第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「強く・美しく・取り扱いやすく・値打ちで、より安全な屋根材を提供する」という経営理念に基づき、天然資源の粘土を主原料とする高温焼成物の粘土瓦を含む屋根材を製造する企業として、社会的責任を果たすために、コーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題とし、7項目の経営基本方針を定め、経営管理体制の確立を図ることを経営の基本としております。

① 住文化に貢献し、社会に役立つために、公正かつ明瞭な自由競争を行うとともに、適正利潤を追求し、事業の持続的成長を追求する。

② 高品質で安全な粘土瓦を開発・製造するための生産システム並びに品質保証体制を構築し、維持する。

③ 省資源・省エネルギー化を推進し、環境にやさしい屋根材を製造するための環境管理システムを構築し、維持する。

④ 個人情報管理体制を構築し、維持する。

⑤ キャッシュ・フロー重視の経営を推進し、企業価値を高めるよう努める。

⑥ 従業員の生活の安定・向上を、常に、念頭におき、株主とともに、業績に応じた適正で安定的な配当を維持する。

⑦ 激動する時代に対応するために、利益は適正に内部留保する。

 

(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①経営環境、対処すべき事業上及び財務上の課題

住宅産業界の景況感は、景気動向の先行き不透明感に加え、インフレや人件費の高騰の影響により、持家着工戸数が依然として低水準で推移するなど、厳しい環境が続いております。一方で、円安や物価上昇の影響に加え、当事業年度末に発生した中東情勢の不安定化による資源価格の上昇も見込まれており、当社にとって重要な経営課題となっております。

また、当社の株主資本コストは概ね5%台と推定されると認識しております。これに対し、ROE(自己資本利益率)は1~2%台(特別利益・特別損失を除く)にとどまり、PBR(株価純資産倍率)も0.20~0.30倍で推移しております。PBR=PER(株価収益率)×ROEの分解から、特にROE(利益率×資本効率×負債依存度)が低位であることが課題であると分析しております。

 

②事業特性と基本方針、社会的責任

当社が製造する粘土瓦は、屋根材として高い耐久性(長寿命)を有することが差別化要因であり、住宅という長期資産の一部を構成するという特徴を有しております。

それに加えて、「強く、美しく、取り扱いやすく、値打ちで、より安全な屋根材を提供する」という経営理念のもと、長期にわたり安定供給を継続することが、最大のステークホルダーである顧客、ひいては日本の住文化の維持につながるものと考えております。

この安定的な事業の継続の実現のためには、主要な生産設備である焼成窯や出荷・在庫ヤード(土地)に対して多額の投資および維持管理が必要となります。その結果、総資本および自己資本が事業規模に対して比較的大きくなる構造となっており、安全性を重視した経営スタイルとなっております。

当社は、国内最大の生産能力を有する企業として、この資産基盤を「供給の安定性」という信頼に変えることで、粘土瓦の製造販売事業を永続的に継続し、日本の住文化の象徴ともいえる粘土瓦産業の維持・発展に貢献していくことが、当社の社会的責任であると考えております。

 

③中長期的な会社の経営戦略

こうした課題・基本方針・事業特性のもと、当社は、長期的かつ安定的な事業の継続を実現することを前提にしつつ、事業利益を中心としたROEの向上を目指すこと、事業利益に応じた適正な配当を継続することで、すべてのステークホルダーにとって中長期的な企業価値の向上を図ってまいる所存であります。

この実現のため、当社では新たに中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)を策定し、「挑戦 ~環境は変わる、だから考え挑み続ける~」をビジョンとして掲げ、次の行動指針を軸に具体的施策を推進しております。

 

中長期的な事業ポートフォリオの構築および経営資源配分の指針

 

・粘土瓦事業の進化と深化

粘土瓦製造販売事業を基盤事業とし、市場ニーズを捉えた新製品開発、国内シェアの確保および生産性向上を通じて収益性の安定化を図る。

 

・陶板事業の拡大

事業の安定的成長および採算性の向上を図る。

 

・新領域への挑戦

海外市場の開拓による基盤事業の強化を進めるとともに、上記以外の新分野への展開を図る。

 

・経営基盤の強化

資本の有効活用による基盤事業の強靭化を図るとともに、組織・人材の強化および挑戦意識の向上を推進する。

 

