文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「人の満足を支える」ことを使命とし、社会のニーズに即応した土木建材製品を供給し、社会資本の整備と国民生活の向上に大きく貢献することを基本方針とし、今日まで新たな需要・用途開発を心がけ、高品質で廉価な製品を供給できるようグループ一体となり努力してまいりました。
これからも、この仕事に誇りをもって、新しい技術、新しい製品を創り出し、お客様に、株主の皆様に、社員に、そして地域社会に貢献して行く所存であります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、お客様に優れた土木建材製品を供給し、長期的に安心して使用していただくことを使命としておりますので、収益性向上と財務体質強化を最も重要な経営目標としております。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を売上高経常利益率5%とし、中長期的に安定して計上することを目標としております。
(3) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループの属する土木業界につきましては、公共投資は堅調に推移しており、先行きについても関連予算の執行による効果が期待されています。しかし、2020年10月に発生した東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没に関する当社への影響につきましては、現在も確認中ではありますが、当面は工事中断を前提として今後の収益を見通しております。また顧客において新型コロナウイルス感染症が原因となり工事が中断されることも考えられる等、引き続き予断を許さない状況にあります。このような状況下、全社員・グループ会社が一丸となり以下の重点課題に取り組んでまいります。
①収益力向上に向けた取り組み
当社グループは、大型セグメントに留まらず中小セグメント、土木製品等の新規受注ならびに生産の積み増しに努めると共に、徹底した原価低減を行い収益力向上に努めております。特にリニア中央新幹線の第一首都圏トンネル(北品川工区)で使用するRCセグメントについては、工事の施工会社から2018年度に受注し、2019年度7月より生産を開始しました。なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループにおける損益に与える影響は、現在のところ無いものと判断しておりますが、感染拡大の影響による社会経済全体の収縮といったこれまで経験のない事態に直面し、その影響をいずれ受ける可能性があるため、常にリスクを事前に想定しながら、状況に応じた迅速な対応を行ってまいります。
また今期減損処理を行った福岡工場につきましては、今後、九州地区の事業環境を踏まえた営業戦略と、それに基づく最適生産体制を構築するとともに、固定費規模の適正化を含むコスト改善の継続的・確実な実行による競争力強化を推進し、同工場の収益基盤を確立してまいります。
②新規商品の開発・技術提案力の強化
公共工事予算が増加している防災・減災分野を中心に新規分野開拓に向け、市場ニーズに基づく商品のブラッシュアップとコンクリートと鉄のハイブリッド建材を中心とした差別化製品の開発を行い、土木製品の市場開拓強化を図ってまいります。同時に当社が得意とする大型・特殊製品を設計に織り込む専門部署を設置し、技術提案力の強化に取り組んでまいります。
③働き方改革への取り組み
業務効率化とシステム化、人材開発による社員の能力向上を通じ生産性向上を図り、労働時間をより適正化する真の働き方改革に取り組みます。また新型コロナウイルス感染症対策としてリモートワークの導入を実施し、社員の安全を確保しつつ業務改善を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループを取り巻く事業環境について
当社グループの主力製品であるセグメント(トンネルの構造部材)・RC土木製品の大半は、公共工事に使用されます。公共工事投資の動向は日本政府及び地方自治体の政策によって決定されるものであります。したがって、当社グループの業績は公共工事投資動向により影響を受ける可能性があります。
(2) 原材料価格変動リスク
当社グループの製品の原材料として使用されるセメント・骨材・鋼材・重油等の価格は、市場の動向を反映して変動いたします。したがって、当社グループの損益は原材料価格の変動により影響を受ける可能性があります。リスクに対しては全国で使用する原材料の集中購買の検討を行うなど抜本的な調達改革を実行し、コスト削減に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響で一部の業種で緩和したものの、長期的に労働人口の減少が続くなか、人手不足が発生する見込みであります。特に土木分野では、依然人手不足が継続しており、業務運営や業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは、人手不足に対処する観点より外国人労働者を受け入れております。多国語による「安全のしおり」、「安全ポスター」の作成や、多国語版の安全教育DVDを作成するなどし、外国人労働者が安全でスムーズに働ける環境づくりに努めております。
(4) 貸倒損失の発生リスク
当社グループの関連する土木業界におきましては、公共工事投資がここ数年は増加しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響等から、債権の貸倒発生により損益に影響を及ぼす可能性があります。信用調査会社の評点を参考に毎年与信枠の見直しを行い、与信枠を超える物件については個別審議を実施しています。
