当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「顧客、社員、株主、地域社会」に必要とされ、貢献することを企業経営の最重要項目と捉え、存在感のある企業を目指して経営に当たっております。
(2)経営戦略等
当社グループは、企業を取り巻く環境が依然厳しい中、社員全員が目標を共有化し、持てる力を最大限発揮し、「全員参加の経営」を基本として取り組んでおります。今後ますます変化が進む時代に対応すべく、以下の項目を中長期的な戦略と位置づけ、実施してまいる所存であります。
① グループ各社の経営力をより強固にするため、経営意思決定のスピード化を図る。
② 「収益基盤の拡充」を最重要課題として、各社コア事業の育成に取り組む。
③ キャッシュ・フロー重視の経営に徹し、財務体質の強化と改善を図る。
④ 営業力の強化を図り、良質な製品の提供を通して、お客様の信頼に応えるべく提案営業を行う。
⑤ グループ各社の将来展望に立ち、時代と社会の要請に応え得る新しい事業の開発を模索し、その実現を図る。
⑥ 事業再構築により、スリムで筋肉質な企業体質への脱却を図る。
⑦ 経営体質の見直しと生産体制の効率化、原価の低減化を徹底させ、コスト競争を勝ち抜く。
⑧ グループ会社の「智慧」を集め、この時代を生き抜くための人材育成を行う。
(3)経営環境
経営環境につきましては、建設関連事業においては、公共・民間工事ともに前年度と同水準の受注量が見込まれるものの、原材料、資材価格及び人件費の更なる上昇により、依然として厳しい経営環境が続くと予想されます。電設資材事業においては、米国の関税政策等の影響により、受注環境は先行き不透明な状況下にあり、引き続き積極的な受注活動により増収を見込むものの、人件費及び販売経費のさらなる増加が想定されることから、収益は前期比でやや伸び悩むものと予想されます。カーライフ関連事業においては、燃料販売部門では自動車燃料油の需要縮小に伴う価格競争の激化と仕入価格の高止まりが続いており、自動車販売及び整備部門では、前年度と同水準の取扱量が見込まれるものの、利幅の確保という点では引き続き厳しい状況が予想されます。その他事業においては、農産物部門ではきのこ培地の需要は引続き堅調である一方で、コスト高や価格競争の激化による影響が懸念されます。不動産部門では、建築資材や人件費の高騰に伴う住宅価格の上昇により住宅販売数が伸び悩み、不安定な情勢が続くことが予想されます。飲食料品部門では、物価上昇による家計収支の圧迫から需要に不透明感があるものの、営業拡大により売上は引き続き堅調に推移する見込みです。
こうした状況のもと、当社グループは各事業の持続的成長に向けて、営業エリアの拡大及び新分野への挑戦を積極的に進めるとともに、適正価格の追求と製品・サービスの質の向上を通じて、安定的な収益の確保を図ってまいります。
また、今後もキャッシュ・フロー重視の経営を継続し、経常収支の改善に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、将来にわたり持続的な成長を実現するために、旧来の収益構造と事業組織を抜本的に見直し、経営環境の変化に柔軟に対応できる事業機構と企業文化の改革に取り組んでまいりました。
今後、以下の重点目標の達成に向け、引続き戦略的な取組を推進してまいります。
① 持続的成長に向けた事業基盤の再構築
経営環境の変化に対応し、持続可能な収益源の育成と既存事業の収益構造改革を進める。また、セグメント制の特性を活かし、事業ポートフォリオを継続的に見直すことで、経営資源を最適配分し、成長と収益性の両立を図る。
② 労働生産性・資本生産性の向上
DXを活用して業務の属人化を排除し、創出された人的資源を高付加価値業務へ投入することで労働生産性を向上させる。また、資本コストを意識した経営を徹底し、事業ごとの収益性に応じた資本再配分を行い資本効率の最大化を目指す。
③ 人的資本への投資
長期的な視点で人材を確保・育成し、新たな人事制度の活用によりマネジメント人材と専門人材の育成を強化する。等級別研修やリスキリング制度を整備し、個々の能力向上に取り組むとともに、シニア層の活用を含めた人的資源の最適化を推進する。
④ サステナビリティ経営への取組と社会的責任の遂行
コンプライアンスの徹底を前提とし、社会との共生を重視した経営を実践する。企業の存在意義と果たすべき責任を明確にし、サステナビリティ経営を通じて経営リスクの把握と新たな価値創造に取り組み、持続的な企業価値向上を図る。
⑤ 適切な利益配分とステークホルダー価値の向上
会社の持続的成長に必要な原資を確保しつつ、株主・従業員・取引先・地域社会などのステークホルダーに対して適切に利益を還元する。ステークホルダー価値の向上が企業価値の源泉であることを全社員が意識し、日々行動する。
今後もお客様から選ばれる企業であり続けるため、高い倫理観をもってコンプライアンス経営を重視し、安定的な収益を創出する企業グループとして、経営基盤の強化と業績の一層の向上に努めてまいります。さらに、経営環境の急速な変化により多様化・高度化するリスクに対しては、内部統制体制を強化し、法令順守の徹底を通じて、経営リスクの最小化を図ってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、経常利益を重視しており、2026年6月期の連結指標を次のように設定しております。
売上高 740億円
経常利益 18億円
当社グループのサステナビリティに関する基本方針は、2025年7月1日に新たに策定・公表しました「サステナビリティ経営方針書」に基づいており、企業理念や環境理念の実現に向けて全社員で取り組んでまいります。
当社が考える重要課題及び取組方針は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営の重要課題の一つとして「健全で透明性の高い経営基盤の構築」を掲げており、コーポレートガバナンスの強化は、その取組方針の中核に位置づけております。
コーポレートガバナンスに関わる重要な方針及び個別施策の実行状況については、担当部門から報告を受けた経営戦略会議にて確認・検討を行い、取締役会は適宜、報告を受け、審議・監督する体制を執っております。また、内部通報制度を定期的に見直し、必要に応じて機能の充実を図ってまいります。
