当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「会社の発展、社員の幸福、株主の満足感、社会の豊盛は四位一体である」との企業理念のもと、グローバルな企業競争下で輝ける企業を目指します。100年に一度の変革期において技術革新を推し進め、品質を強化するとともに、ESG・SDGsを通して社会に貢献することで企業価値の向上を図ります。
(2)経営環境と中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、脱炭素社会の進展により飛躍が期待される市場に経営資源を集中させることで、中長期的な成長を目指します。セラミックの材料技術や特性を活かし時代に先行した研究開発・設備投資を行うとともに、品質を強化し、高付加価値な差別化製品を生産・販売することで飛躍的な成長を図ります。
セラミック部品事業においては、車載市場で脱炭素に適合した新エネルギー車市場が急速に拡大してまいります。当社グループの生産する高強度基板は、新エネルギー車の高温・高電圧下でも安定して機能する高品質で信頼性の高い基板となっており、さらなる需要拡大が見込まれます。情報通信市場では、次世代高速通信の発展を背景として、電子部品の高性能化・小型化が予想されます。当社グループは、セラミック材料の特性を活かし、将来を見据えた新製品の開発を推し進めてまいります。
照明機器事業においては、環境問題に対する意識や、光の質への要求が高まっております。当社グループにおいても、高輝度かつ小型化させたLEDを使用した高輝度照明や、上質な光を使用した照明機器などの需要が高まっております。これらの需要に応えるため、素材に強いMARUWAのセラミック材料技術や配光設計などの技術の融合による差別化製品の開発に取り組んでまいります。
(3)優先的に対処すべき課題
脱炭素に向けた各市場の急速な変革を踏まえ、当社グループは以下の課題に対処してまいります。
①差別化製品の開発
当社の優れたセラミック技術を活かし、数年先を見据えた差別化製品の開発を進め、価格面での優位性を保ちます。
②選択と集中による事業拡大
脱炭素に適合した新エネルギー車市場や光通信市場、半導体関連市場など、今後成長が期待される市場へ経営資源を集中させてまいります。
③グローバルな組織強化
100年に一度の変革期において各市場の変化が加速する中、当社はグループの販売・生産技術を融合し、ダイバーシティの推進や人材育成に注力し、グローバルな組織体制を強化してまいります。
④危機管理体制の強化
ウクライナ情勢、自然災害など様々なリスクに対応しうる、強固な危機管理体制を構築してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、本業による利益に関する売上高営業利益率を重要な指標と考えております。AIを取り入れ、差別
化戦略による高付加価値製品の開発や生産性向上、工程改善をとおして、同指標の向上を図ります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、気候変動対策を含めたサステナビリティ重要課題を経営の重要な要素として認識しております。特に、当社が手掛ける製品は、利用されることにより脱炭素社会実現への寄与が期待される製品が多く、事業を通じた脱炭素社会への貢献を重要視しています。
気候変動対策に関する基本方針を含めたグループの主要な基本方針は取締役会にて決議されており、サステナビリティ課題が事業活動や収益等に与える影響については、取締役とサステナビリティ委員会が連携して分析及び協議を行っております。
サステナビリティ関連の状況について、定例の取締役会にてサステナビリティ委員会より報告が行われるとともに、それに対して適宜フィードバックがされることにより監督がされております。サステナビリティ委員会は、管理本部責任者が議長を務め、サステナビリティの実務部門である各工場管理部門を監督する役割を果たしております。
サステナビリティに関するガバナンス体制は以下の通りとなっております。
(2)リスク管理
①リスク管理
当社グループでは、リスク一般について、リスク管理委員会において各種リスクの状況に関する報告を行っております。リスク管理委員会の議長である管理本部責任者は、委員会の内容を踏まえ、取締役会へ報告を行い、取締役会からの監督・指示を受けて、適宜管理本部各部門へフィードバックを行っております。
②サステナビリティに関するリスク管理
サステナビリティに関するリスクについては、実務部署である各工場管理部門から、毎月定例のサステナビリティ委員会においてサステナビリティの状況に関する報告が行われ、サステナビリティ委員会の議長である管理本部責任者は、委員会の内容を踏まえ、取締役会へ報告を行い、取締役会からの監督・指示を受けて、適宜各工場管理部門へフィードバックを行っております。
③リスクマネジメント
リスク管理委員会において、管理本部各部門からリスク状況の報告がなされ、リスク管理委員会の議長である管理本部責任者は、委員会の内容を踏まえ、取締役会へ報告を行い、具体的に対応が必要と判断された事案について、リスク管理担当部署がリスクマネジメントを担当しております。また、管理本部責任者がリスク管理委員会及びサステナビリティ委員会の議長を兼任しており、必要に応じて連携を取る体制となっております。
また、サステナビリティの実行部門である各工場管理部門およびリスクマネジメントを担うリスク管理担当部署は、リスク対応にあたり適宜連携を行っております。
④機会への対応
当社製品は、脱炭素社会実現への寄与が期待される製品が多いことから、これらの製品に関連する市場動向、環境の変化、販売の機会・課題などについて、取締役会へ報告がされ、モニタリングが行われております。サステナビリティ関連の機会となる市場動向、環境の変化、販売の機会などについて、定例の取締役会において、販売責任者や事業責任者より取締役会へ報告がされ、モニタリングが行われております。
