当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「顧客、社員、株主、地域社会」に必要とされ、貢献することを企業経営の最重要項目と捉え、存在感のある企業を目指して経営に当たっております。
(2)経営戦略等
当社グループは、企業を取り巻く環境が依然厳しい中、社員全員が目標を共有化し、持てる力を最大限発揮し、「全員参加の経営」を基本として取り組んでおります。今後ますます変化が進む時代に対応すべく、以下の項目を中長期的な戦略と位置づけ、実施してまいる所存であります。
① グループ各社の経営力をより強固にするため、経営意思決定のスピード化を図る。
② 「収益基盤の拡充」を最重要課題として、各社コア事業の育成に取り組んでいく。
③ キャッシュ・フロー重視の経営に徹し、財務体質の強化と改善を図る。
④ 営業力の強化を図り、良質な製品の提供を通して、お客様の信頼に応えるべく提案営業を行う。
⑤ グループ各社の将来展望に立ち、時代と社会の要請に応え得る新しい事業の開発を模索し、その実現を図る。
⑥ 事業再構築により、スリムで筋肉質な企業体質への脱却を図る。
⑦ 経営体質の見直しと生産体制の効率化、原価の低減化を徹底させ、コスト競争を勝ち抜く。
⑧ グループ会社の「智慧」を集め、この時代を生き抜くための人材育成を行う。
(3)経営環境
経営環境につきましては、建設関連事業は、前年度と同水準の公共及び民間工事の発注が見込まれるものの、引続き原材料や資材価格を始めとするコストは上昇しており、厳しい経営環境が続くと予想されます。電設資材事業については、市場に一服感があることから、受注環境は先行き不透明な状況下にあり、収益はやや伸び悩むものと予想されます。カーライフ関連事業では、燃料油の需要縮小による価格競争激化と仕入価格の高止まりが予想され、また、整備収益と車両販売も楽観視できない環境が続くと予想されます。住宅・生活関連事業については、農産物部門では、きのこ培地の需要は堅調であるものの、長引く円安や原材料の高騰による影響が懸念される状況は続いており、不動産部門では、建築資材や人件費の高騰によるコストの高止まりにより、住宅の購入意欲が伸び悩み、不安定な情勢が予想されます。また、飲食料品部門では、物価上昇による家計収支の圧迫から需要に不透明感はあるものの、営業拡大により売上は前年を上回る見通しであります。
こうした中、当社グループにおきましては、各事業の現状から更なる拡充に向け、拠点・業務エリアの拡大と新業態への挑戦に取組み、適正価格の追求と製品・サービスの質向上により、安定収益の確保を図ってまいります。
また、今後も引続きキャッシュ・フロー重視の経営により、経常収支改善に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題
当社グループは、営業力を強化しコスト削減等を図ると共に、新分野へ進出し、より強い経営体質へ向け改善を図ってまいりました。
今後、以下の重点施策を実施していきたいと考えております。
① 組織文化改革による革新成長の促進とリスク管理の強化
各セグメント内の組織連携及び横断的施策の実行と、人事的公平性及び不均衡の是正、また柔軟性とエンゲージメントの向上、プロセスの合理化・最適化による事業効率の向上を目指す。
② 安全第一の意識再徹底
過去に発生した事故及び危険事例の分析結果と反省点を活かし、安全・安心に関する自主的な取組みと意識を再徹底し「事故0を目指す」。
そして、これからもお客様から選ばれる企業になると共に、将来にわたり持続的な成長を遂げていくため、高い倫理観を持ってコンプライアンス経営を重視し、安定した収益を創出できる企業グループとして、更なる成長発展を目指して、経営基盤の充実と業績の向上に努めてまいります。また、経営環境の変化により、リスクも多様化、高度化していることから、内部統制を強化し、法令遵守の徹底を図り、経営リスクを最小化してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、経常利益を重視しており、2025年6月期の連結指標を次のように設定しております。
売上高 700億円
経常利益 19億円
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
サステナビリティの重要な議案、個別施策に関する議案については、担当部門から報告を受けた経営戦略会議にて討議・決議を行い、取締役会は適宜、報告を受け、審議・監督する体制を執っております。
(2)リスク管理
当社の取締役会は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値向上のために、建設的な議論を行い、企業理念や重要な経営戦略等の大きな方向性を示し、適切なリスクテイクを支える環境整備を行っております。また、企業としてリスクを再認識し、コントロールする仕組みの構築と社員一人ひとりのリスクに対する意識を高め、必要に応じて分析・対策を行っております。
また、DX化により、粒度の違う各事業の活動状況及びリスクを正確に把握し、すばやく判断・対応することにより企業価値の向上に努めます。各事業セクションには、DXを推進するための人材を配置し、又は教育を行い、事業環境の変化に対応できる体制の整備を目指します。
(3)戦略
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応は、重要な経営課題の一部であると認識し、社員一人ひとりが日頃から課題解決への責任感を持ち、実行力を高めることで組織としての成果を出すよう取り組んでおります。
① 気候変動対応
昨今の自然災害の多発を踏まえ、地球温暖化対策としてCO₂排出量を把握の上、諸削減策を実施しております。
② DXの推進
会社が持続的な成長を遂げるために、事業ポートフォリオの見直し、再構築により収益の最大化を図ります。そのために、DXを積極的に推進し、業務効率化と競争力強化を図ってまいります。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、従来手作業で行っていた定型業務を自動化し、作業時間の削減とヒューマンエラーの防止を実現しています。また、販売管理システムを見直し、業務プロセスを一元管理、可視化することで営業効率及び顧客満足度の向上を進めています。
③ 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社は、働きがいのある企業を実現すべく、「活き活きと働きがいを持てる職場環境の整備」、「社員の能力開発」、「挑戦する職場風土の醸成のための人員再配置」を重要課題として捉え、当社に必要される5つの力として、「全体を構想する力」、「新たなものを生み出す力」、「人を巻き込み横断的な企画を主導する力」、「高い目標を協力に推進・実現する力」、「部下を育成・指導する力」を掲げています。これらはいずれも人的資本経営を重要な経営戦略と考え、環境の変化や多様性に対応すべく、持続的な企業価値の向上を目指しております。
