文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、基幹産業である土木用・建築用セメント製品事業を中心に、収益の確保を最優先とした事業展開を基本方針とし、市況の情勢に呼応する販売体制の確立や業務効率の向上を目指した企業体質改善への取り組みに加え、提案・設計営業の強化や土木用大型コンクリート構造物のプレキャスト化への推進により、販売力の強化とシェアの拡大を図り、市況動向への迅速な対応にも注力することを重点方針としております。
(2)経営戦略等
上記重点方針のもと、公共事業投資の需要が期待される地域への重点的な営業活動の推進や、技術者不足・工期短縮に対応できるコンクリート構造物のプレキャスト化の推進などを骨子とした5ヶ年に亘る「新中期経営計画」に基づき、販売力の強化とシェアの拡大に努めております。また、平成28年熊本地震や東日本大震災による被災地の復旧・復興への動向にも注視し、故郷熊本及び東北地区の復興に向けて、コンクリート二次製品の供給責任を果たすべく当社グループの総力を結集させ全力にて取り組むとともに、業務効率の向上を目的とした同業他社とのアライアンスなど、根幹的な収益確保に向けた企業体質の改善にも取り組んでおります。
(3)経営環境
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、経済再生と財政健全化の両立を目指す政府の平成30年度予算に示されるように、公共事業投資も縮小することなく前年並みに決定され、生産性向上のためのインフラ整備に加え、国民の生命と財産を守る防災・減災対策の推進と国土強靭化への取り組みとして、引き続き平成28年熊本地震や東日本大震災による被災地の復旧・復興事業がその中核を成すものと受け止めております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
上記経営環境を踏まえ、当社グループは、生産性向上のためのインフラ整備を具体化させる公共事業投資に関する情報収集や、国が進める防災・減災対策の意向に沿った各地方自治体の動向にも注視を重ねてまいります。また、復旧・復興が急がれる九州・東北地区の被災地におきましては、これまで蓄積してきたコンクリート二次製品のノウハウを活かした提案を継続し、安定的かつ速やかに供給することが責務であると認識しております。
(5)課題に対する具体的な取組状況等
当社グループは当面の課題に対処するため、土木用セメント製品事業におきましては、九州・東北地区の被災地の一日も早い復旧・復興に向けてのコンクリート二次製品の供給を最優先とするとともに、生産性向上のためのインフラ整備への対応にも注力してまいります。また、継続的なテーマである大型コンクリート構造物のプレキャスト化の推進につきましても、自社開発した製品や工法の普及拡大を中心に、より意欲的な営業活動に努めてまいります。
建築用セメント製品事業におきましては、人手不足や工期短縮にも対応できる建築用コンクリート二次製品の需要が高まりつつある中、九州地区では熊本県内の被災したビルなどの修復工事が一段落し、今後は復興支援住宅や建替案件の本格化が見込まれ、関東地区ではポストオリンピックとなる再開発案件も多く控えております。これらの案件に対し、工場における製造量の平準化などを見据えた営業活動に努めてまいります。
不動産関連事業におきましては、「KAB総合住宅展示場 住まいるパークゆめタウンはません」に出展しているモデルハウスに加え、平成30年3月に新規オープンした「KKT合志総合住宅展示場 アンビーハウジングパーク」にもモデルハウスを出展いたしました。これら2棟のモデルハウスを集客拠点とし、販売用土地の取得・開発をさらに拡大するとともに、自社ブランド「さらりの家」の受注活動に注力してまいります。また、平成31年10月に予定されている消費税増税を見据え、お客様からのあらゆるご要望にお応えできるよう努めてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の変動要因について
①土木用セメント製品事業における公共事業投資の影響について
土木用セメント製品事業については、国土交通省をはじめ地方自治体が行う公共事業の動向に大きく影響を受ける分野であり、この国土交通省や地方自治体の予算執行や物件発注などの公共事業投資内容により、当事業における製品需要が変動いたします。
②土木用セメント製品事業における季節的変動について
当社の土木用セメント製品事業の売上高は、公共事業の発注と関連性があり、上半期の売上高に比べて下半期の売上高の割合が多くなる傾向にあります。今後も同様の理由により季節的変動が予想されることから、業績を判断する際には、留意する必要があります。なお、平成30年3月期における当事業の年間売上高に占める下半期の売上高の割合は59.3%であります。
③金利の変動について
当社グループは、金融機関からの借入れにより必要な運転・設備資金を調達しており、短期的な資金調達については、そのほとんどが変動金利となっております。当社グループでは、この金利変動リスクを軽減するため、借入金の返済等による有利子負債の圧縮に努めておりますが、急激な金利の変動(上昇)により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)災害について
当社の一部の製造工場は、立地条件により台風や地震などの自然災害の影響を受ける可能性があります。これらの災害防止には自治体などの協力を得て、可能な限り対策に努めておりますが、これらの事象が発生した場合、製品及び原材料等に被害が生じる可能性があり、また、資材等の購入、生産活動、製品の販売及び物流などに遅延や停止が生じ、そのような状況が長期にわたる場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の市況変動について
当社グループにおける原材料等の資材調達は、専従する購買課を核として市況価格等の動向の情報収集に努めるとともに、集中購買のメリットを生かした有利調達にも注力しております。しかしながら、製品の主要原材料はセメント・鉄筋等であり、それら原材料の価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策を背景に企業収益の向上や雇用情勢の改善など緩やかな回復基調にあるものの、世界的な地政学的リスクの高まりや米国の政策動向による日本経済への影響を見通せず、国内景気の先行きは不透明さが残る状況にて推移いたしました。