(5) 災害による事業活動の停止リスク
当社グループの生産設備が、大規模な地震その他自然災害に見舞われた場合、生産活動の中断等により業績に影響を及ぼす可能性があります。各工場で地震対応マニュアル整備、避難経路、避難場所の明示、非常用備品の備置、毎年避難訓練の実施などの大規模地震対策を講じております。
(6) 感染症による事業活動の停止と収益変動リスク
当社グループの生産要員が、感染症に見舞われた場合、生産活動の中断等が生じ得ます。また顧客において感染症が原因となり工事が中断された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大については、直接的な影響を受けにくい業種ではありますが、社会経済全体での収縮というこれまで経験のない事態が生じており、その影響をいずれ受ける可能性があります。ついては、常にリスクを事前に想定しながら、状況に応じた迅速な対応を行ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済活動の停滞や個人消費 の低迷が続く等厳しい状況となりました。鉱工業生産は国内外の需要落ち込み、設備投資は企業収益の悪化による上期の大幅な減少からそれぞれ持ち直しつつあるものの、全体として低い水準で推移しております。今後の先行きについては、持ち直しの動きが期待されますが、感染再拡大による国内外経済の下振れリスクや金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があり、不透明な状況が続いております。
当社グループの属する土木業界につきましては、公共投資は堅調に推移しており、先行きについても関連予算の執行により堅調に推移することが見込まれます。しかし、2020年10月に発生した東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没事故に伴い、出荷遅れが発生しており、加えて顧客において新型コロナウイルス感染症が原因となり工事が中断されることも考えられる等、引き続き予断を許さない状況にあります。
このような状況下、当社グループは、大型セグメントに留まらず中小セグメント、土木製品等の新規受注ならびに生産の積み増しに努めると共に、徹底した原価低減を行い収益力向上に努めてまいりました。なお、当社福岡工場が拠点とする九州地区は、鉄道・幹線道路向けの需要が減少し、当面の収益確保が見通せないため、当連結会計年度において減損損失を計上いたしました。
また、新型コロナウイルス感染症が当社グループにおける損益に与える影響は、現在のところ無いものと判断しておりますが、収束が未だ見えない新型コロナウイルス感染症の影響をいずれ受ける可能性があるため、常にリスクを事前に想定しながら、状況に応じた迅速な対応を行ってまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高301億49百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益17億64百万円(前連結会計年度比25.7%増)、経常利益17億78百万円(前連結会計年度比25.8%増)と増収増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に計上した減損損失4億70百万円の影響等により8億91百万円(前連結会計年度比68.7%増)となりました。なお、当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標を売上高経常利益率5%ととし、中長期的に安定して計上することを目標としておりますが、当連結会計年度の売上高経常利益率は、5.9%となりました。
b. 財政状態
イ.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ27億69百万円増加し、329億18百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。流動資産は27億34百万円増加の233億24百万円(前連結会計年度比13.3%増)、固定資産は35百万円増加の95億93百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、商品及び製品(前連結会計年度増減額△18億36百万円)等が減少したものの、預け金(同30億5百万円)、仕掛品(同13億76百万円)、受取手形及び売掛金(同5億42百万円)等が増加したことによるものです。固定資産の増加の主な要因は、土地(前連結会計年度増減額△2億11百万円)、建物および構築物(同△2億2百万円)、機械装置及び運搬具(同△1億86百万円)等が減少したものの、繰延税金資産(同3億25百万円)、投資有価証券(同2億75百万円)等が増加したことによるものです。
ロ.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ17億52百万円増加し、123億32百万円(前連結会計年度比16.6%増)となりました。流動負債は28億16百万円増加の118億59百万円(前連結会計年度比31.1%増)、固定負債は10億63百万円減少の4億72百万円(前連結会計年度比69.2%減)となりました。負債の増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加により未払法人税等(前連結会計年度増減額7億65百万円)が増加したことに加え、前受金(同5億10百万円)、支払手形及び買掛金(同3億51百万円)等が増加したことによるものです。
