文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業以来一貫して、人類共通の財産である地下資源の有効活用に取り組んでまいりました。地下資源のもつ秘められた可能性にますます大きな期待がかけられている現在、当社グループは、長年培ってまいりました「品質と技術」をさらに研鑽し、多様化するニーズにグループ各社が一丸となって、積極果敢に挑戦して、企業価値の一層の向上を図り、社会に貢献していくことを経営の基本としております。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業以来70年以上にわたり蓄積した知見と技術を活かし、更なる高付加価値商品の開発・販売と省人化を主眼に置き、ベントナイト本来の性能を最大限に活かした付加価値製品の開発と高収益化の事業構造を構築するため、2018年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画を策定しております。
具体的な戦略としては、次のとおりであります。
①海外市場の展開・拡大
・差別化製品、オンリーワン製品を軸とした海外市場での販路開拓
・高品質原鉱の安定調達に向けた取り組みの強化
②国内基盤事業の拡充
・国内インフラ整備事業、復興・環境整備関連事業等の取り込み推進
・ITを活用した生産性向上による省人・省力化の実現
・鉱量の確保、新鉱区開発を見据えた探査と技術開発への注力
③資源の利用高度化-資源とシステムを科学し、顧客の創造を図る-
・既存技術を応用した新製品開発・新市場への参入
・新用途開発に向けた産学官連携による研究
(3)当社グループの現状の認識について
今期の当社グループは、国内景気の緩やかな回復基調が続いたことを背景に、ベントナイト事業部門につきましては、鋳物関係において乗用車をはじめとする自動車国内生産台数が低調に推移、土木建築関係において復興需要関連の受注が大幅に増加しました。アグリ事業部門につきましては、殺虫・殺菌剤が低調に推移しました。化成品事業部門につきましては、高付加価値製品である精製ベントナイト「クニピア」の受注が増加いたしました。
(4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の我が国経済は、雇用・所得環境の改善が見られるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が国内外に大きく影響していることから、一段と低迷することが懸念されます。さらに、通商問題を巡る海外経済の動向や、金融資本市場の変動等により、景気の先行きは予断を許さない状況となっており、経営環境は今まで以上に厳しい状況で推移するものと予想されます。
このような見通しのもと、当社グループといたしましては、中期経営計画の達成を図るべく、高付加価値品の開発と高収益事業構造の構築に努めてまいります。さらに、投資計画の見直しを行うことにより既存事業の収益の確保を図るとともに、成長戦略の一環である研究開発に注力することで、売上高および利益の確保にグループ一丸となって取り組んでまいります。
各事業部門の経営環境及び事業上の課題については、下記の通りであります。
ベントナイト事業部門につきましては、鋳物関連においてEV・FCVやカーシェアリング等、事業構造の変化による影響で国内生産台数減少が懸念され、土木建築関係においても市場での厳しい競争にさらされており、収益の悪化が懸念されます。
アグリ事業部門につきましては、農薬業界内の企業再編やジェネリック農薬の普及拡大等、大きな変革の時期を迎えております。
化成品事業部門につきましては、これまで成長を続けてきました既存の販売分野において、今後の成長が見込みづらいことが課題となっております。
(5)対処方針
新型コロナ感染症の感染拡大による今後の影響を見据え、設備投資に関しては見直しにより絞り込みを図ることにより手元資金を厚くする一方、研究開発・人材教育に注力することで、既存事業の収益性確保、および新分野の開拓を促進してまいります。
生産関連につきましては、省人・省力化投資を推進してまいります。また、引き続き輸入原鉱価格の為替相場変動によるリスクをヘッジする対策を講じてまいります。
ベントナイト事業部門につきましては、鋳物関係において引き続き東南アジア地域を中心とした海外市場への販売拡大を図ってまいります。また、土木建築関係において国内インフラ整備事業、復興・環境整備関連事業等の取り込みを推進しつつ、収益性の確保にも努めてまいります。
アグリ事業部門につきましては、これまで培ってきた製剤技術力、特に造粒技術の高度化にさらに磨きをかけるとともに、設備投資を行うことで省人・省力化によるコストダウンとの両立の実現を図ってまいります。
化成品事業部門につきましては、海外市場や新市場への拡販のために、高機能用途開発に向けた研究に注力してまいります。
(6)具体的な取組状況等
生産関連につきましては、継続した省人・省力化投資を推し進めることによって生産体制を強化し、人手不足の問題解消や生産性向上を実現するとともに、事業機会を確実に捉えるため努めてまいります。また、ベントナイト資源確保の観点から、鉱量の確保や新鉱区開発のための積極投資も行ってまいります。輸入原鉱価格の急激な為替変動によるリスクへの対策としては、為替予約でヘッジを行っております。
ベントナイト事業部門につきましては、鋳物関係においてKUNIMINE (THAILAND) CO., LTD.を通じて東南アジアへ進出する日系企業との連携を強め、海外ユーザーへ対応していくとともに、国内においても継続したシェア拡大に向けて、有益な商品と技術サービスの充実を図ることにより、顧客満足度の向上に努めております。
土木建築関係においては復興・環境整備関連事業等の需要の取り込みを推進しております。さらに、地熱発電事業等に対しても引き続き積極的な営業活動を展開しております。
アグリ事業部門につきましては、継続してITを活用した省人・省力化を行うことにより、人手不足の解消や生産性向上に繋げ、顧客満足度も高めてまいります。
化成品事業部門につきましては、2019年3月期にいわき工場において精製ベントナイト「クニピア」の生産設備を増強しました。今後も海外市場や新市場への一層の拡大を図るとともに、先端機能材料分野等での新用途開発に向けた研究を産学官連携で継続してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)事業固有のリスクについて
① ベントナイト事業
