第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項には、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針 

当社は「経営理念」に基づき、創造性に富んだ信頼される商品の提供を通じて、科学技術と産業の発展に寄与し、企業の成長と発展を期し、親しまれる経営で社会に貢献することを基本としています。

また、独自技術を磨き時代に即応した新商品を環境保全に努めて効率よく生産し、適正な価格で販売して、株主各位、顧客、従業員並びに地域社会に貢献してまいります。

さらに、企業基盤の強化と業績の向上を図り、中長期的な企業価値の向上及び持続的な成長に最善を尽くしますとともに、経営情報のスピーディな開示に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)と1株当たり当期純利益(EPS)を重視しております。

目標数値はROE8%以上、EPS50円においております。

 

(3)中期的な会社の経営戦略

当社は、得意とする特定分野のセラミックス製品並びに計測機器と加熱装置のリーディングカンパニーを目指しております。

当社の中長期的な経営戦略は、3年間の「中期経営計画」に基づき進めてまいります。

その重要施策は下記の通りであります。

①ジルコニアボール並びに構造部材及び圧電体・次世代電池向け熱処理部材の生産能力の増強。

②温室効果ガス排出量の削減等エネルギーの効率的利用と各種部材の生産技術の向上による品質、生産効率の改善による合理化の推進。

③マーケットニーズに対応したセラミックス新製品及びエンジニアリング新商品の開発と拡販。

④働き方改革の実現及び中長期的な労働力の確保並びに人材教育の推進。

⑤内部統制システムの構築に基づくガバナンス強化及びリスク管理の強化や内部監査の充実による管理体制の整備。

 

(4)会社の対処すべき課題

今後の見通しといたしましては、国内での2020年オリンピック開催や2025年大阪万博等による訪日客の増加見込等々明るい材料もあるものの、米中の通商問題それに伴う景気減速、輸出減等々、不安定要素も多く予断を許しませんが、各企業の設備投資は足元弱含みであるものの、設備投資マインドは堅調で底堅いと考えております。

このような状況のもと、当社は多種多様に増大する客先のニーズにお応えすべく、増産体制の確立と将来の主力製商品の開発を図るべく、「新3ヶ年中期経営計画」におきまして、大幅な設備増強と人的資源に対する投資及び人材育成、さらには今まで以上の合理化を推し進めてまいります。

 

 

 

(会社の支配に関する方針)

当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針並びに不適切な者によって支配されることを防止するための取組み等を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。

1.基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の事業特性ならびに株主の皆様やお取引先をはじめ地域社会、従業員等の各ステークホルダーとの間に築かれた関係や当社の企業価値を十分に理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保し、継続的もしくは持続的に向上させる者であることが必要と考えております。

当社は、当社株式の大規模買付行為が行われた際に、これに応じられるかどうかは、最終的には株主の皆様の自由な意思と判断によるべきものであると考えております。また、当社は大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から見て当社の企業価値および株主共同の利益に明白な侵害をもたらすものがあることも否定出来ません。

したがいまして、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に反する当社株式の大規模買付行為を行おうとする特定の者、あるいはグループは、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような大規模買付に対しては、必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

2.買収防衛策についての取組み

上記基本方針に基づき、当社取締役会は、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下、現行プランといいます。)を2015年6月22日開催の第145回定時株主総会において、出席株主の皆様の過半数のご承認を得て継続しました。この買収防衛策は、有効期限が2018年6月30日までに開催される第148回定時株主総会終結の時までとしておりましたので、当社の企業価値及び株主様共同の利益を更に向上させるために第148回定時株主総会において第145回定時株主総会と同様に出席株主の皆様の過半数のご承認を得て買収防衛策を継続しました。(以下、継続後のプランを本プランといいます。)

(1)本プランの概要

a.本プランの発動に係る手続きの設定

本プランは、当社株式に対する買付その他これに類似する行為またはその提案(以下「買付等」といいます。)が行われる場合には、買付等を行う者またはその提案者(以下併せて「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集や検討等を行う期間を確保し、また株主の皆様に当社取締役会の計画や代替案等を提示するなど、買付者等との交渉等を行う場合の手続きを定めております。

