文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、基幹産業である土木用・建築用セメント製品事業を中心に、収益の確保を最優先とした事業展開を基本方針とし、市況の情勢に呼応する販売体制の確立や業務効率の向上を目指した企業体質改善への取り組みに加え、提案・設計営業の強化や土木用大型コンクリート構造物のプレキャスト化への推進により、販売力の強化とシェアの拡大を図り、市況動向への迅速な対応にも注力することを重点方針としております。
(2)経営戦略等
上記重点方針のもと、前年度より継続して社会資本の整備に向けた具体策への情報収集に加え、国土強靭化に向けた防災・減災対策や道路・橋梁等の老朽化対策等に対する各地方自治体の動向に今以上の注視を重ねております。また、自然災害による被災地に対しましては、工事の進捗に合わせ必要とされるコンクリート二次製品の安定的な供給が責務であると受け止め、当社グループの総力を結集させ全力にて取り組むとともに、業務効率の向上を目的とした同業他社とのアライアンスなど、根幹的な収益確保に向けた企業体質の改善にも取り組んでおります。
(3)経営環境
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、気候変動の影響により激甚化・頻発化する風水害や切迫する地震災害等に屈しない強靭な国土づくりを目標とした国の公共事業投資への方針は前年度と変わらず、2021年度の公共事業投資予算も、前年度末に補正予算として決定された15兆円規模の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」と合わせ、前年度予算を上回る額にて決定され、防災・減災、国土強靭化の推進やインフラ老朽化対策を中心とした動きが活発になるものと予測しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、前年度より継続して国土強靭化に向けた防災・減災対策や道路・橋梁等の各種インフラ老朽化対策に対する各地方自治体の動向に注視をより深めるとともに、社会資本の整備に向けた具体策への情報収集にも注力いたします。また、令和2年7月に人吉球磨地区を中心に熊本県南部で発生した豪雨災害への復旧工事に対しましては、工事の進捗に合わせ必要とされるコンクリート二次製品の安定的な供給が与えられた責務であるとの認識のもと、タイムリーな対応に努めてまいります。
(5)課題に対する具体的な取組状況等
当社グループは当面の課題に対処するため、土木用セメント製品事業におきましては、令和2年7月豪雨災害にて被災した地域の復旧に向けて、これから本番を迎える工事に必要とされるコンクリート二次製品の供給を最優先するとともに、国の方針に沿った社会資本整備の具体的な動きにも対応し、また、継続的なテーマである大型コンクリート構造物のプレキャスト化への推進につきましても、自社開発した製品や工法のアピールに基づく普及拡大を目的に、継続的かつ意欲的な営業活動の推進に努めてまいります。
建築用セメント製品事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による民間需要への影響は避けられないものと受け止め、工事案件への慎重な対応を心掛けてまいります。また、幅広い情報収集活動並びに新規市場の開拓や未着手分野の新製品への取り組み等で受注を確保し、工場生産量の平準化を目指してまいります。加えて、人手不足や工期短縮に対応できる建築用コンクリート二次製品の利点についてもアピールを重ね、安定的な受注確保に繋げる営業活動に努めてまいります。
不動産関連事業におきましては、従来の集客拠点としての住宅展示場の利用に加え、ネットやSNS等を利用した集客体制を整えることで顧客との接遇の機会を増大させてまいります。また、販売用土地の取得・開発をさらに拡大させるとともに、住宅業界の今後を見据えた「高性能(ZEH)住宅」の販売によりアッパーミドル層の顧客獲得にチャレンジするなど、自社ブランド「さらりの家」の受注活動に注力してまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の変動要因について
①土木用セメント製品事業における公共事業投資の影響について
土木用セメント製品事業については、国土交通省をはじめ地方自治体が行う公共事業の動向に大きく影響を受ける分野であり、この国土交通省や地方自治体の予算執行や物件発注などの公共事業投資内容により、当事業における製品需要が変動いたします。
②土木用セメント製品事業における季節的変動について
当社の土木用セメント製品事業の売上高は、公共事業の発注と関連性があり、上半期の売上高に比べて下半期の売上高の割合が多くなる傾向にあります。今後も同様の理由により季節的変動が予想されることから、業績を判断する際には、留意する必要があります。なお、2021年3月期における当事業の年間売上高に占める下半期の売上高の割合は55.4%であります。
③金利の変動について
当社グループは、金融機関からの借入れにより必要な運転・設備資金を調達しており、短期的な資金調達については、そのほとんどが変動金利となっております。当社グループでは、この金利変動リスクを軽減するため、借入金の返済等による有利子負債の圧縮に努めておりますが、急激な金利の変動(上昇)により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2)災害について
①自然災害の影響について
当社の一部の製造工場は、立地条件により台風や地震などの自然災害の影響を受ける可能性があります。これらの災害防止には自治体などの協力を得て、可能な限り対策に努めておりますが、これらの事象が発生した場合、製品及び原材料等に被害が生じる可能性があり、また、資材等の購入、生産活動、製品の販売及び物流などに遅延や停止が生じ、そのような状況が長期にわたる場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②感染症の拡大について
当社グループの事業関連である建設業界では、ウイルス等の感染拡大により経済が悪化し、民間設備投資などが減少した場合のほか、国の判断による緊急事態宣言の発動や建設資材不足などにより、建設工事が中断・遅延した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ウイルス等の感染拡大に歯止めが掛からず、経済活動の停滞が長期化し、取引先等の企業存続が危ぶまれる状況となれば、当社グループの業績への影響は避けられないものとなります。なお、当社グループにおいて、係る状況を迎えた際には、あらゆる策を講じてウイルス等の感染防止に努める所存でありますが、当社グループ内で罹患者が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスに対し、当社グループでは、社員に対する手洗い・うがいの励行の指示、出勤前の検温や在宅勤務の実施、各種会議等の自粛並びに社外で行われるイベント・会合等への参加の自粛等により、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めております。