(3)気候変動に関する戦略及び指標・目標
①気候変動に関する戦略
当社グループは、セラミック基板のグローバルトップメーカーとしての責任を認識しております。そのため、今後の脱炭素社会に適合した製品の提供や、生産過程における脱炭素化への取り組みを推進することが重要と考えています。「素材のMARUWA」として、気候変動を含めた将来の事業環境の変化に適応し社会で必要とされる素材を継続的に提供してまいります。
2050年カーボンニュートラルという世界規模での目標に向けて、当社は脱炭素を推進する製品群を有しており、カーボンニュートラルへの動きは当社にとってはプラスの影響になると分析しております。現在の半導体・電子部品業界は小型化が進んでおり、電子回路は複雑化が進んでおります。それらを少ない電力で安定的に動作させるためには、同時に発生する熱を逃がす必要があります。情報通信関連事業においては、高熱伝導基板など熱伝導性が高く放熱性に優れた製品により、消費電力を抑制し環境負荷の低減に大きく貢献しています。また、車載関連事業においては、高強度基板はEV(電気自動車)に用いられる製品として、脱炭素社会の実現に寄与するほか、LED照明事業を通して省エネにも貢献しています。
併せて、製造工程においては、生産性の改善による使用エネルギーの削減や再生可能エネルギーの活用、BCP対策の徹底により、気候変動のマイナスリスクを軽減してまいります。
当社グループが分析しているリスクと機会は下記の通りとなっています。
■リスク
・気候変動によって起こる自然災害によって、自社の浸水被害等による生産停止、サプライヤーの浸水被害等による供給停止
・気候変動によるエネルギーコスト増加
■機会
・自動車販売におけるxEVの割合が増加することにより、当社xEV関連製品の事業機会が増大
・脱炭素社会が加速することで、脱炭素に親和性の高い通信や半導体関連の市場規模が拡大し、当社関連製品の機会が増大
②気候変動に関する指標・目標
当社グループは、環境と調和した企業活動を推進するため、環境方針のもと事業活動に伴う環境負荷の低減を図り、当社の技術や製品を通じて脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。なお、温室効果ガスの中長期削減目標を設定して活動しております。
温室効果ガスの削減のための取り組みとして、各工場のLED化の推進や、夏季のクールビズの実施のほか、生産工程で使用する焼成炉を全て電気で稼働させることで消費電力を削減しております。また、利用時にCO2を排出しないクリーンな再生可能エネルギーを推進しており、太陽光パネルを導入することで再エネ由来の電力利用の拡大を進めております。随時太陽光パネルの設置を進め、再生可能エネルギー発電量の増加に向けて努めてまいります。
また、工場等においての緑化対応や水資源の有効活用も積極的に進めてまいります。
目標と実績
|
指標 |
目標 |
2024年度実績 |
参考:2023年度実績 |
|
|
目標達成の予定年度 |
削減目標の詳細 |
|||
|
GHG排出量(Scope1,2)原単位 |
2030年度 |
30%削減 (2023年度比) |
GHG排出(Scope1,2)
GHG排出量原単位 0.60 tCO2/百万円 |
GHG排出(Scope1,2)
GHG排出量原単位 0.68 tCO2/百万円 |
|
GHG排出量(Scope1,2) |
2050年度 |
カーボン ニュートラル |
||
|
再生可能エネルギー 発電量 |
2030年度 |
3倍 (2023年度比) |
発電量 1,046,176 kWh |
発電量 815,076 kWh |
(注)上記の目標及び実績は提出会社単体の数字となります。
(4)人的資本に関する戦略及び指標・目標
①人的資本戦略
a. 人材育成方針
当社グループでは、ハングリー精神を持ち、自ら考えて行動できるプロ人材の育成をめざしています。仕事を通じて身につけるスキルが重要であり、早い段階から仕事にテーマを持たせることで、社員の成長を促しています。
各自が設定したテーマに対し人事評価を行うシステムになっており、テーマ性のあるプロ人材を育成する環境を整備しております。
また、社員のスキルアップ向上につながる社員寮の充実、海外研修を用意しており、新入社員を対象とした業務を通じて実務能力を修得する「OJT研修」、仕事の状況に応じて必要なスキルの取得を目的とする「社外研修」、大学との共同研究を通して社内にない知見を得ることを目的とした「大学派遣」などを行っています。グローバルでの事業拡大のため、外国人材の積極的な採用を進めており、海外の従業員を対象として、新設した社員寮を拠点に日本での研修プログラムを用意するなど、人材育成に努めております。
b. 社内環境整備方針
当社グループは、セラミック基板のグローバルトップメーカーであることから、グローバルでの供給体制を維持継続することが重要と考えております。
また、社員が安全で、心身ともに健康に生き生きと働くことのできる職場環境づくりが重要と考えております。そのため、有給取得率、男性育児休業取得率を重要視しております。
(ワークライフバランス・職場環境)
社員が裁量を持ちながら付加価値の高い仕事に従事し、家庭生活との両立を図ることができるよう、残業ゼロ制度を導入し多様な働き方を実現しているほか、WEB会議の推進やテレワークの活用を通して移動時間を短縮し、時間外労働の削減に努めております。また、男性育児休業取得率の向上にも注力しております。
有給の取得を推進するため、有給休暇の取得奨励日や、毎月最終金曜日の午後にプレミアムフライデーを設定しております。