また、本プランにおいて対抗措置を実施する場合など重要な判断に際しては、独立委員会の客観的な判断を経ることとしております。これに加え独立委員会が本対抗策の実施に関する株主の皆様の意思を確認することを勧告した場合には、当社取締役会は係る株主総会を招集するものとされております。

b.対抗措置(新株予約権無償割当)について

買付者等の行為が、当社の企業価値及び株主共同の利益を損なう恐れがあると独立委員会が判断し、本対抗策の実施に関する株主の皆様の意思を確認することを勧告した場合には、当社取締役会は係る株主総会を招集し株主総会の決議により、買付者等が権利行使できない新株予約権を当社取締役会が定める一定の日における全ての株主に対して、所有する当社の普通株式1株につき1個以上で当社取締役会が別途定める数の割合で新株予約権の無償割当をいたします。

c.独立委員会の設置

本プランの導入に当たり、取締役の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動および廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しています。独立委員会は、社外の有識者の中から選任されます。なお、現在の独立委員会は、以下のとおり社外の有識者3名により構成されています。

 

《独立委員会メンバー》
・有識者 :北林 博(弁護士)
・有識者 :瀬戸口照弘(元太平化学製品株式会社代表取締役社長)
・有識者 :渡辺浩教(公認会計士、税理士)

d.本新株予約権の行使及び当社による本新株予約権の取得

本プランに基づき、新株予約権の無償割当がなされ、買付者等以外の株主により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに買付者等以外の株主に対して当社株式が交付された場合は、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は希釈化されることになります。

(2)大規模買付行為に係る手続き

a.対象となる大規模買付行為等

当社は、本プランに基づき、以下のイ.またはロ.に該当する買付等がなされた場合に、本プランに定める手続きに従い本新株予約権の無償割当を実施することがあります。
イ.当社が発行者である株式等について、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる買付等
ロ.特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社の他の株主との合意等

b.大規模買付者に対する情報の提供の要求

上記a.に定める買付等を行う買付者等は、当社取締役会が別途認めた場合を除き、事前に当社に対して本プランに定める手続きを遵守する旨の「意向表明書」を提出していただきます。

当社取締役会は、大規模買付者より意向表明書を受領後に、適宜提出期限を定めた上、当社株主の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)のリストを当該買付者に交付し、当該買付者に対しリストに従った情報を提供していただきます。なお、独立委員会は、当社取締役会を通じ、本必要情報の提供を受けるものとします。

c.大規模買付行為の内容の検討及び大規模買付者との交渉、代替案の検討等

当社取締役会および独立委員会が、大規模買付者から十分な情報提供がなされたと判断した場合は、当社取締役会は、本必要情報提供完了後60日間(対価を現金のみとする公開買付)または90日間(その他)の検討期間を設定します。ただし、さらに大規模買付行為の内容の検討や大規模買付者と交渉する代替案の作成等に必要な場合は、検討期間を延長することができるものとします。

大規模買付者が本プランに定める手続きを遵守した場合、当社取締役会は独立委員会からの勧告を最大限尊重した上で対抗措置発動の可否を判断します。

また、大規模買付者が本プランに定める手続きを遵守しなかった場合、当社取締役会は対抗措置を採る場合があります。

d.本プランの有効期限、廃止及び変更

本プランの有効期限は2021年6月30日までに開催される第151回定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、有効期限の満了前であっても、当社株主総会または当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議がなされた場合は、本プランはその時点で廃止されるものとします。

(3)本プランが基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでないこと、当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由

a.基本方針に沿うもの

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」及び経済産業省の企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容に十分配慮したもので、前述した当社の基本方針にも沿うものです。

b.株主共同の利益を損なうものでないこと

大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の判断に委ねることを基本とし、当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間の確保、大規模買付者との交渉を行うこと等を可能にすることで当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的で導入されたものであり、株主共同の利益を損なうものではありません。

c.当社役員の地位の維持を目的とするものでないこと

本プランの導入・継続は、当社取締役会の決議だけでなく、株主総会での承認を要すること、すなわち株主の意思に基づくものになっております。

また、当社取締役の任期を1年に短縮したことにより、毎年の取締役の選任を通じて、本プランに対する株主の意向を反映できます。

さらに、本プランの発動等の運用に際しては当社取締役会の恣意的判断を排除するために独立委員会を設置していますので、本プランの透明な運営が行われる仕組が確保されています。
本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではなく、スローハンド型(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間がかかる買収防衛策)でもありません。

