「L・E・D GEL Presto」及び爪に優しいノンサンディングジェルネイルシステム「Presto Bambina」のラインナップとして、ネイルアート製作時の下地処理やパーツ類の固定など、多様な用途に使用できる「ノンワイプミキシングクリアジェル」及びグラデーション技法やドロップアートなど、さまざまな施術方法に応じて、カラージェルと組み合わせて使用できる「Brush-on ミキシングクリアジェル」を9月、光輝性に優れたメタリックアート製作時の下地処理に使用する「ノンワイプミキシングクリアジェル for Art」を10月、各国のトレンドにマッチした「カラージェル新色(合計153色)」を6月、7月、9月、10月、11月、1月及び2月、発色性に優れた「アートジェル(合計15色)」を6月、9月及び2月、「グリッター新色(合計13種類)」を10月及び2月に発売いたしました。

また、一般消費者が自宅で簡単にネイルのおしゃれを楽しめる新規ジェルネイルシステム「by Nail Labo」のラインナップとして、季節ごとのトレンドを先取りした「カラージェル新色(15色)」を9月、11月及び3月、カラージェルの姉妹ブランドとして、明るいトーンで発色性に優れた「Colors by Nail Labo(5色)」を7月に発売いたしました。

アクリルネイル分野では、アクリルネイルシステム「Nail de Dance」のラインナップ品として、際立つ白さとシャープな硬化が特長の「リバーホワイトパウダー」及び「グリッター新色(4種類)」を5月に発売いたしました。

 

(その他の事業)

特にありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5  [経理の状況]  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、為替の円高による影響もあり、22,305百万円と前年同期比670百万円(2.9%)の減収となりました。
 営業利益は、減収の影響や積極的な販売活動に伴う費用負担の増加により、1,382百万円と前年同期比186百万円(11.9%)の減益となりました。経常利益は、為替差損などの営業外費用が増加したため、1,141百万円と前年同期比252百万円(18.1%)の減益となりましたが、税金費用の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は、836百万円と前年同期比47百万円(6.0%)の増益となりました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比20百万円増加し、14,286百万円となりました。現金及び預金の増加が主な要因です。 

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比527百万円増加し、14,566百万円となりました。時価上昇により投資有価証券が増加したことが主な要因です。 

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比165百万円増加し、3,215百万円となりました。未払法人税等の増加が主な要因です。 

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比413百万円減少し、3,341百万円となりました。長期借入金の減少が主な要因です。 

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比796百万円増加し、22,296百万円となりました。利益剰余金の増加や、その他有価証券評価差額金の増加が主な要因です。 

 

以上の結果、自己資本比率は76.9%と前連結会計年度末比1.2ポイント上昇しました。
 なお、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。