④当事業年度の状況及び今後について

当事業年度においては、特に粘土瓦事業において、海外向け販売の強化や新たな住宅会社からの採用を獲得する等の営業活動強化を推進しましたが、持家着工戸数の動向と物価高の影響が大きく、営業利益146百万円を計上いたしました(前事業年度営業利益185百万円)。

今後につきましては、物価・エネルギーコスト上昇を踏まえた製品価格の改定と、引き続きコスト削減や資産の有効活用を推進し、利益体質の改善を図ってまいります。また、強固な経営基盤の維持・拡大を目標として、企業として高いモチベーションを持ち、事業活動のさらなる拡充に向けた施策を推進してまいります。

 

⑤その他非財務情報及び活動

当社では前述の基本方針に基づき、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、サステナビリティ・ビジョンおよびその達成に向けた具体的施策を策定し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを継続・強化しております。

当事業年度においては、愛知県の主催する「2026愛知環境賞」において、当社及び創嘉瓦工業株式会社の「アップサイクル型粘土瓦スーパートライ110スマート『純いぶし』」に関する取り組みが評価され、優秀賞を受賞いたしました。

 

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、 4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 に記載のとおりであります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。

 

(1) ガバナンス

当社は、サステナビリティの推進にあたり、担当取締役をリーダーとして、製造本部、営業本部、管理本部それぞれから選定したメンバーからなる委員会を設置しております。

また、後述の戦略及び目標につきましては、経営管理システム(鶴弥マネジメントシステム)に組み込むことで、経営会議等でのモニタリングを実施しております。

なお、本件に関する重要事項の決定にあたっては、委員会での検討を踏まえ、取締役会にて判断されます。

 

(2) 戦略

当社は、サステナビリティ・ビジョン及びその達成に向けての具体的項目を下記のとおり定め、各本部がそれぞれの目標に基づき活動を推進しています。

 

<サステナビリティ・ビジョン>

当社は、生活の基盤である「住まい」に関わる企業として

安心・安全な製品を皆様にお届けするという事業活動を進め

同時に、ジェンダー平等や自然環境への配慮といった項目を中心に

従業員をはじめとしたすべてのステークホルダーからの期待に応えることで

持続可能な社会、循環型社会の実現に貢献します。

<達成に向けての具体的項目>

① 鶴弥は日本の住文化を守ると同時に、安全かつ強靭(レジリエンス)な住居の提供に貢献します

② 鶴弥はジェンダー平等を達成し、安全で働きがいのある職場づくりを進めます

③ 鶴弥は生産活動における環境への影響を低減し、低炭素社会の実現と地球環境との共生を進めます

④ 鶴弥は限りある天然資源の有効活用、循環型社会の構築に貢献します

 

(3) リスク管理

当社の経営上のリスク管理は、 第4「提出会社の状況」4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(1)「コーポレート・ガバナンスの概要」①企業統治の体制、ハ.その他の企業統治に関する事項 2.リスク管理体制の整備の状況 に記載のとおりでありますが、サステナビリティに関するリスク管理については前述の委員会を中心に事業規模に応じた管理手法を検討しております。

 

 

(4) 人的資本、多様性に関する事項

当社の人的資本、多様性確保に向けての取り組みとしては、第4「提出会社の状況」5「従業員の状況等」(1)「人材戦略に関する基本方針等」に記載しております。

 

(5) 指標及び目標

当社は前述の、サステナビリティ・ビジョン及びその達成に向けての具体的項目についての目標を下記のとおりに定めております。

1.高付加価値・高性能な粘土瓦の販売を拡大

2.女性管理職を2倍、男女の平均勤続年数の差異をゼロ、高齢者・障がい者を含む多様な人材の活躍、地域雇用率100%を継続

3.CO2排出量を削減(製品あたり)・ゆう薬洗い水排出ゼロを継続

4.当社から排出される規格外製品を循環100%

 

なお、管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、第4「提出会社の状況」5「従業員の状況等」(2)従業員の状況(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 に記載しております。

 

3 【事業等のリスク】

当社は社内規定である経営管理総則に、経営リスクの識別・分析・評価についての社内体制を定めております。

通常予見されるビジネスリスクについては「管理を必要とするビジネスリスク」として同規定に具体的に明示するとともに、そのビジネスリスクの管理方法を定めております。これら管理を必要とするビジネスリスクについては、その管理を行うことを事前に定められた主要な委員会や会議体で管理を行い、重大なリスクは取締役会に報告することとしております。

