第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策や金融緩和を背景に、企業収益や雇用情勢は緩やかな回復基調にありました。しかしながら、株価や為替の大幅な変動に加え、資源価格の急落、新興国の成長鈍化等の影響により景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

当社グループが属する不動産業界では、低金利などを背景に個人の住宅取得意欲は底堅く感じられ、企業の設備投資も緩やかな回復傾向が継続いたしました。このような環境下にあって、当社グループの不動産事業分野では、補助金や節税を企画提案した企業誘致活動を推進し、快適な居住空間に重点を置いた分譲マンションや分譲宅地を積極的に販売しつつ、将来にわたって持続可能な企業であるために中長期的な開発物件である販売用不動産を精力的に取得してまいりました。

 また、建設土木業界に属する環境事業分野では、低迷する公共事業の影響で需要が減少する土木部材は、非常に厳しい事業環境となりましたが、今後も需要の拡大が見込める建築部材は、営業エリアを拡大し受注活動を強化してまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は191億22百万円前連結会計年度比9.2%減)、営業利益は20億78百万円前連結会計年度比24.6%減)、経常利益は21億25百万円前連結会計年度比23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億87百万円前連結会計年度比1.8%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分変更を行っており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

①レジデンス事業

レジデンス事業におきましては、平成28年3月期完成の分譲マンション2棟や在庫分譲マンションの引渡しが行われましたが減収減益となりました。

この結果、売上高は57億14百万円前連結会計年度比31.0%減)、セグメント利益(営業利益)は8億71百万円前連結会計年度比44.9%減)となりました。

②不動産開発事業

不動産開発事業におきましては、県内外の宅地分譲用地や県内賃貸収益物件及び商工業施設用地などの引渡しが順調に行われ増収増益となりました。

この結果、売上高は71億28百万円前連結会計年度比16.3%増)、セグメント利益(営業利益)は14億69百万円前連結会計年度比7.8%増)となりました。

③賃貸・管理等事業

賃貸・管理等事業におきましては、新規賃貸収益物件の取得やマンション管理委託物件の増加などにより増収増益となりました。

この結果、売上高は23億24百万円前連結会計年度比14.6%増)、セグメント利益(営業利益)は4億80百万円前連結会計年度比48.8%増)となりました。

 

④インフラ事業(マテリアル事業)

インフラ事業におきましては、高付加価値製品の土木部材の販売に特化し、それに伴い一般土木部材の販売を縮小するとともに、建築部材の供給体制を強化するため、インフラ事業部の再構築などを行ったことにより費用がかさみ、減収減益となりました。

この結果、売上高は37億67百万円前連結会計年度比13.9%減)、セグメント損失(営業損失)は3億22百万円前連結会計年度は1億29百万円セグメント損失)となりました。

⑤その他

その他事業におきましては、衣料品販売の減少により減収減益となりました。

この結果、売上高は1億86百万円前連結会計年度比24.7%減)、セグメント利益(営業利益)は48百万円前連結会計年度比23.8%減)となりました。

なお、記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10億6百万円前連結会計年度比19億57百万円の減少)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益(26億52百万円)、損害賠償金の受取額(5億27百万円)、減価償却費(3億5百万円)、未収入金の減少(2億31百万円)などによる資金調達に対し、たな卸資産の増加(△65億90百万円)、仕入債務の減少(△24億1百万円)、法人税等の支払額(△10億66百万円)、未払金の減少(△5億5百万円)などにより支出した結果、営業活動により支出した資金は72億75百万円(前連結会計年度は33億81百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有価証券の償還による収入(2億1百万円)などによる資金調達に対し、固定資産の取得(△2億32百万円)などにより支出した結果、投資活動により支出した資金は43百万円前連結会計年度は7億87百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の純額(55億42百万円)、長期借入れによる収入(7億20百万円)による資金調達に対し、長期借入金の返済による支出(△5億18百万円)、配当金の支払額(△1億48百万円)、自己株式の取得(△1億34百万円)などにより、財務活動により得られた資金は53億62百万円前連結会計年度は12億74百万円の支出)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

記載金額には、消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

インフラ事業

1,639,176

△19.1

合計

1,639,176

△19.1

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

(2) 受注状況

インフラ事業については一部受注生産を行っているものの、大部分は過去の実績及び将来の予想による見込み生産であるため記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

