(1)業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、米国では景気回復基調が続き、欧州、日本など先進国は金融緩和政策などが景気を下支えしましたが、中国をはじめとする新興国は経済成長の鈍化が鮮明となりました。また、世界半導体市場は、これまで成長を牽引してきた中国スマートフォン市場の減速により、第2四半期連結会計期間以降、前年同期を下回る状況となりました。
こうした状況下、当社グループでは一丸となって売上拡大とコスト削減に努めましたが、当連結会計年度の業績は、売上高31,755百万円(前期比3.2%減)、営業利益は売上減少に加え販売費及び一般管理費の増加により3,302百万円(前期比20.0%減)、経常利益3,342百万円(前期比27.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,346百万円(前期比36.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
日本につきましては、第2四半期連結会計期間以降、一般工業用研磨材の販売が減少したことから、売上高は16,347百万円(前期比9.1%減)、セグメント利益(営業利益)は2,358百万円(前期比30.0%減)となりました。
北米につきましては、売上高は4,576百万円(前期比3.0%減)、セグメント利益(営業利益)は483百万円(前期比11.3%減)となりました。
アジアにつきましては、最先端ロジックデバイス向けCMP製品及びアルミディスク向け製品の販売が増加したことから、売上高は9,239百万円(前期比8.5%増)、セグメント利益(営業利益)は売上増加に加え製品構成の良化により1,906百万円(前期比24.0%増)となりました。
欧州につきましては、売上高は1,592百万円(前期比0.6%減)、セグメント利益(営業利益)は為替の影響もあり151百万円(前期比30.1%増)となりました。
主な用途別売上の実績は、次のとおりであります。
シリコンウェハー向け製品につきましては、第2四半期連結会計期間以降、半導体需要が前年を下回る状況となったことから、ラッピング材の売上高は3,171百万円(前期比3.2%減)、ポリシング材の売上高は5,753百万円(前期比2.0%減)となりました。
CMP向け製品につきましては、アジア市場で最先端ロジックデバイス向け製品及びメモリデバイス向け製品の販売が好調であったことから、売上高は10,980百万円(前期比8.2%増)となりました。
ハードディスク向け製品につきましては、ハードディスクドライブ市場は縮小傾向にあるものの、アルミディスク向け製品における当社シェアの拡大により、売上高は4,041百万円(前期比16.2%増)となりました。
非半導体関連の一般工業用研磨材につきましては、第2四半期連結会計期間以降、当社製品の需要が減退したことから、売上高は5,403百万円(前期比30.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、1,394百万円増加し、19,820百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,869百万円の収入(前期は6,491百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の減少及び法人税等の支払額の増加により資金の減少があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、1,623百万円の収入(前期は322百万円の収入)となりました。これは、定期預金の預入による支出が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,644百万円の支出(前期は1,687百万円の支出)となりました。これは、自己株式取得のための預託金支出が増加したこと等によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
日本 |
(百万円) |
21,231 |
91.8 |
|
|
北米 |
(百万円) |
4,315 |
96.3 |
|
|
アジア |
(百万円) |
5,795 |
125.6 |
|
|
合計 |
(百万円) |
31,342 |
97.3 |
|
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
||
|
日本 |
348 |
92.9 |
17 |
72.9 |
||
(注)1.受注高の金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|||
|
日本 |
(百万円) |
16,347 |
90.9 |
||
|
北米 |
(百万円) |
4,576 |
97.0 |
||
|
アジア |
(百万円) |
9,239 |
108.5 |
||
|
欧州 |
(百万円) |
1,592 |
99.4 |
||
|
合計 |
(百万円) |
31,755 |
96.8 |
||
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
長瀬産業㈱ |
7,152 |
21.7 |
5,948 |
18.7 |
|
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING CO.,LTD. |
3,579 |
10.9 |
3,864 |
12.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社が主に事業展開している半導体産業はかねてより好不況の波が激しい上に、近年その成長鈍化が鮮明となっております。当社においても半導体業界の好不況の波から受ける影響を緩和させ、売上の安定化と更なる拡大を目指し、新規事業本部および先端技術研究所を設置し、短期および中長期視点での研究開発と新規事業の探索・育成により事業領域の拡大に努めております。
