第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「人の満足を支える」ことを使命とし、社会のニーズに即応した土木建材製品を供給し、社会資本の整備と国民生活の向上に大きく貢献することを基本方針とし、今日まで新たな需要・用途開発を心がけ、高品質で廉価な製品を供給できるようグループ一体となり努力してまいりました。

これからも、この仕事に誇りをもって、新しい技術、新しい製品を創り出し、お客様に、株主の皆様に、社員に、そして地域社会に報いて行く所存であります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、お客様に優れた土木建材製品を供給し、長期的に安心して使用していただくことを基本としておりますので、収益性向上と財務体質強化を最も重要な経営目標としております。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を売上高経常利益率5%以上とし、中長期的に安定して計上することを目標としております。

 

(3) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループの事業領域である土木業界においては、公共投資は弱含みの動きが見られるものの、先行きについては補正予算の効果も期待され、引き続き底堅く推移することが見込まれます。しかしながら、競合他社の能力増強に加え、建設技能労働者及び輸送従事労働者の需給動向などから先行きは予断を許さない状況が続いております。

このような状況下、全社員・グループ会社が一丸となり以下の重点課題に取り組んでまいります。

 

① 収益力向上に向けた取り組み

  今後発注が予定されているリニア中央新幹線等の大型物件を、親会社である日本製鉄株式会社との営業連携強化も図り確実に捕捉すると共に、全工場の稼働率の最大化及び安定操業を目指し、全社生産調整による各工場の相互連携強化、並びに整流化対策に取り組んでまいります。同時に徹底したコスト削減を実行し、更なる収益力の向上に向け努力してまいります。

 

② 新規商品の開発・技術提案力の強化

新規分野開拓のため、市場ニーズに基づく商品のブラッシュアップとハイブリッド建材を中心とした差別化製品の開発、展開を進めることで土木製品の市場開拓強化を図ってまいります。同時に当社が得意とする大型・特殊製品の設計織り込みを可能とする技術提案力の強化に取り組んでまいります。

 

③ 海外事業の見直し

海外子会社であるシンガポールのGEOSTR-RV PTE.LTD.、及び同社の子会社であるマレーシアのGEOSTR RV (M) SDN.BHD.については、市場環境悪化を踏まえた事業構造の見直しを実行してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループを取り巻く事業環境について

当社グループの主力製品であるセグメント(トンネルの構造部材)・RC土木製品の大半は、公共工事に使用されます。

公共工事投資の動向は日本政府及び地方自治体の政策によって決定されるものであり、その規模は今後とも安定的に推移するとは限りません。したがって、当社グループの業績は公共工事投資動向により影響をうける可能性があります。

 

(2) 原材料価格変動リスク

当社グループの製品の原材料として使用されるセメント・骨材・鋼材・重油等の価格は、市場の動向を反映して変動いたします。したがって、当社グループの損益は原材料価格の変動により影響を受ける可能性があります。

 

(3)人員不足に係るリスク

長期的に労働人口の減少が続くなか、積極的な財政政策や金融緩和を通じた円高修正を受け、国内経済が上昇基調にあるため、人員不足が発生しております。特に土木分野では顕著であり、業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 貸倒損失の発生リスク

当社グループの関連する土木業界におきましては、公共工事投資が短期的には増加しているものの、これまで長期に亘り減少してきたことにより、債権の貸倒発生により損益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利水準の変動

金利水準の上昇が、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害による事業活動の停止リスク

当社グループの生産設備が、大規模な地震その他自然災害に見舞われた場合、生産活動の中断等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費が持ち直しの動きを見せ、鉱工業生産は一部に弱さが見られるものの、緩やかな回復が続いております。また、企業収益の改善や成長分野への対応等を背景に設備投資は堅調に推移しており、雇用・所得環境の改善が続くなか、今後についても緩やかな回復が続くものと期待されます。しかしながら、消費税率の引き上げを控えていることや、海外経済の不確実性による景気の下振れリスクもあることから、それらの動向・影響等について留意を要する状況にあります。

当社グループの属する土木業界につきましては、公共投資は弱含みの動きが見られるものの、先行きについては次第に補正予算の効果が期待され、底堅く推移することが見込まれます。しかしながら、競合他社の能力増強に加え、建設技能労働者及び輸送従事労働者は依然不足傾向にあり、先行きについては予断を許さない状況が続いています。

このような状況下、当社グループは、新規物件の確実な受注に努めるとともに、全工場の稼働率最大化を目指した全社生産調整による工場間の連携強化や、徹底したコスト削減への取組みによる収益力向上に努めた結果、当連結会計年度は、前連結会計年度を上回る業績を上げることができました。しかしながら、今後の事業環境は極めて厳しくなることが想定され、安定的な収益基盤の構築に向けて、営業力とコスト削減のより一層の強化に取り組んでまいります。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ8億65百万円減少し、329億66百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ20億38百万円減少し、134億25百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億72百万円増加し、195億41百万円となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、大型プロジェクトを含めたセグメント製品が増加したことから、売上高は342億66百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。また、損益につきましては、増収による利益増を主因として、営業利益は35億4百万円(前連結会計年度比3.5%増)、経常利益は35億7百万円(前連結会計年度比3.5%増)と増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失で計上した関係会社事業損失6億1百万円の影響等により20億22百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10億54百万円増加し、29億5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、43億92百万円の収入(前連結会計年度は19億29百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は28億83百万円でありましたが、減価償却費(11億65百万円)、売上債権の減少額(9億55百万円)、関係会社事業損失(6億1百万円)、前受金の増加額(3億50百万円)等の増加要因と、法人税等の支払額(△13億73百万円)、仕入債務の減少額(△7億59百万円)等の減少要因を加減算したことによるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7億96百万円の支出(前連結会計年度は16億84百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出(△7億41百万円)が主なものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、25億36百万円の支出(前連結会計年度は1億7百万円の収入)となりました。短期借入金の減少額(△18億66百万円)、配当金の支払額(△6億56百万円)が主なものであります。

