第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

21世紀は地球環境問題が大きく取り上げられる世紀と認識しております。当社は環境に優しい特性を持つガラスにより、地球環境を汚すこと無く、社会への貢献、事業の拡大発展を図る所存であります。古くて新しいガラスについて、既成概念にとらわれず、大企業では難しい、小回りの良さを生かした市場創造を目指します。会社は社員一人ひとりのことを考え、社員は常に何事にもチャレンジしていく活気あふれる会社にしたいと考え、次に掲げる理念を経営の基本方針としております。

①基本理念

特殊ガラスと薄膜で「光の時代」をリードしお客様が感動する商品・サービスを提供し続けます。

②経営理念

常に地球と時代をみつめるダイナミックな経営を行い、社員一人ひとりの人生の充実と会社の発展を目指します。

③行動規範

始まりは、いつも私から。それ、私がやります。Yes, I can.

当社グループは、収益体質を一層堅固なものとするため①経営資源の最適配分、②既存事業の収益安定化、③新規事業の早期立ち上げを進めます。

 

(2)経営戦略の現状と見通し

当社の企業価値・株主共同の利益の向上を図り、ICTの急速な進歩・応用拡大、世界的な環境、健康への取組みをはじめとする世の中の変化に対応するために、当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画(以下「GROWTH25」といいます。)を策定しております。ここで定めた基本方針の概要は以下のとおりです。

 

・GROWTH25で事業ポートフォリオの革新を断行し、当社のDNAである機動力、技術力及びコスト競争力を「再進化」させ、次期中期計画(2026年度から2028年度、以下「GROWTH28」といいます。)の「再成長」フェーズに繋げる。GROWTH28では、当社連結グループでの売上高営業利益率10%を目指す。

・将来に渡り拡大が見込める成長分野並びに事業に成長投資を集中し、当社の成長並びにレジリエンス強化を実現する。

・コアコンピタンスの3技術(硝材開発技術、精密成型技術、薄膜蒸着技術)を再進化させ、成長ターゲット分野(モビリティ、ヘルスケア、環境)に事業拡大する。

 

GROWTH25での主な製品別取組みは以下のとおりです。

フライアイレンズ

・固体光源化等に対応した要求仕様変化に対し、技術再進化により確実に対応

・G-injection®技術(ガラスの射出成型)を用いた 3D・超精密形状新型ガラス製品製造ラインの試験稼働を開始

車載

・再進化させた精密成型技術、薄膜蒸着技術(Hi-Silver®他)により車載部品要求仕様を満足させる

フリット

・LTCC 低誘電率・低誘電損失の実現によりチップ部品、5Gアンテナ、半導体検査装置向けの需要を拡大させる

放熱基盤

・放熱基板は、2026年3月期の量産出荷に向けてお客様仕様の製品を量産試作、認定作業が進行中

・株式会社U-MAPとともに国内外の展示会へ出展し、放熱基板のユーザー開拓を進める

偏光子

・データセンターで使用される光アイソレータ用途の当社製ガラス偏光子の需要増に対応するため生産能力倍増を計画し、所要の製造装置を発注済み

機能性薄膜

・機能性薄膜「Hi-Silver®」とガラス封止蛍光体「PiG」の複合化商品を展開する

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループの主力事業の一つであるプロジェクター用反射鏡が、プロジェクターの固体光源化、フラットパネルディスプレイの価格低下によるプロジェクター需要の頭打ちの影響を受ける中で、プロジェクター市場の変化に対応した製品の開発及び生産・供給計画の編成並びに並立する事業の柱として次世代自動車向け部品、生成AI時代のデジタルトランスフォーメーションに求められる素材、部品等の新規領域製品を立ち上げ等を推進するため、以下の課題に取り組むことを経営方針としています。

 

ア プロジェクター、自動車ヘッドランプの固体光源化への対応

プロジェクター、自動車ヘッドランプなどの固体光源化により、光学部品において「耐熱性」、「耐候性」、「耐光性」、「長寿命」等が課題となり、樹脂からガラスへの回帰が進むと予想しております。2025年4月に稼働した新型ガラス製造ラインは、レンズの小型化、高精細化・セルの微細化が可能であり、固体光源化に伴うガラスへの回帰を着実に取り込んでいきます。更には、光利用効率を高める「LED 用新導光体デバイス」(LED から出射する拡散光をある角度範囲に高効率で集光させることが可能な画期的なガラスデバイス)を事業化することで照明光学系レンズのマーケットを主導していきます。加えて、高耐久性銀ミラー「Hi-Silver®」、蛍光体とガラスフリットで基板を作るPiG(Phosphor in Glass)などの開発・生産・販売を強化してまいります。

