(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」ことを経営理念に、「企業活動のあらゆる局面で、質を重視しつつ量的な成長・拡大をはかる」こと、また、「あらゆる変化を先取りし、積極的に挑戦する」ことを行動指針としております。これらの行動を通じて、顧客の皆様にご満足いただける製品を提供し、また株主の皆様からの信頼とご期待に応えることを経営の基本方針としております。
当社グループは“あるべき姿”の実現に向けて、引き続き以下の重点課題に取り組んでまいります。
①地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発・投入
②販売網の整備
③販売拠点の整備
④国内外学術ネットワークの構築
⑤生産拠点の再配置、海外生産の拡大
⑥海外人材育成・確保
⑦資金需要の拡大に対応するための資金調達
⑧M&A推進(事業提携・技術提携、事業買収)
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、連結売上高500億円、連結営業利益75億円の達成を長期的な目標に掲げています。また、第三次中期経営計画では、2021年3月期の連結売上高292億円、連結営業利益23.4億円を掲げ、これを実現するため、世界各地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発・投入による新製品売上高比率15%(※1)以上の維持、海外事業の拡大方針に基づいた海外売上高比率50%(※2)を目指しております。
※1 当社売上高に占める最近3年間に発売した新製品の売上高構成比率
※2 連結売上高に占めるデンタル関連事業の海外売上高の構成比率
(3)経営環境及び対処すべき課題
今後の経済情勢につきましては、米国の財政・金融政策の動向のほか、貿易政策をめぐる対立、英国のEU離脱問題、中国経済の減速の影響など不透明な要因はあるものの、全体としては引き続き緩やかな成長が続くことが予想されます。
歯科業界におきましては、国内市場はCAD/CAM関連製品の需要増加が見込めるものの、製品のコモディティ化や低価格化は一層進展していくことが予想されます。一方、海外市場は、新興国を中心に経済成長や生活水準の向上により、歯科医療の需要拡大が期待されるものの、メーカーや流通などの業界再編が進み、企業間競争は激しさを増すものと考えております。
第三次中期経営計画の二年目にあたる2019年度は、当社グループの成長を確かなものにするため、諸施策に対してスピード感を持って着実に実行してまいります。
具体的には、デンタル関連事業では、世界市場をターゲットにした製品及び各地の中間層・ボリュームゾーンに向けた製品の開発を推進するとともに、グローバルな需要に対応できる効率的な生産体制を構築してまいります。国内においては、提案型の営業活動の強化により新規顧客の掘り起こしを行うほか、セミナーなどの販売促進活動の充実に努めてまいります。また、海外においては、新製品の投入と積極的な拡販活動を展開するとともに、各国の薬事規制に応じた販売体制の整備・拡充を図ってまいります。
ネイル関連事業におきましては、主力のジェルネイル製品のラインアップの充実に取り組み、国内外でのブランド力の向上に繋げてまいります。
その他の事業におきましては、既存顧客への販売強化と同時に、新規顧客の開拓に向けた取組みを展開し、事業の拡大に努めてまいります。
なお、当社は、2019年5月9日開催の当社取締役会において、会社法施行規則に定める「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を一部変更するとともに、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。)への対応方針の内容を一部変更したうえで継続することを決定し、本対応方針継続の承認議案を2019年6月26日開催の第147回定時株主総会に提出、承認されました。
Ⅰ 基本方針の内容
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかし、歯科器材の国際的メーカーである当社の経営においては、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、そして世界の歯科医療に貢献し、このことを通じて人々の「健康」と「美」に貢献するという当社に与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値を構成する要素等への理解が不可欠であり、これらを継続的に維持、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉等を機軸とした中長期的な視野を持った取組みが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。
当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切にご判断いただくためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念とともに、「質の重視と量の拡大」「変化への挑戦」を行動指針として企業価値の向上に努めております。また、当社グループでは、連結売上高500億円、連結営業利益75億円の実現に向けて、欧米を中心とした先進国市場や、経済成長に伴う生活水準の向上が期待される新興国市場の需要を取り込むべく、経営資源を海外へシフトし、海外事業の拡大を軸に取り組んでまいります。具体的な取組みとしては、「中期経営計画」を策定し、①地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発、②生産拠点の再配置、海外生産の拡大、③販売網・販売拠点の整備及び国内外学術ネットワークの構築、④海外展開を積極的に進めるための人材育成・確保といった重点施策を通じて、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