鋳物用ベントナイトの主納入先は自動車メーカーでありますが、自動車業界は、米中貿易交渉の行方や景気動向によっては、ベントナイトの販売の減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
土木用ベントナイトにつきましては、基礎杭工事および地熱、温泉ボーリング等向けが主納入先でありますが、掘削に関して、新技術の開発や新工法の出現により、ベントナイトの使用が減少し、販売の減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② アグリ事業
アグリ事業につきましては、農薬等の受託生産が中心であるため、委託元の販売不振や委託方針の変化等および天候等により、受注の減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、少量多品種化、環境基準や品質基準が厳しくなることにより収益性が悪化する恐れがあります。
③ 化成品事業
化成品事業のうち環境関係につきましては、主に自治体を納入先とする入札案件を多く抱えており、他社との競合による販売価格の低下や入札が不調に終わるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。ファインケミカル関係につきましては、環境規制強化にともなう市場ニーズの変化や、代替技術・素材の出現が、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う当社グループ及び各事業へのリスクについて
当社グループでは新型コロナウイルス感染症による影響が3年程度は続くとみており、設備投資計画の見直しや、webを活用した業務スタイルへの転換を図り経費削減を図ることで、財務基盤の安定・強化を図ってまいります。また、各事業への影響とその対応策につきましては、下記の通りとなります。
① ベントナイト事業
鋳物分野につきましては自動車向け需要減に伴い、売上が減少する見通しであります。設備投資の見直しや原料再編による製造経費圧縮および鋳物周辺の新規商材等による事業展開を加速してまいります。
土木分野につきましては、現状では工事停止等の影響は限定的であり、復興関連需要への影響も無いものと考えておりますが、鋳物分野同様に原料の再編による製造経費圧縮や工事遅延や緊急対応に備え、安定供給体制の確保を進めてまいります。
② アグリ事業
農薬は例年並みの需要の見通しであり、受託製造への影響もないものと考えておりますが、サプライチェーンへの影響が懸念されます。引き続き生産性向上および製剤技術向上を推進してまいります。
③ 化成品事業
セラミック向け等各分野の需要減に伴い、ファインケミカル分野での売上が減少する見通しであります。引き続き新分野・新商品開発を推進してまいります。
(3)他社との競合と販売価格の変動について
当社グループの主要事業であるベントナイト事業、アグリ事業および化成品事業は、いずれも市場での厳しい競争にさらされております。そのため、新技術や新製品の開発、あるいは、競合他社との価格低減競争等により、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)貸倒れについて
当社グループは、十分な与信管理を行っておりますが、取引先に予期せぬ貸倒れが発生した場合は、追加的な損失や引当金の計上が必要となり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替相場の変動について
当社グループは、原料の一部を海外から輸入しております。そのため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約等で対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響を完全に排除することは不可能であり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)原料の確保について
当社グループには、鉱山会社が3社あり、原鉱採掘を行っております。毎年、探鉱ボーリングを実施して原鉱埋蔵量の確保は行っておりますが、災害や事故等の発生により、採掘が不可能になる危惧や、品質の低下および原鉱の枯渇等が発生する危惧があります。また、一部海外より原鉱を輸入しておりますが、原鉱の輸入につきましても、災害や事故等の発生により、輸入が困難となる危惧があります。こうした状況の発生が経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)エネルギー価格の変動について
当社グループでは、主に製造工程において重油や電力等のエネルギーを使用しております。これらのエネルギー価格の変動により、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料の仕入価格について
当社グループでは、原鉱の輸入の他様々な原材料を外部より購入しております。これらの原材料は、為替相場の変動や原油価格の変動、その他の要因等によって仕入価格が上昇するおそれがあり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品の品質に係るものについて
当社グループでは、徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、すべての製品が完全無欠という保証はありません。また、製造物賠償責任保険等に加入しておりますが、これらの保険が賠償額の全額を賄える保証もありません。そのため、製品の欠陥が、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害等による影響について
当社グループは、鉱山および工場において安全対策等を十分に実施しておりますが、大規模な地震や近隣の火山の噴火、火災、事故等が発生した場合は、生産、出荷等が著しく低下するおそれがあり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)法的規制について
当社グループの行う事業に適用される主な法的規制として、鉱山でのベントナイト原鉱石採掘に関連する採石法、アグリ事業での製品製造に関連する農薬取締法等があります。これらの関係法令は社会情勢の変化等に応じて適宜、改正や解釈の変更等が行われる可能性があります。その場合には経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。主な法的規制に関する許認可の内容は以下のとおりです。