イ 放熱基板の生産能力増強とユーザー開拓

EVや産業機器の高効率化と高性能化を実現するパワー半導体の高密度実装、生成AIの進歩により建設が加速化しているデータセンターの消費電力削減を実現するセンター内光通信に使用される光トランシーバなどに使用可能な高放熱セラミックス基板の生産能力を増強します。同時に、株式会社U-MAPと協力して国内外でユーザー開拓を進めます。

ウ 次世代自動車向け車載部品の事業化の推進

自動車の自動運転、ADAS(先進運転支援システム) 、LiDAR(Light Detection and Ranging)などの成長分野に向けて、フィルター、カバーガラスなどの開発・生産・販売を強化してまいります。

エ デジタルトランスメーションに向けた商品展開

生成AIの拡大によりデータセンターで使用される光アイソレータ用途の当社製ガラス偏光子の需要は急増しており生産能力を増強いたします。加えて、5G通信部品用ガラスフリットを拡販し、加速するデジタルトランスフォーメーションに対応するこれら製品の展開を進めます。

オ ソリューションビジネスの拡大、知財・ノウハウの社会実装化

当社グループの品質保証体制と海外拠点のネットワークを生かしたガラス及び光学のソリューションビジネスを拡大していきます。また、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」においては、国内各社と協業を進め、取得した知財・ノウハウの社会実装化を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役会長岡本毅がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

2023年4月1日付でサステナビリティ推進室を設置しております。サステナビリティ推進室は、持続可能性の観点で当社グループの企業価値向上をさせるため、サステナビリティに係る以下の内容の協議等を行い、当社グループの在り方を上申することを役割としています。

①中長期的な視点に立ち、サステナビリティに関する重要課題の特定

②サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会の識別・評価

③サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応の基本方針の策定

取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。

 

(2) 戦略

サステナビリティ推進室を中心としてCO2排出削減の中長期目標の策定を現在進めております。政府方針である2050年カーボンニュートラル社会の実現の視点に立ち、当社の事業領域に於ける気候変動の影響についてシナリオを策定しリスクと機会について分析を実施し、中長期のCO2削減目標を2025年度中に設定いたします。

2024年度の活動実績としては

・「ちばSDGsパートナー企業登録」  令和7年2月14日登録 [登録番号2410]

・「CO2CO2スマート宣言事業所登録」令和7年1月14日登録

岡本硝子(株)本社・ガラス事業所          [登録番号S-2279-1]

岡本硝子(株)薄膜事業所               [登録番号S-2279-2]

に申請登録されました。

上記活動を通しCO2排出削減活動を推進して参ります。

 

人財の育成方針

当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

当社グループでは、事業の持続的な成長と競争力の源泉は、コア・コンピタンスである「硝材開発」「精密成型」「薄膜」の製造・技術を支えるエンジニアと、それを強力にサポートする社員=「人財」であります。

「企業の成長は社員の成長であり、会社は、全社員の能力を最大限に発揮するために、社業を通じて自己の成長する場を提供し続ける」を人財育成方針とし、仕事を通じて自己の成長に挑戦し、共に働く仲間と、物心両面の幸せを実現できるように、人財育成を行ってまいります。

具体的には、獲得した人財に必要なスキルを身につけさせ能力を最大化させるため、職場、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的としたスキルマップでの育成や、社員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する外部研修を推進し、役員による次世代経営人財の育成研修や技術研修を実施しています。また、ものづくりの現場では、一つの職能に特化する職人の育成とすでに必要スキルを持っている社員の多能工を進め、知識面では生産マイスター検定の受講を推進しており、様々な状況の変化に対応できる、柔軟なものづくり人財の育成に取り組んでおります。

また、組織に不足するスキルや専門性の獲得を社員に促すに当たり、通常の資格取得支援の他、より高度な専門性の習得を希望する社員には、社会人ドクター(博士)制度を設けております。優秀な職人やエンジニアには、4つの技能・技術レベルに区分した手当を設け、新たな技能・技術の開発、習得等を処遇に反映できるよう人事制度を構築しております。