また、激しい企業環境の変化に迅速に対応し、責任の明確化を図り、機動性を確保することを目的として、2011年6月の株主総会において取締役の員数を大幅に削減するとともに、業務執行に関する意思決定のスピードを速めるため、執行役員制度を導入しております。取締役8名のうち2名は独立社外取締役でありますが、当社は、独立社外取締役がその知見に基づき助言を行うこと、経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じて経営の監督を行うこと、利益相反に関する監督を行うこと、ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることが、独立社外取締役の主たる役割の一つと考えております。さらに、当社は、社外役員の独立性を確保するために、当社独自の社外役員の独立性基準を定めております。加えて、代表取締役2名及び独立社外取締役2名で構成する「指名・報酬協議会」を設置し、取締役の指名・報酬等に関する手続きの公正性、透明性、客観性の強化を図るとともに、すべての取締役及び監査役で構成する「コーポレートガバナンス会議」を設置し、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営戦略や経営計画等について建設的な議論を行い、取締役会に対して答申しております。
なお、当社は、取締役及び監査役の、就任時及び就任後に必要とされる知識、情報を提供するため、外部研修等の活用を含め、適宜役員研修を実施しております。
このような体制整備のほか、当社では情報開示の充実がコーポレート・ガバナンスにとって有効な機能を果たすと考えており、各種の会社情報を適時、適切にかつ積極的に開示することによって、株主の皆様やその他外部からのチェック機能を高め、経営の透明度を高めることを今後とも充実させていきたいと考えております。
Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、2019年5月9日開催の取締役会において、Iで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本対応方針」といいます。)を継続することを決議いたしました。
本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③取締役会又は株主総会が新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の発行等を利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。
当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。但し、大規模買付者からの情報提供の迅速化と、当社取締役会が延々と情報提供を求める等の恣意的な運用を避ける観点から、情報提供期間を、必要情報リストを大規模買付者に交付した日の翌日から起算して60日間に限定し、仮に必要情報が十分に提出されない場合であっても、情報提供期間が満了したときは、その時点で情報提供にかかる大規模買付者とのやり取りを打ち切ります。
次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後又は情報提供期間が満了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。
当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる企業価値検討委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置を発動すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置を発動すべきか否か、対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきか否か等の本対応方針に係る重要な判断に際しては、企業価値検討委員会に諮問することとします。企業価値検討委員会は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置発動を勧告した場合、②大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置発動を勧告した場合、及び③大規模買付者による大規模買付行為ないしその提案内容の評価、検討の結果、対抗措置の不発動を勧告した場合を除き、新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。
当社取締役会は、株主総会決議に従って、又は取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り企業価値検討委員会の上記勧告を最大限尊重し、新株予約権の発行等の対抗措置の発動又は不発動に関する会社法上の機関としての決議を遅滞なく行うものとします。対抗措置として新株予約権の発行を実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が対抗措置の発動を決定した後も、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の変更又は停止を行うことがあります。当社取締役会は、上記決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
本対応方針の有効期限は、2019年6月26日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以後も同様とします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。
なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレス http://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載する2019年5月9日付プレスリリースをご覧下さい。
