第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、鉱工業生産は内外需要の持ち直しや在庫調整の進展を受けて増加しており、緩やかな回復基調が続いています。しかし、個人消費・設備投資においても、持ち直しの動きが見られるものの、力強さに欠け、原油価格の上昇や朝鮮半島を始めとした国際情勢に対する先行き不安もあることから、景気の先行きは依然として不透明なものとなっています。

当社グループの属する土木業界につきましては、公共投資は底堅く推移し、復興・インフラ関連投資も、引き続き一定規模の投資が見込まれる情勢にあり、堅調な事業環境が続いています。しかしながら、建設技能労働者は依然不足傾向にあり、先行きについては予断を許さない事業環境が続いています。

このような状況下、当社グループは、全工場の操業最大化を実現するため、各工場の設備投資、整流化対策、相互連携強化に取り組み、全社最適生産体制の整備を行うと共に、徹底した原価低減施策を推進することにより、利益率の向上に努めました。前連結会計年度より推し進めてまいりました金谷工場の設備増強工事は完了し本格的生産に移行しています。また、当連結会計年度においては、セグメント新規案件への対応力を補うため、茨城工場及び東松山工場の設備対策工事を成案化し着手致しました。今後も、操業の整流化・最大化と原価低減の両面から効果的・効率的な施策を積極的・計画的に推し進めることにより、収益の更なる上積みに向け努力してまいります。

当連結会計年度の業績は、当社セグメント製品及び防潮堤製品を含めたその他土木製品が増加したことから、売上高は310億44百万円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。また、損益につきましては、増収による利益増に加えて、操業最大化に向けた諸施策の積極推進、コスト削減の継続取り組みにより売上総利益率が改善し、営業利益は28億38百万円(前連結会計年度比153.5%増)、経常利益は28億12百万円(前連結会計年度比146.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億43百万円(前連結会計年度比61.5%増)となりました。

なお、前連結会計年度において、建築事業を営むレスコハウス株式会社の全株式を譲渡したことにより、当社の事業セグメントは土木事業のみの単一セグメントとなったため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2億63百万円増加し、14億93百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、38億33百万円の収入(前連結会計年度は8億8百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は27億82百万円でありましたが、仕入債務の増加額(12億78百万円)、減価償却費(12億20百万円)等の増加要因と、たな卸資産の増加額(△9億37百万円)、売上債権の増加額(△1億77百万円)、法人税等の支払額(△6億66百万円)等の減少要因を加減算したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、19億4百万円の支出(前連結会計年度は26億23百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出(△18億89百万円)が主なものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、16億63百万円の支出(前連結会計年度は11億59百万円の収入)となりました。長短借入金の減少額(△11億83百万円)、配当金の支払額(△4億68百万円)が主なものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千t)

前年同期比(%)

土木事業(コンクリート製品)

460

127.1

土木事業(鋼製品)

39

130.2

建築事業

△100.0

合計

500

123.6

 

(注)  千t未満を切り捨てしております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

土木事業

43,152,231

244.8

49,034,249

132.8

建築事業

△100.0

△100.0

合計

43,152,231

97.1

49,034,249

32.8

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

土木事業

31,044,497

141.4

建築事業

△100.0

合計

31,044,497

116.3

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

新日鐵住金株式会社

6,992,784

26.2

14,622,828

47.1

エムエム建材株式会社

3,141,232

11.8

4,080,938

13.1

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「人の満足を支える」ことを使命とし、社会のニーズに即応した土木建材製品を供給し、社会資本の整備と国民生活の向上に大きく貢献することを基本方針とし、今日まで新たな需要・用途開発を心がけ、高品質で廉価な製品を供給できるようグループ一体となり努力してまいりました。

これからも、この仕事に誇りをもって、新しい技術、新しい製品を創り出し、お客様に、株主の皆様に、社員に、そして地域社会に報いて行く所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、お客様に優れた土木建材製品を供給し、長期的に安心して使用していただくことを基本としておりますので、収益性向上と財務体質強化を最も重要な経営目標としております。具体的には中長期的に、売上高経常利益率5%以上を安定的に計上することを目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループの事業領域である土木業界においては、震災を中心とした災害復興工事、東京オリンピックに向けたインフラ整備、社会資本の老朽化対策等により、引き続き一定規模の投資が見込まれるものの、建設技能労働者の需給動向などからも先行きは予断を許さない事業環境となっております。

当社はかかる状況下、親会社である新日鐵住金株式会社との営業連携の下、今後期待される需要を確実に捕捉するとともに、生産体制の整備に向け、各工場の設備増強、整流化対策、相互連携強化に取り組んでおります。