ハ.純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億16百万円増加し、205億85百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。純資産の変動の主な要因は、利益剰余金の増加(前連結会計年度増減額7億34百万円)、投資有価証券の時価評価増加に伴うその他有価証券評価差額金の増加(同2億32百万円)によるものです。以上の結果、自己資本比率は62.5%となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、37億31百万円の収入(前連結会計年度は2億22百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益は12億85百万円(前連結会計年度は7億72百万円)でありましたが、減価償却費(6億87百万円)、減損損失(4億70百万円)、前受金の増加額(5億10百万円)、未収入金の減少額(3億53百万円)、仕入債務の増加額(3億51百万円)等の増加要因と、売上債権の増加額(△5億42百万円)等の減少要因を加減算したことによるものであります。営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度から大きく増加している主な要因は、前連結会計年度において海外事業からの撤退に伴う損失の支払が発生していたことに加え、税金等調整前当期純利益が大きく増加する中で、前連結会計年度分の法人税等が還付となり、支払が発生しなかったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億63百万円の支出(前連結会計年度は9億5百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出(△4億48百万円)が主なものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億66百万円の支出(前連結会計年度は4億53百万円の支出)となりました。配当金の支払額(△1億57百万円)が主なものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(注) 千t未満を切り捨てて表示しております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.当連結会計年度におけるエムエム建材株式会社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、過去の実績やその他の合理的な方法に基づき算定を行っておりますが、見積りには不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」を参照願います。
なお、当社グループの製品の大半は、公共工事に使用され、日本政府及び地方自治体の政策に大きく依存していますが、公共投資の先行きについて底堅く推移していくことが見込まれるため、新型コロナウイルス感染症が当社グループにおける損益に与える影響は、現在のところないものと判断しています。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」を参照願います。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
*株式時価総額は、期末株価終値X期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、主要原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本とし、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び金融機関からの借入により行い、余剰資金については借入金の返済に充当するなど資金の効率化を図っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、12億67百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、48億67百万円となっております。
主要な技術提携契約は次のとおりであります。
当連結会計年度の研究開発活動は、建設現場の生産性向上・品質向上を目指したハーフプレキャスト構造と防災・減災分野に役立つプレキャスト構造に開発テーマを絞り込んで精力的に取り組み、成果を挙げてきました。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、
(1) シールドトンネル用セグメント製品関連につきましては、昨今のトンネルの大断面化・大深度化に対応するために継手の耐荷性能や耐震性能等、各種性能の向上を図った開発に取り組んでおります。さらに、合成セグメント・RCセグメント・スチールセグメント等のセグメント本体構造においても耐荷性能はもとより、施工性に着目した研究も進めております。また、プロジェクトの特性・状況に臨機応変に対応すべく、工場における生産の効率化・合理化および品質の向上に関する研究開発を継続しております。
(2) 土木構造物向けプレキャストコンクリート製品関連(土木製品関連)では、支保工レスによる急速施工化により、建設現場の生産性向上に効果を発揮する埋設型枠用ハーフプレキャスト構造の開発に精力的に取り組んでおります。これらの開発成果品は、大断面のカルバートや梁・床等のプレキャスト部材等、適用範囲を拡大する段階に入っております。また、防災・減災分野では、得意とする防潮堤関連のメニュー拡大も果たしております。さらに、昨今頻繁に発生する豪雨等の異常気象、深刻度を増すインフラ構造物の老朽化、さらに環境保全等のSDGsに関わる課題にソリューションを与えるプレキャストコンクリート製品の開発にも注力しております。