(2)リスク管理
当社の取締役会は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値向上のために、建設的な議論を行い、企業理念や重要な経営戦略等の大きな方向性を示し、適切なリスクテイクを支える環境整備を行っております。また、企業としてリスクを再認識し、コントロールする仕組みの構築と社員一人ひとりのリスクに対する意識を高め、必要に応じて分析・対策を行っております。また、リスク評価の内容を定期的に見直すことにより、経営環境の変化に対応できるリスクマネジメント体制を維持・強化してまいります。
(3)戦略
当社グループは、サステナビリティ経営への取組みは、重要な経営課題の一部であると認識し、社員一人ひとりが日頃から課題解決への責任感を持ち、実行力を高めることで組織としての成果を出すよう取り組んでおります。
① 環境負荷の低減
環境面においては「環境に配慮したモノづくり・サービスを通じた資源循環型社会への貢献」を重要課題としており、再生可能エネルギー利用とエネルギー効率化の推進、ITを活用したCO₂排出量の削減、資源循環型の製造プロセスの構築及び地産地消の推進を進めてまいります。
また、ESG投資として長野県発行のグリーンボンドへの投資を継続的に行い、長野県の環境負荷を軽減する施策に貢献しております。
② 社会基盤整備への貢献
社会面においては、「社会基盤を守り、安心・安全なまちづくりの実現」を重要課題としており、社会インフラの維持・整備、安心・安全を守る製品・工事・サービスを通じた地域防災への貢献、事業活動を通じた災害対応への協力・支援に取り組んでまいります。
③ 人的資本
人財面において当社は、会社の持続的な成長に貢献し得る人材を確保するために、「多様性を尊重し、いきいきと活躍できる職場環境の整備」を重要課題と認識しており、安全と健康の確保、全員参加・参画、ワークライフバランスとエンゲージメントの向上、多様な人材育成・登用と活躍の推進を進めてまいります。
多種多様な事業を営む当社にとって、人財の定着・適性にあった職場への配属は極めて重要な課題であります。経営戦略と連動した人財の育成と能力の形成を図るために、セグメント制の特性を生かして人財の最適再配置・循環を継続的に行い、組織の活性化を図るとともに、事業環境の変化に対応できるビジネススキルを備えるべく、戦略的な研修プログラムを設計し、人財の育成に邁進してまいります。
(4)指標及び目標
当社グループは、サステナビリティ経営方針に基づき、取組項目毎に10年後を目途とした目標を次のとおり策定しました。
|
取組分野 |
指標 |
目標 |
|
環境負荷の低減 |
CO₂排出量 (2013年度比scope1,2) |
2035年6月末時点で60%削減 |
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リサイクル材の使用比率 |
2035年6月末時点で10% |
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地域資源活用量 |
2035年6月末時点で50%増 |
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社会基盤整備への貢献 |
防災拠点として機能する事業所数 |
2035年6月末時点で30事業所 |
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上記事業所への防災士配置人数 |
2035年6月末時点で30名 |
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人的資本 |
従業員エンゲージメントスコア |
2035年6月末時点で70点 |
目標達成年度までの過程にある各中期3か年においては、各々の取組指標の実行状況を検証した上で、必要に応じて目標及び施策の見直しを行ってまいります。
なお、既に取組中の目標に対する実行状況は以下のとおりとなっております。
|
指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)減損会計について
当社グループは、2006年6月期より適用の「固定資産の減損に係る会計基準」に対応するため減損損失の認識の判定を行っておりますが、その結果によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)中国事業について
当社グループは、中国国内の合弁会社2社において生コンクリート製造販売事業を行っておりますが、中国国内の規制や経済情勢により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債について
当社グループの有利子負債残高は当連結会計年度末現在で9,531百万円であり、借入依存度は24.5%となっております。将来市場金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)公共工事への依存について
当社グループの主たる事業である建設関連事業及び電設資材事業において、売上高に占める公共工事の割合が高いため、公共工事関連予算の大幅な削減により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、公共事業への依存度を低減するため、長野県内外での営業エリア及び分野の拡大を図り、公共工事への依存から民間工事へシフトしていくことによって事業領域を拡大してまいります。
(5)石油製品等の需要について
当社グループのカーライフ関連事業において、売上高のうち主要な部分を占める自動車燃料油販売は、一般消費者の需要動向の影響を受けております。ハイブリッド車をはじめとする環境配慮型自動車の増加や人口減少により販売数量の減少が予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。販売シェアのアップを図るとともに、事業所向けをはじめとする産業用石油製品の営業を強化するなど、グループのシナジー効果を最大限に活用し、エネルギー関連製品・サービスや自動車関連売上の拡大につなげてまいります。
