当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、堅調な企業業績や雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加により、緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、物価上昇による実質賃金の減少、ウクライナ・中東の地政学的リスクや原材料・エネルギー価格の上昇、金利・為替の変動など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く経営環境におきましては、国土交通省の2024年度当初予算は前年度と同水準にて決定され、建設業の2024年問題に対し有効活用が期待されているプレキャスト工法の推進も活発になると予測されます。また、防衛省の2024年度当初予算は前年度比17.0%増となっており、九州・沖縄方面を始め当社の事業エリアである関東・東北地区でも防衛省関連事業が期待される状況下にあります。そのほか、当社の本店所在地である熊本県内では、半導体関連産業の集積に伴う産業用地の整備や周辺道路の交通渋滞改善に向けた道路整備等の公共事業投資に加え、関連産業の工場建設や住宅供給等の民間設備投資も多く計画されております。
このような状況のもと、当社グループは、建設業界の人手不足や働き方改革に対応できるプレキャスト工法の需要増を見据えて製品供給体制の強化を図るとともに、新設した品質保証室を中心に技術本部や製造部門と連携し、顧客が求める高品質へのニーズにも応えるべく取り組んでおります。また、雇用・所得環境の改善を目的とした賃金の上昇に加え、物価上昇圧力による原材料並びに資材・経費の価格上昇や高止まりも継続されることが予想され、これらに伴うコストアップへの対処として、利益率の改善や販売価格への転嫁にも取り組んでおります。
この結果、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17億8千5百万円減少の168億3千4百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権が15億4千3百万円、現金及び預金が6億円それぞれ減少したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ22億5百万円減少の94億2千2百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務が18億8千9百万円、未払法人税等が6千8百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ4億2千万円増加の74億1千2百万円となりました。これは主に、剰余金の配当により利益剰余金が4億1百万円減少したものの、親会社株主に帰属する中間純利益が8億1千5百万円となったことによるものであります。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績につきましては、売上高は100億9百万円(前年同期比16.6%増)、営業利益は12億3百万円(前年同期比76.0%増)、経常利益は11億9千2百万円(前年同期比71.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は8億1千5百万円(前年同期比80.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①土木用セメント製品事業
当中間連結会計期間におきましては、大型コンクリート構造物のプレキャスト化の普及拡大を推進すべく、継続的かつ意欲的な営業活動に努め、国や各地方自治体の防災・減災等の国土強靭化の動きや防衛関連施設の工事にも適宜対応しております。また、自社製造品の売上割合増加による利益率の改善を目指し、営業・工場の連携をより一層深め、製品供給体制の強化を図るとともに、製造の効率化と利益率向上に取り組んでおります。
この結果、売上高は71億2千2百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は13億4千9百万円(前年同期比21.6%増)となりました。
なお、当社グループの土木用セメント製品事業は、公共事業の発注と関連性があり、主として下半期に売上が集中するため、通常、上半期の売上高は下半期の売上高と比べて低くなる傾向にあります。
②建築用セメント製品事業
当中間連結会計期間におきましては、建設現場における人手不足の常態化や働き方改革による4週8休等が浸透しつつある中、これらに対応できる建築用コンクリート製品の強みを活かしながら、回復基調にある民間建設投資の動きに臨機応変に対応するとともに、安定的な受注の確保による工場生産量の平準化を徹底し、労務費上昇や資材価格高騰などによるコストアップを吸収すべく原価低減を図っております。
この結果、売上高は25億7千8百万円(前年同期比48.8%増)、営業利益は3億4千9百万円(前年同期比2,270.8%増)となりました。
③その他の事業
当中間連結会計期間におきましては、物価高や金利上昇並びに半導体工場周辺における地価高騰など、住宅の購買意欲に懸念材料もみられる中、環境の激しい変化に柔軟に対応するとともに、自社分譲地の開発や販売を促進しております。また、主な集客拠点である総合住宅展示場及び複数展開する建売モデルハウスへ効率的に誘導するなどインサイドセールスを強化しております。
この結果、売上高は3億9百万円(前年同期比1.1%減)、営業損益は3千2百万円の損失(前年同期は2千2百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益や売上債権の減少などの増加要因があった一方で、仕入債務の減少や法人税等の支払額、棚卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出などの減少要因により、前連結会計年度末に比べ5億2千2百万円減少し、当中間連結会計期間末には14億3千3百万円(前年同期末は13億4千8百万円)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1億2千5百万円(前年同期は2億8千9百万円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の減少が18億8千9百万円、法人税等の支払額が4億4百万円、棚卸資産の増加が3億8千4百万円あった一方で、税金等調整前中間純利益が11億9千2百万円となったことや、売上債権の減少が15億4千3百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億5百万円(前年同期は9千9百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が3億5百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億4千2百万円(前年同期は1億1千8百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が2億円あった一方で、長期借入金の返済による支出が2億3千5百万円、配当金の支払額が4億1百万円あったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2千5百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変化はみられません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当中間連結会計期間における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は21億5千2百万円となっております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。