文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念、経営戦略、経営方針
当社は、「1.世界に通じる基礎を造る 2.進歩の原点は現場にあり 3.仕事を天職として社会に尽くす」を企業理念とし、総合基礎建設業として社会に貢献してまいります。この企業理念の下、当社は基礎建設の事業を日本国内市場からアセアン市場に拡大するため、持株会社体制を採用し、アセアン各国の基礎資材の製造及び建設を事業とする企業と連携し、アセアン市場と日本市場を一体化して基礎建設事業の推進を図ってまいります。
(2)経営環境
国内の主たる事業会社であるジャパンパイル㈱は、コンクリート杭の製造・施工に加え、鋼管杭並びに場所打ち杭による杭基礎工事全般を手掛ける国内唯一の総合基礎建設会社であります。業界屈指の設計部門と施工部門を擁し、お客様の多種多様なニーズに応じて杭基礎工事のすべての分野から最適な設計提案を行うとともに、独自の施工マニュアルに基づいて高品質の施工を実施しております。海外においては、現地パートナー企業の生産能力や営業力、日本で培ってきた建設基礎の高度な技術力を活かして他社との差別化を図っております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、品質の向上と効率化により施工及び生産体制の強化を実現し、安定した経営基盤の確立を図ることの連結経営指標として、営業利益、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。また、グループ全体の5か年計画(2019年度~2023年度)を策定し、それぞれの国において斯業のリーディングカンパニーを目指しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループはこれまで、総合基礎建設業としての品質向上を推進してまいりました。今後、これらをより進化させるとともに、日本国内、アセアン地域において最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指し、下記のとおり中長期的に取り組んでまいります。
① 人材育成、人員増強に加え、ICT、QRコード等の情報技術を活用した業務全体の効率化に取り組んでまいります。
② 新技術の開発により事業基盤の強化を図るとともに、杭基礎事業に隣接する新たな事業分野への進出の検討を進めてまいります。
③ 海外ではベトナム等、アセアン諸国での事業化を検討してまいります。
なお、ミャンマーの事業子会社VJP Co., Ltd.につきましては、事業の状況に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失を計上いたしました。今後は事態の推移を注視しつつ、適切な対応を講じてまいります。
④ 国内外の一体運営を推進し、当社グループ全体の生産・施工における技術力・品質の向上を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。
(1)当社グループの再編等について
当社グループは、2010年7月にベトナム最大のコンクリートパイル製造・施工会社であるPhan Vu Investment Corporationと資本提携及び業務提携を締結、持分法適用関連会社化を経て2013年12月には子会社化、2015年6月にはミャンマーにおいてVJP Co., Ltd.を共同出資で設立するなど、当社グループの競争力を強化するため、同業他社との提携や同業他社への資本参加等を積極的に推進しております。また、2015年10月には国内外での更なる積極的な事業展開を見据えて各国に事業子会社を配置する持株会社体制に移行しております。当社は、今後も引き続き、成長著しいアセアン地域における基礎建設関連事業を推進するため、こうしたグループ拡大策を検討し取り組んでいく方針ですが、当社が期待する効果が実現する保証はありません。
(2)製品・工法開発について
当社グループは、他社との差別化を図り付加価値を高めるため、永年にわたり技術やノウハウを蓄積してまいりました。また、総合基礎建設業として地域・環境面への社会に貢献するという企業行動基準から、優秀な技術者の育成や杭材及び杭施工法の開発に力を注いでまいりました。これらの製品や施工法の開発及び公的な評定取得や国土交通省の認定取得には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に迅速に回収される保証はありません。
また、当社グループは製品・工法開発にあたり知的財産(商標権、特許権、意匠権等)の調査を行い、他者の権利に抵触する製品・工法開発を避ける努力をしております。しかしながら他者が知的財産の申請を行ってから公表されるまでに一定の時間を要することや、権利が確定するまでに時間がかかることがあり、当社グループが開発し製造・販売した製品や工法が他者の知的財産に抵触する可能性を排除することができません。その場合、他者から営業権や知的財産権の侵害と損害賠償請求されることも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)業界の寡占状況について
当社グループが属するコンクリートパイル業界において、他社との差別化を図るためには、上記で述べたように優秀な技術者の育成のみならず、製品及び施工法の開発や認定工法を取得することが重要性を増しているものと認識しております。このため、これら多額の開発費負担を抑えるため、認定工法の供与やコンクリート杭の相互供給などがより一層積極的に行われるものと考えられると同時に、これらの費用負担が可能な大手企業による再編と寡占化が進みつつあります。当社グループは、業界大手企業として、業界再編と寡占化の状況に対して必要な施策をとり主導的な役割を果たしていく方針でありますが、当該方針が実現する保証はありません。また、寡占化の進展に伴い、当社グループが想定する以上の価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料等の市況変動の影響について
