第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、設立以来、常に“オンリーワン”を基本理念とし、企業活動を通して快適な住環境を創造し、地球環境に優しい製品の開発、及び積極的な販売を通して顧客満足度の向上に努めております。

 企業の発展のため、正当な利益確保、株主様への適正な利益還元、従業員の生活のさらなる向上、内部組織の充実を推進することを経営方針として、顧客に支持される「オンリーワン企業」を目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、高品質・高付加価値製品の開発を図り、中期的に資本効率をより重視する観点から「自己資本当期純利益率(ROE)」の向上に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は、多様化する顧客のニーズに応えるべく高品質・高付加価値製品を提供できる企業であり続けるとともに、安定成長の確保と収益性の向上に重点をおいた経営改善に努めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 わが国経済は、政府や日銀が積極的な政策等を打ち出しましたが、新設住宅着工戸数の推移や原油価格の動向等により、今後の売上高への影響や製造コストの上昇が懸念されます。

 こうした厳しい経営環境に対処するため、当社におきましては、生産、営業、物流の効率運営を推進し、徹底的なコスト削減に努めております。

 また、製造コストに見合った適正な販売価格改定についてのご理解をいただくことで、安定供給体制の確保に努めております。

当社は、お客様に一層信頼される企業として成長すべく、「新5S」(スマイル・セーフティー・スペシャルティー・スリム・スピード)を理念として、掲げております。

第57期も引き続き、セーフティー(安全意識の向上)、スペシャルティー(パフォーマンスの向上)、スピード(情報発信のスピード化)を重点項目に掲げました。

引き続き、安全な職場環境の整備、お客様満足度の向上及び従業員の意識向上、高付加価値商品の提供をとおして、企業環境の激変に的確に対応しうる経営体質の構築に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業リスクについては、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に向けて努力しております。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は事業年度末現在において判断したものであります。

(1)新設住宅着工戸数について

当社は、粘土瓦を国内の大手ハウスメーカーをはじめ工事店、問屋、代理店等を経由して販売しております。

粘土瓦は、住宅の新設時に多量に使用されることが多く、その使用量は新設住宅着工戸数の増減に左右され景気動向、住宅地価の変動、金利動向、政府の住宅政策、税制、少子化等の要因も、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業に対する法的規制について

当社は、社会的責任の立場から地域住民の生活環境を保全するため、法的規制、行政指導について常に関心をもち、公害防止のため万全の措置を講じ、法的に適正と認められておりますが、法律の改正又は新たな規制の制定により、当社工場の運営に支障を来たし、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社港南工場及び明石工場において碧南市長に対し公害防止計画書を提出しております。

碧南市における法的規制の主なものは以下のとおりであります。

大気汚染防止法

水質汚濁法

騒音規制法・振動規制法

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

(3)特定取引先への依存度について

① 原材料仕入について

当社は、粘土瓦の主原料となる、粘土及び釉薬を特定の仕入先より仕入れを行っております。粘土については配合粘土を使用しており、その粘土の配合割合によって、製造工程に影響を及ぼすことがあり、限られた仕入先から供給を受けることが業界の通例となっております。また、釉薬についても同様であり、色調、品質的に安定度の高いものが求められるため、限られた仕入先から仕入れを行っております。このため特定の仕入先への依存度が高くなっており、仕入先の経営状態が悪化した場合、当社製品の製造に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 販売先について

当社が生産するモデュール瓦は、その製造技術・品質、施工性、作業環境等の改善技術が認められ、大手ハウスメーカーの採用を受けていることから、大手ハウスメーカー向け専用瓦となっております。従いまして大手ハウスメーカーの販売する住宅の様式、屋根仕様の大幅な変更、また、当社の特許権等を無視し他社が類似商品の生産を行い多量に市場投入した場合に、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原油価格の変動の影響について