 

 

社内環境整備方針

中長期的な企業価値向上のためには、高精度化及び高効率化される製品を生産できる技術開発及び状況変化に柔軟に対応できる体制づくり、環境に配慮したものづくりに対応していくことが重要であると考えております。

その原動力となるのは、安全で健全な職場環境と多様な個人の掛け合わせと考えており、人命・安全第一を掲げ、安全衛生方針である「社員の安全衛生の確保は、企業存続の基盤をなすものであり社会的責務である」をもとに、健康経営への取り組みや専門医による健康・メンタルヘルス面談の実施、設備等のリスクアセスメントによる災害リスク低減に取り組み、業務のシステム化や夢確信活動による業務効率・改善活動に取り組んでおります。また、イノベーションや付加価値の創出のためにも、ガラスと薄膜のものづくりに拘るだけでなく、他業界・業種の専門性や経験を取り入れた、積極的なダイバーシティ&インクルージョンが必要と考えております。さらに、少子高齢化による労働者不足や高まる就業環境変化への対応の観点から、性別や年齢などに関係なく、多様な人財が意欲をもって活躍できる組織の構築を推進していくと共に、優秀な人財を確保するため、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行っていきます。

 

(3)リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク対応委員会において行っています。重要なリスクは、リスク対応委員会の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会に報告、監督されます。

サステナビリティ推進室の設置後は、サステナビリティに係るリスクの識別・評価、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、サステナビリティ推進室の中でより詳細な検討を行い、その情報をリスク対応委員会と共有することとしています。

 

(4)指標及び目標

人財育成及びサステナビリティに関する方針・指標に従い、活動目標及び実績を下記にまとめました。

指標

目標

実績

関連する公的取組

(ちばSDGsパートナー)

照明のLED化(2030年度までに100%切替)により省エネ及びCO2排出削減を進めます

2030年度までに照明のLED切り替え100

2025年3月末現在 0

環境 SDGsゴール 

(7,13)

グループ全体での管理職に占める女性の割合を2026年3月末までに10%に引き上げます

2026年3月末まで10

2025年3月末現在 9

社会 SDGsゴール

(5,8)

産学プロジェクトにより開発された江戸っ子1号に搭載された耐圧ガラス球を通し、深海・海底の生物観察、地震観測、資源調査に貢献します

持続可能な海洋資源調査への支援

活動継続中

経済 SDGsゴール

(9,14)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 主要顧客への販売依存度について

当社グループの業績は、セイコーエプソン株式会社、 Epson Precision (Hong Kong) Ltd.、Epson Engineering (Shenzhen) Ltd.、Epson Precision (Philippines), Inc.、愛晋精密光電(無錫)有限公司(以下「セイコーエプソングループ」)、Signify Electronics Technology 、Signify Belgium NV、Signify industry (China) Co.,Ltd.(以下「Signify Electronics Technologyグループ」)などの主要顧客との取引状況の影響を受けます。現在、セイコーエプソングループ及びSignify Electronics Technologyグループとは良好な取引関係を維持していると考えておりますが、将来にわたり、当社グループの製品が採用される保証はありません。
 当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセイコーエプソングループ及びSignify Electronics Tecnologyグループへの販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は下表のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

 セイコーエプソングループ

1,051,239

22.9

1,174,348

25.1

  注1

 Signify Electronics Tecnologyグループ

321,300

7.0

264,346

5.6

  注2

 

注1  Epson Precision(Hong Kong)Ltd.、Epson Engineering(Shenzhen) Ltd.、Epson Precision(Philippines), Inc.及び愛晋精密光電(無錫)有限公司に販売した製品の多くは、最終的にセイコーエプソン株式会社の製品に組み込まれるため、セイコーエプソングループとして合算いたしました。

注2  Signify Electronics Technology 、Signify Belgium NV、Signify industry (China) Co.,Ltd.及びSignify Netherlands B.Vは取引相手先として一体性が高いため、Signify Electronics Technology グループとして合算いたしました。

 

② 競合状況について

当社グループの主要製品であるプロジェクター用反射鏡の市場は当社が先駆したものの、市場の拡大とともに他の特殊ガラスメーカーも参入し、競合が発生しております。当社グループとしては市場競争力の強化を図るため、プロジェクター用反射鏡の小型化や、耐熱性、反射率の向上等が可能な材料及び精密成型技術の開発を進めております。しかし、当該開発の成否によっては、当社製品の優位性の低下により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、競合の激化による販売価格の下落を、販売数量の増加あるいはコストダウンで吸収できなくなれば、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 特許について