(6)大規模自然災害・感染症等のリスクについて
地震、台風、洪水等の自然災害の発生により、生産設備の損害や操業が停止し、事業活動の継続に支障をきたした場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症拡大の影響により従業員が感染した場合や経済情勢が悪化した場合には、当社グループの生産から販売に到る一連の事業活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調なインバウンド需要に加え、個人消費にも緩やかな回復傾向がみられ、景気は持ち直しの兆しを見せています。また、デジタル化や脱炭素化を背景とした企業の投資意欲は引続き堅調であり、業種を問わず設備投資の増加傾向が継続しています。一方で、ウクライナや中東における紛争の長期化、アジア太平洋地域における米中対立、米国新政権の政策動向など、地政学的リスクの高まりがグローバル経済の不確実性を一段と増大させています。さらに、為替水準や人件費の上昇に伴うコスト転嫁による物価高、実質賃金の伸び悩みによる家計支出の鈍化、中国経済の減速など、国内経済への下押し要因も多く、先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような経営環境の中にあって、当社グループは、「グループ・各事業部の連携強化」、「CSR(企業の社会的責任)への取組み」、「リスクマネジメント体制の強化」、「人材育成への総合的な取組み」、「コスト削減」等に取り組み、更なる安定基盤の構築とグループ全体の事業拡大、強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ514百万円減少し、38,851百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,047百万円減少し、24,102百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ533百万円増加し、14,748百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高73,567百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益1,457百万円(前連結会計年度比19.2%減)、経常利益1,670百万円(前連結会計年度比21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益670百万円(前連結会計年度比11.7%減)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
なお、以下の前連結会計年度比較につきましては、変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較しております。そのため、従来報告セグメントとしていた、「住宅・生活関連事業」については、「その他事業」として記載しております。
(建設関連事業)
建設関連事業の売上高9,007百万円(前連結会計年度比4.2%増)、営業利益は316百万円(前連結会計年度比24.0%減)となりました。
(電設資材事業)
電設資材事業の売上高は38,320百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益は1,008百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。
(カーライフ関連事業)
カーライフ関連事業の売上高は17,974百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業利益は145百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は8,264百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は235百万円(前連結会計年度比49.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて982百万円増加し、当連結会計年度末には3,856百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は3,748百万円(前年同期比153.9%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,125百万円、売上債権の減少額2,217百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は3,112百万円(前年同期比162.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,070百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果獲得した資金は346百万円(前年同期は254百万円の使用)となりました。これは主に長期借入による収入2,600百万円、長期借入金の返済による支出2,012百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
3,549 |
95.5 |
|
その他事業(食品加工業)(百万円) |
3,970 |
98.8 |
|
合計 |
7,520 |
97.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部取引振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.従来報告セグメントとしていた「住宅・生活関連事業」については、「その他事業」として記載しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業 |
7,724 |
118.1 |
3,185 |
126.9 |
|
合計 |
7,724 |
118.1 |
3,185 |
126.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