① 採石法関連
当社グループは、採石法第32条に定める採石業者登録および採石法第33条で定める採取計画の許認可を以下のとおり受けております。なお、現状これら許認可等について、その継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、万一、採石法第32条の10および第33条の11、12の規定やその他の関連法令に抵触する等により、業務停止又は取消し等の処分を受けることとなった場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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取得年月 |
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
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1971年10月 |
採石業者登録 |
宮城県 |
採石法第32条による宮城県採石登録第69号 川崎鉱業㈱ |
なし |
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1971年10月 |
採石業者登録 |
新潟県 |
採石法第32条による新潟県採石登録第9号 関ベン鉱業㈱ |
なし |
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1995年1月 |
採石業者登録 |
山形県 |
採石法第32条による山形県採石登録第601号 クニマイン㈱ |
なし |
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2000年4月 |
採石業者登録 |
宮城県 |
採石法第32条による宮城県採石登録第5000号 当社蔵王工場 |
なし |
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2020年3月 |
岩石採取計画認可 |
宮城県 |
採石法第33条による宮城県(産立)指令第119号 当社蔵王工場 |
2025年2月 |
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2017年8月 |
岩石採取計画認可 |
宮城県 |
採石法第33条による宮城県(産立)指令第38号 川崎鉱業㈱ |
2022年7月 |
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2016年9月 |
岩石採取計画認可 |
山形県 |
採石法第33条による山形県指令村総産企第12号 クニマイン㈱ |
2021年8月 |
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2015年12月 |
岩石採取計画認可 |
新潟県 |
採石法第33条による新潟県津振第180号 関ベン鉱業㈱ 細越鉱山 |
2020年12月 |
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2019年11月 |
岩石採取計画認可 |
新潟県 |
採石法第33条による新潟県津振第369号 関ベン鉱業㈱ 白崎鉱山 |
2024年10月 |
② 農薬取締法関連
当社グループは、農薬取締法第2条に定める農薬登録につきまして、当社小名浜工場、郡山工場および太田工場において、製造品目ごとに農薬登録票の許認可を受け、製造場の名称および所在地登録を行っております。なお、現状これら登録について、その継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、万一、農薬取締法第14条の規定やその他の関連法令に抵触する等により、業務停止又は取消し等の処分を受けることとなった場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、鉱工業生産は海外経済の減速に伴う輸出の低迷などから弱い動きが続いております。個人消費は、消費税率引き上げの影響で大幅に減少した後、緩やかに持ち直しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響などから落ち込んでおります。設備投資についても堅調に推移しておりましたが、企業収益の悪化を受けて、年度後半は弱い動きとなり、全体として景気は年度末にかけて急速に悪化しております。
このような状況下、当社グループにおきましては、主要納入先のうち、鋳物業界は、自動車の国内生産台数は下期より減少傾向が見られ、特に建機等が輸出向け等で減少が続いております。また土木建築業界も新設住宅着工戸数で減少が見られる等、全体として厳しい状況で推移いたしました。
このような背景のもと、当社グループは、これまでの海外展開への取り組みや復興・環境整備関連事業等の需要を積極的に取り込むことにより、売上高および収益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は140億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億58百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が1億17百万円、原材料及び貯蔵品が2億92百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は78億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億77百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が1億62百万円減少、投資その他の資産が投資有価証券の売却等により2億39百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、219億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億80百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億30百万円増加いたしました。