レジデンス事業

5,714,467

△31.0

不動産開発事業

7,128,847

+16.3

賃貸・管理等事業

2,324,384

+14.6

インフラ事業

3,767,950

△13.9

その他

186,842

△24.7

合計

19,122,492

△9.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

有限会社新日邦

2,485,981

13.0

 

  前連結会計年度における有限会社新日邦に対する販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の経営環境につきましては、株価や為替相場の不安定な状況、新興国のさらなる景気減速など、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

このような状況下、当社グループは、常にコストを意識し従来手法を踏襲しないでコスト削減を実現し、新たな手法・商品・サービスで新規顧客を創造し、競争力の源となる財務基盤を構築するという三歩進んだビジネスモデルを構築し、総合街づくり企業『ヨシコン』を目指してまいります。

 

セグメントごとの見通しを示すと次のとおりであります。

   次期連結会計年度より、インフラ事業のセグメント名称を「マテリアル事業」に変更いたします。

<レジデンス事業>

レジデンス事業におきましては、独自の設計から販売後のマンション管理及び各種サービスも含め、より快適な生活空間を兼ね備えた分譲マンションを積極的に提供していくとともに、土地開発事業にも積極的に取り組んでまいります。具体的には、平成28年3月期在庫分譲マンションの完売及び県内に新規分譲マンション9棟の供給を予定しております。

<不動産開発事業>

不動産開発事業におきましては、街づくりの仕掛け役として不動産価値を創造し商業・工業・物流施設誘致、収益不動産物件及び分譲宅地の企画・開発・販売を行ってまいります。企業、投資家、ハウスメーカー及びエンドユーザーのニーズにあわせ、提案型営業を強化してまいります。

その他、不動産証券化事業へ取り組んでまいります。

<賃貸・管理等事業>

賃貸事業におきましては、法人営業に重点を置いたリーシング活動の強化と、賃貸用マンション・商業施設・工業施設や駐車場物件の新規獲得と既存賃貸物件の稼働率の向上に注力してまいります。

管理事業におきましては、安心・安全な居住生活のサポートを行うためのマンション管理体制の確立と快適なビジネスライフのサポートを提供するビル管理体制を強化するとともに、長期間維持できる建物であるための大規模修繕工事の受注を目指してまいります。また、設計部門におきましては、独自性をもった企画提案並びに工事施工監理体制の確立を実現し、フィーの獲得を目指してまいります。

<インフラ事業>(現:マテリアル事業、以下「マテリアル事業」)

マテリアル事業におきましては、継続的に安定受注が見込め、今後も大幅な需要増加が見込める建築部材の規格化を実現しつつ販売活動を強力に推進するとともに、不動産開発事業との連携強化により、生コンクリート、鋼材及び山土等の積極的な受注活動を行ってまいります。

また、地盤・基礎に向けたオリジナル製品として住宅基礎「エンブルベース」や、建築物地盤改良工法「エンブルパイル」などの製品の販売を強化してまいります。

   さらに、土木部材は、高付加価値製品に的を絞った受注活動に注力してまいります。

   マテリアル事業は従来の事業構造の改革により成長産業への変化を推進してまいります。

<その他>

その他事業におきましては、食を通して心と体の「健康」を実現するためにサービスを提供し、安定的な経営基盤の構築を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)引渡時期による業績変動について

 当社グループの主要な事業である不動産事業分野における分譲マンションや分譲宅地及び商工業施設用地の販売におきましては、物件の引渡時に売上が計上されます。また、これら物件の引渡は、一度に多額の引渡代金の受領をするケースが多いため、引渡時期により業績に変動が生じる場合があります。

(2)大地震が発生した場合について

 近年、日本全国のいたるところで大地震が頻発し、直近では熊本県を中心とした地震が発生し甚大な被害がもたらされました。静岡県内におきましても東海地区を中心とした大地震の発生が予想されておりますが、その際の揺れによる建設中建物などの倒壊やコンクリート在庫品の破損や生産設備の崩壊が予測され、就業中であれば人身への損傷も懸念されます。さらに大井川工場は駿河湾に面し、海岸線近くに位置するため津波による損害を被る危険性などがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこうした事態に対応するため、倒壊しにくい在庫品の保管方法の工夫、生産設備の耐震補強や地震発生時の避難安全教育を徹底しております。

