第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、アベノミクスの取り組みの下、継続する経済対策の効果により企業収益や雇用・所得環境に改善がみられるなど緩やかな景気回復基調にあるものの、中国経済の減速や英国のEU離脱による影響に加え、米国大統領の交代による世界経済への影響が見通せず、国内景気の先行き感は不透明な状況にて推移いたしました。

 当社グループを取り巻く経営環境におきましては、東日本大震災による被災地の復旧・復興への加速や、国土強靭化計画を根底とした防災・減災対策の充実及び戦略的なインフラ老朽化対策の計画的な推進を骨子とする公共事業投資予算が前年並みに決定され、また、激甚災害に指定された平成28年熊本地震により被災した熊本県では、災害復旧工事を主体とする多額の補正予算が決定されたものの、その動きが本格化し始めたのは年度終盤からとなりました。

 このような経営環境の下、当社グループにおきましては、公共事業投資の需要が期待される地域への重点的な営業活動の推進や、技術者不足・工期短縮に対応できるコンクリート構造物のプレキャスト化の推進などを骨子とした5ヶ年に亘る「新中期経営計画」に基づき、販売力の強化とシェアの拡大に努めました。また、東日本大震災や平成28年熊本地震による被災地の復旧・復興への動向にも注視し、東北地区及び故郷熊本の復興に向けて、コンクリート二次製品の供給責任を果たすべく当社グループの総力を結集させ全力にて取り組んでおります。

 この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は148億1千7百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は5億3千7百万円(同5.0%減)、経常利益は5億2千万円(同2.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、平成28年熊本地震による損失額を特別損失に計上した結果、2億8百万円(同52.9%減)となりました。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

①土木用セメント製品事業

 当連結会計年度における土木業界につきましては、公共事業投資予算が前年並みに決定され、平成28年熊本地震による被災地に対して多額の補正予算も決定されたものの、九州地区におきましては、地震の影響により前期から繰り越した継続工事が停滞するなど、工事の進捗状況において地域的な格差を生む結果となり、被災した熊本県では人手不足などによる工事入札の不調・不落も散見され、災害復旧工事は遅延状態にて推移いたしました。他方、東北地区におきましては、国が新たに定めた5年間の復興・創生期間の予算は規模が縮小されたものの、工事発注状況は前年並みにて推移いたしました。

 このような状況の中、東北地区におきましては、完成を急ぐ復興道路工事や護岸工事向けのコンクリート二次製品の需要が増加したことや、製造効率の向上などにより業績は好調に推移したものの、九州地区におきましては、加速度的に動きを増す平成28年熊本地震による被災地の復旧・復興工事への対応に注力の折、破産手続きを開始した取引先の債権に対する貸倒引当金の計上を余儀なくされることとなりました。

 この結果、売上高は104億4百万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は6億4千7百万円(同9.3%減)となりました。

 

②建築用セメント製品事業

 当連結会計年度における建築業界につきましては、国内景気の緩やかな回復基調や住宅取得に伴う政府の優遇制度の実施により、住宅着工やマンション販売は堅調に推移し、技術者不足や工期短縮に対応できるコンクリート構造物のプレキャスト化の動きを背景にコンクリート二次製品の需要も継続的に伸長しております。

 このような状況の中、マンションやUR都市機構の賃貸住宅を中心とした営業活動や、2020年に開催が予定されている東京オリンピック関連施設の動きを視野に入れた営業活動に努めたものの、埼玉工場の自動ライン設備がメンテナンス時期を迎え、これによる製造業務の一時休止により、損益面で影響を受けることとなりました。

 この結果、売上高は35億8千3百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は4億4千万円(同5.2%減)となりました。

 

③その他の事業

 不動産関連事業におきましては、「総合住宅展示場 光の森とーくらんど」と「総合住宅展示場 KAB住まいるパーク」の2棟のモデルハウスを集客拠点とし、幅広い顧客層に対する受注活動に注力いたしました。また、平成28年熊本地震の影響により、個人住宅に関する修復や建替えなどの問い合わせが多く寄せられており、個々の条件やご要望に沿った提案や対応に努めました。

