第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府及び日銀による経済政策によって、企業業績や雇用環境、所得がゆるやかに改善傾向となりましたが、世界経済の減速によって、先行きの不透明感が表面化してきた景況にあります。

当業界におきましては、持家着工戸数が前年同等と底堅く推移したものの、そのペースは30万戸を下回る水準となり、住宅需要においては消費税増税後も、いまだ厳しい環境下にあります。

このような経営環境のもと、平成27年3月に営業体制を見直し、積極的な営業活動を展開してまいりました。また、平成28年2月には当社製品に対する多様なカラーへのご要望にお応えする、カラーオーダーシステム「MY COLOR KAWARA」をスタートし、多様化する顧客ニーズへの対応を進めてまいりました。

厳しい市場環境下にあって、このような活動を進めてまいりましたが、売上高につきましては前年同期比1.0%減の9,025百万円となりました。

一方で、損益面につきましては、事業年度を通じて生産及び管理コストの削減を推し進め、当事業年度における売上原価率は、前年同期比4.8ポイント減の73.2%となりました。

この結果、当事業年度の業績は、売上高9,025百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益533百万円(前年同期比154.7%増)、経常利益505百万円(前年同期比151.5%増)となりましたが、特別損失として減損損失76百万円を計上した結果、当期純利益247百万円(前年同期比137.2%増)の減収増益となりました。

なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて64百万円増加し、1,364百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、522百万円(前年同期は28百万円の使用)となりました。
 これは主に、増加要因としては、税引前当期純利益415百万円(前年同期比203百万円増)、たな卸資産の減少額319百万円(前年同期はたな卸資産の増加額37百万円)等によるものです。減少要因としては、割引手形の減少額588百万円(前年同期は割引手形の増加額28百万円)等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ288百万円減少し112百万円となりました。

 これは主に、固定資産の取得による支出188百万円(前年同期比223百万円減)等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって使用した資金は、346百万円(前年同期は383百万円の獲得)となりました。

 これは主に、増加要因としては、長期借入れによる収入400百万円(前年同期は増減なし)によるものです。減少要因としては、短期借入金の減少額300百万円(前年同期は短期借入金の増加額800百万円)、長期借入金の返済による支出350百万円(前年同期比50百万円増)等によるものです。

 


 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

J形瓦

2,198,010

99.2

F形瓦

4,822,095

89.6

M形瓦

469,730

104.9

合計

7,489,836

93.1

 (注)1.金額は平均売価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

 当事業年度の製品の仕入実績及び商品の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

J形瓦

89,204

102.7

F形瓦

228,268

90.9

M形瓦

23,929

89.1

小計

341,401

93.6

商品

その他

616,581

92.1

合計

957,983

92.6

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.商品の「その他」は、S形瓦・いぶし瓦・副資材が主力であります。

(3)受注状況

 当社は受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

J形瓦

2,246,496

97.8

F形瓦

5,251,470

100.5

M形瓦

547,305

101.4

小計

8,045,272

99.8

商品

その他

761,613

97.1

工事売上

218,272

80.2

合計

9,025,157

99.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当事業年度における住宅産業界は、消費税増税の反動減の影響のあった前期に引き続き低水準で推移し、加えて少子高齢化による人口減少や人口の都市部集中などが顕在化し、今後も不安定な市場環境が続くことが予想されます。

そのような状況下、当社としましては、創業130周年を最終年度とする中期経営計画「Try-130」(平成26年3月期~平成30年3月期)を平成25年4月に策定し、下記の基本戦略を軸に具体的施策を進めることで、企業価値の一層の向上を目指しております。

特に粘土瓦の製造販売事業と並ぶ経営の2本柱とすることを目的とした新事業「陶板壁材の製造販売」については、展示会等での積極的な露出によって、新たなニーズを開拓する過程にあります。また、基本戦略である、市場に左右されない業績を作る体制づくりとして、執行役員制度導入をはじめとした組織改革に着手し、さらなる経営基盤強化に努める一方、生産体制においても、これまでの見込み生産方式から受注生産方式への移行を行うことで、過剰在庫を抑制し、より効率的で需要動向に柔軟な生産体制を構築することを目指しております。

 

基本戦略

市場に左右されない業績を作る体制づくりを目指し、開発・製造・販売・組織・新事業の5つの側面から経営基盤強化を図る。

 

具体的施策

① 環境面など市場ニーズに即した高付加価値な製品の開発

② ものづくりの現場における過剰在庫及びコスト抑制と、品質向上のさらなる推進

③ 当社製品の優位性訴求による同業他社との差別化を図るとともに、販売先との協力体制強化による鶴弥ブランドの確立

④ 市場の変化に対応できる組織の構築

⑤ 内外装壁材・リフォーム市場をはじめとした新たな市場での事業拡大

 

 当社は国内外の景気動向に左右されない強固な経営基盤の確立を目標に、長期的な視野に立って事業活動を拡充していくための施策を継続して推進してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 業績の変動について