社員が安全で、心身ともに健康に働くことができるよう環境の整備に取り組んでおり、年1回、全社員を対象としてストレスチェックを行っているほか、各工場では毎月希望者を対象として産業医による健康相談を実施しています。また、毎年希望者へのインフルエンザワクチンの接種を行っています。Maruwa (Malaysia) では、健康診断の実施が義務化されていないマレーシアにおいて、全社員を対象として健診を行い、社員の健康管理に努めています。
また、働きやすいオフィスの整備として、各拠点での自然を感じることができる空間や自由な発想を促すための開放的なフリースペース、ビュッフェスタイルのカフェテリア、個々が業務に集中できる個別ブースのほか、デザイン性の高い社員寮を用意しております。
なお、本方針の指標として有給取得率及び男性育児休業取得率を設定しており、それぞれ2030年に100%の取得率を目標とし、上記の取り組みをさらに推進してまいります。
(その他)
当社グループは、多様な価値観を取り入れる観点からダイバーシティを推進しており、性別や国籍にかかわらず活躍できる環境の整備を進めております。現在、管理本部では約50%の女性社員が働いているほか、海外のグループ会社を含め約500名の外国人社員が働いております。グローバルなビジネスに不可欠な役割を担っており、企業の成長につながっていると考えております。今後も、新たな価値を生み出す人材として、性別や国籍にかかわらず優秀な人材の確保に努めてまいります。
(注)なお、本戦略に沿った指標及び目標は、現在検討を進めており、今後開示を進めてまいります。
②人的資本に関する指標・目標
当社グループは、セラミック基板のグローバルトップメーカーであることから、グローバルでの供給体制を維持継続することが重要と考えており、また、社員が生き生きと働くことのできる職場環境づくりが重要と考えております。そのため、有給取得率・男性育児休業取得率を重要視しております。
|
指標 |
目標( |
実績(2024年度) |
|
|
|
|
|
|
|
|
(注)1.有給取得率は、グループ連結の数字となります。
2.男性育児休業取得率については、連結子会社は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者
の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社の
指標を記載しておりますが、今後グループ連結での指標及び目標を開示していく予定です。
③人権に関する取り組み
当社グループは、社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、国際的に認められている基準および事業活動を行う各国・各地域の法令・文化・慣習・価値観を理解し、尊重いたします。グローバルで事業活動を行う企業としての責任として、自社およびサプライチェーンにおける人権対応を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)国際情勢や経済状況等に関するリスク
当社グループは、日本及び世界各国に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っており、世界各国の経済情勢、市場環境、政策や規制の変更などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2)個別事業に関するリスク
①セラミック部品事業
脱炭素社会の進展とともに、新エネルギー車の急速な拡大や電子部品の多機能化・小型化、AIの普及やIoT分野の拡大により、当社グループが製品を供給する各市場は拡大していくものとみておりますが、一般的な景気の減速や消費の低迷により当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
②照明機器事業
主要な製品は、トンネルや道路などで使用される公共照明や高輝度照明であります。自然災害や感染症などによ
る工期遅延などにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(3)技術革新によるリスク
当社グループが参画する各市場は、脱炭素に向け市場の変革が加速しており、技術革新のスピードも早まってお
ります。他社と比較して開発のスピードが遅れた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける
可能性があります。
当社グループは、数年先の市場を見据え、時代に先行して新製品の開発及び設備投資を行うことで、技術革新に
よるリスクに対応してまいります。
(4)法的リスク
当社グループは、積極的に新製品の開発を行っており、開発に際しては他社の知的所有権について充分に事前調
査を行い、権利侵害のリスクに対して備えておりますが、事前に予期し得なかった事態の発生などにより何らかの
法的責任を負う場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(5)為替によるリスク
当社グループは、日本国内及びマレーシアにおいて生産を行い、世界各地で販売をしております。そのため、米
ドルをはじめ外貨建てでの売上計上及び決済が行われており、為替相場の変動により、当社グループの経営成績及
び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(6)自然災害、感染症によるリスク
当社グループは、日本及びマレーシアに生産拠点を置き、販売拠点は世界各国に広がっています。これらの拠点
において、防火対策や、地震、洪水、台風などの自然災害に対する一定の施策を講じておりますが、想定を超える
規模の災害や感染症の拡大に伴い、事業活動の中断・遅延、運送の混乱、施設の損害、復旧費用の発生などによ