多種多様な事業を営む当社にとって、人材の定着・適性にあった職場への配属は極めて重要な課題であります。多様な経験を積んで頂くため、今後入社3年間は3つのセグメント異動を実施し、ビジネス基礎形成と幅広い基礎知識と一本筋の通った専門性(キャリアの軸)の形成を実施してまいります。その後、マネジメント職、スペシャリスト職、ジェネラル職へと人材価値の確立を目指します。これらにより、人材の最適再配置・循環を行い、組織の活性化を図ると共に、人材の定着化も併せて図ってまいります。
また、上記に沿った研修プログラムを設計し、人材の育成に邁進してまいります。
(4)指標及び目標
サステナビリティへの取組みのうち、気候変動に関するリスクと機会に係る課題について、温室効果ガス(以下GHGという)の削減やエネルギー効率の向上等、環境への負荷を最小化する取組みを開始しております。
当社インフラセグメントにおいては、温室効果ガスの排出量を2045年までに実質ゼロにすることを目標として、2023年4月に業界内賛同社と「aNET ZERO イニシアティブ協定」を締結し、目標達成に向けたロードマップの策定を進めております。また、低炭素型コンクリートの製造を推進し、製造プロセスにおけるCO₂排出量を60%削減する技術を導入しており、環境負荷の低減に貢献しています。2024年には、自己治癒コンクリート「バジリスク」の製造販売を開始いたしました。自己治癒コンクリートは、特殊なバクテリアによりコンクリートのひび割れを自己修復する能力を持ち、構造物の寿命を延ばす事が可能となり、メンテナンスコストとCO₂削減が期待できます。
また、再生可能エネルギー導入、省エネ化、CO₂排出量を削減するため事業所の屋根に「太陽光発電システム」の導入を進めています。
なお、投資に関しては、ESG投資として長野県発行のグリーンボンドへの投資を継続的に行い、長野県の環境負荷を軽減する施策に貢献しております。
当社は、前述の「(3)戦略」で記載した通り、今後の環境変化に対応し、持続的な成長を遂げていくために必要な社員の人材要件として、「高見澤5つの力」を定義しました。これに加え、事業戦略と連動した新たな人事制度を制定し、すでに運用を開始しています。さらに、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、過去3か年の実績と今後目指すべき水準を踏まえ、次期中期3か年の最終年度を目途とした目標値を策定しました。次期中期3か年計画の策定に際しては、これらの方針をさらに充実・具体化させ、経営課題の解決に向けて取り組んでまいります。
関連する指標の目標及び実績については以下のとおりとなっております。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)減損会計について
当社グループは、2006年6月期より適用の「固定資産の減損に係る会計基準」に対応するため減損損失の認識の判定を行っておりますが、その結果によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)中国進出について
当社グループは、生コンクリート製造販売を目的に中国国内に合弁会社2社を立ち上げ進出しており、中国国内の規制や経済情勢により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債について
当社グループの有利子負債残高は当連結会計年度末現在で8,904百万円であり、借入依存度は22.6%となっております。将来市場金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)公共工事への依存について
当社グループの主たる事業である建設関連事業及び電設資材事業において、売上高に占める公共工事の割合が高いため、公共工事関連予算の大幅な削減により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、公共事業への依存度を低減するため、長野県内外での営業エリア拡大を図り、公共工事への依存から民間工事へシフトしていくことによって視野を拡げてまいります。
(5)石油製品等の需要について
当社グループのカーライフ関連事業において、売上高のうち主要な部分を占める燃料油は、一般消費者の需要動向の影響を受けております。ハイブリッド車をはじめとする次世代自動車の増加や人口減少により販売数量の減少が予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでのシェアアップによりシナジー効果を更に上げ、石油製品や車両販売拡大につなげてまいります。
(6)大規模自然災害・感染症等のリスクについて
地震、台風、洪水等の自然災害の発生により、生産設備の損害や操業が停止し、事業活動の継続に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症拡大の影響により従業員が感染した場合や経済情勢が悪化した場合には、当社グループの生産から販売に到る一連の事業活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナの生活様式が定着し、社会経済活動が活発化するとともに、インバウンド需要や賃金の上昇による消費の拡大が期待される一方で、物価高による購買意欲の伸び悩みや自動車産業の生産減少、震災などの影響もあり、景気は依然として踊り場にあります。また、ウクライナや中東問題を始めとする国際情勢の不安は長期化しており、加えて長引く円安によるエネルギー価格や諸物価の高止まり、中国経済の減速など、国内経済への影響懸念は大きく、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中にあって、当社グループは、「グループ・各事業部の連携強化」、「CSR(企業の社会的責任)への取組み」、「リスクマネジメント体制の強化」、「人材育成への総合的な取組み」、「コスト削減」等に取組み、更なる安定基盤の構築とグループ全体の事業拡大、強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,936百万円増加し、39,365百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加し、25,149百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ672百万円増加し、14,215百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高71,369百万円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益1,803百万円(前連結会計年度比10.5%増)、経常利益2,113百万円(前連結会計年度比11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益759百万円(前連結会計年度比38.7%減)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(建設関連事業)