Ⅳ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
前記Ⅱの当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、そこに記載したとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
また、Ⅲ会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みに記載した本対応方針も、そこに記載したとおり、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として企業価値検討委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、企業価値検討委員会が株主総会に諮る必要がないと判断する限定的な場合を除き、原則として株主総会決議によって対抗措置の発動の可否が決せられること、本対応方針の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。
当社グループの有価証券報告書に記載した業績については、今後起こり得るさまざまな要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下には当社グループが事業の展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載していますが、これに限られるものではありません。
また当社グループでは、当社グループでコントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性が必ずしも高くないとみられる事項も含めて、投資家の判断上、重要と考えられる事項については積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2019年6月26日)現在において予測しているものです。
(1) 製造販売業等の許可等に関するリスク
当社グループの販売する歯科材料や歯科用機械器具類、薬用歯みがき類及び体外診断用医薬品等は、人の口腔内疾患の診断、治療若しくは予防等に使用されるため、開発・製造段階から流通(販売後)に至るまで、細部にわたって医薬品医療機器等法の規制を受けており、法によって医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等に分類されます。
これら商品を市販(製造販売)するには、製造販売業許可を都道府県知事から受ける必要があります。この許可要件としては、申請者に欠格要件が無いことや資格を有する管理者を相当数確保配置すること、適切な製造管理、品質管理の下に製造から出荷するための品質保証組織と市販後も安全で適正な使用を確保(推進)するための安全管理組織を設置し、総括製造販売責任者等の下で法に準拠した手順で管理活動を実施することが求められます。またこれに付帯して医薬品や医薬部外品、医療機器等を製造するにあたっては、製造業の登録、又医療機関に販売するためには、販売業許可も必要になります。
当社グループではこれらの許可等の継続は事業にとって最重要課題のひとつとして認識をし、対応しておりますが、何らかの理由によりこれらの許可等を取り消される事態に至った場合、当社グループの事業の継続にとって悪影響を及ぼす可能性があります。
上記許可等の有効期間は、製造販売業許可は5年、販売業許可は6年、製造業登録は5年であり、法令で定める許可要件を満たさなくなった場合には、許可の取消がなされる可能性がありますが、現時点において、その継続に支障を来す要因は発生しておりません。
(2) 品質及び安全性に関するリスク
当社グループは医薬品医療機器等法やその他規制要求事項を遵守し、適切に品質マネジメントシステムが運用されておりますが、当社グループが製造販売する医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器等の使用によって、保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがある場合には、これを防止するために、商品の自主回収、廃棄、販売の停止、情報の提供等必要な安全確保措置を講じなければなりません。
その結果によっては当社グループが販売する商品の品質及び安全性に対する信用を損ない経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製造物責任に関するリスク
歯科材料の研究、開発、製造販売により、当社グループは潜在的な製造物責任請求の対象となります。これまでに、製造物責任の重要な請求若しくは訴追を受けたことはありませんが、将来的には直面する可能性がないとはいえません。これらのリスクに対応するため、当社グループは国内外における製造物責任保険に加入していますが、当社グループが負う可能性のある責任を補償するには十分でない場合、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法規制又は訴訟に関するリスク
当社グループの事業は、会社法、医薬品医療機器等法、環境法規制、外為法等の様々な法規制に関連しています。当社グループでは法令遵守をはじめコンプライアンスを常に考慮した経営に努めておりますが、意図せざる理由により法令違反又は訴訟提起が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産に関するリスク
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受ける可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合、その結果によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新製品開発に関するリスク