また一方で、通常予見されないビジネスリスクが発生した場合、もしくはその発生が予測される場合にはその程度に応じて経営危機管理委員会を招集し、対処することとしております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

また、今般の中東情勢をはじめとした国際情勢の影響につきましては、③ 燃料価格の変動について に記載の通り、国際市況に連動する原油価格の変動により業績に影響を与える可能性があります。

 

① 業績の変動について

当社は屋根材である粘土瓦の製造販売を主たる事業としており、全国各地の工事店・問屋・瓦メーカー・ハウスメーカー等に幅広く粘土瓦を供給しております。

粘土瓦は、住宅新設時に多量に使用されるため、当社の業績は持家着工戸数の増減に影響されます。また、持家着工戸数は、一般景気動向、金利動向、住宅地価動向、税制及び法的規則等様々な要因を受けており、当社の業績もこれらの要因に左右される可能性があります。

 

 

② 経営成績の季節的変動について

当社の売上高は、季節的に見て、冬場の1・2月は住宅着工の不需要時となりますので通常月に比べ低くなる傾向があります。

 

③ 燃料価格の変動について

当社の主な事業である粘土瓦の製造に用いる主たる燃料はブタンガスでありますので、当社の業績は国際市況に連動する原油価格の変動により影響を受ける可能性があります。

 

④ 特定の取引先への依存度について

当社の主要原材料である粘土は、㈱丸長(以下、同社という。)からの仕入が100%であります。粘土瓦は、配合粘土を使用しており、その配合割合によって製品品質に影響が出るため、その仕入は限られた業者からの供給が、業界の通例となっているためであります。

当社は、同社の財政状態及び経営成績を常に把握し、品質・納期等について万全の管理体制をとっておりますが、万一同社の経営が行き詰った場合には、当社は瓦製造に支障をきたし、業績面に影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 固定資産・製商品在庫について

当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。また、製商品在庫の棚卸高は収益性の低下に基づく簿価切下げ後の金額を計上しております。今後、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、保有する固定資産の減損損失又は製商品在庫の評価損が発生し、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 繰延税金資産について

当社は、将来年度の課税所得の見積額に基づき回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。今後、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、将来の課税所得の見積額に変動が生じた場合、当社の財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 退職給付債務について

当社の退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、当社の財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 投資有価証券について

当社が保有している株式等の投資有価証券の価値が大幅に下落した場合は、評価損の発生により当社の財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 債権回収について

当社は与信管理の徹底を図り万全を期しておりますが、今後の景気動向等によっては想定以上に販売先の信用状態の悪化等が生じる可能性があり、当社の財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 東海地方を中心とした大規模災害について

当社は、原材料の調達の利便性から、本社及び主要な生産拠点をすべて愛知県内に設置しております。このため、東海地方に甚大な被害を与えることが予想される大規模災害の発生によって、当社の財政状態・経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした緩やかな景気回復が続いたものの、不安定な地政学情勢に伴うエネルギーコストの高止まりや、円安基調の継続による原材料価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

当業界におきましては、建築基準法改正前の駆け込み需要に伴う建築確認申請の遅延等が大きく持家着工戸数に影響し、前年同期比で約10%以上の減少と低水準で推移しております。また物価上昇に伴う住宅建設コストの上昇や、実質賃金の伸び悩みによる消費マインドの低迷を背景に、新設住宅着工戸数が持続的な減少傾向にあり、特に当社製品の主要需要先である注文住宅市場においては、厳しい状況が継続いたしました。

このような経営環境のもと、当社では国内住宅会社の採用棟数増加・工事受注拡大、一方でアジア圏を中心とした海外向け販売の拡大(前年同期比65.2%増)、オウンドメディアによる非住宅分野への広告活動等の営業活動推進を行ってまいりました。しかしながら持家着工戸数の減少の影響と、前年同期に製品価格改定前の駆け込み需要があったことから、売上高につきましては前年同期比4.5%減の6,505百万円となりました。

一方、損益面につきましては、販売量に応じた柔軟な生産体制、人員の適正配置、製造ラインの燃料転換によるコスト削減、製造工程の生産効率向上や品質改善のための設備投資等を行ってまいりましたが、各種物価上昇の影響から、原材料費や設備維持・更新にかかる修繕費等が幅広く製造原価を押し上げました。