当社グループが保有する主要な特許は、「ガラス偏光子」、「可視光用ガラス偏光子」、「ガラス偏光子およびその製造方法」、「無鉛白色ガラスセラミックス基板」、「低軟化点ガラス粉末」、「水中ビデオカメラ用ハウジング」、「高耐久性銀ミラー」、「蛍光体分散ガラス」、「耐圧ガラス球」、「濃度測定装置」、「銀被覆鉛テルルガラス粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト」、「連結水中探査機」、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」、「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」、「レジストインク」、「低温共焼成基板用組成物」、「錘切り離し装置」、「ガラス成形用金型及びガラス成形物の成形方法」、「海底探査装置」、「導光光学部品、その導光光学部品を用いた照明装置及びその照明装置を用いた投射型表示装置」、「ガラス製光学部品成形用金型」、「化学強化用ガラス」及び「光学用曲げガラス板及びその製造方法」に関するものであります。将来、特許期限を過ぎましても、製品化に関する技術・ノウハウは内部に蓄積しているため、当該特許に記載されている組成や製法が他社に利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けるとは認識しておりません。また、多くは国内特許であり、外国の同業他社から日本国外に出荷される最終製品についての対抗力は有しておりませんが、「可視光用ガラス偏光子」及び「ガラス偏光子およびその製造方法」につきましては日本、中国、米国で、「高耐久性銀ミラー」につきましては日本、中国、台湾で、「耐圧ガラス球」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「連結水中探査機」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」につきましては日本、中国、台湾、欧州で「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」につきましては日本、中国、米国で、「レジストインク」につきましては日本、台湾、中国で、「低温共焼成基板用組成物」につきましては日本、中国、韓国、台湾、欧州で、「錘切り離し装置」につきましては日本、台湾で、「ガラス成形用金型及びガラス成形物の成形方法」につきましては日本、台湾で、また「光学用曲げガラス板及びその製造方法」につきましては日本、米国で特許が成立しており、国内のみならず当該諸外国においても、当社グループは当社技術及び製品に関する独占権(特許権)を保有しております。

 なお、当社グループでは他社の特許を侵害している可能性はないと考えておりますので、他社から特許侵害の訴訟を受ける懸念は少ないと評価しております。ただし、他社の類似製品の進出で当社グループの業績が影響を受ける可能性はあります。当社グループは特許等の知的財産権の社内管理体制を強化しておりますが、当社グループが認識していない知的財産権の事案等により知的財産権侵害の訴訟等を提起された場合には、その訴訟等の結果によっては当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります

 

④ 為替変動について

当社グループは、輸出の一部を外貨建てで行っており、このうちの大半について取引先との間で定期的に為替の変動に応じた外貨建て注文単価の見直しを行うとともに、輸出取引実績に対して為替予約取引を行うことで為替変動リスクの低減を図っております。しかしながら、急激な為替変動により売上高の減少、為替差損が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、円建てによる輸出についても、急速な為替変動により受注が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 自然災害等による影響について

当社グループは、千葉県柏市及び新潟県柏崎市で集中的に一貫生産することで効率化を図っております。しかしながら、これら地域に甚大な自然災害等が発生した場合は生産活動の中断等により当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥ 借入契約に係る財務制限条項について

当社グループの借入金の一部には、財務制限条項が付されており、当社の連結純資産、連結経常利益等の項目が当該財務制限条項に抵触した場合には、期限前返済義務が生じるおそれがあります。

 

⑦ 特定事業分野への依存について

当社グループの主要な報告セグメントは光学事業であり、2025年3月期連結売上高の43%を占めております。光学事業は、プロジェクター用反射鏡及びプロジェクター内部に装着されるフライアイレンズ等の製造及び販売を行っております。当社グループは、今後ともこの光学事業を中心に事業を展開して行く方針でありますが、経済情勢の変化又は技術革新等により、当社グループが取扱う光学事業関連製品の市場規模が縮小した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 海外における事業活動について