3,300 |
111.7 |
|
電設資材事業(百万円) |
32,075 |
99.8 |
|
カーライフ関連事業(百万円) |
14,782 |
105.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
50,157 |
102.2 |
|
その他事業(百万円) |
1,976 |
111.6 |
|
合計 |
52,134 |
102.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.従来報告セグメントとしていた「住宅・生活関連事業」については、「その他事業」として記載しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
建設関連事業(百万円) |
9,007 |
104.2 |
|
電設資材事業(百万円) |
38,320 |
101.9 |
|
カーライフ関連事業(百万円) |
17,974 |
104.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
65,303 |
103.0 |
|
その他事業(百万円) |
8,264 |
103.9 |
|
合計 |
73,567 |
103.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先に該当する主要な販売先はありません。
3.従来報告セグメントとしていた「住宅・生活関連事業」については、「その他事業」として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は20,748百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,514百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が994百万円増加したものの、受取手形が649百万円、売掛金が663百万円、電子記録債権が611百万円減少したことによるものであります。固定資産は18,102百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,000百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が1,273百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、38,851百万円となり、前連結会計年度末に比べ514百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は16,226百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,179百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が1,032百万円減少したことによるものであります。固定負債は7,875百万円となり、前連結会計年度末に比べ132百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る負債が113百万円減少したものの、長期借入金が242百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、24,102百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,047百万円減少いたしました。(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は14,748百万円となり、前連結会計年度末に比べ533百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益670百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は37.4%(前連結会計年度末は35.6%)となりました。
b.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度においては、建設関連事業は、公共工事の発注量はやや低調であったものの、民間工事向け需要が堅調に推移したことに加え、工法提案を始めとする積極的な営業活動により、受注量が増加し増収となりました。一方、人件費、材料費及び販売経費が増加し、生産効率向上や価格転嫁に努めたものの、減益となりました。
電設資材事業は、公共向け及び民間向けともに、省エネ・省力化や環境負荷低減に関わる設備投資案件への販売が好調に推移し増収となりましたが、人件費、輸送費及び販売経費が増加し減益となりました。
カーライフ関連事業は、石油部門では、燃料油小売りは前年をやや下回ったものの、法人向け販売の積極営業により増収となりましたが、仕入価格の高止まりや人件費の上昇などによるコスト増加分を価格転嫁しきれず減益となりました。オート部門では、自動車の需給改善に伴う車両販売の増加と利幅の改善に加え、整備売上が堅調に推移し、増収増益となりました。
その他事業は、フード関連事業においては、農業関連部門で農産物取扱高が伸長しましたが、主力のきのこ培地販売が競争激化により減少し、生産効率向上など利幅確保に取り組んだものの、原材料費及び人件費の増加に加え、新工場取得に伴う一時費用により、減収減益となりました。飲食料品部門では、家庭内消費が堅調に推移したことから増収となりましたが、原材料費、人件費及び諸経費の上昇により減益となりました。エステート関連事業においては、不動産部門では、資材価格や労務費などの上昇に伴う住宅価格の高騰により不動産需要が伸び悩む中、積極的な受注に努め増収となりましたが、原価及び経費の上昇分を転嫁しきれず減益となりました。
この結果、売上高73,567百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益1,457百万円(前連結会計年度比19.2%減)となりました。
営業外収益は422百万円、営業外費用は209百万円を計上し、経常利益は1,670百万円(前連結会計年度比21.0%減)となりました。