(3)原材料の市況変動について
当社グループにおける原材料等の資材調達は、専従する購買課を核として市況価格等の動向の情報収集に努めるとともに、集中購買のメリットを生かした有利調達にも注力しております。しかしながら、製品の主要原材料はセメント・鉄筋等であり、それら原材料の価格が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、全世界に拡がりを見せる新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞を解消すべく、国並びに地方自治体が消費喚起の施策を試みるものの、感染拡大の勢いにより施策を停止せざるを得ない状況が続くなど、景気の先行きは不透明な状況にて推移いたしました。
当社グループを取り巻く経営環境におきましては、社会資本の整備にて求められる各種効果を重視した公共事業投資による経済成長を図るため、公共事業投資予算を安定的かつ継続的に確保するとの国の方針により、2020年度の公共事業投資も前年度を上回る予算額で決定され、その基本構想には、治水対策を中心とした防災・減災対策の強化や中長期的な成長の基盤となるインフラの整備など、激甚化・頻発化が懸念される自然災害から国民の生命と財産を守るための国土強靭化が骨子として掲げられております。
このような状況のもと、当社グループは、前年度より継続して社会資本の整備に向けた具体策への情報収集に加え、国土強靭化に向けた防災・減災対策や道路・橋梁等の老朽化対策等に対する各地方自治体の動向に今以上の注視を重ねるとともに、自然災害による被災地に対しましては、工事の進捗に合わせ必要とされるコンクリート二次製品の安定的な供給が責務であると受け止め、当社グループの総力を駆使しその対応に努めました。
また、当社グループの新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度の業績への影響は、営業活動の一部に制約を受けたものの、軽微なものとなりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ712百万円増加し、13,973百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ338百万円増加し、8,945百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ374百万円増加し、5,027百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高18,576百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益635百万円(同54.1%増)、経常利益は653百万円(同48.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益442百万円(同95.0%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
土木用セメント製品事業は、売上高14,326百万円(前年同期比20.7%増)、営業利益1,037百万円(同32.7%増)となりました。
建築用セメント製品事業は、売上高3,453百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益335百万円(同10.4%減)となりました。
その他の事業は、売上高796百万円(前年同期比15.9%減)、営業損失5百万円(前年同期は16百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ366百万円増加し、当連結会計年度末には1,591百万円(前年同期末は1,224百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,014百万円(前年同期は1,091百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は71百万円(前年同期は380百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は576百万円(前年同期は524百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
5,093,179 |
92.7 |
|
建築用セメント製品(千円) |
3,313,766 |
94.4 |
|
報告セグメント計(千円) |
8,406,946 |
93.4 |
|
その他(千円) |
795,517 |
84.7 |
|
合計(千円) |
9,202,463 |
92.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
8,050,488 |
133.3 |
|
建築用セメント製品(千円) |
2,121 |
41.3 |
|
報告セグメント計(千円) |
8,052,609 |
133.2 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
8,052,609 |
133.1 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
ただし、土木用セメント製品については、一部特殊製品についてのみ受注生産を行っておりますが、大部分は過去の実績並びに設計活動等による予測に基づき生産をしておりますので、記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
建築用セメント製品 |
2,993,801 |
100.8 |
1,984,856 |
81.2 |
|
その他 |
914,595 |
138.3 |
471,949 |
133.4 |
|
合計 |
3,908,397 |
107.6 |
2,456,806 |
87.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