また一方で、高度化するお客様の要求に応えるための高品質製品の開発やその要求への速やかで十分な対応のための販売管理費の増加や原材料価格の上昇による収益の悪化が新たな課題として顕在化しております。このような状況下、製造原価と販売管理費を横断した発生費用の低減によりコスト体質を強化し、事業の採算性向上と競争力強化を図ることも当社グループの課題であると認識しております。具体的には、抜本的な業務プロセスの見直しと社内ITインフラの整備を進めると共に、現場に密着した継続的なコスト改善活動の推進等、収益改善の地道な取組みを強化しております。
会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については以下のとおりであります。
1.基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社の株式は金融商品取引所に上場されていることから、資本市場において自由に取引されるべきものであると考えております。したがって、当社の株券等の大規模買付行為(下記3.②に定義します。以下同じとします。)については、原則としてこれを否定するものではなく、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様の自由な意思に基づいて決定されるべきものと考えております。また、当社は、当社の株券等の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株券等の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、十分な時間や情報が提供されないまま、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるものや、対象会社の取締役会や株主が当該大規模買付行為の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案の提案等を行うための十分な時間や情報を与えないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
また、平成28年3月31日現在における当社の大株主の状況は、第4「提出会社の状況」1.「株式等の状況」のとおりであり、当社役員及びその親族、関係者(以下「当社役員等」といいます。)が発行済株式の一部を保有しております。当社は上場会社であり、当社役員等が各々の事情により株式の譲渡その他の処分をすることや役員の異動等によって持株比率が低下する可能性も否定できないことに加え、これまで注力してきた当社事業の基盤を成す人材の育成や設備投資、中長期的な事業領域の拡大に結びつく新規成長事業への投資等、自己資本の充実、又は他社との業務資本提携等のために、必要となる資金を資本市場から調達することもひとつの選択肢として考えられ、これを実施する場合には、現在の役員等の持株比率が低下する可能性もあり得るものと考えております。
当社の企業価値の源泉を十分理解し、これらを中長期的に確保し、長年築きあげてきた技術、ノウハウなどの無形の経営資源と市場とを有機的に結合させ企業価値の増大を図る経営をすることができなければ、ステークホルダーの信頼を得ることができず、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反することとなると考えます。
当社は、上記のような当社の企業価値の源泉を理解せず、これらを中長期的に確保し、企業価値の増大を図る経営を企図しない大規模買付行為やこれに類似する行為により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する恐れがある当社の株券等の大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
2.基本方針の実現に資する取組みの概要
① 当社の企業価値の源泉について
当社の創業以来蓄積されたノウハウと研究開発力から生まれた当社製品の数々は、シリコンウェハーに代表される半導体基板の鏡面研磨、半導体チップの多層配線に必要なCMP(化学的機械的平坦化)、ハードディスクの研磨など高精度な表面加工が求められる先端産業に欠かせぬものとなっております。なかでも、主力事業分野である半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、超精密研磨のリーディングカンパニーとして、大手企業の新規参入に対して市場優位性を維持しております。
最近では、LED、ディスプレイ、パワーエレクトロニクス用部品等の硬脆材の表面加工分野やその他様々な表面加工のニーズに独自のソリューションで応える取組みを積極的に進めております。また、溶射技術や装置に最適な溶射材の開発・商品化で新分野を開拓しております。
このように当社は、「パウダー&サーフェイス分野」を事業領域として、コア技術を高め先端技術をリードすることにより、お客様の満足度を高め信頼を勝ち得てまいりました。また、当社が特定の企業グループに属することなく独立性の高い経営を堅持していることも、多くのお客様から受け入れていただいている一因と考えております。
当社のコーポレートスローガン「技術を磨き、心をつなぐ」には、先端技術を通してより良い製品づくりに貢献し、人々の心をつなぎ、生活を豊かにするという意味が込められており、人を尊重し地球環境に配慮した製品づくりが当社の「ものづくり」の根底に流れております。
当社はこうした「ものづくりの精神」と従業員一人ひとりが変化に果敢に挑戦するという企業風土とITを駆使した情報の共有化をテコに、企業競争力の向上と持続的成長によって企業価値を増大してまいりました。
当社の企業価値の源泉は、こうした製造現場と一体となった高い技術力・開発力、長い歴史のなかで培われたお客様との信頼関係、労使間の健全かつ一体感のある企業風土にあると考えております。
今後の技術革新をリードし業績の拡大を目指していくためにも、お客様の信頼度のさらなる向上、従業員の士気向上を図っていくことが重要と考えており、当社はこうした方針のもと、引き続き企業価値の向上にグループを挙げ取り組んでまいります。
② 企業価値向上のための取組み(中長期経営計画)