 

  ③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績
 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千t)

前年同期比(%)

土木事業

414

86.6

 

(注)  千t未満を切り捨てて表示しております。

 

  b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

土木事業

41,219,818

132.6

53,444,629

115.0

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

土木事業

34,266,663

101.9

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

新日鐵住金株式会社

17,097,111

50.8

19,068,022

55.6

エムエム建材株式会社

5,145,608

15.3

4,057,690

11.8

阪和興業株式会社

3,371,129

10.0

3,811,569

11.1

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 新日鐵住金株式会社は、2019年4月1日付で日本製鉄株式会社に社名変更いたしました。

 

 

  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

  ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、過去の実績やその他の合理的な方法に基づき算定を行っておりますが、見積りには不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。なお、詳細につきましては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

  ② 経営成績及び財政状態の分析

経営成績等につきましては、「第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況」を参照願います。

 

  ③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況」を参照願います。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

自己資本比率(%)

53.77

52.47

52.13

54.19

59.99

時価ベースの自己資本比率(%)

60.46

92.44

109.64

59.64

40.90

債務償還年数(年)

5.58

0.87

2.10

0.49

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

45.59

233.38

99.26

187.81

 

(注)  自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

*株式時価総額は、期末株価終値X期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

 

  (3) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、主要原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本とし、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び金融機関からの借入により行い、余剰資金については借入金の返済に充当するなど資金の効率化を図っております。

  なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、21億44百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、29億5百万円となっております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

主要な技術提携契約は次のとおりであります。

 

相手先

契約内容

契約期間

鶴見コンクリート株式会社他

技術供与:可撓継手を内蔵したボックスカルバートに関する実施許諾契約

1995年10月16日から1998年10月16日まで以降2年ごとの自動更新

SMCプレコンクリート株式会社他

技術供与:アーチカルバートに関する実施許諾契約

1998年4月1日から2001年4月1日まで以降1年ごとの自動更新

日本ヒューム株式会社他

技術供与:生物共生式護岸及び護岸パネル材に関する実施許諾契約

1999年9月1日から2002年8月31日まで以降1年ごとの自動更新

日本コンクリート株式会社他

技術供与:ボックスカルバート横引き工法に関する実施許諾契約

2001年10月2日から2004年10月1日まで以降3年ごとの自動更新

株式会社IHI建材工業他

技術供与:P&PCセグメントに関する実施許諾契約

2003年4月7日から2010年4月6日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社

技術導入:生物共生式護岸及び護岸パネル材に関する実施許諾契約

1998年7月1日から2001年6月30日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社他

技術導入:P&PCセグメントに関する実施許諾契約

2003年4月7日から2010年4月6日まで以降1年ごとの自動更新

マティエール社

技術導入:モジュラーチに関するライセンス契約

1993年4月28日から2007年10月24日まで以降2年ごとの自動更新

鶴見コンクリート株式会社

技術導入:遊水池装置に関する実施許諾契約

1995年9月11日から1998年9月10日まで以降2年ごとの自動更新

ランデス株式会社他

技術導入:ハレーサルトに関する実施許諾契約

2011年3月3日から2014年3月2日まで以降1年ごとの自動更新

鹿島建設株式会社他

技術導入:サクセムに関する実施許諾契約

2006年3月1日から2026年3月15日まで

BETON6社

技術供与:RCセグメントに関する製造技術

2014年4月18日から20年間

 

 

5 【研究開発活動】

  当連結会計年度の研究開発活動は、生産性向上及び品質向上をベースにして競争力の更なる向上を目的に研究開発に取り組みました。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、246百万円であります。

 

(1) シールドトンネル用セグメント製品関連では、拡大する大断面トンネル化及び高耐力トンネル化に対応するために継手の性能向上を目的に開発を進めております。さらに、セグメントの本体構造におきましても、合成セグメント・RCセグメント・スチールセグメント製品に関する耐荷力性能の向上にむけた研究を進めております。

  また、今後の需要動向に柔軟に対応するために、生産性向上を図るとともに品質の更なる向上を目的に研究開発を行っております。

 

(2) 土木構造物向けプレキャストコンクリート製品関連(土木製品関連)では、セグメント製品と同様に構造物の大断面化に対応するための部材構造の開発に取り組んでおります。これらの開発は、大断面向けの分割式矩形カルバートやアーチカルバートのプレキャスト部材として適用されております。

  また、昨今の建設現場における生産性向上に寄与するためにプレキャスト部材の更なる組立効率向上化に向けた接続方法の研究開発を進めております。