さらに、今後の成長・発展に向けて、全社員・グループ会社が一丸となり、以下の重点課題にも積極的に取り組んでまいります。

 

①大型プロジェクトに対する生産対応

東京外かく環状道路に加え横浜地区の道路プロジェクトなどの本格生産により、関東圏の生産供給工場である東松山、茨城、金谷の3工場は高レベルの生産活動が継続しております。更に今後の本格的な出荷活動への適切な対応を行ってまいります。また、引き続き各工場の設備増強、整流化対策、相互連携強化を図り、全社最適生産を行うとともに、全社の営業・技術の力を糾合し、大幅な生産増に対する着実な対応を実施し、高品質な製品を安定的に製造、供給してまいります。

 

②ハイブリッド(合成)建材の開発

従来のコンクリートに加えスチールに関する技術を持った優位性を発揮し、ハイブリッド建材の開発に取り組みます。さらに製造、エンジニアリング・設計、営業などあらゆる分野で、ハイブリッドの概念に基づいた提案力を高めることで差別化を図ってまいります。

 

③海外市場への進出

海外子会社であるシンガポールのRC(鉄筋コンクリート)セグメントの販売会社GEOSTR-RV PTE.LTD.、及び同社の子会社であるマレーシアのRCセグメントの製造会社GEOSTR RV (M) SDN.BHD.の安定的収益確保に向け営業の強化、生産管理能力の向上等、事業基盤の整備・強化に取り組み、グループの収益貢献に結び付けてまいります。

 

④グループ経営の強化

当社の設計・生産・施工技術部門と製造委託会社が一体となり、技術力(コスト、品質)をさらに強化し、収益構造変革を進めてまいります。

また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と認識し、コンプライアンス重視を徹底し、社会から信頼されるグループであり続けるよう努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループを取り巻く事業環境について

当社グループの主力製品であるセグメント(トンネルの構造部材)・RC土木製品の大半は、公共工事に使用されます。

公共工事投資の動向は日本政府及び地方自治体の政策によって決定されるものであり、その規模は今後とも安定的に推移するとは限りません。したがって、当社グループの業績は公共工事投資動向により影響をうける可能性があります。

 

(2) 原材料価格変動リスク

当社グループの製品の原材料として使用される鋼材・重油価格等は、市場の動向を反映して変動いたします。したがって、当社グループの損益は原材料価格の変動により影響を受ける可能性があります。

 

(3)人員不足に係るリスク

長期的に労働人口の減少が続くなか、積極的な財政政策や金融緩和を通じた円高修正を受け、国内経済が上昇基調に転じつつあるため、人員不足が発生しております。特に土木分野では顕著であり、業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 貸倒損失の発生リスク

当社グループの関連する土木業界におきましては、公共工事投資が短期的には増加しているものの、これまで長期に亘り減少してきたことにより、債権の貸倒発生により損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利水準の変動

金利水準の上昇が、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害による事業活動の停止リスク

当社グループの生産設備が、大規模な地震その他自然災害に見舞われた場合、生産活動の中断等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

主要な技術提携契約は次のとおりであります。

 

相手先

契約内容

契約期間

鶴見コンクリート株式会社他

技術供与:可撓継手を内蔵したボックスカルバートに関する実施許諾契約

平成7年10月16日から平成10年10月15日まで以降2年ごとの自動更新

SMCプレコンクリート株式会社他(注)

技術供与:アーチカルバートに関する実施許諾契約

平成10年4月1日から平成13年4月1日まで以降1年ごとの自動更新

日本ヒューム株式会社他

技術供与:生物共生式護岸及び護岸パネル材に関する実施許諾契約

平成11年9月1日から平成14年8月31日まで以降1年ごとの自動更新

日本コンクリート株式会社他

技術供与:ボックスカルバート横引き工法に関する実施許諾契約

平成13年10月2日から平成16年10月1日まで以降3年ごとの自動更新

株式会社IHI建材工業他

技術供与:P&PCセグメントに関する実施許諾契約

平成15年4月7日から平成22年4月6日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社

技術導入:生物共生式護岸及び護岸パネル材に関する実施許諾契約

平成10年7月1日から平成13年6月30日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社他

技術導入:P&PCセグメントに関する実施許諾契約

平成15年4月7日から平成22年4月6日まで以降1年ごとの自動更新

マティエール社

技術導入:モジュラーチに関するライセンス契約

平成5年4月28日から平成19年10月24日まで以降2年ごとの自動更新

鶴見コンクリート株式会社

技術導入:遊水池装置に関する実施許諾契約

平成7年9月11日から平成10年9月10日まで以降2年ごとの自動更新

太平洋セメント株式会社

技術導入:ダクタルプレミックスに関する実施許諾契約

平成14年12月2日から平成30年11月27日まで

ランデス株式会社他

技術導入:ハレーサルトに関する実施許諾契約

平成23年3月3日から平成26年3月2日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社他

技術導入:サクセムに関する実施許諾契約

平成18年3月1日から平成38年3月15日まで

BETON6社

技術供与:RCセグメントに関する製造技術

平成26年4月18日から20年間

 