当社グループは、人工歯をはじめとした歯科材料全般の製品化研究を行うとともに、歯科用機械器具等、歯科医療全域にわたる研究開発を行っています。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、その後の工業化研究を経て上市するには、医薬品や医薬部外品、医療機器等として、医薬品医療機器等法に基づく規制の許認可等が必要となります。
これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した試験で良い結果が得られ、承認又は認証申請した場合であっても、申請書の審査過程及びGMP/QMS適合性調査等の様々な理由により承認又は認証が遅れたり、取得できなかったり、又は自主的に申請の取り下げなどの場合があります。
これらの場合に、当社グループの収益性を低下させ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 医療保険制度の動向に関するリスク
当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 市場のグローバル化及び他業種の市場参入に関するリスク
日本の歯科市場はアメリカ、欧州に並ぶ大市場であり、中国を中心とするアジア市場の成長性を考えた場合、欧米の材料・機器メーカーにとって、日本を含むアジア市場は、世界でも最も有望な市場としてとらえることができます。世界的には、すでに欧米企業主導の市場再編の動きが活発化してきており、これらは欧米メーカーの世界戦略、とりわけ対日本・対アジア戦略の一環として認識する必要があります。これまで日本市場は、世界的に見ても特殊な健康保険制度や複雑な流通機構の影響もあり、外資の影響は比較的少なかったといえますが、市場のグローバル化に伴い、国際的な競争にさらされることになります。また、他業種からの参入についても販売競争の激化を引き起こし、これらの要因が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 市場性のある株式の減損に関するリスク
当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株式相場が大幅に下落した場合、有価証券評価損の計上により当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 子会社株式の減損に関するリスク
当社グループが保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、時価のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理を余儀なくされ、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 外国為替変動に関するリスク
外国為替変動は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループが為替リスクを負っている外貨建て取引における影響のほか、邦貨建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。
また、決算報告書は円を基準通貨として作成するため、在外子会社業績の邦貨換算に当たり、為替レートの変動により財務諸表項目に影響を与え、結果として当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えることとなります。
(12) 工場の閉鎖又は操業停止に関するリスク
火災、地震又はその他の人災若しくは自然災害により当社グループの工場、設備等が閉鎖又は操業停止を余儀なくされた場合、経営成績に対して深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) コンピュータ情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、ネットワークへのセキュリティ対策を施しておりますが、コンピュータウイルス等の侵入やハッカー等による妨害の可能性が全く排除されている訳ではありません。もしこれらの被害にあった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(14) 国際的な事業活動に関するリスク
当社グループは、海外各国において様々な事業活動を展開しておりますが、海外各国における、法規制や医療保険制度はもとより、海外各国の政治、経済、文化、法律、商慣習など当社グループ会社を取り巻く様々な環境は、将来に亘って不確実であり、またこれら環境の違いや、そこから派生する様々な問題は、当社グループの財政状態及び経営成績に、悪影響を与える可能性があります。
(15) 財務制限条項
金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、本契約には財務制限条項が付されております。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりで
あります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国の堅調な経済成長に牽引され、全体としては緩やかな成長を維持しましたが、米中を中心とした貿易摩擦の動向、英国のEU離脱交渉の停滞といった不安定な国際情勢など、世界経済の不確実性の高まりもあり、先行き不透明な状況が続きました。国内経済については、各地で相次いで発生した自然災害の影響が一時的にあったものの、企業収益や雇用・所得環境の改善、個人消費の持ち直しなどを背景に、緩やかながらも回復基調で推移しました。