これは主に買掛金が4億99百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は9億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ6百万円減少いたしました。これは主に閉山費用引当金が15百万円増加したものの、リース債務が7百万円、繰延税金負債が11百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、34億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億23百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は184億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億43百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益16億48百万円および剰余金の配当4億33百万円及び自己株式の取得13億74百万円によるもの等であります。
この結果、自己資本比率は82.6%(前連結会計年度末は85.1%)となりました。
b.経営成績
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は154億40百万円(前年同期比 7.2%増)、営業利益は19億31百万円(同 11.0%増)となりました。経常利益は前年同期にあった有価証券売却損が当連結会計年度は無いこと等により20億94百万円(同 14.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益が1億74百万円発生したこと等により16億48百万円(同 17.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ベントナイト事業部門)
鋳物関係は、自動車国内生産台数が下期にかけて減少傾向が見られ、当社においては建機関係の売上が輸出向け等を中心に減少していること等により、減収となりました。土木建築関係は、引き続き復興関連の需要を取込んだこと等により、大幅に増収となりました。ペット関係は、前期に取込んだ新規案件が堅調に推移しており、ほぼ横這いとなりました。
この結果、当セグメントの売上高は110億9百万円(前年同期比 7.7%増)、セグメント利益は16億67百万円(同 10.6%増)となりました。
(アグリ事業部門)
主たる農薬分野において、殺虫・殺菌剤の需要に落ち込みがあったものの、水稲用除草剤が堅調に推移したため、全体としては増収増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は29億54百万円(同 3.2%増)、セグメント利益は7億17百万円(同 6.3%増)となりました。
(化成品事業部門)
ファインケミカル分野において、化粧品・樹脂・塗料向けは減収となったものの、一般工業用途としての輸出向けの需要が回復傾向にあることや、環境保全処理剤等も堅調に推移したことにより、全体として増収となりました。しかしながら、前期に新設したクニピア第2工場にかかる減価償却費の増加等により減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は14億75百万円(同 12.1%増)、セグメント利益は69百万円(同 31.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ27百万円増加し、63億20百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、27億50百万円(前年同期比 45.7%増)となりました。これは主に、法人税等の支払額5億10百万円があったものの、増加要因として税金等調整前当期純利益22億48百万円、減価償却費9億18百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、8億72百万円(同 54.5%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が9億65百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、18億31百万円(同 226.5%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出13億77百万円、配当金の支払額4億33百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ベントナイト事業 |
8,601,897 |
103.4 |
|
アグリ事業 |
2,559,087 |
103.1 |
|
化成品事業 |
1,444,444 |
118.9 |
|
合計 |
12,605,429 |
104.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ベントナイト事業 |
1,471,063 |
134.0 |
|
アグリ事業 |
14,845 |
103.2 |
|
化成品事業 |
154,067 |
107.9 |
|
合計 |
1,639,977 |
130.7 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度におけるベントナイト事業の一部およびアグリ事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ベントナイト事業 |
21,015 |
79.0 |
17,300 |
91.0 |
|
アグリ事業 |
2,611,904 |
105.3 |
198,873 |
114.9 |
(注)1.ベントナイト事業の一部およびアグリ事業以外は、見込み生産を行っております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ベントナイト事業 |
11,009,675 |
107.7 |
|
アグリ事業 |
2,954,473 |
103.2 |
|
化成品事業 |
1,475,980 |
112.1 |
|
合計 |
15,440,129 |