当社グループは、プレストレスト高強度コンクリートパイルの製造・施工を主力業務としております。その原材料にはセメント、PC鋼棒等を使用しており、仕入先からの価格引き上げ要請により変動し、コストが上昇することもあります。当社グループといたしましては、随時市況価格を注視しながら価格交渉を行い仕入価格を抑制しつつ、原価上昇分を販売先へ転嫁する努力を行っておりますが、価格動向によっては製造原価及び工事原価高により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)市場環境について
当社グループが扱うコンクリートパイルの製造・施工業務は、建築物の基礎工事に関連する事業であり、当然ながら建設投資の多寡が受注に影響します。当社グループは、同業他社と比較して相対的に公共投資関連事業への依存度は低いものと認識しておりますが、民間投資も含めた住宅投資や設備投資等の動向によっては受注が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループの主たる事業は建設業に属しており、建設業法第3条第1項及び第2項により法的規制を受け、「建築基準法」に準拠するように求められております。主要な子会社であるジャパンパイル㈱は建設基礎杭の販売・施工にあたり、以下のとおり許認可及び登録をしております。
当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、当社グループの運営に支障をきたし、財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、2007年6月に実施された建築確認制度の変更のように、これらの規制の改廃や新たな法的制度が設けられる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
|
許認可等の名称 |
有効期限 |
取消事由等 |
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|
建設業許可 (特定建設業許可) |
土木工事業 (大臣許可第21607号) |
2025年5月 |
建設業法第29条・第29条の2・第29条の4、第28条第3項及び第5項 |
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とび・土工工事業 (大臣許可第21607号) |
2025年5月 |
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また、当社グループは、国内及びアセアン地域において基礎工事関連事業を行っており、国内においては上記の建設業関連の法令に加えて、会社法、金融商品取引法、環境関連法令、各種法令のほか、海外においては各国の法令・規制の適用を受けております。これらの法令遵守及び社会規範の遵守をグループの全役職員に浸透させるべく、企業行動基準を作成して徹底を図っておりますが、万が一、コンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの棄損により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)施工物件の瑕疵について
当社グループは、日本全国及びアセアン地域において基礎工事を行っており、工事の際には十分な地盤調査、基礎設計、施工方法等の事前検討を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成され、また予期せぬ障害物が現われることもあり、予見できない瑕疵によって施工品質の悪化や施工期間の延長が生じる可能性があります。瑕疵に伴う損害賠償請求等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)労災事故災害について
当社グループは、各地で年間数千件もの基礎工事を行っており、その作業現場は重機に囲まれた屋外作業が中心となっているため、他の産業に比べ重大な労災事故が発生する危険性が高いものと認識しております。当社グループとしては、現場の安全教育の徹底や定期的なパトロールの実施等により事故の発生防止に全力を挙げております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険に加入しておりますが、仮に死亡事故等の重大災害が発生した場合は、人的損失はもちろんのこと、それに伴う社会的信用の失墜、補償等を含む災害対策費用、工期の遅れによる収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)海外事業について
当社グループは、アセアン地域において関係会社を通じて基礎工事関連事業を展開しておりますが、関係会社が所在している国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正、外国通貨レートの変動の影響などによって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害等について
当社グループは、国内及びアセアン地域において事務所、工場並びに施工現場を展開しており、風水害、地震、津波等の大規模自然災害の発生により、建物・設備や従業員への直接的な被害のほか、通信システム、原材料等の供給網の遮断等による間接的な被害を受ける可能性があります。また、新型コロナウイルス等感染症の蔓延により事業の中断や延期が発生する可能性もあります。このような自然災害や新型コロナウイルス等感染症の被害が発生した場合、被害復旧にかかる費用や中断・延期による損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞から、一時的に持ち直しの動きがみられたものの、再度の感染拡大により緊急事態宣言が発令される等、先行き不透明な状況が続きました。
また、当社グループが事業展開しているアセアン地区におきましては、ベトナムでは感染症の封じ込めに奏効し、政府による公共投資が再開されるなど徐々に回復傾向にあります。ミャンマーでは感染症が急拡大し、昨年9月には最大都市ヤンゴンがロックダウンされるなど深刻な状況が続いていたところに、今年2月1日にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、社会情勢に大きな混乱が生じております。
当社グループが主として属する日本国内のコンクリートパイル業界は、官需民需とも減少し、全体の出荷量は前年度対比減少となりました。