当社は、平成28年6月現在、平成34年3月(2022年)期を最終年度とする6年間の中長期経営計画(新中長期経営計画)を策定中であり、検討の最終段階を迎えております。
本来であれば、当期は平成21年6月に策定した中長期経営計画の第3段階にあたり、強固な財務基盤構築、環境配慮型企業活動推進、安定した事業ポートフォリオ構築のフェーズに入っておりましたが、計画の前提となる市場環境および世界経済環境が大きく変化したことから、次なる成長を遂げるために計画の見直しを行ったものです。
新中長期経営計画では、「私たちは、一人ひとりの前向きなアイデアとチャレンジを応援します。」を中長期企業ビジョンに据えました。これは、社員一人ひとりから自発的なアイデアとチャレンジが次々と生まれ、組織がそれを育む土壌を整えることで、環境の変化に対応し、最終ゴールである企業文化ビジョンに掲げた「強く、やさしく、面白い会社」に向かっていくことを意図したものです。また、これまで築き上げた強固な財務基盤を背景として、成長のための既存及び新規分野、新技術獲得への投資を積極的に行うと同時に株主の皆様への還元強化、CSR活動にも力を注いでまいります。
当社はこれまで半導体市場を主たる事業領域としてまいりましたが、事業環境の変化はその大きさとスピードを増しています。長らく半導体市場の主役であったパソコンは2012年以降出荷台数の減少が続いており、2010年以降スマートフォンと共に市場を牽引してきたタブレットは2015年には既に出荷台数が前年割れとなりました。スマートフォンについても、成長率は大きく鈍化しており、ポストスマートフォン向け市場創出に向けた新たな業界再編の動きが活発になっております。こうした事業環境下で安定的かつ持続的な成長を遂げるためには、当社は特定の市場や用途に偏ることがない事業構造が必要であると考えております。そこで、当社は、企業ビジョンとして、「既存事業の強化を図りつつ新規分野に積極果敢にチャレンジし、半導体関連分野(シリコン・CMP)と非半導体関連分野の安定した事業バランスの構築を目指します」を掲げ、従来から推進しているシリコン・CMP・ディスク・機能材・溶射材・新規の6事業に加え、平成27年4月の組織変更において「先端技術研究所」を設置し、中長期的な新規事業の探索と育成のための体制を強化いたしました。
これらを通じて安定した事業構造を維持するため、将来的には事業構造比率として半導体関連比率50%、非半導体関連比率50%を目指しております。
また、全社レベルの目標を事業ごとに戦略目標、施策として具現化し、その成果については評価指標(KPI)によって定期的に進捗管理するなど、明確な責任体制のもと事業戦略を組織横断的に展開しております。
[シリコン事業]
半導体基板となるシリコンウェハーを高精度に平坦化・鏡面化する研磨工程で用いられる研磨材を製造販売する事業です。益々高度化するお客様の要求に対し、新技術に支えられた独自性の高い新製品を提供し、「最も信頼されるパートナー」を目指してまいります。また、近年注目されているパワーデバイス基板向け製品開発にも注力してまいります。
[CMP事業]
半導体デバイスの製造工程で用いられる研磨材を製造販売する事業です。半導体デバイスの高密度化・高集積化に伴い多層化される配線を平坦化するCMPが適用される工程は増加傾向にあります。お客様の製造・開発拠点に近い、日本、米国、台湾に当社も製造・開発拠点を設け、お客様とより密接な関係を構築し、お客様のロードマップに沿った新製品を迅速に開発することのみならず、安定で高品質な製品・サービスを提供してまいります。
[ディスク事業]
パソコンやHDD搭載型TV、DVD・BDレコーダーなどの記憶媒体であるハードディスク用基板の製造工程に用いられる研磨材を製造販売する事業です。お客様の生産拠点が集中するマレーシアに製造拠点を置くとともに技術スタッフを配置し、技術サポートを強化することでお客様との信頼関係を構築し、次世代ディスク基板への要求を早期に入手することにより、お客様の要求に合った新製品をタイムリーに提供してまいります。
[機能材事業]
電子部品、自動車、レンズ等に使用される精密砥石、研磨布紙及びラッピング・ポリシング向けの研磨材、機能性材を製造販売する事業です。パウダー技術を強化し、お客様のご要望に的確な対応をすることにより潜在的なニーズまでも引き出し、お客様の信頼を高めていくよう努めてまいります。また、研磨砥粒の新たな用途もお客様との関係を強化していく中で探索してまいります。
[溶射材事業]
鉄鋼、航空機及び半導体等様々な業界における長寿命化、高機能化を実現するために、環境に優しい表面処理として使用される溶射用途向けに、主にサーメット、セラミックスなどの粉末溶射材を製造販売する事業です。粉末造粒技術を強化し、お客様へのタイムリーなソリューションの提案により、売上拡大と新規市場の開拓を図ってまいります。
[新規事業]
シリコン、CMP、ディスクなど既存事業以外の新規用途で用いられる、金属、セラミック、樹脂などの多種多様な一般工業用品の研磨材等を製造販売する事業です。世界の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面加工ニーズに、研磨材のみならず用途に応じた装置や周辺消耗材の提案・提供を含めたトータルソリューションでお応えしてまいります。
3.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
①当社株券等の大規模買付行為に関する対応策の目的
