第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって総じて緩やかな回復基調を持続するものの、海外経済で弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、わが国の景気が下押しされるリスクがある状況で推移いたしました。

このような環境のなか、当社グループの[ガラス基板事業]は、タブレット市場の低迷・顧客生産の海外シフト等の影響を受け、前年下期から受注が大きく低迷し、新たなる領域開拓を進めるものの回復するに至らず、売上が低調に推移しました。また、[精密研磨布事業]では、前期まで連結子会社であった株式会社FILWELの全株式を平成28年1月に譲渡し、同事業から撤退いたしました。それに伴い、同社を連結の範囲から除外しております。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は、2,659百万円(前年同期比54.7%減)に、営業損失は606百万円(前年同期は営業損失571百万円)に、経常損失は648百万円(前年同期は経常損失627百万円)に、親会社株主に帰属する当期純損失は、関係会社株式売却益1,482百万円の計上の一方、減損損失2,658百万円の計上により、2,001百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失632百万円)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

[ガラス基板事業]

 ガラス基板事業においては、タブレット市場の低迷・顧客生産の海外シフト等の影響を受け、売上高は2,391百万円(前年同期比15.3%減)に、セグメント損失は501百万円(前年同期セグメント損失は728百万円)となりました。

 

[その他事業]

その他事業は、産業用機械製造販売等でありますが、売上高は277百万円(前年同期比16.9%減)に、セグメント損失は116百万円(前年同期セグメント損失は159百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高に比べ489百万円減少し、150百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果使用した資金は1,227百万円(前期は196百万円の使用)となりました。
 これは主に経常損失を計上したこと及び売上債権が増加したこと並びに事業構造改善費用の支払によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果得られた資金は2,781百万円(前期は374百万円の獲得)となりました。
 これは主に関係会社株式の売却によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は2,043百万円(前期は662百万円の使用)となりました。
 これは主に借入金の返済によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

ガラス基板事業(千円)

2,374,687

△15.9

報告セグメント計(千円)

2,374,687

△58.2

その他事業(千円)

276,389

△17.2

合計(千円)

2,651,076

△55.9

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ガラス基板事業

2,421,900

△10.3

234,453

15.2

報告セグメント計

2,421,900

△55.8

234,453

15.2

その他事業

270,532

△3.2

24,043

11.4

合計

2,692,432

△53.2

258,497

14.8

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

ガラス基板事業(千円)

2,391,021

△15.3

報告セグメント計(千円)

2,391,021

△57.3

その他事業(千円)

268,065

1.5

合計(千円)

2,659,086

△54.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

AGCディスプレイグラス米沢株式会社

858,881

14.6

773,944

29.1

凸版印刷株式会社

78,607

1.3

491,332

18.5

シャープ株式会社

698,828

11.9

346,496

13.0

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 当社グループは、主力事業がFPD業界の環境の変化に大きく左右されることから、グループ全体として安定的な収益基盤を構築することが、会社の対処すべき重要な課題と考えております。このため、中長期的な経営戦略として、主力事業であるガラス基板事業では、FPD向けガラス基板加工のコストダウンと生産性向上による価格競争力の一層の強化を図るとともに、ガラスメーカーや最終ユーザーとの連携強化による受注の拡大、保有技術を応用展開できる非FPD事業等の新規事業分野の開拓に注力いたします。また、グループ各社におけるシナジー効果を最大化すべく事業の選択と集中を行うとともに技術交流や情報の共有化により当社グループ全体としての価値向上に取り組んでいく所存であります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、これら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載された事項がリスクの全てでないことをご承知おき願います。
 なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成29年3月27日)現在において判断したものであります。

(1) 内製化比率の上昇

 ガラス基板事業においては、液晶ディスプレイ用ガラス素材メーカーあるいはその系列会社も当社と同様の加工(内製加工)を行っており、得意先でもあるガラス素材メーカーがガラス基板加工の内製化比率を高めた場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