 この結果、売上高は8億3千万円(前年同期比83.5%増)、営業利益は1千6百万円(前年同期は5千2百万円の損失)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出や金融機関への返済などによる資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益が3億4千7百万円となったことや売上債権の減少などによる資金の増加要因により、前連結会計年度末に比べ2億3千3百万円増加し、当連結会計年度末には5億2千4百万円(前年同期末は2億9千1百万円)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、9億4千7百万円(前年同期は7億7千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益と売上債権の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、3億4千万円(前年同期は4億7千5百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、3億7千3百万円(前年同期は2億4千7百万円の支出)となりました。これは主に、金融機関への短期借入金及び長期借入金の返済によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

土木用セメント製品(千円)

5,653,923

102.9

建築用セメント製品(千円)

3,471,206

100.0

報告セグメント計(千円)

9,125,130

101.8

その他(千円)

822,174

185.6

合計(千円)

9,947,305

105.7

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

土木用セメント製品(千円)

4,781,204

92.3

建築用セメント製品(千円)

42,691

395.8

報告セグメント計(千円)

4,823,896

92.9

その他(千円)

3,569

81.4

合計(千円)

4,827,466

92.9

(注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 ただし、土木用セメント製品については、一部特殊製品についてのみ受注生産を行っておりますが、大部分は過去の実績並びに設計活動等による予測に基づき生産をしておりますので、記載を省略しております。

 また、その他の事業に含まれるサービス事業については、受注による販売を行っていないため、「その他」の金額等には含まれておりません。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建築用セメント製品

3,314,247

103.6

1,584,166

85.6

その他

1,227,039

217.6

681,519

246.2

合計

4,541,287

120.7

2,265,686

106.5

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

土木用セメント製品(千円)

10,404,337

93.1

建築用セメント製品(千円)

3,583,260

102.3

報告セグメント計(千円)

13,987,598

95.3

その他(千円)

830,028

183.5

合計(千円)

14,817,626

97.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、基幹産業である土木用・建築用セメント製品事業を中心に、収益の確保を最優先とした事業展開を基本方針とし、市況の情勢に呼応する販売体制の確立や業務効率の向上を目指した企業体質改善への取り組みに加え、提案・設計営業の強化や土木用大型コンクリート構造物のプレキャスト化への推進により、販売力の強化とシェアの拡大を図り、市況動向への迅速な対応にも注力することを重点方針としております。

 

(2)経営戦略等

 上記重点方針のもと、国土強靭化計画に基づく多岐に亘る公共投資関連需要への動向に留意し、即応できる販売体制の構築を図るとともに、加速する東日本大震災による被災地への復興事業に対し、株式会社東北ヤマックスを核とする当社グループによるコンクリート二次製品の供給責任を果たすことを目的として同社への支援体制を強化しております。また、受注の拡大を目的として、米軍飛行場移設関連事業の展開やリゾート開発が活発な沖縄地区と東京オリンピックの開催に合わせた選手村の設置や交通インフラの整備等の市況環境を有する関東地区への営業活動を強化しており、更には、業務効率の向上を目的とした同業他社とのアライアンスなど、根幹的な収益確保に向けた企業体質の改善にも取り組んでおります。

 

(3)経営環境

 今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、経済再生と財政健全化目標の達成を目指した政府による経済政策の円滑かつ着実な継続方針に基づき、公共事業投資も縮小することなく前年並みに推移するものと思われ、また、国民の生命と財産を守る防災・減災対策の推進と国土強靭化への取り組みにおきましては、東日本大震災や平成28年熊本地震による被災地の復旧・復興事業がその中核を成すものと受け止めております。

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 上記経営環境を踏まえ、当社グループは、国が示す公共事業投資への情報収集を欠かすことなく、防災・減災をテーマとする公共投資関連需要の伸長を予測して各地方自治体の動向にも今以上の注視を重ね、東北・九州地区における被災地の復旧・復興の要となるコンクリート二次製品のノウハウを充分に活用し、総力を挙げてそのノウハウを提供することが責務であると認識しております。また、昨年発生した多額の不良債権事例を教訓に管理体制を強化し、部署間の相互牽制にもより強固な姿勢で臨んでまいります。

 