上記1.記載の基本方針に基づいて、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するような一方的かつ大規模な買付行為及びその類似行為を行う者に対しては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するために、もっとも適切と思われる措置を迅速かつ的確に講じる必要性があると認識しております。このような認識のもと、当社取締役会は、こうした不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止するとともに、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大規模買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主共同の利益のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的として、平成26年6月24日開催の第62期定時株主総会においてご承認いただきました「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下「現対応方針」といいます。)が平成28年6月22日開催の第64期定時株主総会終結の時をもって有効期間満了となるのに先立ち、同総会において現対応方針を更新することについてご承認をいただきました(以下、現対応方針を更新したものを「本対応方針」といいます。)。
②当社株券等の大規模買付行為に関する対応策の概要
本対応方針は、(ア)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得、もしくは、(イ)当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けのいずれかに該当する買付けその他の取得もしくはこれらに類似する行為又はこれらの提案(3(対処すべき課題)において、あわせて「大規模買付行為」といいます。)を適用対象としています。
本対応方針では、当社取締役会が、大規模買付行為を行い又は行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)に対して本対応方針に定める大規模買付情報の提供を要請するための手続を定めています。
取締役会は、(ア)大規模買付者等が本対応方針に定められた手続を遵守せず、又は(イ)大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうような、本対応方針に定める一定の類型に該当すると判断される場合又は該当すると客観的かつ合理的に疑われる事情が存する場合には、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、この諮問に基づき、所定の期間内に、必要に応じて適宜外部専門家等の助言を得た上で、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。
当社取締役会は、上記独立委員会による勧告を最大限尊重した上で、本対応方針における対抗措置の発動を決定します。当社取締役会が対抗措置として一定の行使条件及び取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当ての実施を決議した場合、当社は、本新株予約権を当該決議によって定める全ての株主に対して無償割当ての方法により割り当てます。
4.上記取組みが基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由
上記2.記載の取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。
また上記3.記載の取組みである本対応方針は、大規模買付行為が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大規模買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主共同の利益のために交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させるための枠組みであり、基本方針に沿うものであると考えております。
さらに、本対応方針は、(ア)株主総会の承認により継続され、また必要があれば株主意思確認総会を経る場合があるなど、株主意思を重視するものであること、(イ)経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足し、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論等をも踏まえていること、(ウ)合理的かつ客観的な対抗措置発動要件が設定されていること、(エ)当社取締役会から独立した組織として独立委員会が設置され、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して意思決定することとされていること、(オ)本対応方針は、本対応方針の有効期間の満了前であっても、当社株主総会で選任された取締役で構成された取締役会により、いつでも廃止することができるものとされていること、(カ)当社の取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとされていること等から、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の異常な変動に係るもの
① 特定業界に対する依存度について
当社グループは半導体業界への売上依存度が高く、半導体業界の景気動向に左右される体質であります。平成28年3月期の半導体業界への売上比率は64.5%、そのうち半導体ウェハー向け製品29.9%、CMP向け製品が34.6%であります。
② 外国為替変動による影響
当社グループは積極的に海外との取引を展開しており、海外連結子会社6社を有しております。平成27年3月期及び平成28年3月期における連結売上高の海外売上高比率は、それぞれ76.2%及び74.5%となっており、今後も高い比率で推移するものと想定いたします。外貨建ての取引は必要に応じて先物為替予約によりヘッジを行っておりますが、為替変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害等の発生