このような事業環境のもと、当社グループは新5か年計画の2年目として、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指し、引続き体制整備に取り組んでまいりました。国内では昨年6月30日に公表いたしました「シントク工業株式会社の株式取得完了に関するお知らせ」のとおり、同日付で国内事業子会社ジャパンパイル㈱によるシントク工業㈱の株式取得が完了し、同社は当社グループの連結子会社になりました。施工技術面では今年の1月に、MAGNUM工法の優位性をさらに強化した新工法「Smart-MAGNUM工法」の国土交通大臣認定を取得し、販売を開始いたしました。また海外では、ベトナムの事業子会社のPhan Vu Investment Corporation(以下、PV社)が風力発電や太陽光発電等、今後大きな需要が期待できる再生可能エネルギーの分野での基礎工事関連事業の推進に取り組んでおります。一方ミャンマーの事業子会社VJP Co., Ltd.(以下、VJP社)は、クーデターによる大きな混乱に伴い、事業活動がほぼ停止し、先行き不透明な状況になったことから、同社の保有する固定資産の評価の見直しを行い、当連結会計年度において減損処理を実施しました。
売上高につきましては、国内の場所打ち杭部門が堅調に推移したものの、国内外ともコンクリートパイルの需要が減少したことから、全体として減収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は871億92百万円(前期比6.4%減)となりました。また、利益面では、国内のコンクリートパイルの受注競争が激化したことから利益率が低下し、営業利益は33億40百万円(同34.2%減)、経常利益は30億81百万円(同33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、シントク工業㈱の株式取得に伴う負ののれん発生益10億72百万円と、VJP社の減損損失7億77百万円をそれぞれ特別損益に計上したことなどから、24億37百万円(同10.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は143億44百万円となり、前連結会計年度末より23億86百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動において得られた資金は、前年同期比4億13百万円増加し73億4百万円となりました。この要因は、ファクタリング未払金の減少17億47百万円などにより減少しましたが、税金等調整前当期純利益の計上33億15百万円、減価償却費の計上30億7百万円、売上債権の減少44億52百万円などにより増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動において使用した資金は、前年同期比19億99百万円増加し45億49百万円となりました。この要因は、有形固定資産の取得による支出27億39百万円、シントク工業㈱の買収に関連した子会社株式の取得による支出15億1百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動において使用した資金は、前年同期比34億81百万円減少し1億55百万円となりました。この要因は、長期借入金の返済15億68百万円、配当金の支払額8億90百万円などにより減少しましたが、長期借入金の実行30億円などにより増加したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、品目区分ごとの生産、受注及び販売の状況を記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
基礎工事関連事業 |
|
|
|
コンクリート杭 |
25,487 |
88.9 |
|
合計 |
25,487 |
88.9 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
基礎工事関連事業 |
|
|
|
|
|
コンクリート杭 |
68,618 |
85.4 |
26,462 |
86.7 |
|
鋼管杭 |
2,489 |
66.3 |
651 |
97.3 |
|
場所打ち杭 |
12,556 |
113.3 |
4,765 |
106.8 |
|
合計 |
83,663 |
87.9 |
31,878 |
89.4 |
(注)1.受注金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
基礎工事関連事業 |
|
|
|
コンクリート杭 |
68,770 |
87.7 |
|
鋼管杭 |
3,229 |
72.7 |
|
場所打ち杭 |
12,839 |
124.8 |
|
その他 |
2,353 |
- |
|
合計 |
87,192 |
93.6 |
(注)1.販売金額には、工事代金が含まれております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ10億77百万円増加し、782億20百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が42億83百万円減少しましたが、現金及び預金が28億44百万円、未成工事支出金など、たな卸資産が7億99百万円、投資有価証券の時価評価などにより投資その他の資産が11億8百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ3億68百万円減少し、390億15百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が5億75百万円、社債及び借入金が合計で7億4百万円それぞれ増加しましたが、ファクタリング未払金が20億54百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益計上による増加24億37百万円、剰余金の配当による減少7億64百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億24百万円、非支配株主持分の減少4億77百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ14億46百万円増加し392億4百万円となりました。
b.経営成績
(営業損益)