土木用セメント製品(千円) |
14,326,858 |
120.7 |
|
建築用セメント製品(千円) |
3,453,670 |
100.1 |
|
報告セグメント計(千円) |
17,780,529 |
116.0 |
|
その他(千円) |
796,394 |
84.1 |
|
合計(千円) |
18,576,923 |
114.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成につきましては、決算日における資産、負債及び報告期間における損益に影響を与える事項につき、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる範囲で継続的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ7億1千2百万円増加の139億7千3百万円となりました。これは主に、企業収益の増加や株式会社HOCヤマックスの子会社化などにより、受取手形及び売掛金が5億5千7百万円、現金及び預金が3億6千6百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億3千8百万円増加の89億4千5百万円となりました。これは主に、金融機関への返済により長期借入金が4億4千2百万円減少したものの、企業収益の増加や株式会社HOCヤマックスの子会社化などにより、支払手形及び買掛金が6億3千9百万円、賞与引当金が9千4百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3億7千4百万円増加の50億2千7百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が3億8千1百万円増加したことによるものであります。
ロ.経営成績
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ14.2%増の185億7千6百万円となりました。これは主に、九州管内の土木関連工事が堅調に推移したことや、㈱HOCヤマックスの子会社化によるものであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ15.0%増の149億1千2百万円となりました。これは主に、売上高の増加によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4.7%増の30億2千8百万円となりました。これは主に、㈱HOCヤマックスの子会社化によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ95.0%増の4億4千2百万円となりました。これは主に、売上高の増加によるものであります。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、金融機関への返済や有形固定資産の取得による支出などによる資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益などによる資金の増加要因により、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円増加し、当連結会計年度末には15億9千1百万円(前年同期末は12億2千4百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は10億1千4百万円(前年同期は10億9千1百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が6億5千3百万円となったことや減価償却費の計上が3億6千2百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7千1百万円(前年同期は3億8千万円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が2億5百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が2億9千7百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5億7千6百万円(前年同期は5億2千4百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入の返済による支出が6億4千万円あったことによるものであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は22億2千5百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は15億9千1百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な事業拡大による企業価値の向上を経営の目標とするとともに、財務の安全性と株主還元のバランスをとりつつ、十分な財務基盤を確保することを資本政策の基本方針としております。
このような方針のもと、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として捉え、資本効率を重視した経営により、中長期的に10%以上を目標としております。
当連結会計年度のROEは、堅調な業績に支えられ前年同期比4.2ポイント増の9.1%となりましたが、今後も引き続き、製造工場における生産効率の向上を追求するとともに、市況を踏まえた販売価格の見直し並びに販売管理費の圧縮にも注力し、目標とするROEを目指してまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.土木用セメント製品事業
当連結会計年度における土木業界につきましては、平成28年熊本地震により被災した熊本県における復旧・復興工事は穏やかな動きとなったものの、九州管内の土木関連工事は九州横断自動車道延岡線や国道3号植木バイパスの整備促進等の活発な動きもあり堅調に推移いたしました。
このような状況の中、九州地区及び東北地区の復旧・復興工事につきましては、工事発注状況に即したコンクリート二次製品の供給を最優先するとともに、新たな社会資本の整備に向けた具体的な動きにも注視を重ね、即応できる供給体制の構築に努めました。また、継続的なテーマである大型コンクリート構造物のプレキャスト化の推進につきましても、自社開発した製品や工法の普及拡大を目的とする意欲的な営業活動に注力いたしました。