当社は、本社及び生産拠点を中部地区に有しており、将来発生が予想されている南海トラフの巨大地震により大きな被害を受ける可能性があります。当社グループでは、大規模地震が発生した場合、被害を最小限に抑えるべく地震対応BCP(事業継続計画)や災害対策マニュアルを策定して迅速な復旧対応ができるように体制の整備を進めておりますが、予想を遥かに超える地震が発生した場合には、各生産拠点は、建物、生産設備、在庫等の当社資産が大きな被害を受け操業不能となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、研究開発活動の拠点としている当社の研究開発センターは、超精密加工・測定に適した用地に、超純水・クリーンルーム等必要なユーティリティ設備を配備し、一定規模の地震には耐えられるよう設計・建設されております。しかしながら、予想を超えた大規模地震の発生により研究開発設備やユーティリティ設備に支障が生じた場合には、復旧までの期間、研究開発活動に遅延が生じる可能性があります。
④ 技術革新による影響
当社グループは超精密研磨材分野において、常に技術力の維持・向上に努め、研磨材・ポリシング材及び研磨加工プロセスに関し積極的な研究開発活動を展開してきたことにより、最先端技術の開発と新製品の早期市場投入に成功し、これまで高いシェアと利益率を維持してまいりました。しかしながら、予想を超えた技術・市場の変化により、お客様の技術的なニーズを満たす製品を速やかに提供できない等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 原材料高騰による影響
当社グループで製造している研磨材には、海外から輸入される天然資源を原材料とするものがあります。近年当該原材料価格が高騰しており、更なる原材料価格の高騰は利益の一層の減少に繋がり当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 環境法規制による影響
当社グループの製品には様々な化学物質が使用されています。化学物質の人体への危険有害性、環境への悪影響等の懸念が強まるなか、当社グループは化学物質規制をめぐる状況の変化に適切・迅速に対応してまいりますが、万一これらの状況に対応できない場合、製品の製造・販売の中止を余儀なくされる等、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 知的財産権について
当社は、技術の差別化と製品の競争力強化を目的とした独自技術の確保に努め、これに対応した知的財産の取得・維持を継続して進めております。しかしながら、当社製品が使用される最先端技術分野の技術革新はめざましく、また特許出願公開制度に起因する情報のタイムラグ等により、当社が開発・上市した製品が結果的に他社の先願特許に係わる技術範囲に包含される事態も予想され、これにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について
① 資材等の調達
当社グループは、原材料、副資材、消耗品、設備、設備部品等を購入しております。購入先の選定にあたっては、生産能力、納期、品質管理能力、コスト、技術開発力、お客様サービス等を総合的に評価し、複数の購入先を確保することを基本としておりますが、一部の品目においては一社購買になっております。そのため、購入先の品質異常、需要の急増等により十分な供給を受けられない可能性があります。
一方、複数の購入先から購入しているものにおいても、購入先が一国に集中している原材料や消耗品があり、資源保有国が自国内への供給を優先させる政策等により、当社グループが十分な供給を受けられない可能性があります。
② 生産の委託
当社の研磨材のうち、一部製品はその生産を協力会社に委託しております。当社は協力会社と長期に亘る取引関係があり、安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、仮に製造委託先に重大な問題が発生した場合には、製品の供給を受けられなくなる可能性があります。
該当事項はありません。
当社製品は、お客様にて製造される製品の性能を大きく左右するため、原材料の検討から最終製品の開発に至るまでの一貫した研究開発活動を進めております。当社のコア技術である、①ろ過・分級・精製技術、②パウダー技術、③ケミカル技術の強化、並びに新規生産技術の開発と実用化を推進しております。また、個々のお客様のニーズに即したソリューション型プロセス開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費は3,254百万円で、日本が2,404百万円、北米が551百万円、アジアが298百万円となりました。
なお、日本においては全ての製品の研究開発活動を、北米及びアジアにおいてはCMP向け製品の研究開発活動を行っております。
シリコンウェハー用のファイナルポリシング材においては、半導体デバイスの微細化に伴い、ウェハー表面の極微小なディフェクト(パーティクル、欠陥、異物)の低減と表面の平滑性がますます重要となっております。近年、極微小ディフェクトを低減し、同時により高精度な平滑面に仕上げることが出来るポリシング材を開発しており、大手のお客様で採用されております。また、一次・二次ポリシング材についても、加工精度と生産性向上に寄与する新コンセプトの商品を開発しており、多くのお客様に採用されております。
ラッピング用研磨材に関しましては、シリコンウェハー用途を中心に、品質向上及びコストダウンを念頭に置いた量産化技術の開発に取り組み、基礎技術開発は完了し、今後は量産適用に向けて評価を進めていく段階となっております。また、シリコンウェハーの切断用研磨材につきましては、切断ロスを抑え、ウェハーの品質向上のために新たに細目粒度の使用を推進する等の開発活動を展開しております。
パワーデバイスの分野で用いられるSiC基板やGaN基板など難加工材料用のポリシング材においては、高速・高面質となる新たな商品・プロセスの開発に取り組んでおります。
CMP向け製品については、半導体デバイスの高集積化がますます進展し、新構造トランジスタを作製するためのポリシング材をはじめとする各種製品の需要拡大が進んでおります。加えて、次世代に向け更なる微細化に対応した各種ポリシング材製品の開発を進めております。新規製品の一部は大手のお客様で採用に向けて評価が進められております。