当社グループは、海外市場における事業活動を拡充するために、台湾及び中国に販売拠点を有しております。これら海外の事業活動においては、現地の経済動向の変化、法的規制の改廃、商慣習の相違、労使関係の変化、政治的・社会的変化、並びにテロ又は伝染病の発生等の要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑨ 顧客情報の管理について

当社グループは、顧客ニーズを的確に把握するために、販売先の製品開発及び生産計画等の重要情報を早期に入手し得る立場にあります。当社グループは、これら重要情報の取り扱いに際してはコンプライアンス関連規程に則り厳格に運用し、情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。しかしながら、万一、当社グループからの情報漏洩が発生した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、信用の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 原材料の調達について

原材料価格の上昇は製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品価格に十分に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが使用する主要な原材料の中には、その価格が市況変動の影響を受けたり、調達先が限定されるものが含まれているため、受注動向に見合った適正な価格・量の原材料が調達できない場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 設備投資計画について

当社グループは、将来の受注動向を見定めながら計画的な設備投資を継続しておりますが、経済情勢又は顧客ニーズの変化等により、受注動向が大きく変動した場合には、当初の設備投資計画の変更・遅延等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 固定資産の減損等について

当社グループは光学事業における製造・販売業を主たる事業として展開しており、多額の固定資産を保有しております。今後、当社グループが推進中の事業収支が何らかの理由により悪化した場合、或いは事業資産を売却した場合等には、固定資産の減損又は売却損の計上が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 経営成績の概況

当連結会計年度において、プロジェクター需要は、中国を中心として世界的に低迷し、当社グループのフライアイレンズは売上高が減少しましたが、反射鏡に関しましては、サプライヤー数及びその供給能力が減少傾向にあることなどにより、売上高が増加しました。また、データセンター建設投資の拡大により、光通信に使用されるアイソレータ需要が急増し、当社グループのガラス偏光子の売上高は増加しました。一方、中国における化粧品の消費低迷などにより当社グループの加飾蒸着の売上高は減少しました。

この結果、当期の連結業績は、売上高4,686百万円(前期比2.3%増)、経常利益84百万円(前期比42.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益89百万円(前期比12.7%減)となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの概況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ136百万円増加し、1,802百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により資金は370百万円増加(前連結会計年度は337百万円増加)しました。税金等調整前当期純利益92百万円(前連結会計年度は142百万円)、減価償却費323百万円(前連結会計年度は364百万円)、棚卸資産の減少額91百万円(前連結会計年度は棚卸資産の増加額84百万円)などの増加要因に対し、その他の負債の減少額68百万円(前連結会計年度はその他の負債の増加額35百万円)などの減少要因がありました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により資金は846百万円減少(前連結会計年度は473百万円減少)しました。投資有価証券の取得による支出103百万円(前連結会計年度は3百万円)、有形固定資産の取得による支出750百万円(前連結会計年度は566百万円)などの減少要因がありました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により資金は617百万円増加(前連結会計年度は220百万円増加)しました。短期借入金の純増額178百万円(前連結会計年度は219百万円)、長期借入れによる収入1,205百万円(前連結会計年度は940百万円)などの増加要因に対し、長期借入金の返済による支出742百万円(前連結会計年度は872百万円)などの減少要因がありました。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

   生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

1,310,411

△10.4

照明事業

427,655

44.8

機能性薄膜・ガラス事業

926,658

5.2

その他

461,789

△21.7

合計

3,126,515

△3.1

 

(注) 1 金額は、前連結会計年度において、販売額に在庫増減原価を加える方法としておりましたが、当連結会計年度より製造原価によっております。そのため前年同期比も組み替えた数値としております。

(注) 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

1,971,660

2.0

120,015

△30.5

照明事業

525,323

4.2

67,846

1.4

機能性薄膜・ガラス事業

1,318,865

0.7

57,353

△46.1

その他

791,653

△3.6

88,452

32.2

合計

4,607,503

0.9

333,668

△19.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

光学事業

2,024,297

2.8

照明事業

524,360

3.2

機能性薄膜・ガラス事業

1,367,920

6.1

その他

770,098

△5.9

合計

4,686,676

2.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(注) 2 最近2連結会計年度における主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

EpsonPrecision(Philippines),Inc.