当歯科業界におきましては、歯科医療のデジタル化の進展により、CAD/CAM関連市場は世界規模で成長を続けているものの、市場環境の変化に伴って業界全体における競争が激化するなど、当社を取り巻く事業環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、当社グループは2018年4月から新たな第三次中期経営計画をスタートさせ、国内事業の基盤強化と海外事業の拡大を基本戦略として、今後の成長に向けた積極的な施策を推進してまいりました。具体的には、欧州市場での売上拡大を図るため、生産能力・生産効率の向上を目的にドイツのMerz Dental GmbHが新工場を建設しました。また、ブラジル市場において現地販売子会社を通じた本格的な販売活動を開始したほか、インド市場で販売体制の拡充を図るなど、成長が見込める新興国市場での販売基盤の強化に向けた取組みを展開してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高24,915百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益1,814百万円(同21.1%増)、経常利益1,709百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,201百万円(同36.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(デンタル関連事業)
国内におきましては、歯科用象牙質接着材「松風ビューティボンド ユニバーサル」や歯科用多目的超音波治療器「エアフロー プロフィラキシス マスター」を市場投入しました。これらの新製品に加え、CAD/CAM関連製品などの機械器具類が好調に推移しましたが、厳しい市場環境の影響により、人工歯類をはじめ主力製品群が苦戦を強いられ、前年同期比減収となりました。
海外におきましては、米国を中心に診療系材料の化工品類が売上に貢献するとともに、中国を含むアジア地域で人工歯類が好調に推移するなど、海外の各地域で売上が増加し、前年同期比増収となりました。
これらの結果、デンタル関連事業の売上高は、22,446百万円と前年同期比999百万円(4.7%)の増収となり、販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益は1,797百万円と前年同期比387百万円(27.5%)の増益となりました。
(ネイル関連事業)
ネイル業界におきましては、市場は緩やかながらも成長を続けておりますが、ユーザーの低価格志向が根強く、業界全体での価格競争は厳しい状況が続いております。
国内におきましては、「L・E・D GEL Presto」をはじめ主力のジェルネイル製品が売上に寄与するとともに、ユーザーのニーズに対応するため、ジェルネイル製品の小容量化・低価格化に取り組んだ結果、前年同期比増収となりました。
海外におきましては、米国においてSNSの活用や著名なネイリストを起用したプロモーション活動により売上は堅調に推移しましたが、台湾において競合他社との競争が激化し、前年同期比減収となりました。
これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、2,372百万円と前年同期比113百万円(4.6%)の減収となり、利益面は経費削減に努めたものの、営業損失5百万円と前年同期比69百万円の減益となりました。
(その他の事業)
当社グループの株式会社松風プロダクツ京都において、歯科用研磨材の生産技術を応用し、工業用研磨材を製造販売しております。その他の事業の売上高は、96百万円と前年同期比1百万円(1.9%)の減収となり、営業利益は16百万円と前年同期比1百万円(8.0%)の減益となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比370百万円減少し、14,975百万円となりました。現金及び預金の減少が主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比358百万円減少し、15,186百万円となりました。時価下落により投資有価証券が減少したことが主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比156百万円増加し、3,820百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金の増加が主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1,112百万円減少し、1,957百万円となりました。長期借入金の減少が主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比226百万円増加し、24,383百万円となりました。利益剰余金の増加が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は80.4%と前連結会計年度末比2.6ポイント上昇しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ、950百万円減少し、4,318百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,468百万円のプラス(前期比467百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,709百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,519百万円のマイナス(前期比746百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,269百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、844百万円のマイナス(前期比251百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出500百万円や親会社による配当金の支払318百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり必要な見積りは、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、24,915百万円と過去最高を更新し、前年同期比884百万円(3.7%)の増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収効果により、1,814百万円と前年同期比316百万円(21.1%)の増益となりました。