り、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は71,849百万円(前期比16.7%増)、営業利益は26,914百万円(前期比35.9%増)、経常利益は27,033百万円(前期比28.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,242百万円(前期比26.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セラミック部品事業の売上高は62,487百万円(前期比17.4%増)、セグメント利益は27,086百万円(前期比35.3%増)となりました。
照明機器事業の売上高は9,362百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は1,437百万円(前期比27.1%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、142,285百万円となり、前連結会計年度末と比較して16.1%増加しました。
負債は、14,431百万円となり、前連結会計年度末と比較して8.4%増加しました。
純資産は、127,854百万円となり、前連結会計年度末と比較して17.1%増加しました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は89.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、有形固定資産等の取得による支出等の要因があるものの、前連結会計年度末に比べ16,554百万円増加し、71,568百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは25,351百万円の収入となり、前連結会計年度末と比較して8,128百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは7,682百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して3,131百万円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,512百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して149百万円の増加となりました。
③生産及び受注の実績
a.生産実績
セグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
|
セラミック部品事業(百万円) |
62,647 |
123.2 |
|
照明機器事業(百万円) |
2,768 |
127.8 |
|
合計(百万円) |
65,416 |
123.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績及び受注残高
セグメントごとの受注実績及び受注残高は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注実績
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
受注残高
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
|
セラミック部品事業(百万円) |
59,426 |
118.5 |
21,003 |
87.3 |
|
照明機器事業(百万円) |
9,580 |
111.7 |
1,816 |
113.7 |
|
合計(百万円) |
69,007 |
117.5 |
22,819 |
88.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
|
セラミック部品事業(百万円) |
62,487 |
117.4 |
|
照明機器事業(百万円) |
9,362 |
112.4 |
|
合計(百万円) |
71,849 |
116.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①経営成績
当連結会計年度は、米国新政権による各種政策の動向が意識されたほか、ウクライナ・中東情勢を初め世界的に地政学リスクが懸念される状況が継続しました。また、為替相場は引き続き変動する動きが見られました。ハイテク市場においては、生成AIに関連した技術革新と投資の活発化が見られました。
そのような状況の中、当社グループでは、半導体関連において汎用メモリ向けで市況による需要の弱含みが見られたものの、情報通信関連において次世代高速通信向けの業績が拡大したほか、車載関連において新エネルギー車向けが堅調に推移した結果、売上高は前期比16.7%増の71,849百万円となりました。営業利益は前期比35.9%増の26,914百万円、経常利益は前期比28.0%増の27,033百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比26.5%増の19,242百万円と増収増益となり、過去最高の業績となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
セラミック部品事業においては、半導体関連において汎用メモリ向けで市況による需要の弱含みが見られたものの、情報通信関連において次世代高速通信向けの業績が拡大したほか、車載関連において新エネルギー車向けが堅調に推移しました。
以上の結果、売上高62,487百万円(前期比17.4%増)、セグメント利益27,086百万円(前期比35.3%増)となりました。
照明機器事業においては、高級新築マンション市場向けの照明が活況であったことに加え、公共のLED照明導入案件が堅調に推移しました。