982,316

21.4

1,038,767

22.2

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 ④ 財政状態の概況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ68百万円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が136百万円増加し、売掛金が104百万円増加し、電子記録債権が91百万円減少したことなどによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ624百万円の増加となりました。新潟岡本硝子株式会社の反射鏡生産用ガラス溶融炉及び本社工場(千葉県柏市)のフライアイレンズ生産用ガラス溶融炉の更新投資などで有形固定資産が515百万円増加したことなどによるものであります。
 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ692百万円の増加となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ596百万円の増加となりました。この主な要因は、短期借入金が178百万円増加し、1年内返済予定の長期借入金が488百万円増加したことなどによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ14百万円の減少となりました。
 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ582百万円の増加となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ109百万円の増加となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益89百万円などによるものであります。なお、当社は、2024年6月29日開催の第78回定時株主総会の決議に基づき、2024年9月6日付で減資の効力が発生し、資本金の額1,495百万円を減少し、その他資本剰余金に振替え、資本準備金の額734百万円を減少し、その他資本剰余金に振替えております。その後に、その他資本剰余金の額1,870百万円を減少し、繰越利益剰余金に振替え、欠損補填に充当しております。この結果、当連結会計年度末において資本金が1,000百万円、資本剰余金が359百万円、利益剰余金が289百万円となっております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期の連結業績は、売上高4,686百万円(前期比2.3%増)、経常利益84百万円(前期比42.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益89百万円(前期比12.7%減)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

(イ)光学事業

当連結会計年度の売上高は2,024百万円と前期と比べ56百万円(2.8%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は383百万円と前期と比べ56百万円(17.2%)の増益となりました。

プロジェクター用反射鏡は、販売数量が前期比で19.3%増加し、売上高は10.5%増加いたしました。フライアイレンズは、販売数量が前期比で4.9%減少し、売上高は2.8%減少いたしました。

(ロ)照明事業

当連結会計年度の売上高は524百万円と前期と比べ16百万円(3.2%)の増収となり、セグメント損失(営業損失)は32百万円と前期と比べ29百万円(前期のセグメント損失は2百万円)の減益となりました。自動車ヘッドライト・フォグライト用カバーガラスの売上高が増加しましたが、外注費の増加によりセグメント利益が減少いたしました。

(ハ)機能性薄膜・ガラス事業

当連結会計年度の売上高は1,367百万円と前期と比べ79百万円(6.1%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は93百万円と前期と比べ40百万円(76.4%)の増益となりました。ガラス偏光子の売上高が増加し、ガラス容器への加飾蒸着の売上高が減少しました。

(ニ)その他

当連結会計年度の売上高は770百万円と前期と比べ48百万円(5.9%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は180百万円と前期と比べ14百万円(8.8%)の増益となりました。

 

 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、当社、連結子会社(新潟岡本硝子株式会社、二光光学株式会社、蘇州岡本貿易有限公司、岡本光学科技股份有限公司、JAPAN 3D DEVICES株式会社)の計6社で構成され、特殊ガラス及び薄膜製品の製造販売を主な事業の内容としております。

セグメントの業績は、売上高において光学事業への依存度が高水準となっております。光学事業では、主にプロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売を行っており、当社グループの業績は、プロジェクター用反射鏡及びフライアイレンズの製造販売状況及びプロジェクター市場の推移の影響を受けます。

当社グループの業績は、セイコーエプソン株式会社、Epson Precision(Hong Kong) Ltd.、Epson Engineering

(Shenzhen) Ltd、Epson Precision(Philippines), Inc.、愛晋精密光電(無錫)有限公司(以下「セイコーエプソン

グループ」)、Signify Electronics Technology ,Signify Belgium NV、Signify industry(China)  Co.,Ltd.(以

下「Signify Electronics Technologyグループ)などの主要顧客との取引状況の影響を受けます。現在、セイコーエプソングループ及びSignify Electronics Technologyグループとは良好な取引関係を維持しておりますが、将来にわたり、当社グループの製品が採用される保証はありません。