当社は屋根材である粘土瓦の製造販売を主たる事業としており、全国各地の工事店・問屋・瓦メーカー・ハウスメーカー等に幅広く粘土瓦を供給しております。

粘土瓦は、住宅新設時に多量に使用されるため、当社の業績は持家着工戸数の増減に影響されます。また、持家着工戸数は、一般景気動向、金利動向、住宅地価動向、税制及び法的規則等様々な要因を受けており、当社の業績もこれらの要因に左右される可能性があります。

② 経営成績の季節的変動について

当社の売上高は、季節的に見て、冬場の1・2月は住宅着工の不需要時となりますので通常月に比べ低くなる傾向があります。

③ 金利の変動について

当社の第49期事業年度末における有利子負債残高は3,825百万円で、負債及び純資産合計に対する割合は22.0%となっております。したがいまして、今後の金利情勢、その他金融市場の変動により当社の業績に影響を与える可能性があります。

④ 燃料価格の変動について

当社の主な事業である粘土瓦の製造に用いる主たる燃料はブタンガスでありますので、当社の業績は国際市況に連動する原油価格の変動により影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 特定の取引先への依存度について

当社の主要原材料である粘土は、㈱丸長(以下、同社という。)からの仕入が100%であります。粘土瓦は、配合粘土を使用しており、その配合割合によって製品品質に影響が出るため、その仕入は限られた業者からの供給が、業界の通例となっているためであります。

当社は、同社の財政状態及び経営成績を常に把握し、品質・納期等について万全の管理体制をとっておりますが、万一同社の経営が行き詰った場合には、当社は瓦製造に支障をきたし、業績面に影響を受ける可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

屋根材事業として、これから増加すると予測されるリフォーム需要を見込み、リフォーム市場をターゲットとした商品開発をおこなっています。

成果として、新たな発想で遮熱機能を高めた、高性能エコ瓦「Heat・Defense(ヒート・ディフェンス)」を投入しました。裏面にアルミニウムを施すことで、太陽光の熱を居室側へ伝えにくく、高い遮熱性能を有した瓦です。

また、当社の粘土瓦に対し、お客様のご要望に応じた自由なカラーを案件毎にご対応させていただく、サービス「MY COLOR KAWARA」を開始いたしました。

新事業「陶板壁材事業」の陶板壁材「スーパートライWallシリーズ」に関し、現在は、3パターンの表面意匠に5色のバリエーションがあり、瓦と同じ製法で作られた焼き物特有の落ち着いた風合いと高級感のある意匠性、美しい外観を保つ高耐久性、金具留め工法を採用した優れた施工性等、外・内壁材の新しいご提案をさせていただきます。

上記取組みの結果、当事業年度の一般管理費と製造原価に含まれる研究開発費は総額302百万円となりました。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。

特に以下の重要な会計方針が、財務諸表の作成にあたって当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

① 貸倒引当金

当社は、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

② 投資の減損

当社は、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対して投資を行っております。なお、減損処理にあたっては、事業年度末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

(2)経営成績の分析

販売枚数においては、前年同期比1,615千枚減の71,173千枚(前年同期比2.2%減)となりました。売上高におきましても前年同期比91百万円減の9,025百万円(前年同期比1.0%減)となりました。

売上総利益は、原価率が4.8ポイント減少したことにより前年同期比414百万円増の2,422百万円(前年同期比20.6%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同期比90百万円増の1,889百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

営業外収益は、前年同期比4百万円減の57百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

営業外費用は、工場休止に伴う費用の増加等により前年同期比15百万円増の84百万円(前年同期比21.7%増)となりました。

特別利益は、当事業年度の発生はありませんでした(前年同期は10百万円)。

特別損失は、減損損失の計上等により90百万円(前年同期は発生なし)となりました。

この結果、当期純利益は、前年同期比143百万円増の247百万円(前年同期比137.2%増)となりました。

 

(3)流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、522百万円の獲得(前年同期は28百万円の使用)となりました。

これは主に、増加要因としては、税引前当期純利益415百万円及びたな卸資産の減少額319百万円等によるものです。減少要因としては、割引手形の減少額588百万円等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比288百万円支出減の112百万円の使用となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、346百万円の使用(前年同期は383百万円の獲得)となりました。

これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は前事業年度に比べ64百万円増の1,364百万円となりました。

② 財務政策

当社の所要資金調達は大きく分けて設備投資資金・運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加を中心としながらも、多額の設備資金につきましては、その時点で最適な方法による調達を原則としております。また、銀行借入金につきましては、阿久比工場用地を始め、担保に供していない資産もあり、借入限度枠にも余裕があり、手元流動性預金・手形割引とあわせ、緊急な支払にも対応可能な体制を整えております。

余資の運用につきましては、長期借入金の返済を最優先としております。