以上のとおり、本プランには当社役員の地位の維持を目的として対抗措置が発動されることはありません。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1) セラミックス分野に依存していることについて

当社は、事業の75.5%がセラミックス製品の製造販売であり、かつセラミックスを一部に使用した複合品ではなく、セラミックス100%で形成される製品であります。

したがいまして、現状はセラミックス事業においては、100%セラミックス分野に依存しており、セラミックスに代替される新素材が登場すれば、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 電子部品業界向けの売上構成比率が高いことについて

セラミックス事業、エンジニアリング事業それぞれの市場別売上構成比率の推移は下記の通りであります。IT(情報技術)分野関連の電子部品向けの売上構成比率については、昨今のITの発達に伴い上昇傾向にあり、2019年3月期決算においてセラミックス事業で56.0%、エンジニアリング事業で30.5%と高くなっております。したがいまして、電子部品業界の景気動向が悪化した場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) セラミックコンデンサー製造方法の変更について

セラミックスコンデンサー(MLCC)製造工程の中で、原料の粉砕用としてジルコニアの微小球が使用されておりますが、粉砕工程でジルコニア微小球に代わる粉砕方法が考案され実施された場合には、ジルコニア微小球は使用されなくなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります

 

(4) 特定仕入先への依存度が高いことについて

当社は、セラミックス事業において原料仕入金額のうち63.5%を東ソー株式会社から仕入れております。これは、原料仕入金額のうち原料単価の高いジルコニアが64.7%を占めますが、ジルコニア仕入の98.2%を同社から仕入れているためであります。

仕入依存度が高い要因としては、同社の原料の安定性が優れていることや主力製品でありますYTZボールの欧米向けの販売については全面的に同社に依頼をしていること等があげられます。同社とは良好な取引関係が継続しておりますが、何らかの理由により同社から原材料仕入ができなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) ジルコニアより高品質で安い原料の出現について

現在はジルコニアが耐摩耗セラミックスとして、原料の粉砕・分散用に最も高い評価を得ておりますが、ジルコニアに代わる高品質で安い原料が出現し、かつ当社にその原料が入手できない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) ジルコニア原料の値上げリスクについて

現状ジルコニアの仕入価格は、概ね安定的に推移しておりますが、将来ジルコニア製品需要の拡大や原料供給量の減少により仕入価格が大幅に値上がりした場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済は、堅調な企業業績や雇用・所得情勢改善などにより、景気は緩やかではありますが拡大傾向にありました。しかしながら米中の貿易摩擦への懸念に伴い輸出が伸び悩み、設備投資も鈍く、外需が減速し企業業績に影響が見られました。かかる状況下ではありますが内需が堅調に推移していることもあり、先行き依然不透明な状況ではありますが、総じて業績堅調に推移しました。

このような状況のもとで、当社は事業全体で前年同期比9.9%増の10,682,834千円と初めて売上高100億円を超える記録となり当初予想も上回ることができました。営業利益につきましては前年同期比12.6%増の1,161,795千円、経常利益につきましては前年同期比14.3%増の1,228,320千円、当期純利益につきましては、かねてより偶発債務として記載しておりましたSNT-07ボールの開発当初の不具合に伴う製品補償引当金の見積額が76,970千円となりましたので、大変不本意ながら次年度以降の決算に影響を及ぼさないためにも特別損失として一括計上させていただきましたが、当初予想の760,000千円を上回り、前年同期比5.3%増の791,491千円となりました。

また、当社目標数値としているROE(自己資本当期純利益率)8%以上、EPS(1株当たり当期純利益)50円以上で、当事業年度の実績はROE7.4%(前年同期7.4%)、EPS66円31銭(前年同期63円00銭)となり、EPSにつきましては2期連続50円を上回る結果となりました。今後も資本の効率的な運用及び利益率改善等に取組み、更なる目標数値を目指していくものであります。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

セラミックス事業

年間を通じてセラミックス事業が電子部品業界向けYTZボールを中心に好調に推移しました結果、売上高は前年同期比8.8%増の8,061,784千円となりました。また、営業利益につきましては生産効率改善などに取組み一部改善傾向にあるものの大きく粗利率改善に寄与するまでにはいたらず前年同期比13.4%増の1,174,654千円となりました。