当社グループを取り巻く経営環境におきましては、前年並みに維持された平成29年度の公共事業投資予算の骨子として、防災・減災及びインフラ老朽化対策の推進が掲げられている中、激甚災害に指定された平成28年熊本地震により被災した熊本県では、人手不足などによる復旧・復興工事の遅延状態が年度後半から徐々に解消し始めており、また、東日本大震災による被災地では、高台移転による宅地造成の進捗率が8割を超えるなど復旧・復興工事が佳境を迎えております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、公共事業投資の需要が期待される地域への重点的な営業活動の推進や、人手不足・工期短縮に対応できるコンクリート構造物のプレキャスト化の推進などを骨子とした5ヶ年に亘る「新中期経営計画」に基づき、販売力の強化とシェアの拡大に努めました。また、平成28年熊本地震や東日本大震災により被災した故郷熊本及び東北地区の復興に向けて、コンクリート二次製品の供給責任を果たすべく当社グループの総力を結集させ全力にて取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億9千1百万円増加し、135億4千5百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6千5百万円減少し、92億8千5百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億5千7百万円増加し、42億5千9百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高152億9千5百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益4億8千7百万円(同9.4%減)、経常利益は4億9千万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3億6千7百万円(同76.7%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
土木用セメント製品事業は、売上高116億6千1百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益8億7千4百万円(同35.0%増)となりました。
建築用セメント製品事業は、売上高26億2千8百万円(前年同期比26.6%減)、営業利益2億9百万円(同52.5%減)となりました。
その他の事業は、売上高10億5百万円(前年同期比21.2%増)、営業利益1千8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億6千6百万円増加し、当連結会計年度末には6億9千万円(前年同期末は5億2千4百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7億4千1百万円(前年同期は9億4千7百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5千3百万円(前年同期は3億4千万円の支出)となりました。。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5億2千2百万円(前年同期は3億7千3百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
5,465,308 |
96.7 |
|
建築用セメント製品(千円) |
2,850,577 |
82.1 |
|
報告セグメント計(千円) |
8,315,886 |
91.1 |
|
その他(千円) |
996,232 |
121.2 |
|
合計(千円) |
9,312,119 |
93.6 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
5,317,130 |
111.2 |
|
建築用セメント製品(千円) |
4,719 |
11.1 |
|
報告セグメント計(千円) |
5,321,849 |
110.3 |
|
その他(千円) |
4,603 |
129.0 |
|
合計(千円) |
5,326,452 |
110.3 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ただし、土木用セメント製品については、一部特殊製品についてのみ受注生産を行っておりますが、大部分は過去の実績並びに設計活動等による予測に基づき生産をしておりますので、記載を省略しております。
また、その他の事業に含まれるサービス事業については、受注による販売を行っていないため、「その他」の金額等には含まれておりません。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
建築用セメント製品 |
4,444,054 |
134.1 |
3,399,765 |
214.6 |
|
その他 |
909,870 |
74.2 |
594,315 |
87.2 |
|
合計 |
5,353,924 |
117.9 |
3,994,081 |
176.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
11,661,895 |
112.1 |
|
建築用セメント製品(千円) |
2,628,455 |
73.4 |
|
報告セグメント計(千円) |
14,290,350 |
102.2 |
|
その他(千円) |
1,005,644 |
121.2 |
|
合計(千円) |
15,295,995 |
103.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成につきましては、決算日における資産、負債及び報告期間における損益に影響を与える事項につき、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる範囲で継続的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億9千1百万円増加の135億4千5百万円となりました。これは主に、売上債権の計上などにより受取手形及び売掛金が3億8千5百万円増加したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比べ6千5百万円減少の92億8千5百万円となりました。これは主に、仕入債務の計上などにより支払手形及び買掛金が4億3千7百万円増加したものの、金融機関への返済などにより借入金が4億7千3百万円減少したことや、納税などにより未払法人税等が8千8百万円減少したことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末に比べ3億5千7百万円増加の42億5千9百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が3億1千8百万円増加したことによるものであります。