(5)課題に対する具体的な取組状況等

 当社グループは当面の課題に対処するため、土木用セメント製品事業におきましては、東北・九州地区の被災地の一日も早い復旧・復興への対応を最優先させるとともに、継続的なテーマである大型コンクリート構造物のプレキャスト化の推進に注力し、自社で開発した新工法の普及拡大と併せ、その実績を増大させるべく意欲的な営業活動に取り組んでまいります。

 建築用セメント製品事業におきましては、建築現場の慢性的な労働力不足や熟練工の減少傾向を背景としたプレキャスト化の流れのなか、情報の早期入手による提案営業活動と工場における製造量の平準化に目を向けた営業活動を展開するとともに、2020年に開催が予定されている東京オリンピック関連施設計画の具体化に合わせ、情報収集を密にきめ細かい営業活動に努め、実のある受注へと繋げてまいります。

 不動産関連事業におきましては、販売用土地の積極的な仕入販売を行うとともに、計画中である3棟目のモデルハウスを集客拠点に加え、幅広い顧客層に対して自社ブランド「さらりの家」の受注活動に注力してまいります。また、平成28年熊本地震の影響から寄せられている個人住宅に関する修復や建替えなどの問い合わせに対し、個々の条件やご要望に沿った提案となるよう引き続き細やかな対応に努めてまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の変動要因について

①土木用セメント製品事業における公共事業投資の影響について

 土木用セメント製品事業については、国土交通省をはじめ地方自治体が行う公共事業の動向に大きく影響を受ける分野であり、この国土交通省や地方自治体の予算執行や物件発注などの公共事業投資内容により、当事業における製品需要が変動いたします。

②土木用セメント製品事業における季節的変動について

 当社の土木用セメント製品事業の売上高は、公共事業の発注と関連性があり、上半期の売上高に比べて下半期の売上高の割合が多くなる傾向にあります。今後も同様の理由により季節的変動が予想されることから、業績を判断する際には、留意する必要があります。なお、平成29年3月期における当事業の年間売上高に占める下半期の売上高の割合は59.9%であります。

③金利の変動について

 当社グループは、金融機関からの借入れにより必要な運転・設備資金を調達しており、短期的な資金調達については、そのほとんどが変動金利となっております。当社グループでは、この金利変動リスクを軽減するため、借入金の返済等による有利子負債の圧縮に努めておりますが、急激な金利の変動(上昇)により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(2)災害について

 当社の一部の製造工場は、立地条件により台風や地震などの自然災害の影響を受ける可能性があります。これらの災害防止には自治体などの協力を得て、可能な限り対策に努めておりますが、これらの事象が発生した場合、製品及び原材料等に被害が生じる可能性があり、また、資材等の購入、生産活動、製品の販売及び物流などに遅延や停止が生じ、そのような状況が長期にわたる場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)原材料の市況変動について

 当社グループにおける原材料等の資材調達は、専従する購買課を核として市況価格等の動向の情報収集に努めるとともに、集中購買のメリットを生かした有利調達にも注力しております。しかしながら、製品の主要原材料はセメント・鉄筋等であり、それら原材料の価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術援助契約

契約会社名

契約締結先

契約品目

契約内容

契約期間

㈱ヤマックス

(当社)

大和クレス㈱

他22社

TSKJ工法

コンクリート二次製品の耐震性(T)、止水性(S)、可撓性(K)、継手(J)に関する技術援助及び部材納入契約

各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新

㈱ヤマックス

(当社)

福岡県道路用コンクリート製品協同組合 他23社

マルチスリット側溝

土木用コンクリート二次製品の多機能型側溝に関する技術援助及び型枠・部材納入契約

各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新

㈱ヤマックス

(当社)

ケイコン㈱   他12社

YPJ工法

コンクリート部材の剛結合ジョイント工法に関する技術援助及び部材納入契約

各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新

㈱ヤマックス

(当社)

共和コンクリート工業㈱

他5社

ワンダージョイント工法

コンクリート部材結合の高性能継手工法に関する技術援助及び部材納入契約

各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新

(注)上記について、ロイヤルティーの受取りはありません。

(2)技術導入契約

契約会社名

契約締結先

契約品目

契約内容

契約期間

㈱ヤマックス

(当社)