特別利益は0百万円、特別損失は545百万円を計上し、法人税等合計447百万円、非支配株主に帰属する当期純利益7百万円により、親会社株主に帰属する当期純利益は670百万円(前連結会計年度比11.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
(契約債務)
2025年6月30日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
2,020 |
2,020 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
7,179 |
2,076 |
2,945 |
1,279 |
877 |
|
リース債務 |
331 |
108 |
157 |
59 |
5 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、出資会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2025年6月30日現在の債務保証額は、228百万円であります。
(財務政策)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、石油製品や電設資材の購入費用及び販売用不動産の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の安定性を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,531百万円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,856百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行なっております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に関して適切な仮定の設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの当連結会計年度において、売上高につきましては、建設関連事業において、公共工事はやや低調であったものの、民間工事向け需要が堅調に推移したことと積極的な営業活動により増加しました。また、電設資材事業において、省エネ・省力化や環境負荷低減に関わる設備投資案件への販売が好調に推移したこと、カーライフ関連事業においては、燃料油小売りは前年をやや下回ったものの、法人向け販売の積極営業などにより全体の売上高は計画を上回りました。
また、利益につきましては、売上高の増加に伴い粗利益額は増加したものの、人件費、輸送費及び諸経費などの販売費用が上昇したことに加え、これらの費用増を原価低減や販売価格への転嫁などで十分に吸収するには至りませんでした。また、貸倒損失及び貸倒引当金も増加したことから、営業利益及び経常利益は計画を下回りました。
さらに、中国の持分法適用会社に対する出資金の評価損、並びに国内事業において収益性が低下している固定資産に係る減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は計画を下回りました。
|
指標 |
2025年6月期(計画) |
2025年6月期(実績) |
2025年6月期(計画比) |
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売上高 |
70,000百万円 |
73,567百万円 |
3,567百万円 (5.1%増) |
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営業利益 |
1,700百万円 |
1,457百万円 |
△242百万円 (14.2%減) |
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経常利益 |
1,900百万円 |
1,670百万円 |
△229百万円 (12.1%減) |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,200百万円 |
670百万円 |
△529百万円 (44.1%減) |
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(建設関連事業)
当社では、環境対策として特にCO2排出量の削減を積極的に取り組んでおります。長年、コンクリート関連事業において高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの技術力向上を進めており、低炭素型コンクリート「ロカコン(Locacon、ロー・カーボン・コンクリート)」の開発、ブランド化に至りました。
ロカコンは、コンクリートの主成分であるセメントの約60%を製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末に置き換えた低炭素型コンクリートであり、製造時のCO₂排出量を大幅に削減した環境負荷の低減と高品質の両立を実現しました。この技術は、国土交通省が推進する脱炭素型公共工事の方針にも合致しているとともに、当社では製品ごとのCO2削減量を示す削減証明書を発行することで環境性能の評価への対応も行っております。従来のセメント製造は1トンあたり約800kgのCO₂を排出するため、セメントの使用量を削減するロカコンの導入は建設業界のGX(グリーントランスフォーメーション)に大きく貢献いたします。
さらに、ロカコンは単なる技術革新にとどまらず、「2045年までに製造段階のCO₂排出量をネットゼロにする」という長期ビジョンの一環として位置づけられています。更なるCO2排出量の削減を目指し、現在カーボンネガティブ材料や新素材の活用、新たなCO2削減技術の導入を進めております。また、近年の集中豪雨やゲリラ豪雨による水害対策として、雨水を一時的に地下に貯留するためのプレキャストコンクリート製品「ハニカムボックス」を導入するなど、環境問題を解決する持続可能な社会の実現に向けた様々な取組みを進行中です。
当セグメントに係る研究開発費は