経常利益は、為替の影響などにより増益幅は縮小したものの、1,709百万円と前年同期比143百万円(9.2%)の増益となりました。
税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、1,201百万円と前年同期比323百万円(36.9%)の増益となり、過去最高益を更新いたしました。
(財政状態の分析)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは現在、必要な運転資金及び投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。また、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築するため、取引金融機関4行とコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループは、金融機関と良好な関係を構築しており、将来に必要な運転資金及び投資資金を今後も安定的に調達することが可能であると考えております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
独占販売契約
研究開発活動につきましては、研削材をはじめ歯科用材料全般、歯科周辺機器及びネイル関連製品についての研究開発を行っております。当連結会計年度は研究開発費として
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(デンタル関連事業)
保存修復分野では、様々な材料に対して優れた接着性を実現した歯科用象牙質接着材「松風ビューティボンド ユニバーサル」を9月に発売いたしました。本システムを用いることにより、これまでのコンポジットレジン修復・口腔内リペアだけでなく、補綴修復(ラミネートベニア修復を含む)やレジンコア築造の症例にも対応が可能となりました。
補綴修復分野では、様々な歯科用セラミックス材料に使用可能なステイン陶材である歯科セラミックス用着色材料「ヴィンテージ アート ユニバーサル」を1月に発売いたしました。また、より多くの症例に対応すべく硬質レジン歯「ベラシアSA」(S34形態)及び「NCベラシア」(M34形態)を10月に追加発売いたしました。
研削・研磨材料分野では、欧州地域向けに従来品「One Gloss(ワン グロス)」を再使用可能な仕様とした歯科用ゴム製研磨材「One Gloss M(ワン グロス エム)」を3月に発売いたしました。また、CAD/CAM材料の一つであるハイブリッドレジン(臼歯単冠用)に、ハイスピード加工による加工時間短縮と高い加工精度を実現した研削器材「松風CAD/CAMミリングバー」(3種類)を8月に発売いたしました。
診査診断分野では、これまで多くの製品に使用実績のあるPRG技術の基となるS-PRGフィラーを配合した歯面研磨材「PRGプロケアジェル」、またフッ素濃度を増加させた薬用歯磨「メルサージュ ヒスケア」(フッ素1,450ppm配合)を11月に追加発売いたしました。
器械器具分野では、歯科用セラミックス材料を加熱後に加圧して成形するための歯科技工用セラミックス加熱加圧成形器「オストロマット 654i」を11月に発売いたしました。また、歯面清掃、歯周ポケット内の歯面清掃、スケーリングなどに使用可能な歯科用多目的超音波治療器「エアフロー プロフィラキシス マスター」を9月に発売いたしました。さらに「エアフロー プロフィラキシス マスター」からピエゾン機能を除いた歯面清掃器である電動式歯面清掃用装置「エアフロー ワン」を3月に発売いたしました。
(ネイル関連事業)
ジェルネイル分野(プロネイリスト向け)では、主力ブランドである可視光線LED硬化ジェルネイルシステム「L・E・D GEL Presto」及び爪に優しいノンサンディングジェルネイルシステム「Presto Bambina」のラインナップとして、各国の流行にマッチした「カラージェル新色(合計132色)」を発売いたしました。また、ユーザーニーズに対応するために、カラージェル全色で小容量化、低価格化を実施いたしました。
昨年度5月に発売いたしました、著名なネイリストと共同開発したジェルネイルシステムの新ブランド「ageha」では、さらっとした質感で極細のラインがくっきりと描ける「シャープライナー」ときれいなアートが簡単に描ける「アートクリアジェル」を6月に発売いたしました。また、硬化後の黄変を抑え、優れたツヤ感で綺麗なアート見本が制作できる「ノンワイプチップトップジェル」を8月に発売いたしました。さらに、サロンワークで使いやすいagehaオリジナルカラーとして「カラージェル新色(合計95色)」を発売いたしました。
昨年度3月にカラージェルを先行発売いたしました、アジア諸国での中低価格帯ユーザーをターゲットとしたジェルネイルシステムの新ブランド「ARTiS di Voce」では、「ベースジェル」「トップジェル」を9月の台北展示会で発売し、ブランドとして基本構成を完成いたしました。
ジェルネイル分野(一般消費者向け)では、自宅で簡単にネイルのおしゃれを楽しめるジェルネイルシステム「by Nail Labo」のラインナップとして、地爪からの除去が簡単で、1週間程度でデザインを変更したい方にお勧めの「ライトベースジェル」を10月に発売いたしました。また、季節ごとのトレンドを先取りした「カラージェル新色(38色)」を4月、6月、9月、11月及び2月に発売いたしました。
アクリルネイル分野では、アクリルネイルシステム「Nail de Dance」の改良として、操作性に優れたリキッド新容器へのリニューアルを3月に実施いたしました。
(その他の事業)
特にありません。