なお、市場別による分類では、電子部品向けが56.0%と相変わらず過半を占め、化学・窯業・鉄鋼向け14.9%、機械・ベアリング向け8.0%となりました。

エンジニアリング事業

エンジニアリング事業におきましてもセラミックス事業同様に安定した受注により前年同期比13.6%増の売上高2,621,049千円となりました。しかしながら営業利益につきましては12,858千円の損失(前年同期は4,478千円の損失)と厳しい状況となりました。

これは昨今の厳しい競争環境における利ざやが低下したこと及び受注の小口先が増えたことによる経費増等に伴うものであります。かかる状況下エンジニアリング事業の組織体制を見直し、一層の効率化及び事業の見直しを実施してまいります。

市場別の分類では、例年大きな割合を占める電子部品向けが30.5%でトップになりましたが大幅に比率をおとし、環境・エネルギー向け23.0%、自動車・重機向け14.8%、半導体向け13.7%、化学・窯業・鉄鋼向けが6.9%と続きました。

 

 

財政状態の状況の概要は次の通りであります。

 当事業年度末の財政状態については、総資産が前期末比3.0%増の15,080,961千円となりました。内訳としては流動資産が前期末比5.0%増の9,135,719千円となり、主に棚卸資産が22.5%増の2,625,438千円、売掛債権が3.5%増の3,749,013千円であり、これらの増加要因はセラミックス事業における売上増加に伴うものであります。また、固定資産が前期末比0.1%増の5,945,241千円となり、主に機械及び装置が22.7%増の1,329,210千円であり、これは生産効率改善等を見据えた機械設備の新規及び更新によるものであります。また、投資有価証券が前期末比13.3%減の1,920,999千円となり、これは投資有価証券の評価額見直し及び政策保有株式の保有目的に合わない銘柄の一部売却によるものであります。

一方負債は、前期末比3.0%増の4,192,025千円となりました。内訳としては流動負債が前期末比5.4%増の3,824,618千円となり、主に買入債務が15.3%増の2,364,222千円であり、主な増加要因としては機械設備の新規及び更新に伴うものであります。また、固定負債は前期末比16.8%減の367,406千円となり、主に長期借入金が前期末比88.6%減の6,500千円と減少したことによるものであります。

また、純資産が前期末比3.0%増の10,888,936千円となりました。内訳としては株主資本が前期末比5.2%増の10,456,484千円となり、主に利益剰余金が前期末比6.9%増の7,997,612千円であり、これは当事業年度の内部留保の蓄積による繰越利益剰余金の増加によるものであります。また、評価・換算差額金等が前期末比31.3%減の432,451千円となり、これは投資有価証券株価下落によりその他有価証券評価差額金が前期末比31.3%減の432,451千円に減少したことによるものであります。尚、当事業年度の自己資本比率は前期末比同水準の72.2%となりました。
 

②キャッシュ・フローの状況

 

 

前事業年度
(千円)

当事業年度
(千円)

前年同期比増減額
(千円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

959,195

738,202

△220,993

投資活動によるキャッシュ・フロー

△775,269

△501,175

274,094

財務活動によるキャッシュ・フロー

△273,286

△392,473

△119,187

現金及び現金同等物期末残高

2,782,684

2,627,237

△155,446

借入金期末残高

574,548

457,196

△117,352

 

当事業年度末における現金及び現金同等物は2,627,237千円と前年同期に比べ155,446千円(5.6%)の減少となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、セラミックス事業の好調に支えられ税引前当期純利益1,116,004千円と前年同期比44,317千円(4.1%)増加しました。一方生産効率改善等による棚卸資産の回転率改善に取組みましたが、売上増に伴う生産増加によりその回転率改善には寄与せず棚卸資産の増加額△481,790千円と前年同期比153,574千円(46.8%)支出が増加いたしました。その結果営業活動によるキャッシュ・フローは738,202千円と前年同期比220,993千円(23.0%)収入が減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、生産性の改善及び生産能力増加等々、設備の新規導入や更新に積極的に取組んでおりますが土地の取得が減少したことで、有形固定資産の取得による支出は△625,633千円と前年同期比239,718千円(27.7%)減少となりました。この結果投資活動によるキャッシュ・フローは△501,175千円となり前年同期比274,094千円(35.4%)支出が減少しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入がなくなり前年同期比100,000千円(100.0%)収入が減少しました。この結果財務活動によるキャッシュ・フローは△392,473千円と前年同期比119,187千円(43.6%)支出が増加いたしました。
 