当社は、液化石油ガス及び重油を燃料として使用しております。当社では常時市況価格を注視しながら取引業者との価格交渉にあたっておりますが、中国・インド等の新興国の需給、中東情勢、米国・ユーロ圏景気、為替レート、投機ファンド等の状況により、原油価格が急激に変動することがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における世界経済は米国では高い個人消費に下支えされ、底堅さを維持する一方、中国や欧州では米中間の貿易摩擦問題の激化に起因し、緩やかに減速しました。日本経済は、海外経済の減速により輸出が鈍化したものの、良好な雇用環境を受け個人消費は堅調に推移し、引き続き緩やかな回復基調が続きました。

 住宅市場におきましては、金融緩和の継続による住宅ローン低金利や良好な雇用・所得環境、また、消費税増税に伴う駆け込み需要が追い風になり、持家着工戸数は増加基調が続いています。

 このような状況の中、当社は、2018年7月から9月にかけて発生した西日本豪雨や台風21号・24号によって被害を受けた住宅の補修需要が増加したことや新規出店でエリア拡大を加速するビルダー、ハウスメーカーに対して、当社主力製品である「CERAMシリーズ」「SHINTOかわらS」をPRする等、積極的な営業活動に努めた結果、売上高6,021百万円(前期比262百万円増加)と前年比増収となりました。

 利益面におきましては、瓦置場の見直しを行い、不要となった借地を返却する等コスト削減によって、営業利益1百万円(前期は61百万円の損失)、経常利益51百万円(前期は54百万円の損失)、当期純利益17百万円(前期は104百万円の損失)となりました。

 なお、当社は瓦製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメントとの関連は記載しておりません。

 

(流動資産)

 流動資産は、商品及び製品の115百万円減少、売掛金の88百万円増加等により、2,838百万円(前期比0百万円減少)となりました。

(固定資産)

 固定資産は、有形固定資産の142百万円減少等により、4,114百万円(前期比149百万円減少)となりました。その結果、資産合計では、6,953百万円(前期比149百万円減少)となりました。

(流動負債)

 流動負債は、短期借入金の60百万円減少等により、3,223百万円(前期比40百万円減少)となりました。

(固定負債)

 固定負債は、長期借入金の99百万円減少等により、385百万円(前期比102百万円減少)となりました。その結果、負債合計では、3,609百万円(前期比142百万円減少)となりました。

(純資産)

 純資産は、当期純利益17百万円となり、配当金支払が26百万円あったこと等により、3,344百万円(前期比6百万円減少)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度と比較して6百万円減少し、141百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動における資金の収入は、232百万円(前期208百万円の収入)となりました。これは、主に非資金費用である減価償却費153百万円、棚卸資産の減少124百万円の増加要因があったこと等に対し、売上債権の増加146百万円の減少要因があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動における資金の支出は、45百万円(前期118百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出44百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動における資金の支出は、193百万円(前期104百万円の支出)となりました。これは、主に借入金の純減少159百万円、配当金の支払額26百万円があったこと等によるものであります

 

③生産、受注及び販売の実績

 生産、受注及び販売の実績について、当社は、瓦製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメントとの関連は記載しておりません。

a.生産実績

 当事業年度の生産実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。

取扱品目

金額(千円)

前年同期増減比(%)

製品瓦

 

 

J形瓦

231,349

0.6

S形瓦

134,584

△10.7

F形瓦

2,437,008

△4.7

合計

2,802,942

△4.6

 (注)1.金額は、平均売価によっております。

    2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.仕入実績

 当事業年度の仕入実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。

取扱品目

金額(千円)

前年同期増減比(%)

商品瓦

 

 

J形瓦

261,061

11.9

S形瓦

45,684

△7.7

F形瓦

521,177

8.3

その他の瓦

6,348

13.7

小計

834,272

8.4

その他(副資材他)

882,561

25.5

合計

1,716,833

16.6

 (注)1.金額は、仕入価格によっております。

       2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社は、受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。

d.販売実績

 当事業年度の販売実績を取扱品目別に示すと、次のとおりであります。

取扱品目

金額(千円)

前年同期増減比(%)

製品瓦

 

 

J形瓦

221,785

8.4

S形瓦

130,494

△14.9

F形瓦

2,622,562

△0.1

小計

2,974,842

△0.2

商品瓦

 