107.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が 100分の10を超える相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について (1)」、重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積もりを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映されることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(閉山費用引当金)
当社グループは、ベントナイト鉱山の閉山に係る費用の支出に備えるため、閉山費用引当金を計上しております。閉山費用見込額については、公共工事労務単価、環境緑化資材単価、燃料単価等を元に算出を行っております。閉山費用引当金に関する決定は、見積もりに関する不可避的な不確実性を伴い、複雑であるほか、特に使用する単価は、将来の市況や物価変動などの要素に応じて変化するリスクが高く、当該引当金が適切に計上されない可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高の概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しておりますので、ご参照いただきますようお願い致します。
(営業利益の状況)
売上原価につきましては、103億87百万円と前連結会計年度に比べ6億19百万円の増加(前年同期比 6.3%増)となり、売上原価率は前連結会計年度の67.8%から当連結会計年度は67.3%と0.5%減少いたしました。これは主に売上原価率の低い化成品の売上が増加したこと等によるものであります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上高の増加に伴い発送運賃が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ2億21百万円の増加(同 7.7%増)の31億20百万円となりました。
以上の結果、営業利益は19億31百万円となり、前連結会計年度に比べ1億91百万円の増加(同 11.0%増)となりました。
(経常利益の状況)
営業外収益につきましては、米国子会社における出資先からの配当収入の減少等により受取配当金が前連結会計年度に比べ12百万円減少の1億34百万円となったことや、前連結会計年度にあった為替差益4百万円が当連結会計年度は1百万円の為替差損へ転じたこと等により、前連結会計年度に比べ22百万円減少の1億76百万円となりました。営業外費用につきましては、前連結会計年度にあった有価証券売却損85百万円が当連結会計年度は無いこと等により、97百万円減少の13百万円となりました。
以上の結果、経常利益は20億94百万円となり、前連結会計年度に比べ2億66百万円の増加(同 14.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益の状況)
特別利益につきましては、投資有価証券売却益を1億74百万円計上いたしました。特別損失につきましては、固定資産除却損を27百万円計上いたしました。
また、法人税等合計につきましては、法人税、住民税及び事業税が1億41百万円増加、法人税等調整額が58百万円増加したこと等により前連結会計年度に比べ2億円増加の5億55百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は16億48百万円となり、前連結会計年度に比べ2億45百万円の増加(同 17.5%増)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますので、ご参照いただきますようお願い致します。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照いただきますようお願い致します。
b.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または必要に応じ借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、当連結会計年度末において、取引金融機関3社との間で合計1,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高1,000百万円)。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の経営環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループをとりまく経営環境は今後も厳しい状況が続くものと考えられます。このような状況下で、当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略」にも記載しましたとおり、戦略的課題に重点的に取り組むことで、他社との差別化を図って、高収益化構造を実現することを最優先課題として考えております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発活動は、将来を見据えた新商品の開発を主眼に産学連携・企業連携による異分野とのコラボレーションを主体とした技術協力及び材料開発に取り組みました。
ベントナイト事業では、鋳物、土木・建築基礎、産業廃棄物及び放射性廃棄物地層処分分野に対する商品の安定供給と市場ニーズに適合させた機能性の高い製品の提案を図るため、技術開発を行いました。また、長年培った既存技術を応用し、産学官連携による共同研究を推進して生産動物医療分野への参入へ向けた取り組みを行いました。
化成品事業では、粘土膜の市場浸透が進んだことにより、多くの川下企業にてバリア性付与のニーズが喚起され、連携による材料開発・課題解決に向けた取り組みを行いました。また、合成・精製粘土、親油化粘土の新規用途開発に取り組み、先々の需要拡大への対応として生産効率向上に向けた製法開発及び設備設計も並行して行いました。
止水材分野では、独自技術による高機能性商品の開発やコストダウンのための原材料及び配合検討を行いました。
造粒技術分野では、主にコーティング技術の高度化と事業基盤の強化に向けた取り組みを行いました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
当社グループの研究開発活動は、ベントナイト事業のみならず、すべての事業に関連する研究が多いため、研究開発費をセグメントに区分して記載しておりません。