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

セラミックス事業

8,087,883

10.4%

 

(注) 1 金額は売価換算値で示してあります。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

b. 仕入実績

当事業年度における製品・商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

セラミックス事業

212,966

△6.1%

エンジニアリング事業

2,254,055

14.2%

合計

2,467,022

12.1%

 

(注) 1 金額は仕入価格で示してあります。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

c. 受注状況

当事業年度における受注状況をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

セラミックス事業

8,375,304

6.2%

2,534,079

14.1%

エンジニアリング事業

2,627,257

1.5%

521,273

1.2%

合計

11,002,562

5.1%

3,055,353

11.7%

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

セラミックス事業

8,061,784

8.8%

エンジニアリング事業

2,621,049

13.6%

合計

10,682,834

9.9%

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付引当金(又は前払年金費用)、役員退職慰労引当金及び製品補償引当金や繰延税金資産であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

売上高は下記の如く、10,682,834千円となりました。

 

2019年3月期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(千円)

構成比
(%)

前期比(%)

セラミックス事業

 

 

 

 機能性セラミックス

473,013

4.4

18.5

 耐摩耗セラミックス

5,216,581

48.9

8.0

 耐熱セラミックス

2,157,550

20.2

9.7

 理化学用陶磁器その他

214,639

2.0

0.5

小計

8,061,784

75.5

8.8

エンジニアリング事業

 

 

 

 加熱装置

807,934

7.5

15.5

 計測機器その他

1,813,115

17.0

12.7

小計

2,621,049

24.5

13.6

合計

10,682,834

100.0

9.9

 

 

b.売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価率が前年同期より0.5ポイント増加し、75.7%となりました。これは、主力のセラミックス事業で売上高が前年同期比8.8%増加したものの、製造原価で人件費や減価償却費が増加したことにより売上原価率が前年同期比0.2ポイント増加し、またエンジニアリング事業でも売上高が前年同期比13.6%増加しましたが、厳しい競争環境におかれたことにより売上原価率が0.9ポイント増加したことによります。

販売費及び一般管理費は、製品売上増加による販売費の増加、また業績回復により賞与等の人件費が増加しました結果、前年同期比4.0%増加し1,435,117千円となりました。また、売上高販売管理費率は販売管理費は増加したものの売上高が全社で前年同期比9.9%増加したことにより、前年同期比0.8ポイント減少の13.4%となりました。

 

c.営業外収益、営業外費用

営業外収益は、77,508千円となりました。
 営業外収益は、前年同期比3.2%増加しました。主な内容としては受取配当金53,391千円であります。

営業外費用は、10,983千円となりました。

営業外費用は、65.4%減少しました。主な内容としては支払利息4,707千円であり、昨年度はお別れの会関連費用として19,348千円計上しましたため大幅に減少しております。

 

 

d.特別利益、特別損失

特別損失は、112,315千円となりました。
 特別損失は、前年同期比大幅に増加しました。主な内容はとしては開発当初段階に製造しましたSNT-07ボールの一部に発生している品質上の不具合に対し回収を行うこととなり、今後発生が予想される費用の見積額を製品補償引当金繰入額として76,970千円計上しております。

 

③ 財政状態の分析

a.資産

資産は前期末比3.0%増の15,080,961千円となりました。内訳としては流動資産が前期末比5.0%増の9,135,719千円となり、主に棚卸資産が22.5%増の2,625,438千円、売掛債権が3.5%増の3,749,013千円であり、これらの増加要因はセラミックス事業における売上増加に伴うものであります。また、固定資産が前期末比0.1%増の5,945,241千円となり、主に機械及び装置が22.7%増の1,329,210千円であり、これは生産効率改善等を見据えた機械設備の新規及び更新によるものであります。また、投資有価証券が前期末比13.3%減の1,920,999千円となり、これは投資有価証券の評価額見直し及び政策保有株式の保有目的に合わない銘柄の一部売却によるものであります