この結果、売上高は143億2千6百万円(前年同期比20.7%増)、営業利益は10億3千7百万円(同32.7%増)となりました。
ロ.建築用セメント製品事業
当連結会計年度における建築業界につきましては、国内景気の緩やかな回復基調に合わせ堅調な動きを見せていた建築需要も、新型コロナウイルスの感染拡大により、過去に類を見ない経済活動への様々な制限に加え、その終息時期とその後の経済状況が予測しづらいことから慎重な対応を強いられることとなり、民間需要の今後の動きについて、更なる注視が求められる状況になりました。
このような状況の中、製造効率を踏まえた製造工場の稼働体制の見直しを行うとともに、人手不足や工期短縮に対応できる建築用コンクリート二次製品の利点をゼネコンのみならず地場の建設業者へも広く積極的にアピールを重ね、納入実績の確保を目的とする営業活動にも努めてまいりました。
この結果、売上高は34億5千3百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は3億3千5百万円(同10.4%減)となりました。
ハ.その他の事業
不動産関連事業におきましては、販売用土地の取得・開発をさらに拡大するとともに、住宅業界の今後を見据えた「高性能(ZEH)住宅」の販売によりアッパーミドル層の顧客獲得にチャレンジするなど、自社ブランド「さらりの家」の受注活動に注力したものの、新型コロナウイルスの影響により、集客拠点としている住宅展示場への来場者数は大きく減少いたしました。
この結果、売上高は7億9千6百万円(前年同期比15.9%減)、営業損益は5百万円の損失(前年同期は1千6百万円の損失)となりました。
(1)技術援助契約
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
大和クレス㈱ 他25社 |
TSKJ工法 |
コンクリート二次製品の耐震性(T)、止水性(S)、可撓性(K)、継手(J)に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
福岡県道路用コンクリート製品協同組合 他26社 |
マルチスリット側溝 |
土木用コンクリート二次製品の多機能型側溝に関する技術援助及び型枠・部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
ケイコン㈱ 他12社 |
YPJ工法 |
コンクリート部材の剛結合ジョイント工法に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
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㈱ヤマックス (当社) |
共和コンクリート工業㈱ 他5社 |
ワンダージョイント工法 |
コンクリート部材結合の高性能継手工法に関する技術援助及び部材納入契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
丸栄コンクリート工業㈱ 他5社 |
大型プレキャスト工法製品 |
土木用大型プレキャスト工法製品に関する技術援助契約 |
各社とも2年間契約で以後1年毎に自動更新 |
(注)上記について、ロイヤルティーの受取りはありません。
(2)技術導入契約
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱ヤマックス (当社) |
大成建設㈱ |
住宅用プレキャストコンクリート板 |
住宅用プレキャストコンクリート板商品名「パルコン」の製造に関する技術導入及び納品契約 |
1973年9月1日から1976年8月31日まで以後1年毎に自動更新 |
(注)上記について、ロイヤルティーの支払いはありません。
当社グループの研究開発活動は、当社技術本部が主体となり新製品及び新技術の開発並びに様々な技術支援活動を行っており、グループ全体の技術的な信用や収益に直接貢献し得るよう努めております。当該部署は、材料、製品、工法、品質及び調査診断に至るまで、先端的で幅広い研究開発活動を行うとともに、大学・企業の研究機関との共同研究により技術力の向上に努めながら、新入社員、営業及び若手社員に対し技術指導を通じ、人材育成にも助力しております。また、当該部署は、当社グループにおける品質基準の監視的役割を担っており、製造設備・製造手順から原材料に至るまで注視し、品質の安定並びに効率性を含めたコスト管理を図り、時代の高度かつ多様なニーズに応えられる企業を目指しております。
また、当社グループは、今後における環境共生型企業を見据え、全工場においてゼロ・エミッション工場を目標に製品製造段階で発生する廃棄物を有効利用する技術の開発も進めております。さらに、NPO法人九州コンクリート製品協会の技術委員として参画し、コンクリート二次製品の技術者の資質向上を通じた更なる品質の向上を図るため、九州地区の製品協会の技術者を対象とした講習会の開催及びプレコン管理士制度の構築など、プレキャスト製品の信頼性や普及率の向上に向けた活動にも注力しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
(1)土木用セメント製品事業
当連結会計年度におきましては、多分割カルバート工法の「MaxBox-PJ」に採用される高強度異形鉄筋による接合工法について、高強度異形鉄筋の配置方法等を実験要因としたカルバート隅角部の正負交番載荷試験を実施し、良好な耐震性能を確認いたしました。本研究成果は、国内外へ論文投稿や研究発表を計画するとともに、当社従業員を長崎大学大学院(博士後期課程)に就学させ、本分野の専門技術者の育成に努めております。
また、有明工業高等専門学校並びに熊本高等専門学校と継続的に研究活動に取り組んでいる有機系短繊維補強コンクリートや耐塩害等の高耐久化技術に関しては、曲げ疲労特性や耐塩害性などの優れた性能を効果的に運用すべく、実製品レベルでの検証実験を実施し、経済性や設計方法について検討を進め、今後の実用化に向けて鋭意取り組んでおります。
土木用セメント製品事業に係る研究開発費は
(2)建築用セメント製品事業
当連結会計年度におきましては、特異形状を有するハーフプレキャスト建築部材が乾燥収縮ひずみの大幅な低減を要求されることから、骨材や特殊混和剤の使用材料を検討するとともに、各種基礎物性について検証実験を重ね、要求に応じた材料設計が可能となりました。
また、従前より他社から購入して使用している人工軽量骨材の製造中止に伴い、新規の人工軽量骨材を用いて日本建築学会JASS10に準じた調合設計を行い、受注物件を滞らせることなく対応を図ることができました。
建築用セメント製品事業に係る研究開発費は