(3)不動産市況について

 当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向、雇用・賃金動向、住宅税制を中心とするさまざまな税制の影響を受けやすく、景気の悪化による雇用情勢の悪化や賃金の引き下げなどがあった場合には、購買層の物件購入意欲を著しく減退させたり、企業におきましては、工場進出などの設備投資意欲をも減退させる可能性があり、業績に影響を及ぼす場合があります。
また、施工会社と工事請負契約を締結して発注する建物建設は、建設現場での人員不足などによる建築費の高騰が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)法的規制等について

当社グループは不動産業界及び建設土木業界に属し、「宅地建物取引業法」、「国土利用計画法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「金融商品取引法」等の法令により規制を受けております。これらの法令等の改廃や新たな法的規制等が今後生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

       (5)瑕疵担保リスクについて

当社グループにおきましては、マンション分譲事業における建築工事を施工会社に発注しており、当社グループが販売する分譲マンションの瑕疵については、発注先の施工会社による工事保証にて担保しております。しかし、施工会社の財政状態の悪化又は破綻などにより施工会社が負担する瑕疵担保責任が履行されない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、インフラ事業の設計課及び生産開発課のメンバーが中心となっております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は 15百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

①レジデンス事業

 該当事項はありません。

②不動産開発事業

 該当事項はありません。

③賃貸・管理等事業

 該当事項はありません。

④インフラ事業

  当事業に係る研究開発費の金額は15百万円であり、主なテーマは次のとおりであります。

 1)住宅用コンクリート基礎杭の開発

 2)PC軽量外壁材の開発研究

⑤その他

 該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析及びそれに影響を与えた要因について

当社グループの当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。

レジデンス事業の営業利益8億71百万円、不動産開発事業の営業利益14億69百万円、賃貸・管理等事業の営業利益4億80百万円、インフラ事業の営業損失3億22百万円、その他の営業利益48百万円の各事業(セグメント)の合計額に対し、全社の営業費用4億75百万円等を賄う状況となり、当社グループ全体で営業利益は20億78百万円となりました。

経常利益におきましては、前連結会計年度比6億67百万円減経常利益21億25百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、前連結会計年度比31百万円減16億87百万円となりました。

 

(2) 財政状態の分析

①資産合計

流動資産は、前連結会計年度末に比べ28.5%増加し219億41百万円となりました。これは主として、販売用不動産が増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて、18.0%減少し48億69百万円となりました。これは主として、所有目的の変更により機械装置が減少したことなどによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて16.5%増加し268億10百万円となりました。

②負債合計

流動負債は、前連結会計年度末に比べて43.7%増加し96億63百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金や未払金は減少したものの、短期借入金が増加したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて14.4%減少し29億30百万円となりました。これは主として、長期借入金が減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて24.1%増加し125億94百万円となりました。

③純資産合計

純資産合計は、利益剰余金の増加などにより当連結会計年度における純資産は142億16百万円前連結会計年度比10.6%増)となりました。

当連結会計年度における1株当たり純資産額は1,946円70銭(前連結会計年度比214円62銭の増加)となりました。

また、当連結会計年度における自己資本比率は53.0%(前連結会計年度比2.9ポイント減)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

②キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

55.9

53.0

時価ベースの自己資本比率(%)

30.3

31.0

債務償還年数(年)

1.1

△1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

54.8

△100.9

 

(注)自己資本比率 :自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産

   債務償還年数 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い

   各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

   株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済み株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

   営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

   有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

   利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループでは、事業領域のテーマといたしまして、環境・安心・安全・健康と設定しております。特に、環境をテーマとした事業領域については、今後も様々な顧客ニーズが予想され、まだまだ未知数のマーケットとして広がる可能性があると思われます。

このような状況を踏まえ、不動産事業分野におきましては、環境配慮や少子高齢化に対応した宅地分譲・分譲マンションの企画販売や活力ある街づくりを目指し再開発事業・市街地活性化事業への取り組み強化を図ってまいります。また、環境事業分野におきましては、エコ企業への転換を目指し、環境還元製品の開発を環境事業分野一丸となって取り組んでまいります。