建設関連事業の売上高8,646百万円(前連結会計年度比12.5%減)、営業利益は416百万円(前連結会計年度比23.3%増)となりました。
(電設資材事業)
電設資材事業の売上高は37,617百万円(前連結会計年度比8.3%増)、営業利益は1,025百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
(カーライフ関連事業)
カーライフ関連事業の売上高は17,152百万円(前連結会計年度比3.0%増)、営業利益は151百万円(前連結会計年度比31.4%減)となりました。
(住宅・生活関連事業)
住宅・生活関連事業の売上高は7,952百万円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益は462百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて36百万円増加し、当連結会計年度末には2,874百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は1,476百万円(前年同期比46.2%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,164百万円、減価償却費771百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は1,186百万円(前年同期比6.3%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,135百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は254百万円(前年同期比61.4%減)となりました。これは主に社債の償還による支出110百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出87百万円及び配当金の支払額83百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
3,717 |
79.3 |
|
住宅・生活関連事業(食品加工業) (百万円) |
4,018 |
104.7 |
|
合計 |
7,735 |
90.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業 |
6,540 |
80.4 |
2,510 |
120.2 |
|
合計 |
6,540 |
80.4 |
2,510 |
120.2 |
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
2,955 |
86.9 |
|
電設資材事業(百万円) |
32,142 |
108.1 |
|
カーライフ関連事業(百万円) |
13,989 |
102.6 |
|
住宅・生活関連事業(百万円) |
1,770 |
100.3 |
|
合計 |
50,857 |
104.8 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
8,646 |
87.5 |
|
電設資材事業(百万円) |
37,617 |
108.3 |
|
カーライフ関連事業(百万円) |
17,152 |
103.0 |
|
住宅・生活関連事業(百万円) |
7,952 |
103.5 |
|
合計 |
71,369 |
103.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先に該当する主要な販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は22,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ771百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が1,066百万円増加したことによるものであります。固定資産は17,102百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,164百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が924百万円、投資有価証券が192百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、39,365百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,936百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は17,406百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,124百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が686百万円、その他流動負債が484百万円増加したことによるものであります。固定負債は7,743百万円となり、前連結会計年度末に比べ139百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が144百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、25,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加いたしました。(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は14,215百万円となり、前連結会計年度末に比べ672百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益759百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は35.6%(前連結会計年度末は35.3%)となりました。
b.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度においては、建設関連事業は、国内においては、公共工事、民間工事ともにやや低調に推移したものの、ほぼ前年並みの受注量を確保しましたが、中国における不動産建設市場の悪化から売上が大幅に減少し、建設関連全体として減収となりました。一方、原材料・燃料などの価格高騰や仕入商材の値上りに対し、製造原価の低減や販売価格への転嫁に努め増益となりました。