 当社グループが保有する主要な特許は、「ガラス偏光子」、「可視光用ガラス偏光子」、「ガラス偏光子およびその製造方法」、「無鉛白色ガラスセラミックス基板」、「低軟化点ガラス粉末」、「水中ビデオカメラ用ハウジング」、「高耐久性銀ミラー」、「蛍光体分散ガラス」、「耐圧ガラス球」、「濃度測定装置」、「銀被覆鉛テルルガラス粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト」、「連結水中探査機」、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」、「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」、「レジストインク」、「低温共焼成基板用組成物」、「錘切り離し装置」、「ガラス成形用金型及びガラス成形物の成形方法」、「海底探査装置」、「導光光学部品、その導光光学部品を用いた照明装置及びその照明装置を用いた投射型表示装置」、「ガラス製光学部品成形用金型」、「化学強化用ガラス」及び「光学用曲げガラス板及びその製造方法」に関するものであります。将来、特許期限を過ぎましても、製品化に関する技術・ノウハウは内部に蓄積しているため、当該特許に記載されている組成や製法が他社に利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受けるとは認識しておりません。また、多くは国内特許であり、外国の同業他社から日本国外に出荷される最終製品についての対抗力は有しておりませんが、「可視光用ガラス偏光子」及び「ガラス偏光子およびその製造方法」につきましては日本、中国、米国で、「高耐久性銀ミラー」につきましては日本、中国、台湾で、「耐圧ガラス球」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「連結水中探査機」につきましては日本、中国、米国、欧州で、「ガラス製光学部品成形用金型並びにその金型を用いたガラス製光学部品の製造方法」につきましては日本、中国、台湾、欧州で「画像記録方法、画像記録プログラム、情報処理装置及び画像記録装置」につきましては日本、中国、米国で、「レジストインク」につきましては日本、台湾、中国で、「低温共焼成基板用組成物」につきましては日本、中国、韓国、台湾、欧州で、「錘切り離し装置」につきましては日本、台湾で、「ガラス成形用金型及びガラス成形物の成形方法」につきましては日本、台湾で、また「光学用曲げガラス板及びその製造方法」につきましては日本、米国で特許が成立しており、国内のみならず当該諸外国においても、当社グループは当社技術及び製品に関する独占権(特許権)を保有しております。

 なお、当社グループでは他社の特許を侵害している可能性はないと考えておりますので、他社から特許侵害の訴訟を受ける懸念は少ないと評価しております。ただし、他社の類似製品の進出で当社グループの業績が影響を受ける可能性はあります。

 

 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(イ) キャッシュフロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」② キャッシュ・フローの概況に記載しております。

 

(ロ) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主要な資金需要は、設備投資資金と運転資金であります。持続的かつ長期的な成長戦略の実現を図り、次世代のニーズを捉えた新商品の投入を実現するための研究開発活動や設備投資資金を、金融機関借入等多様な手段を用い、低コストの資金調達を目指しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は5,930百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,802百万円となっております。

 

5 【重要な契約等】

(金融機関とのコミットメントライン契約)

当社グループは、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。

契約に関する内容は以下のとおりであります。

契約会社

新潟岡本硝子株式会社(連結子会社)

住所

新潟県柏崎市大字安田字土山7587-1

代表者氏名

代表取締役社長 松田 一彦

契約締結先

第四北陸銀行

契約締結日

2024年9月30日

契約期間

2024年9月30日から2025年9月29日

契約金額

200百万円

当事業年度末借入実行残高

100百万円

財務制限条項

新潟岡本硝子株式会社の各年度の決算期に係る損益計算書において経常損失を計上していないこと

保証人

岡本硝子株式会社

 

 

2024年4月1日前に締結されたローン契約に付される財務上の特約が付された契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」付則第3条第4項により記載を省略しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループのコアコンピタンス(硝材開発技術、精密成型技術、薄膜蒸着技術)を活かし、固体光源対応レンズ、5G/6G通信用材料、半導体検査装置用材料、生成AIデータセンター向け製品等、今後の成長が期待される分野での新規製品開発を中心に研究開発活動を行っております。
 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費総額は116,020千円であります。
事業の種類別セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

(1)光学事業

① 研究開発の基本方針

光学レンズの製造に用いられる高精度なガラス成型方法の開発を進めております。

② 主要研究開発テーマ

当社は、ダイレクトプレス法によるガラス成型を基本とし、その精度をさらに向上させた高精度プレス法(FP法:Future Press法)及び複雑な立体形状を実現するガラス射出成型法(G-injection®:Glass Injection method)の開発・量産を実施しております。

高精度プレス法(FP法)については技術開発を終え、新規熔融炉及び成型設備の設備投資を行い、2025年4月からの稼働を目標に築炉工事及び技術検証等を実施して参りました。本方法を用いた生産では従来のダイレクトプレス法に比べ、成型精度が改善されると同時にガラスの利用効率が格段に向上し、レンズ精度向上並びに生産性向上及びCO2削減による環境への貢献が達成できるものです。