ロ.経営成績
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3.2%増の152億9千5百万円となりました。これは主に、平成28年熊本地震及び東日本大震災による被災地の復旧・復興工事の需要によるものであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ5.9%増の121億2千8百万円となりました。これは主に、売上高の増加に加え、売上高の構成において原価率の高い商品売上の割合が高かったことによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ5.3%減の26億7千9百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に発生した不良債権に伴う貸倒引当金繰入額の計上の反動減によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ76.7%増の3億6千7百万円となりました。これは主に、上記の理由に加え、前連結会計年度に計上した平成28年熊本地震に伴う特別損失の反動によるものであります。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、金融機関への返済や売上債権の増加、有形固定資産の取得による支出などによる資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加、有形固定資産の売却による収入などによる資金の増加要因により、前連結会計年度末に比べ1億6千6百万円増加し、当連結会計年度末には6億9千万円(前年同期末は5億2千4百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7億4千1百万円(前年同期は9億4千7百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加が3億7千8百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益の5億7千2百万円と仕入債務の増加が4億3千7百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5千3百万円(前年同期は3億4千万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が2億7千9百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が3億4千1百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5億2千2百万円(前年同期は3億7千3百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入の返済による支出が4億7千3百万円あったことによるものであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は36億2千2百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は6億9千万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な事業拡大による企業価値の向上を経営の目標とするとともに、財務の安全性と株主還元のバランスをとりつつ、十分な財務基盤を確保することを資本政策の基本方針としております。
このような方針のもと、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として捉え、資本効率を重視した経営をもって、中長期的に10%以上を目指してまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.土木用セメント製品事業
当連結会計年度における土木業界につきましては、各地方自治体における公共事業投資予算の対前年比に格差はあるものの、国の公共事業投資予算は前年並みに維持されました。また、平成28年熊本地震により被災した熊本県では、年度後半にかけて復旧・復興工事が本格的な動きを見せ始めたものの、人手不足などによる工事入札の不調・不落が続き、予想以上に工事遅延が継続する状況にて推移いたしました。
このような状況の中、九州地区におきましては、本格的な動きを見せ始めた平成28年熊本地震の復旧・復興工事への対応に注力するとともに、その他の工事にも積極的な営業活動を行った結果、受注が好調に推移いたしました。また、東北地区におきましては、完成を急ぐ復興道路工事や護岸工事向けのコンクリート二次製品の需要が伸長するなど、業績は堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は116億6千1百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は8億7千4百万円(同35.0%増)となりました。また、セグメント資産は76億7千5百万円(前年同期比6.2%増)となりました。
ロ.建築用セメント製品事業
当連結会計年度における建築業界につきましては、国内景気の緩やかな回復基調や住宅取得に伴う政府の優遇制度の実施により、住宅着工やマンション販売は堅調に推移し、人手不足や工期短縮に対応できるコンクリート構造物のプレキャスト化の利点を有する建築用コンクリート二次製品の需要も継続的に伸長いたしました。
このような状況の中、2020年に開催が予定されている東京オリンピック関連施設並びにマンションやUR都市機構の賃貸住宅を中心とした営業活動により、受注は好調に推移いたしました。しかしながら、工事量の増大や人手不足を主要因として、関東圏では総じて工程などの遅れが生じており、東京オリンピック関連施設や民間大型プロジェクト向けの製品納入も大半が次期へずれ込むなど、当期の業績に影響を与える結果となりました。
