(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府及び日銀による経済政策によって、企業業績や雇用環境、所得が緩やかに改善傾向となりましたが、消費税増税延期やエネルギーコストの上昇といった要因に加え、中国及びアジア各国の景気減退など、先行きの不透明感が表面化してきた景況にあります。
当業界におきましては、持家着工戸数が前年同等と底堅く推移したものの、そのペースは平成27年3月期より3期連続で30万戸を下回る水準となり、依然として力強さに欠ける状況が続いております。
このような経営環境のもと、売上高に関しましては、夏季天候不順に加え、年度後半にかけて大手ハウスメーカーの受注速報が前年を下回るなど、特に下半期において、厳しい市場環境となり、前年同期比0.5%減の8,975百万円となりました。
一方で、損益面につきましては、事業年度を通じて生産及び管理コストの削減と歩留り向上を推し進め、当事業年度における売上原価率は、前年同期比2.0ポイント減の71.1%となりました。なお、より効率的な生産体制を目指す目的で一部受注生産方式の導入を図った結果、平成28年3月期末と比較して、商品及び製品の棚卸資産が273百万円減少し、過剰在庫が抑制され、借入金の返済と合わせて、財務体質の健全化が一層進みました。
なお、陶板壁材「スーパートライWall」につきましては、新たに、屋根材への利用を可能とする工法の開発に着手し、さらなる販売拡大に向け、積極的に研究開発活動を推し進めて参ります。
この結果、当事業年度の業績は、売上高8,975百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益518百万円(前年同期比2.7%減)、経常利益513百万円(前年同期比1.6%増)、当期純利益336百万円(前年同期比35.6%増)となりました。なお、当事業年度は営業外費用の工場休止に伴う諸費用が20百万円減少しております。また、前年同期に特別損失として減損損失76百万円を計上しております。
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて371百万円増加し1,736百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ710百万円増加し1,233百万円となりました。
これは主に、増加要因としては、税引前当期純利益513百万円(前年同期比98百万円増)、売上債権の減少額332百万円(前年同期は売上債権の増加額178百万円)等によるものです。減少要因としては、法人税等の支払額308百万円(前年同期比269百万円増)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ32百万円増加し144百万円となりました。
これは主に、固定資産の取得による支出120百万円(前年同期比68百万円減)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は、前事業年度に比べ371百万円増加し717百万円となりました。
これは主に、短期借入金の減少額200百万円(前年同期比100百万円減)、長期借入金の返済による支出400百万円(前年同期比50百万円増)等によるものです。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
J形瓦 |
1,918,961 |
87.3 |
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F形瓦 |
4,924,076 |
102.1 |
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M形瓦 |
547,588 |
116.6 |
|
合計 |
7,390,626 |
98.7 |
(注)1.金額は平均売価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当事業年度の製品の仕入実績及び商品の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
製品 |
J形瓦 |
81,041 |
90.8 |
|
F形瓦 |
224,772 |
98.5 |
|
|
M形瓦 |
30,775 |
128.6 |
|
|
小計 |
336,589 |
98.6 |
|
|
商品 |
その他 |
688,676 |
111.7 |
|
合計 |
1,025,265 |
107.0 |
|
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.商品の「その他」は、S形瓦・いぶし瓦・副資材が主力であります。
(3)受注状況
当社は受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
製品 |
J形瓦 |
2,096,112 |
93.3 |
|
F形瓦 |
5,308,721 |
101.1 |
|
|
M形瓦 |
558,218 |
102.0 |
|
|
小計 |
7,963,051 |
99.0 |
|
|
商品 |
その他 |
851,395 |
111.8 |
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工事売上 |
161,169 |
73.8 |
|
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合計 |
8,975,616 |
99.5 |
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(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「強く・美しく・取り扱いやすく・値打ちで、より安全な屋根材を提供する」という経営理念に基づき、天然資源の粘土を主原料とする高温焼成物の粘土瓦を含む屋根材を製造する企業として、社会的責任を果たすために、コーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題とし、7項目の経営基本方針を定め、経営管理体制の確立を図ることを経営の基本としております。
① 住文化に貢献し、社会に役立つために、公正かつ明瞭な自由競争を行うとともに、適正利潤を追求し、事業の持続的成長を追求する。
② 高品質で安全な粘土瓦を開発・製造するための生産システム並びに品質保証体制を構築し、維持する。
③ 省資源・省エネルギー化を推進し、環境にやさしい屋根材を製造するための環境管理システムを構築し、維持する。
④ 個人情報管理体制を構築し、維持する。
⑤ キャッシュ・フロー重視の経営を推進し、企業価値を高めるよう努める。
⑥ 従業員の生活の安定・向上を、常に、念頭におき、株主とともに、業績に応じた適正で安定的な配当を維持する。
⑦ 激動する時代に対応するために、利益は適正に内部留保する。
(2)経営環境、中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題
当事業年度における住宅産業界は、引き続き低水準で推移し、加えて少子高齢化による人口減少や人口の都市部集中などが顕在化し、今後も不安定な市場環境が続くことが予想されます。