当連結会計年度の売上高は871億92百万円(前期比6.4%減)、売上原価は748億64百万円(同5.6%減)、売上総利益は123億28百万円(同11.1%減)となりました。主力のコンクリート杭は、新型コロナウイルス感染症の影響により減収となり、売上高は前連結会計年度に比べ96億78百万円減少し687億70百万円(同12.3%減)となりました。また、鋼管杭は工事案件が減少し、32億29百万円(同27.3%減)となりました。場所打ち杭は再開発案件や大型工事案件があり堅調に推移したことにより128億39百万円(同24.8%増)となりました。利益面では、国内での感染症拡大による需要減少に伴う競争激化から利益率が低下し、また、海外では感染症拡大の影響はあるものの、再生可能エネルギー関連の基礎工事など高収益物件に注力したことにより前年並みの利益水準を維持した結果、売上総利益率は0.8ポイント低下し14.1%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費が減少しましたが、シントク工業㈱の業績が新たに連結範囲に含まれたことによって、前連結会計年度に比べ2億2百万円増加し、89億87百万円(同2.3%増)となりました。
これらにより、営業利益は前連結会計年度に比べ17億35百万円減少し、33億40百万円となりました。
(経常損益)
営業外収益は受取賃貸料が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ65百万円増加しました。また、営業外費用は支払利息が減少したことを主因として、前連結会計年度に比べ1億55百万円減少しました。
これらにより、経常利益は前連結会計年度に比べ15億14百万円減少し、30億81百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、国内の事業子会社であるジャパンパイル㈱がコンクリート杭の継手金具の他コンクリート二次製品付属金物の製造・販売を行う国内有力企業であるシントク工業㈱の株式を取得したことに伴い、負ののれん発生益を10億72百万円計上いたしました。
特別損失は、前連結会計年度と同様に固定資産除却損と上場株式である投資有価証券の評価損を計上したことに加え、ミャンマーの事業子会社であるVJP Co., Ltd.が新型コロナウイルス感染症の影響とミャンマー国軍のクーデターによる大きな混乱に伴い、先行き不透明な状況になったことから、保有する固定資産の評価の見直しを行い、減損損失を7億77百万円計上いたしました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2億74百万円減少し、24億37百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費などの非資金項目に加え、営業活動に係る債権・債務及び税金等の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは7,304百万円の獲得となり、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローによる支出4,704百万円を賄うことができました。投資活動による支出は主に工場投資関連及び施工機材の投資、シントク工業㈱株式の取得に伴うもので、財務活動による支出は既存借入れの増減及び配当金の支払いが主体であります。
資金の流動性につきましては、財務の健全性の維持を前提として事業活動に必要な流動性を確保しております。また、引き続き新型コロナウイルス感染症が事業展開に与える影響が不透明ですので、手元流動性を確保するために㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
(契約債務)
2021年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
6,506 |
6,506 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
3,742 |
1,408 |
1,584 |
750 |
- |
|
リース債務 |
574 |
270 |
101 |
74 |
127 |
上記の表において、連結貸借対照表の流動負債に計上されている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、借入または社債により資金調達することとしております。このうち、借入または社債による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備・施工機械などの長期資金は、長期借入金または社債で調達しております。
2021年3月31日現在、長期借入金の残高は一年内返済予定を含めて3,742百万円であります。また、当連結会計年度末において、㈱三井住友銀行及び㈱みずほ銀行との間で合計4,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高4,000百万円)。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針の選択・適用、資産及び収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積り承認に関しては定期的に開催する取締役会において、通常のものは権限規定に基づき稟議手続きによって随時行っております。
当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた主要な仮定は、以下のとおりであります。
イ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
当連結会計年度において、ミャンマー子会社VJP Co., Ltd.が保有する固定資産について減損損失を計上しておりますが、当該減損処理における主要な仮定は、新型コロナウイルス感染症及びミャンマー国軍によるクーデターが当社グループの事業活動に及ぼす影響、回収可能価額の検討における正味売却価額であります。
新型コロナウイルス感染症については、世界的な感染拡大により、各国における経済活動が停滞し、深刻な影響が生じております。当感染症の収束時期を正確に予測することは現時点では困難でありますが、外部の情報源に基づく情報等から、2022年3月期の一定期間にわたり当該影響が続くものと仮定して会計上の見積りを行っております。