(注) SMCプレコンクリート株式会社は、平成29年4月1日にSMCコンクリート株式会社より社名変更しております。

 

6 【研究開発活動】

(1) 当連結会計年度の研究開発活動は、事業拡大および競争力向上に繋がる商品開発と、生産技術に関して生産性向上・品質向上を基本方針として技術開発に取り組みました。

 

①  セグメント製品関連では、これまでに実用化された継手の更なる高効率化を図り、シールドトンネル分野の拡販に寄与しております。また、今後の需要が期待される東京オリンピックに向けた大規模インフラ整備を見据えた大型RCセグメント、合成セグメントおよびスチールセグメントにおいては、価格競争力向上を目指し、構造および製造合理化に向け、RCならびにスチール系での構造・生産性の向上に向けた研究を進めております。

 

②  土木製品関連では、大断面分割式プレキャストボックスカルバートおよび大断面分割式プレキャストアーチカルバートの技術開発により開削トンネル分野での拡販に繋げております。また、頻発する地震に対して構造物に要求される耐震性能について、本体部材および継手構造の靱性向上を目的とした研究を進めております。今後も防災・減災への適用拡大に向けた研究を進めてまいります。

 

③  ハイブリッド建材関連では、コンクリートと鋼材のそれぞれの長所を活かし、経済性と施工性に優れたハイブリッド建材の開発に取組んでおります。今後、見込まれる建設現場での技能労働者不足を補うために生産性向上への取り組みの対策として施工合理化に適用可能な開発を進めております。今年度の実績としては、首都圏におけるハイブリッド部材が現場に適用されております。

 

これらの活動結果から、当社グループとしての当連結会計年度の研究開発費の総額は、190,977千円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、過去の実績やその他の合理的な方法に基づき算定を行っておりますが、見積りには不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

経営成績につきましては、「第2  事業の状況  1業績等の概要、(1) 業績」を参照願います。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2  事業の状況  4事業等のリスク」を参照願います。

 

(4) 財政状態の分析

①  流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は、211億25百万円(前連結会計年度末は189億90百万円)となり、21億35百万円増加しました。未収入金(18億34百万円から25億47百万円へ7億13百万円増)、仕掛品(15億76百万円から22億61百万円へ6億84百万円増)、原材料及び貯蔵品(11億90百万円から16億83百万円へ4億93百万円増)、現金及び預金(5億3百万円から7億73百万円へ2億70百万円増)が増加したことが主な要因です。

 

②  固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は、104億32百万円(前連結会計年度末は98億10百万円)となり、6億22百万円増加しました。有形固定資産(86億円から91億92百万円へ5億91百万円増)が増加したことが主な要因です。

 

③  流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は、127億76百万円(前連結会計年度末は105億46百万円)となり、22億30百万円増加しました。支払手形及び買掛金(42億74百万円から55億35百万円へ12億60百万円増)、未払法人税等(4億67百万円から8億54百万円へ3億87百万円増)、未払消費税等(97百万円から4億76百万円へ3億78百万円増)が増加したことが主な要因です。

 

④  固定負債

当連結会計年度末における固定負債の残高は、23億30百万円(前連結会計年度末は30億58百万円)となり、7億27百万円減少しました。退職給付に係る負債(3億65百万円から5億28百万円へ1億63百万円増)が増加したものの、長期借入金(20億50百万円から12億円へ8億50百万円減)が減少したことが主な要因です。

 

⑤  純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は、164億51百万円(前連結会計年度末は151億96百万円)となり、12億55百万円増加しました。その他の包括利益累計額合計(1億95百万円から62百万円へ1億33百万円減)が減少したものの、利益剰余金(72億7百万円から86億81百万円へ14億74百万円増)が増加したことが主な要因です。

 

(5) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2  事業の状況  1業績等の概要、(2) キャッシュ・フロー」を参照願います。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2  事業の状況  3経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。