(2) 需給バランスの崩れによる在庫の増加
 液晶ディスプレイ業界では、液晶パネルメーカーの生産量と液晶搭載製品の販売量との間の需給バランスが一時的に崩れる時期があり、その場合、各流通段階で液晶パネルの市況価格が下落するとともに在庫が増加し、当社グループへの発注量が減少する可能性があります。

(3) 材料等の調達リスク

 当社グループにおける材料等(成膜用ターゲット材、研磨剤等)は、レアメタル・レアアースに分類される特殊な部材であります。これらの輸出制限や国際市況における価格高騰、生産状況の大幅変動などにより、生産に必要な数量を確保できなかった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

(4) 国内外の競合他社との競争状況、主要得意先の購買方針の変更等
 当社グループは、何れの事業におきましても国内外の競合他社と厳しい競争状況にあることから、販売価格の急落や販売数量の大幅減少などにより業績が悪化する可能性があります。また、ガラス基板事業においては、販売比率が高い得意先の購買方針の変更は当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

(5) 自然災害リスク
 当社グループは国内各地にて生産活動を行っておりますが、地震や台風・洪水等のコントロール不能な大規模自然災害を受け製造中断や輸送不能の事態が長期間にわたった場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

(6) 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、前連結会計年度までに2期連続で営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。当社は、平成28年1月29日に、連結子会社であった株式会社FILWELの全株式を売却し、借入金の圧縮と一定の資金を確保したものの、当連結会計年度においては、売上高が計画値を大きく下回り、営業損失606百万円、経常損失648百万円を計上するとともに、工場の減損処理を行ったことで、親会社株主に帰属する当期純損失2,001百万円を計上するに至っております。また、当該損失計上により、自己資本は452百万円、自己資本比率は11.1%まで低下しております。そのような状況を受け、当社は、抜本的再建計画を策定するまでの平成28年9月末から平成29年3月末までの借入金の返済を猶予することについて全取引金融機関から同意を得ておりますが、取引金融機関によって期限の利益の確保が短期にとどまっている状況が継続しております。これらにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 そこで、当社グループは当該状況を解消し、早期の収益構造の改善を推進するため、以下の経営改革施策を実施しております。

①三重工場を平成28年12月に閉鎖し、若柳工場及び花泉工場に工程を集約し、業務の効率性、生産性向上を図っております。

②希望退職優遇制度を導入し、108名の希望退職の申入れがありました。

③外注業務の内製化等、抜本的なコスト削減を行います。

④新商品開発事業からの撤退又は売却により損失の最小化を図ります。

 これらの施策については、毎月1回開催する製販会議において進捗状況を把握し、PDCAマネジメントを徹底することで、早期の収益向上、財務体質の改善を推進してまいります。

 しかし、上記諸施策では安定的な事業運営のための資金確保及び正常な形での借入金の返済を行うための原資を確保するには十分でないことから、当社グループはさらなる抜本的な事業再生計画の策定に着手しております。そして、当該事業再生計画に基づき、平成29年4月以降の返済計画について全取引金融機関から同意が得られるよう協議してまいります。

 これらの諸施策並びに抜本的な事業再生計画の策定及び実行は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは一層多様化・高度化する顧客ニーズに対応すべく、新たな製品の開発と加工技術の改良及び応用に向けた技術構築を進めております。当連結会計年度における研究開発活動はその他事業である当社の新事業部が主に行い、その額は62百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年3月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び会計数値の見積り
 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 なお、見積り及び評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際結果とは異なる場合があります。

(2)当連結会計年度末の財政状態の分析
 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて5,529百万円減少し、4,082百万円となりました。

 流動資産は1,273百万円(前期末は3,192百万円)となり、1,919百万円減少しました。これは、現金及び預金の減少(831百万円から160百万円へ670百万円減)並びに受取手形及び売掛金の減少(1,432百万円から891百万円へ541百万円減)等が主な要因であります。