以上の結果、売上高9,362百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益1,437百万円(前期比27.1%増)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末における流動資産は100,290百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,804百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものです。固定資産は41,995百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,965百万円増加いたしました。これは主に建設仮勘定が増加したことによるものです。
これらの結果、総資産は142,285百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,770百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ8,128百万円増加し、25,351百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,131百万円減少し、7,682百万円の支出となりました。これは主に、補助金の受取額が増加したことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ149百万円増加し、1,512百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことによるものであります。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ16,554百万円増加し、71,568百万円となりました。
当社グループの主な資金需要は、成長分野への設備投資や研究開発投資、配当支払、事業運営の運転資金となっております。脱炭素社会が進展する中、新エネルギー車・5G・半導体などの市場で、市場が拡大され、技術革新による市場の変化が加速しております。当社グループは、数年先を見据えた設備投資や研究開発投資を引き続き行ってまいります。
資金の調達は、主に自己資金から行っております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項は、当社グループの連結財務諸表の作成において会計上の見積りに影響を及ぼすと考えております。
(セラミック部品事業における棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産について収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するため帳簿価額を処分見込価額まで切下げております。
営業循環過程から外れた滞留在庫の識別は、棚卸資産の滞留又は処分の実績、製品のライフサイクル等を総合的に勘案して判断しております。
そのため、市場の動向、電子部品メーカーの需要予測の変化などを要因として保有する棚卸資産が過剰となった場合には、滞留在庫の対象とすべき棚卸資産が増加する可能性があり、棚卸資産の評価に影響する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、長年培ったセラミックスの材料技術と要素技術をもとに、脱炭素に適合し数年先の市場を見据えた製品の開発を推し進めてまいりました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
セラミック部品事業
研究開発体制につきましては、新材料及び新製品の開発は当社R&Dセンター及び土岐工場の開発グループが行い、既存製品の改良、改善及び派生製品への展開は各製造技術部門にて行っております。
(1)新材料及び新要素技術
車載関連、情報通信関連、半導体関連、産業機器関連の分野において、放熱性、強度、品質、信頼性等の面で優れた材料の開発に力を入れてまいりました。また、製品の高付加価値化や高性能化を目指し、要素技術の開発を積極的に進めてまいりました。
(2)高信頼性・高性能セラミック基板
高熱伝導基板、高強度基板、特殊セラミック基板など、優れた特性をもち信頼性の高い材料・新商品の開発に取り組んでおります。
高熱伝導基板や高強度基板は、放熱性や強度に優れ、車載関連や情報通信関連の分野で市場のニーズに応える製品を開発してまいりました。特殊セラミック基板につきましては、曲げ強度、破壊じん性が高く、産業機器関連の分野で市場のニーズに応えてまいりました。
(3)アンテナ部品
GPSアンテナやNFCアンテナモジュール向けの基板の開発に注力しております。GPSアンテナは、近年、自動車の自動運転や現在位置における情報提供といった高い位置精度に対するニーズが高まっており、当社の材料技術を活かした新製品の開発を進めてまいりました。
(4)EMC対策部品
①サージ対策部品
小型・高性能・低コストな積層セラミック製品の開発を進めてまいりました。
②ノイズ対策部品
次世代高速通信関連など、高周波化する機器向けに差別化製品として表面実装形で大電流タイプ高周波ノイズフィルタの開発を進めてまいりました。また、IoT家電におけるICの高速化、部品点数削減、ノイズ低減の市場ニーズに対応した差別化製品の開発を積極的に進めるとともに、高周波用途、高耐電圧用途など高付加価値製品の開発を進めてまいりました。
照明機器事業
照明機器事業に関しましては、国レベルの省エネルギー政策に適合した、高輝度、高効率で信頼性の高い道路照明と、光の質を照明シーンに合わせてコントロールするシステムやデザイン性の高いハイエンドなLED施設照明などの差別化された照明機器を開発しています。これらの照明機器には、当社グループで培われた高い材料技術や要素技術を融合させたLED光源モジュールを積極的に採用し、高品質でオリジナリティーの高い光を実現させた製品の開発を進めてまいりました。