 

b.負債

負債につきましては前期末比3.0%増の4,192,025千円となりました。内訳としては流動負債が前期末比5.4%増の3,824,618千円となり、主に営業外電子記録債務が355,963千円増加したためであり、主な増加要因としては機械設備の新規及び更新に伴うものであります。また、固定負債は前期末比16.8%減の367,406千円となり、製品補償引当金の計上が76,970千円あったものの繰延税金負債が131,468千円、長期借入金が50,696千円減少したことによるものであります。

 

c.純資産

純資産は前期末比3.0%増の10,888,936千円となりました。内訳としては株主資本が前期末比5.2%増の10,456,484千円となり、主に利益剰余金が前期末比6.9%増の7,997,612千円であり、これは当事業年度の内部留保の蓄積による繰越利益剰余金の増加によるものであります。また、評価・換算差額金等が前期末比31.3%減の432,451千円となり、これは投資有価証券株価下落によりその他有価証券評価差額金が前期末比31.3%減の432,451千円に減少したことによるものであります。尚、当事業年度の自己資本比率は前期末比同水準の72.2%となりました。

 

④ キャッシュ・フローの分析

当事業年度のキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性について

当社の主要な資金需要は、主に製品製造のための原材料並びに生産設備の新設・改修等生産体制の構築及び新製品の開発などへの投資であり、これらの資金は営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借り入れによる資金調達にて対応していくこととしております。なお、運転資金の効率的な調達のため取引金融機関との間に500,000千円のコミットメント契約(実行残高400,000千円)を締結しております。

 

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

今後の見通しといたしましては、国内での2020年オリンピック開催や2025年大阪万博等による訪日客の増加見込等々明るい材料もあるものの、米中の通商問題、それに伴う景気減速、輸出減等々、不安定要素も多く予断を許しませんが、各企業の設備投資は足元弱含みであるものの、設備投資マインドは堅調で底堅いと考えております。

このような状況のもと、当社は多種多様に増大する客先のニーズにお応えすべく、増産体制の確立と将来の主力製商品の開発を図るため、「新3ヶ年中期経営計画」におきまして、大幅な設備増強と人的資源に対する投資及び人材育成、さらには今まで以上の合理化を推し進めてまいります。しかしながら、2020年3月期の業績につきましては、売上高101億円、営業利益9億5千万円、経常利益9億8千万円、当期純利益6億8千万円の減収減益を予想しております。これは米中の通商問題に伴う市場環境が芳しくなく、上述の通り全体的な設備投資マインドは堅調で底堅いものの、2020年3月期においては、電子部品業界をはじめ全体的に受注状況が弱含みであり、かつそれに伴い生産見込みも2019年3月期同程度かそれを下回る状況と推測されるため、誠に不本意ながら業績見込みを減収減益とさせていただきました。また、当社は上述の通り今後を見据えた、生産効率改善及び更なる生産性向上に取組んでおり、生産設備の新規導入及び更新に積極的に投資いたします。この投資に伴う減価償却費増等により製造原価率が上がり、結果、営業利益等の2019年3期比減少要因となっております。引き続き持続的成長及び中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

(セラミックス事業)

 

セラミックスは様々な優れた特徴を備えており、多くの分野で使われ、様々な産業を支えています。当社製品が使われる主要市場は先端材料である電子部品や電池関連に使われるセラミックス製品であり、これらは自動車の電動化や先進運転システムの普及、次世代通信規格の実用化、IoTの普及に向け、更なる成長が期待されます。当社としましては、これらの先端材料の製造で使用されるセラミックス製品を今まで以上に拡販して行くことが、今後のセラミックス事業の発展には必要不可欠と考えております。

これらの先端材料には常に進歩とコストダウンが求められており、その製造環境は益々過酷なものとなります。従って、その製造に使用される当社セラミックス製品には優れた特性と信頼性、高いコストパフォーマンスが求められています。

当社ではユーザーニーズにマッチした製品を提供すべく、新材料や次世代技術の開発と併せて、既存製品につきましても従来のセラミックスの製造技術に捉われることなく、他分野の技術も取り入れた新しい発想で、製品品質の向上と安定化及びコストダウンに繋げるべく、製造プロセスの開発・改良に日々励んでおります。

当事業年度における研究開発費は212,846千円であります。

 

(エンジニアリング事業)

該当事項はありません。