ハードディスク用ポリシング材に関しましては、他社との競争激化に対抗するべく、高性能な次世代品の開発をしており、お客様での評価が進められております。主力製品のアルミディスク用に加えて、ガラスディスク用ポリシング材に関しましても、大手のお客様での評価や採用が継続して進められております。
機能材分野におきましては、プラスチック、ガラス、セラミックを中心に多種多様な材料の研磨・研削スラリーの開発に取り組んでおります。多種多様なお客様に対応するため、お客様のご要望を的確に捉え、当社の技術力を活用してお客様にご満足していただける開発を推進しています。
溶射材事業につきましては、半導体及び液晶関連製造装置等に高純度セラミックス材、鉄鋼・発電・航空機及び一般機械部品等にはサーメット材、更に新規の溶射技術・装置に最適な材料の開発を推進し需要拡大を図っております。
新規事業におきましては、半導体、ディスク用途など既存事業以外の新規用途で用いられる、金属、セラミック、樹脂などの多種多様な一般工業用部品の研磨材等の開発に取り組んでおります。具体的な用途ではLED、ディスプレイ、モバイル用途等の様々な事業機会に対応しております。世界中の様々な業界のお客様から寄せられる、新たな表面創成ニーズに、トータルソリューションでお応えしております。
先端技術研究所は、1)既存のコア技術の深耕・強化、2)フジミの技術と親和性の有る分野での新規事業の創出、3)フジミとシナジーを有し、基盤技術強化や補完に役立つ有望な技術を保有するベンチャーへの投資やM&Aの3つを遂行するために設立して以来、1年が経過しました。この間、開発活動としては展示会を利用してコア技術を社外発信し、社外研究機関との連携を活発化させ、「パウダー&サーフェイス分野」で事業領域の拡大となる新規事業テーマの探索に努めて参りました。また、既存事業に関わるろ過・分級技術、パウダー技術、ケミカル技術や分析技術の強化を推進しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。この見積りは、過去の実績や今後の見通しに基づき合理的と考えられる方法で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、連結財務諸表の作成において使用される以下の重要な会計方針が特に当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、お客様の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しておりますが、お客様の支払能力が低下した場合には追加引当が必要となる可能性があります。
② 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との間に差額が生じた場合、評価減を実施しております。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この適用にあたり、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて将来のキャッシュ・フロー等の見積りを行っておりますが、その仮定及び予測に変動が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式の投資価値の下落に対しては、減損処理を行っております。この減損処理は、時価が取得原価に対して50%以上下落した場合、加えて30%~50%程度下落した場合で、回復の見込がないと判断される場合に行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来における課税所得の見積りにより影響を受けます。経営成績の悪化等により将来の課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が取崩されることにより、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付債務等
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
(経営成績)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が31,755百万円(前期比3.2%減)、営業利益は3,302百万円(前期比20.0%減)、経常利益は3,342百万円(前期比27.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,346百万円(前期比36.5%減)となりました。
売上高及び営業利益につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおり、世界半導体市場の減速により、いずれも前連結会計年度を下回りました。
営業外損益につきましては、廃棄物処分益39百万円等により、39百万円の収益となりました。
税金費用につきましては、995百万円となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ、1,106百万円減少し、50,684百万円となりました。これは、現金及び預金が930百万円、流動資産のその他が1,531百万円増加したものの、有価証券が2,805百万円、有形固定資産が465百万円減少したこと等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末に比べ、935百万円減少し、6,160百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が616百万円、未払法人税等が499百万円、それぞれ減少したこと等によるものです。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ、170百万円減少し、44,523百万円となりました。これは、利益剰余金が1,205百万円増加したものの、為替換算調整勘定が920百万円減少し、自己株式の残高が345百万円増加したこと等によるものです。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。