また、ミャンマーにおいては、2021年2月1日に発生したミャンマー国軍によるクーデターに伴う混乱により、ミャンマー子会社VJP Co., Ltd.の当面の事業活動が不透明な状況となりました。クーデターの収束時期を正確に予測することは現時点では困難でありますが、外部の情報源に基づく情報等から、2022年3月期以降の一定期間にわたり当該影響が続くものと仮定して会計上の見積りを行っております。
さらに、VJP Co., Ltd.が保有する固定資産に係る減損テストにおいては、正味売却価額を回収可能価額として、正味売却価額と資産グループの帳簿価額との差額を減損損失として計上しておりますが、正味売却価額は、外部の専門家から入手した不動産鑑定評価書等に基づき算定しております。
これらの会計上の見積り及び主要な仮定については合理的に判断をしておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
④ 経営方針・経営戦略を判断するための客観的な指標等
当社グループは、品質の向上と効率化により施工及び生産体制の強化を実現し、安定した経営基盤の確立を図ることの経営指標として、営業利益、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。当連結会計年度におけるROEは、目標値の8.0%に対して6.9%となり、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少しました。
|
指標 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
営業利益 |
5,076百万円 |
3,340百万円 |
1,735百万円減(34.2%減) |
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自己資本(A) (純資産-非支配株主持分) |
34,203百万円 |
36,127百万円 |
1,924百万円増( 5.6%増) |
|
親会社株主に帰属する当期純利益(B) |
2,712百万円 |
2,437百万円 |
274百万円減(10.1%減) |
|
ROE(自己資本利益率) (B/A) |
8.1% |
6.9% |
1.2pt減 |
⑤ 次期の見通し
次期の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことが困難な状況が続いております。当社グループは、社内に「新型コロナウイルス対策本部」を引き続き設置し、在宅勤務体制の更なる拡充など、政府及び地方自治体の方針に基づき新型コロナウイルス感染防止にむけた対策を鋭意継続してまいります。そのうえで、新5か年計画3年目として、日本国内及びアセアン地域における最高の技術力と最大の基礎建設能力を有するグループを目指して、体制整備を続けてまいります。
国内では、総合基礎建設業におけるリーディングカンパニーの位置づけをさらに高める体制づくりに注力してまいります。特にコンクリートパイル部門では、新工法の「Smart-MAGNUM工法」を核に、積極的な提案営業を展開して安定的なシェア拡大を目指してまいります。また、引き続きタブレット端末を活用した施工管理体制のICT化を全施工現場で推進してまいります。そのほか、シントク工業㈱との連携を強化し、継手金具の品質向上、生産の効率化にも注力してまいります。
海外においては、ベトナムのPV社は施工の技術・能力の向上と生産の一層の改善を目指し、採算重視の受注活動を継続してまいります。南部で昨年より継続している風力発電の基礎工事関連プロジェクトの完成に向けて注力してまいります。また、ミャンマーのVJP Co., Ltd.につきましては、当連結会計年度において現在の状況を踏まえた減損損失を計上しましたので、今後は事態の推移を注視しつつ、適切な対応を講じてまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、子会社ジャパンパイル㈱の技術部門が中心になって、施工部門、基礎設計スタッフおよび生産部門、営業部門などから構成されるプロジェクトチームによって行われています。当連結会計年度には下記のテーマを中心に活動を行いました。
(1)杭製品技術分野
高支持力杭工法に対応した杭材に関する評定申請に向けた各種試験や評定更新、JIS認証更新を実施しました。
(2)施工技術分野
保有工法の技術を集大成した高機能な高支持力杭工法「Smart-MAGNUM工法」を開発し、国土交通省より大臣認定を取得しました。
(3)基礎周辺技術分野
地中熱利用杭工法である「地熱トルネード工法」を採用した施工物件の技術支援と各種展示会及び技術説明会等で普及活動を行いました。
(4)基礎関連研究開発分野
基礎杭に関する研究開発として、二次設計への対応や杭と上部構造物の接合部、支持力機構あるいは地中熱利用などについて、大学、学会、他社、協会などと共同研究や委員会活動を行いました。当連結会計年度の成果については論文にまとめ、(公社)地盤工学会、(一社)日本建築学会などで発表しました。
(5)設計技術・品質管理技術分野
(一社)基礎構造研究会では基礎設計能力の向上に努めました。また、低固定度杭頭接合工法「F.T.Pile構法」、新規高支持力杭対応杭頭接合工法「ジョイントカプラ工法」の普及に取り組み、多数の実プロジェクトの設計に活用しました。
(6)その他
各種の技術資料の作成、営業部門の支援活動などの業務を行いました。また、特許担当は、特許の出願や調査など特許関係全般の業務のほか、既存特許の管理に取り組みました。当連結会計年度の特許出願数は10件となっています。「TPJ(トリプルプレートジョイント)」と「PJ(ペアリングジョイント)」の2種類がある無溶接継手の研究会活動に参加しました。さらに、(一社)日本建築構造技術者協会や(一社)コンクリートパイル・ポール協会、(一社)日本基礎建設協会など、職能団体や業界団体の委員会活動にも積極的に参加しました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
なお、当社グループは基礎工事関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。