そのような状況下、当社としましては、創業130周年を最終年度とする中期経営計画「Try-130」(平成26年3月期~平成30年3月期)を平成25年4月に策定し、下記の基本戦略を軸に具体的施策を進めることで、企業価値の一層の向上を目指しております。
特に粘土瓦の製造販売事業と並ぶ経営の2本柱とすることを目的とした新事業「陶板壁材の製造販売」については、各地域にてモニター物件の施工を行うと同時に、量産化を進めるなど、事業化を具体的に進めていく過程にあります。なお、平成30年3月期は、当中期経営計画の最終年度となり、また創業130周年の節目となることから、基本戦略である、「市場に左右されない業績を作る体制」というテーマを再認識し、更なる経営基盤強化に努める一方、生産体制においても、これまでの見込み生産方式から受注生産方式への移行を行うことで、過剰在庫を抑制し、より効率的で需要動向に柔軟な生産体制を構築することを目指しております。
基本戦略
市場に左右されない業績を作る体制を目指し、開発・製造・販売・組織・新事業の5つの側面から経営基盤強化を図る。
具体的施策
① 環境面など市場ニーズに即した高付加価値な製品の開発
② ものづくりの現場における過剰在庫及びコスト抑制と、品質向上の更なる推進
③ 当社製品の優位性訴求による同業他社との差別化を図るとともに、販売先との協力体制強化による鶴弥ブランドの確立
④ 市場の変化に対応できる組織の構築
⑤ 内外装壁材・リフォーム市場をはじめとした新たな市場での事業拡大
当社は国内外の景気動向に左右されない強固な経営基盤の確立を目標に、長期的な視野に立って事業活動を拡充していくための施策を継続して推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 業績の変動について
当社は屋根材である粘土瓦の製造販売を主たる事業としており、全国各地の工事店・問屋・瓦メーカー・ハウスメーカー等に幅広く粘土瓦を供給しております。
粘土瓦は、住宅新設時に多量に使用されるため、当社の業績は持家着工戸数の増減に影響されます。また、持家着工戸数は、一般景気動向、金利動向、住宅地価動向、税制及び法的規則等様々な要因を受けており、当社の業績もこれらの要因に左右される可能性があります。
② 経営成績の季節的変動について
当社の売上高は、季節的に見て、冬場の1・2月は住宅着工の不需要時となりますので通常月に比べ低くなる傾向があります。
③ 燃料価格の変動について
当社の主な事業である粘土瓦の製造に用いる主たる燃料はブタンガスでありますので、当社の業績は国際市況に連動する原油価格の変動により影響を受ける可能性があります。
④ 特定の取引先への依存度について
当社の主要原材料である粘土は、㈱丸長(以下、同社という。)からの仕入が100%であります。粘土瓦は、配合粘土を使用しており、その配合割合によって製品品質に影響が出るため、その仕入は限られた業者からの供給が、業界の通例となっているためであります。
当社は、同社の財政状態及び経営成績を常に把握し、品質・納期等について万全の管理体制をとっておりますが、万一同社の経営が行き詰った場合には、当社は瓦製造に支障をきたし、業績面に影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
陶板壁材事業「スーパートライWallシリーズ」におきましては、壁材に必要な各種性能試験や仕様検討などを行い、より広い範囲でのご提案が可能になりました。同時に、安定的な量産体制を構築するための研究開発を継続して実施しています。
一方で、屋根材事業として、安全性とリフォーム需要に重点を置き、瓦の優位性を最大限に生かせる商品開発をおこなっています。
引き続き、屋根材事業・陶板壁材事業ともに、新しいご提案や使用範囲の拡大等、付加価値が高い商品開発を進めます。
なお、当事業年度の成果として、平成28年11月1日より防災F形瓦「スーパートライ110 スマート」をリニューアルし、防水性の向上とカラーバリエーションの追加を行いました。防水性向上により、リフォーム物件に多い緩い勾配の屋根や、太陽光パネル設置時に多い片流れ屋根などにおいて、使用可能な範囲が広がりました。
また、平成28年4月に発生した熊本地震による既存住宅の屋根被害発生を受け、被害状況の確認と被害に至った原因追究を行い、現行商品の安全性を確認すると同時に、安全性をPRするグッズの作成、ならびに防災性をさらに強化した「三段のし、二段素丸」を商品ラインナップに加えました。
上記取組みの結果、当事業年度の一般管理費と製造原価に含まれる研究開発費は総額365百万円となりました。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。
(2)経営成績の分析
売上高におきましては、前年同期比50百万円減の8,975百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
売上総利益は、原価率が2.0ポイント減少したことにより前年同期比168百万円増の2,591百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同期比183百万円増の2,072百万円(前年同期比9.7%増)となりました。
営業外収益は、前年同期比13百万円減の44百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
営業外費用は、工場休止に伴う諸費用の減少等により前年同期比35百万円減の49百万円(前年同期比42.0%減)となりました。
特別利益は、当事業年度の発生はありませんでした。(前年同期は発生なし)
特別損失は、当事業年度の発生はありませんでした。(前年同期は90百万円)
この結果、当期純利益は、前年同期比88百万円増の336百万円(前年同期比35.6%増)となりました。
(3)流動性及び資金の源泉
① キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ710百万円増加し1,233百万円となりました。
これは主に、増加要因としては、税引前当期純利益513百万円(前年同期比98百万円増)、売上債権の減少額332百万円(前年同期は売上債権の増加額178百万円)等によるものです。減少要因としては、法人税等の支払額308百万円(前年同期比269百万円増)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ32百万円増加し144百万円となりました。
これは主に、固定資産の取得による支出120百万円(前年同期比68百万円減)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は、前事業年度に比べ371百万円増加し717百万円となりました。
これは主に、短期借入金の減少額200百万円(前年同期比100百万円減)、長期借入金の返済による支出400万円(前年同期比50百万円増)等によるものです。
② 財務政策
当社の所要資金調達は大きく分けて設備投資資金・運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加を中心としながらも、多額の設備資金につきましては、その時点で最適な方法による調達を原則としております。また、銀行借入金につきましては、阿久比工場用地を始め、担保に供していない資産もあり、借入限度枠にも余裕があり、手元流動性預金・手形割引とあわせ、緊急な支払にも対応可能な体制を整えております。
余資の運用につきましては、長期借入金の返済を最優先としております。