この結果、当事業年度における売上原価率は、前年同期比0.6ポイント増の74.3%となり、売上総利益は前年同期比6.7%減の1,669百万円となりました。

販売費及び一般管理費におきましては、継続的なコスト削減を行い、前年同期比5.0%減の1,523百万円となりました。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高6,505百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益302百万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益373百万円(前年同期比208.0%増)の減収増益となりました。

なお前年同期には営業外収益で受取保険金139百万円、特別損失で減損損失244百万円を計上しております。また当事業年度には、固定資産(土地)の譲渡に伴う固定資産売却益として233百万円を特別利益に計上しております。

なお、当事業年度の経営成績及び、原材料、運送費、消耗修繕費、梱包費、さらには人材確保環境の変化に伴う人件費等の上昇、中東情勢・円安の影響によるエネルギー価格の不透明化等を踏まえ、2026年6月より製品価格の改定を実施しており、引き続き適正取引価格の浸透に注力してまいります。

 

② 財務状態の状況

当事業年度の資産につきましては、現金及び預金の増加196百万円(前事業年度末比10.6%増)等がありましたが、有形固定資産の減少965百万円(前事業年度末比9.4%減)等により、14,840百万円(前事業年度末比5.3%減)となりました。

負債につきましては、短期借入金の減少400百万円(前事業年度末比30.8%減)、仕入債務の減少398百万円(前事業年度末比40.5%減)等により2,717百万円(前事業年度末比27.6%減)となりました。

純資産につきましては、利益剰余金の増加325百万円(前事業年度末比5.1%増)等により12,122百万円(前事業年度末比1.7%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて296百万円増加し、1,736百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は、111百万円となりました(前年同期間は、576百万円の獲得)。

営業活動による資金の増加要因としては、主に税引前当期純利益535百万円及び減価償却費の156百万円等によるものです。

一方、営業活動による資金の減少要因としては、主に仕入債務の減少額409百万円及び固定資産売却益233百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、得られた資金は、1,015百万円となりました(前年同期間は、439百万円の支出)。

投資活動による資金の増加要因としては、主に固定資産の売却による収入1,322百万円等によるものです。

一方、投資活動による資金の減少要因としては、主に定期預金の預入による支出額1,124百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は、607百万円となりました(前年同期間に比べ、272百万円の増加)。

財務活動による資金の減少要因としては、主に短期借入金の減少額400百万円等によるものです。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

J形瓦

1,533,519

90.7

F形瓦

3,892,872

100.4

陶板壁材・その他

164,732

76.2

合計

5,591,123

96.6

 

(注) 金額は平均売価によっております。

 

② 仕入実績

当事業年度の製品の仕入実績及び商品の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

J形瓦

57,247

76.6

F形瓦

165,469

93.4

陶板壁材・その他

19,521

69.3

小計

242,238

86.5

商品

その他

307,857

94.0

合計

550,095

90.5

 

(注) 1.金額は仕入価格によっております。

2.商品の「その他」は、副資材が主力であります。

 

③ 受注実績

当社は受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。

 

 

④ 販売実績

当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

J形瓦

1,548,995

86.1

F形瓦

4,019,638

98.5

陶板壁材・その他

152,997

68.2

小計

5,721,631

93.7

商品

その他

427,095

96.8

 

工事売上

356,683

132.0

合計

6,505,410

95.5

 

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績等は、売上高6,505百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益302百万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益373百万円(前年同期比208.0%増)となりました。

当社の経営成績に重要な影響を与える外的要因としては、国内の持家着工数及び燃料価格の変動が挙げられます。国内の持家着工戸数は、景気動向や金利動向、政府による各種施策による影響を受け、燃料価格は国際的な原油価格の動向に影響を受けます。当事業年度においては、持家着工戸数が引き続き低水準で推移したこと等が上記経営成績に影響しております。

持家着工戸数は国内の景気動向等に左右されることから、今後も業績に影響を与える可能性があります。一方で、中東情勢をはじめとした国際情勢によって生じた資源・資材価格の高騰と、インフレ抑制を目的とした各国の金融引き締めによる円安進行が当事業年度の売上原価へ一定の影響があり、今後もエネルギーコストを中心とした市場動向により業績に影響を与える可能性があります。