大成建設㈱

住宅用プレキャストコンクリート板

住宅用プレキャストコンクリート板商品名「パルコン」の製造に関する技術導入及び納品契約

昭和48年9月1日から昭和51年8月31日まで以後1年毎に自動更新

(注)上記について、ロイヤルティーの支払いはありません。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社技術本部が主体となり新製品及び新技術の開発並びに様々な技術支援活動を行っており、グループ全体の技術的な信用や収益に直接貢献し得るよう努めております。当該部署は、材料、製品、工法、品質及び調査診断に至るまで、先端的で幅広い研究開発活動を行うとともに、大学・企業の研究機関との共同研究により技術力の向上に努めながら、新入社員、営業及び若手社員に対し技術指導を通じ、人材育成にも助力しております。また、当該部署は、当社グループにおける品質基準の監視的役割を担っており、製造設備・製造手順から原材料に至るまで注視し、品質の安定並びに効率性を含めたコスト管理を図り、時代の高度かつ多様なニーズに応えられる企業を目指しております。

 また、当社グループは、今後における環境共生型企業を見据え、全工場においてゼロ・エミッション工場を目標に製品製造段階で発生する廃棄物を有効利用する技術の開発も進めております。さらに、NPO法人九州コンクリート製品協会の技術委員として参画し、コンクリート二次製品の技術者の資質向上を通じた更なる品質の向上を図るため、九州地区の製品協会の技術者を対象とした講習会の開催及びプレコン管理士制度の構築など、プレキャスト製品の信頼性や普及率の向上に向けて活動しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は4千9百万円であり、各セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1)土木用セメント製品事業

 当連結会計年度におきましては、国土交通省が掲げる「ⅰ-Construction」の推進による生産性向上の観点から、活用促進が期待されるプレキャスト製品の更なる普及を目的として、九州大学との共同研究体制の下、重要な研究テーマとして位置付けている「プレキャスト部材の接合技術の研究」について継続的に取り組みました。

 これまでの研究成果におきまして、既存工法によるカルバート隅角部の接合技術では接合部の安全性に課題が残ることが指摘されたことから、この改善を目的に高強度鉄筋の特性を効率的に用いた接合工法の開発に着手し、接合部の配筋簡素化と開口変位の抑制及び復元性を有した新たなプレキャスト部材の接合工法である「PJ(プレスジョイント)工法」の開発に成功いたしました。本工法につきましては、関係機関を招いた公開実験にて高い評価を得るとともに、「Max Box-PJ」としてNETISへ登録いたしました。

 土木用セメント製品事業に係る研究開発費は3千1百万円であります。

(2)建築用セメント製品事業

 当連結会計年度におきましては、一般社団法人日本建築学会のJASS10に基づき、継続的な取り組みである建築用プレキャスト部材の調合設計(標準期、夏期、冬期)及び製造技術について実験的検討を行いました。

 これにより、当社長洲工場におきまして、通常強度のコンクリートについて一般社団法人プレハブ建築協会のN認定を取得し、現在、高強度コンクリートについても同協会のH認定の取得に着手しております。また、熊本高等専門学校と継続的に研究開発を行っているフライアッシュの有効利用に関する研究におきましては、耐久性100年のコンクリート構造物の開発を目指し、フライアッシュと特殊混和材を併用した高耐久性・耐塩害性コンクリートの開発に取り組んでおります。

 建築用セメント製品事業に係る研究開発費は1千8百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成につきましては、決算日における資産、負債及び報告期間における損益に影響を与える事項につき、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる範囲で継続的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

②財政状態の分析

 総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億5千5百万円減少の132億5千3百万円となりました。これは主に、売上債権の回収などにより受取手形及び売掛金が6億1千4百万円減少したことによるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億3千5百万円減少の93億5千1百万円となりました。これは主に、金融機関への返済などにより借入金が2億7千7百万円減少したことや、支払手形の決済や仕入債務の支払いなどにより支払手形及び買掛金が1億5千2百万円減少したことによるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億8千万円増加の39億2百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益などにより利益剰余金が1億4千9百万円増加したことによるものであります。