 固定資産は2,808百万円(前期末は6,418百万円)となり、3,609百万円減少しました。これは、固定資産の減損損失2,658百万円を計上したことによる減少等が主な要因であります。

 流動負債は2,788百万円(前期末は5,631百万円)となり、2,842百万円減少しました。減少の主な要因は、支払手形及び買掛金の減少(505百万円から95百万円へ410百万円減)、未払金の減少(529百万円から184百万円へ345百万円減)並びに短期借入金及び1年内返済予定長期借入金の返済等によるものであります。

 固定負債は、841百万円(前期末は1,485百万円)となり、643百万円減少しました。減少の主な要因は、長期借入金の返済等によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産の合計は452百万円(前期末は2,495百万円)となり、前期末と比べ2,042百万円減少しました。この結果、自己資本比率は26.0%から14.8ポイント下落して11.1%に、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の154.57円から126.55円減少して28.01円となりました。

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

 当連結会計年度の売上高は2,659百万円となり、前連結会計年度に比べ3,205百万円の減少となりました。これは、主力事業であるガラス基板事業においてタブレット市場の低迷・顧客生産の海外シフト等の影響を受け、前年下期から受注が大きく低迷し、新たなる領域開拓を進めるものの回復するに至らず、売上が低調に推移しましたこと及び前期まで連結子会社であった株式会社FILWELの全株式を平成28年1月に譲渡し、同事業から撤退したことが主な原因であります。

②売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

 売上原価は、売上高の減少に伴い前期比2,635百万円減少の2,718百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、株式会社FILWELの連結除外による影響の他、給料及び研究開発費の減少等により前期比534百万円減少の547百万円となりました。この結果、営業損失は606百万円(前期は営業損失571百万円)となりました。

③営業外収益、営業外費用、経常利益

 営業外収益は助成金収入の減少等により前期比31百万円減少の69百万円に、営業外費用は支払利息の減少等により前期比46百万円減少の111百万円となりました。この結果、経常損失は648百万円(前期は経常損失627百万円)となりました。

④特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益

 特別利益は当連結会計年度に関係会社株式売却益の計上等があったため前期比1,432百万円増加の1,730百万円に、特別損失は当連結会計年度に減損損失及び事業構造改善費用等の計上があったため前期比2,900百万円増加の3,033百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純損失は1,951百万円(前期は税金等調整前当期純損失461百万円)となりました。

(4)経営戦略の現状と見通し

 わが国経済は、原油価格の下落、中国経済の減速傾向、長期金利の低落等予断を許さない状況にあります。

このような状況の中、液晶ディスプレイ業界では、世界的には市場拡大が予想される一方で中国メーカーの台頭、国内メーカーの環境変化等により厳しい状況が続くと見込まれます。

 当社グループの主力事業である[ガラス基板事業]においては、営業と技術の両面から顧客ニーズを的確に捉え、顧客ニーズに資する製品を供給するとともに、新たな市場開拓を通して受注の安定・拡大に努めてまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要
 設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払並びに法人税等の支払等に資金を充当しております。

②資金の源泉
 主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び関係会社株式の売却等により、必要とする資金を調達しております。

③キャッシュ・フロー
 「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

④借入金について

 当連結会計年度末の借入金は3,171百万円であります。金融機関からの借入れで、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が762百万円、短期借入金が2,408百万円であります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めておりますが、当社グループを取り巻く環境を勘案しますと、デフレ経済の長期化に伴う価格競争の激化、さらに原材料価格の上昇等が懸念され、今後の収益状況も厳しいものとなることが予想されます。

 当社グループといたしましては、価格競争力の向上を図り採算性を維持しながら売上の拡大に努めるとともに、グループ間で情報交換と技術交流を行い、シナジー効果を高めていく所存であります。また、研究開発を強化し、付加価値の高い新製品の開発を積極的に進めてまいります。

(7)継続企業の前提に関する重要事象等について

 「第2 事業の状況 4.事業等のリスク (6)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載しております。