経営方針・経営戦略につきましては、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(1) 会社の経営の基本方針、(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についてに記載のとおりであります。

経営上の目標及びその達成状況を判断するための客観的な指標等については、装置産業である当社の事業内容を鑑み、売上高営業利益額の向上と、自己資本比率を中心とした財務体質の強化を目指しておりますが、前述の外部環境による影響に加え、先行的な設備投資や研究開発活動等によって左右されるため、具体的な数値目標は公表しておりません。なお、当事業年度としては、前述の外部環境の影響が大きく、コスト削減対策等を行ったものの、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)となりました。一方で、自己資本比率は固定資産売却の影響により81.7%となりました。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、前述の(1) 経営成績等の概況及び分析③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであり、財務方針については後述の② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報に記載のとおりであります。

なお、当社は粘土瓦の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、前述の(2) 生産、受注及び販売の実績にて、製品の品種別に実績を記載しております。住宅様式の洋風化に伴い、従来の和風のJ形瓦から、洋風のF形瓦への需要の移行が継続しております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の所要資金調達は大きく分けて設備投資資金・運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加を中心としながらも、多額の設備資金につきましては、その時点で最適な方法による調達を原則としております。

また、銀行借入金につきましては、阿久比工場用地・衣浦工場用地を始め、担保に供していない資産もあり、借入限度枠にも余裕があることから、手元流動性預金・手形割引とあわせ、緊急な支払にも対応可能な体制を整えております。

当面の設備投資資金・運転資金を超える必要以上の手元流動性資金の運用につきましては、借入金の返済を最優先としておりますが、生産活動の維持・改善を目的とした将来的な設備投資を考慮して適切に内部留保を行います。

 

・固定資産売却資金の使途について

当事業年度においては、固定資産の売却(阿久比工場敷地内の出荷ヤード未使用部分(土地)を含む)により1,322百万円を収入として計上しております。(前事業年度と合わせ約1,471百万円)

当該資金の資金使途としては、固定資産売却に係る費用(土壌改良工事等含む)に約270百万円、中小受託取引適正化法の施行に準じた中小受託事業者への支払サイト短縮に約300百万円、粘土瓦生産設備の取得に120百万円を充当することで経営体制の強化を図るとともに、自己株式の取得に157百万円、また、特別配当として42百万円(1株あたり6.0円)を株主様への還元(予定)とし、400百万円を借入金返済に充て財務体質改善を図っております。

残金約180百万円につきましては、当該売却益に係る法人税等の支払いや、従業員労働環境改善や生産性向上といった当面の設備投資に備え現預金として留保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。

詳細は、 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) に記載のとおりであります。

なお、この財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要と考えられる会計方針は以下のとおりであります。

 

イ.固定資産の減損処理

保有する固定資産については管理会計上の事業区分を基本とし、賃貸資産及び遊休資産については個別物件ごとにグルーピングを行っており、グルーピングごとに減損の兆候の判定を行っております。

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定にあたっては、当社の共用資産を含む主要固定資産の経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フローを使用いたします。

将来、市場環境の変化などにより、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。

ロ.貸倒引当金の計上

貸倒引当金については、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

将来、顧客の財政状態が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

ハ.繰延税金資産の回収可能性の評価

繰延税金資産については、将来減算一時差異等に対して、将来の事業計画に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断しておりますが、将来の不確実な経済状況の影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発方針として、粘土瓦の製造・販売事業においては、工事現場の省力化や環境配慮に重点を置き、性能や施工性が向上する製品開発を行っています。実績として、アップサイクル型粘土瓦スーパートライ110スマート『純いぶし』にて「2026愛知環境賞・優秀賞」の受賞や、スーパートライ110スマート及びタイプⅠPlusの適応屋根勾配等の拡大を実施しました。

一方、新しい領域への試みとして、当社の焼成技術が活用できる製品、当社の顧客や流通網が活用できる製品を開発テーマに掲げて行っています。

なお、今後も製品の追加・改良と共に出荷動向を踏まえた製品の統廃合を適宜行い、顧客満足と生産効率の両立を図って参ります。

上記取り組みの結果、当事業年度の一般管理費と製造原価に含まれる研究開発費は総額218百万円となりました。