G-injection®技術は特許登録済みの当社独自技術であり、生産性が高いまま高精度異形レンズが実現できるなど、顧客から高い評価を頂いております。

 

(2)照明事業

① 研究開発の基本方針

LEDやLD等の半導体発光素子を用いた固体光源用のガラス・薄膜部品の開発、商品化を行っております。

② 主要研究開発テーマ

固体光源用レンズ・ミラー及び固体光源に使用される蛍光体分散ガラス(蛍光体をガラス材料の中に分散させたものでPhosphor in Glass:PiGと呼ばれる)の製品開発を行っております。光源の高輝度LED/LD化に伴い、使用されるレンズや封止体等には高い耐熱性が求められ、樹脂では高輝度LEDの発熱やLDの高エネルギーに耐えられないことから、ガラスへの回帰が進んでいることに対応するものであります。

 

(3)機能性薄膜・ガラス事業

① 研究開発の基本方針

フリット(ガラス粉末)、 放熱基板、ガラス偏光子、機能性薄膜などの開発を行っております。

② 主要研究開発テーマ

フリット

グラスライニング用カレットや電子部品用フリット/ペースト等の開発・製造・販売を行っております。その中で、5G高速通信用多層回路基板LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)に使用されるガラスフリット及び半導体検査装置用LTCC材料の開発に注力しております。国内外への拡販を前提とした開発を行っております。

また、固体光源に使用される高反射レジストインク、蛍光基板の製品開発を継続しております。なかでも波長250~280nmの深紫外線(UVC)に対する高反射レジスト(Hi-UVC™)は、殺菌装置等の他に半導体製造設備への展開も進めております。

 

放熱基板

株式会社U-MAPが開発した独自素材「Thermalnite®」(繊維状窒化アルミニウム単結晶)を添加した窒化アルミニウム複合材料の量産体制を確立し、顧客への量産仕様サンプルの提供を進めております。このセラミックス複合材料は、高い熱伝導率に加えて、高い機械特性をも兼ね備えており、LEDやLD用放熱基板用途として積極的に拡販活動を行っております。また、電気自動車や鉄道などに用いるパワーモジュール分野や生成AIデーターセンター用光モジュール分野での製品開発を進めており、今後市場への製品投入を計画しております。

 

ガラス偏光子

光通信や各種センサー向けのガラス偏光子「Glapola®」を製造・販売しております。光通信用としては生成AIの市場拡大に必要不可欠な光トランシーバに内蔵される光アイソレータに使用されており、要求される厳しい製品品質への対応及びコストダウンに注力しております。また、角度依存性・表面反射性が低い利点を活かし、センシング用途としての活用に向けて、今後も商品展開に注力して参ります。

 

機能性薄膜(Hi-Silver®、加飾蒸着)

・Hi-Silver®

光学ミラーとして、アルミ蒸着よりも高い反射率を持ち、かつ高い耐久性を有する銀ミラー「Hi-Silver®」の開発、量産を行っており、耐久性の向上及びコストダウンに注力して参りました。LiDARを始めとする車載用センサーや医療機器分野への応用、様々な形状をもったガラス、樹脂、金属基板への対応ができる技術開発を進めており、今後も適用分野の拡大に注力して参ります。

・加飾蒸着

化粧瓶の表面に虹色に光る膜を形成する「加飾蒸着」を事業化しております。マスキング、グラデーション等の手法を駆使することにより、さらに色合いを変化させる技術を開発しており、高い意匠性が実現できることから、新たな商品展開を図って参ります。

 

(4)その他

一般消費者向けガラスプロダクトブランド「illumiiro™」

当社の持つ硝子成型技術と加飾蒸着技術を融合させ、一般消費者向けのガラスプロダクトブランド「illumiiro™」を立上げました。第一弾商品として、当社の成型技術によるユニークな硝子形状を持ち、5色展開の加飾蒸着を施したグラス「yura glass™」を開発し販売開始致しました。また、第二弾商品としてガラスアクセサリーの開発を進めており、今後も新商品の開発を通じてラインナップを拡充し、ブランドの更なる成長を目指して参ります。また、これらの取り組みを通じて、当社の技術及び知名度の向上を図って参ります。