 

J形瓦

308,864

7.6

S形瓦

63,910

4.3

F形瓦

687,771

9.1

その他の瓦

7,503

14.8

小計

1,068,049

8.4

その他(副資材他)

1,978,828

10.5

合計

6,021,719

4.6

 (注)1.主な相手先別の販売実績は総販売実績に占める割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

    2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。

 

事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の経営成績等につきましては、売上高は、住宅市場におきまして、金融緩和の継続による住宅ローン低金利や良好な雇用・所得環境、また、消費税増税に伴う駆け込み需要が追い風になり、持家着工戸数は増加基調が続いたこと等により、製品売上高が6百万円及び工事売上高が17百万円減収、商品売上高が82百万円及びその他売上高が205百万円増収となり、あわせて売上高は262百万円増収6,021百万円となりました。

 また、燃料調達価格が高値で推移したことにより、工程管理の強化や効率生産に努めましたが、売上総利益率は15.1%(前期15.4%)となりましたが、売上高については前年比で増加したため、売上総利益23百万円増益910百万円(前期886百万円)となりました。

 営業利益は、瓦置場の見直しを行い、不要となった借地を返却する等のコスト削減により、販売費及び一般管理費は38百万円減少909百万円(前期948百万円)となり、売上高の増加等の影響もあり営業利益1百万円(前期営業損失61百万円)となりました。

 経常利益は、営業外収益が35百万円増加66百万円(前期31百万円)となったこと、また営業外費用は8百万円減少15百万円(前期24百万円)となったことにより、経常利益51百万円(前期54百万円の損失)となりました。

 当期純利益は、売上高の増加や、販売費及び一般管理費の減少等により、当期純利益17百万円(前期104百万円の損失)となりました。

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、前述の(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

 当社は、事業運営上の必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期の運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,203百万円となっております。

 

(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、中長期的な経営計画等に係る具体的な目標数値は定めておりませんが、企業価値の向上を意識した経営を推進すべく「自己資本当期純利益率(ROE)」を経営指標として採用しております。

 当事業年度におけるROEは、0.5%(前年同期比3.6ポイント増)となりました。今後も引き続き、製造工場における生産効率の向上を追及するなど、当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社は、企業経営を通して、住環境の改善と顧客ニーズに対応した製品の開発に取り組み、エネルギー問題・環境問題に積極的に取り組む地球環境に優しい企業を目指しております。

当社の技術部署を集約したテクノセンターでは、品質保証課・開発課・生産技術課の連携強化により、品質の安定化・新製品の開発・生産効率の向上・省エネルギー化・職場環境の改善などを推進しCS及びES向上に取り組んでおります。

現代建築にマッチし機能とデザインを兼ね備えた『ストレート袖』が大変好評をいただいており、セラムFフラットやセラムF3にも対応でき、選択肢の幅が増え更なる拡販が期待されます。なお、本製品につきまして、意匠及び特許を取得しております。

また、据え置き型太陽光発電システムを安全に設置可能な『同質支持瓦』の量産化を実現しており、製品ラインナップの充実化にも取り組んでおります。

今後も太陽光発電システム市場の様々な展開に対応してまいります。

瓦を玄関などのインテリアに飾れる商品『鬼瓦家守onigawara iemori』は現在9種類の鬼瓦で展開し、その取組みが評価され、経済産業省地域産業資源活用事業計画に採択されました。販路もインテリア業界やギフト業界への拡販を行うことで、幅広い層に瓦及び日本の住文化の情報を発信し、高い評価を受けております。今後も国内外に継続して情報発信していきます。

瓦の廃材を再利用した水耕栽培用園芸用土「リサイクルコーン」に新色を追加し7色展開となり、ホームセンターやインテリアショップなど販路を広げています。

その他、製品軽量化や産業廃棄物の有効利用等を目的とした原料開発につきましても、引き続き活動してまいります。

以上の結果、当事業年度の研究開発費の総額は、7百万円となりました。