電設資材事業は、設備投資案件に対する積極的な営業活動の結果、受注が好調に推移し、人件費及び諸経費は増加したものの、増収増益となりました。
カーライフ関連事業は、石油部門では、燃料油販売が前年並みを確保するとともに、油外商品が好調に推移し増収となりましたが、原油価格高騰と円安による上昇コストの転嫁が遅れ減益となりました。オート部門では、整備売上及び中古車販売は順調に推移したものの、新車販売の減少により減収減益となりました。
住宅・生活関連事業は、農産物部門では、きのこ培地の販売が順調に推移し、原材料や資材価格の高騰はあったものの、製造原価低減など利幅確保に取組み増収増益となりました。不動産部門では、建売分譲物件の取扱量が増加し増収となりましたが、原価上昇分を吸収出来ず減益となりました。また、飲食料品部門では、家庭内消費が引き続き順調であったことに加え、販売先の拡大と利幅確保につとめ、増収増益となりました。
この結果、売上高71,369百万円(前連結会計年度比3.5%増)、営業利益1,803百万円(前連結会計年度比10.5%増)となりました。
営業外収益は492百万円、営業外費用は182百万円を計上し、経常利益は2,113百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。
特別利益は9百万円、特別損失は958百万円を計上し、法人税等合計552百万円、非支配株主に帰属する当期純損失148百万円により、親会社株主に帰属する当期純利益は759百万円(前連結会計年度比38.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
(契約債務)
2024年6月30日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
2,020 |
2,020 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
6,591 |
1,731 |
2,791 |
1,161 |
907 |
|
リース債務 |
293 |
94 |
134 |
53 |
10 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、出資会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2024年6月30日現在の債務保証額は、89百万円であります。なお、このうち59百万円の債務保証は株主9社による連帯保証であります。
(財務政策)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、石油製品や電設資材の購入費用及び販売用不動産の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の安定性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,904百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,874百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行なっております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に関して適切な仮定の設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの当連結会計年度において、売上高につきましては、建設関連事業において、中国国内の不動産建設市場の低迷により、現地合弁会社の販売量が大幅に減少しました。しかし、電設資材事業において大型設備投資案件向けの販売が増加したこと、カーライフ関連事業において燃料油及び油外商品の販売が堅調に推移したこと、住宅・生活関連事業において建売住宅やキノコ培地の販売が増加したことなどにより全体の売上高は計画を上回りました。
また、利益につきましては、国内事業における売上高の増加に加え、原材料・燃料などの価格高騰や仕入れコスト及び人件費の上昇に対し、原価低減や販売価格への転嫁など利幅確保に努めた結果、営業利益並びに経常利益は計画を上回りました。
一方で、中国経済の減速に伴い、現地合弁会社の事業環境は著しく悪化しており、当面の間、回復が見込めないことから、固定資産の減損損失及び貸倒引当金を増額計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が計画を下回りました。
|
指標 |
2024年6月期(計画) |
2024年6月期(実績) |
2024年6月期(計画比) |
|
売上高 |
68,000百万円 |
71,369百万円 |
3,369百万円 (5.0%増) |
|
営業利益 |
1,600百万円 |
1,803百万円 |
203百万円 (12.7%増) |
|
経常利益 |
1,800百万円 |
2,113百万円 |
313百万円 (17.4%増) |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,200百万円 |
759百万円 |
△440百万円 (36.7%減) |
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(建設関連事業)
(1)護岸ブロック「ネクストーン1.0」の開発
近年、長野県では河川改修工事が増加し災害対応製品の需要が増えています。1割勾配の河川改修工事も多く、特に1割護岸ブロックの施工は非常に手間がかかります。また、建設市場において現場人手不足によりブロックを積む職人(ブロック工)が少なくなっており、護岸ブロックの現場の完成がブロック工次第で大きく左右され時間を要している状況です。本製品は自質的に1:1に傾斜した法面を容易に構築できるものです。従来製品より工期短縮ができるのが特徴となり、災害現場・早期復旧現場納入・現場での生産性向上等で市場の拡大を図っております。
(2)プレキャストボックスカルバート製品連結における接続工法「TSKJ工法」の導入
地震などが原因で起こる地盤の液状化による地盤流動により、不同沈下や浮き上がりが発生します。そのような動きにより、地中構造物の躯体や継手部からの浸水や内容物の外部への漏洩等が懸念されています。本接続工法(TSKJ工法)はレベル2地震動に対応、柔結合で完全止水、最大地盤歪み1.5%の可とう性にも対応します。
また、プレキャストと現場打ちとの接続も可能です。BOXカルバートをはじめ、三面水路、L型、逆T型水路など様々な製品にも流用できるため、さらなる市場拡大が見込めます。
当セグメントに係る研究開発費は