この結果、売上高は26億2千8百万円(前年同期比26.6%減)、セグメント利益は2億9百万円(同52.5%減)となりました。また、セグメント資産は33億2千1百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
ハ.その他の事業
不動産関連事業につきましては、販売用土地の積極的な取得・開発を徐々に拡大するとともに、2棟のモデルハウスを集客拠点に幅広い層のお客様に対しまして、自社ブランド「さらりの家」の受注活動に注力いたしました。また、平成28年熊本地震の影響による個人住宅に関する修復や建替えなどの問い合わせに対しましても、個々の条件やご要望に沿った提案となるよう細やかな対応に努めました。
この結果、売上高は10億5百万円(前年同期比21.2%増)、セグメント利益は1千8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。また、セグメント資産は2億8千5百万円(前年同期比50.2%増)となりました。
(1)技術援助契約
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
大和クレス㈱ 他23社 |
TSKJ工法 |
コンクリート二次製品の耐震性(T)、止水性(S)、可撓性(K)、継手(J)に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
福岡県道路用コンクリート製品協同組合 他25社 |
マルチスリット側溝 |
土木用コンクリート二次製品の多機能型側溝に関する技術援助及び型枠・部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
ケイコン㈱ 他12社 |
YPJ工法 |
コンクリート部材の剛結合ジョイント工法に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
共和コンクリート工業㈱ 他5社 |
ワンダージョイント工法 |
コンクリート部材結合の高性能継手工法に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
丸栄コンクリート工業㈱ 他3社 |
大型プレキャスト工法製品 |
土木用大型プレキャスト工法製品に関する技術援助契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
(注)上記について、ロイヤルティーの受取りはありません。
(2)技術導入契約
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
大成建設㈱ |
住宅用プレキャストコンクリート板 |
住宅用プレキャストコンクリート板商品名「パルコン」の製造に関する技術導入及び納品契約 |
昭和48年9月1日から昭和51年8月31日まで以後1年毎に自動更新 |
(注)上記について、ロイヤルティーの支払いはありません。
当社グループの研究開発活動は、当社技術本部が主体となり新製品及び新技術の開発並びに様々な技術支援活動を行っており、グループ全体の技術的な信用や収益に直接貢献し得るよう努めております。当該部署は、材料、製品、工法、品質及び調査診断に至るまで、先端的で幅広い研究開発活動を行うとともに、大学・企業の研究機関との共同研究により技術力の向上に努めながら、新入社員、営業及び若手社員に対し技術指導を通じ、人材育成にも助力しております。また、当該部署は、当社グループにおける品質基準の監視的役割を担っており、製造設備・製造手順から原材料に至るまで注視し、品質の安定並びに効率性を含めたコスト管理を図り、時代の高度かつ多様なニーズに応えられる企業を目指しております。
また、当社グループは、今後における環境共生型企業を見据え、全工場においてゼロ・エミッション工場を目標に製品製造段階で発生する廃棄物を有効利用する技術の開発も進めております。さらに、NPO法人九州コンクリート製品協会の技術委員として参画し、コンクリート二次製品の技術者の資質向上を通じた更なる品質の向上を図るため、九州地区の製品協会の技術者を対象とした講習会の開催及びプレコン管理士制度の構築など、プレキャスト製品の信頼性や普及率の向上に向けて活動しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は5千2百万円であり、各セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)土木用セメント製品事業
当連結会計年度におきましては、国土交通省が推進する「ⅰ-Construction」を契機に、プレキャストコンクリート工法の設計施工・維持管理に関する研究委員会が発足されるなど、学官産ともにプレキャストコンクリートの利用促進に向けた動きが活発化する中、九州大学との共同研究体制の下、重要な研究テーマとして位置付けているプレキャスト部材の接合技術の研究について継続的に取り組み、大型プレキャスト部材の接合工法(PJ工法)について、外力作用時における接合部の変形性能に関する実験的研究を行い、同工法が既往の接合工法に比較して鉄筋降伏後(塑性域)の変形能力に極めて優れていることを検証いたしました。
また、コンクリート材料に関する開発におきましては、熊本高等専門学校との共同研究テーマである耐塩害コンクリートの開発を継続するとともに、新たに熊本大学と長寿命化・高耐久性コンクリートの開発にも着手いたしました。
土木用セメント製品事業に係る研究開発費は3千6百万円であります。
(2)建築用セメント製品事業
当連結会計年度におきましては、新たに中庸熱系セメントを用いた高強度コンクリートの調合設計に着手するとともに、熊本高等専門学校と継続的に実施しているフライアッシュの有効利用に関する研究では、有明高等専門学校にも参画を願い、フライアッシュを混和材として用いた繊維補強コンクリートの疲労耐久性に関する研究にも着手いたしました。
また、一般社団法人日本建築学会のJASS10の改定に伴い実施した建築用プレキャストコンクリート部材の調合設計に関する研究成果を整理し、一般社団法人日本プレハブ建築協会のN認定(通常強度コンクリート)の更新を完了いたしました。
建築用セメント製品事業に係る研究開発費は1千6百万円であります。