当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当中間連結会計期間においては、世界景気の持ち直しが緩やかになり、一部地域においては足踏みがみられる他、米国の通商政策により先行き不透明感が高まりました。
当企業グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス分野では、市場の調整によりシリコン半導体やSiC半導体等の用途は低調な動きとなりました。また、自動車産業の稼働や企業の設備投資が軟調な動きとなったことから、モビリティ分野や一般産業分野は弱含みました。
このような状況の中、当企業グループでは、製品・用途構成のバランスをコントロールしながら外部環境の変化に対応し、着実に需要を取り込んでまいりました。さらに、中期経営計画における経営目標を達成するべく、技術革新に追随しうる高付加価値製品の増強・開発に取り組むとともに、生産性向上によるコスト競争力の向上を図る等、高度化する顧客ニーズに対し、製造・販売・開発が一体となり付加価値の高いソリューションを提供してまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高22,980百万円(前年同期比12.6%減)、営業利益3,840百万円(同33.9%減)、経常利益3,789百万円(同45.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益2,681百万円(同48.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
日本
工業炉用等の冶金用や軸受け等の機械用カーボン分野が底堅く推移したものの、半導体用が市場の調整を受け大幅に減少したこと等により、売上高は12,059百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は2,800百万円(同49.2%減)となりました。
米国
半導体用等は堅調に推移したものの、連続鋳造用や工業炉用等の冶金用が低調であったこと等により、売上高は2,070百万円(同18.0%減)、営業利益は36百万円(同83.6%減)となりました。
欧州
主力の冶金用やカーボンブラシ製品が減少したこと等により、売上高は2,614百万円(同5.4%減)、営業利益は101百万円(前年同期は48百万円の営業損失)となりました。
アジア
工業炉等の冶金用は前年同期並みの水準を維持したものの、カーボンブラシ製品や太陽電池用等の半導体用が低調に推移したこと等により、売上高は6,235百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は289百万円(同52.1%減)となりました。
品目別の概況は以下のとおりであります。
特殊黒鉛製品
エレクトロニクス分野は、SiC半導体向けの化合物半導体製造用や単結晶シリコン製造用が大幅に減少したこと等により、前年同期比41.5%減となりました。
一般産業分野は、放電加工電極が減少し、連続鋳造用や工業炉用等の冶金用も軟調に推移したこと等により、前年同期比10.7%減となりました。
これらの結果、特殊黒鉛製品全体としては、前年同期比23.6%減となりました。
一般カーボン製品
機械用カーボン分野は、軸受やパンタグラフ用すり板が堅調に推移したこと等により、前年同期比1.6%増となりました。
電気用カーボン分野は、家電・電動工具向けの小型モーター用等が減少したこと等により、前年同期比15.4%減となりました。
これらの結果、一般カーボン製品全体としては、前年同期比7.8%減となりました。
複合材その他製品
SiCコーティング黒鉛製品は、SiC半導体向けが大幅に減少したものの、シリコン半導体向けが増加したこと等により、前年同期を上回りました。C/Cコンポジット製品は、工業炉用が減少したこと等により、前年同期を下回りました。黒鉛シート製品は、自動車用や半導体用、冶金用は底堅く推移したものの、特殊用途が減少したこと等により、前年同期を下回りました。
これらの結果、主要3製品は前年同期と同等の水準になり、複合材その他製品全体としては、前年同期比3.3%増となりました。
②財政状態の状況
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,568百万円減少いたしました。これは主に棚卸資産が2,029百万円増加および有形固定資産が2,584百万円増加したものの、現金及び預金が2,833百万円減少、受取手形及び売掛金が2,575百万円減少および有価証券が2,499百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,836百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が500百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が640百万円増加および長期借入金が2,471百万円増加したものの、未払金が1,237百万円減少、未払法人税等が1,397百万円減少、賞与引当金が446百万円減少および営業外電子記録債務の減少等により流動負債のその他が1,800百万円減少したこと等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,731百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が359百万円減少および為替換算調整勘定が1,407百万円減少したこと等によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ4,699百万円減少し、9,953百万円となりました。
営業活動の結果、獲得した資金は2,809百万円(前年同期比33.3%減)となりました。これは主に棚卸資産の増加額2,627百万円および法人税等の支払額2,227百万円等の資金の減少に対し、税金等調整前中間純利益3,776百万円、減価償却費2,076百万円および売上債権の減少額2,188百万円等の資金の増加によるものであります。
投資活動の結果、使用した資金は7,826百万円(同151.4%増)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入2,493百万円等の資金の増加に対し、定期預金の預入による支出2,007百万円および有形固定資産の取得による支出8,022百万円等の資金の減少によるものであります。
財務活動の結果、獲得した資金は456百万円(前年同期は2,413百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額3,035百万円等の資金の減少に対し、短期借入金の純増額500百万円および長期借入れによる収入3,200百万円等の資金の増加によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当企業グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は611百万円であります。
当企業グループは、持続的な成長のため研究開発を最重要課題と位置付け、高度化・多様化する市場ニーズに対応すべく、高付加価値製品の創出に取り組んでおります。
当中間連結会計期間においては、開発体制の一層の強化と迅速化を図るため、2025年4月1日付で抜本的な組織改編を実施いたしました。本改編の最大の目的は、これまで各事業部門に分散していた技術関連部門を技術本部として統合し、当企業グループが長年培ってきた材料技術やプロセス技術といった多岐にわたるコア技術を一元管理する体制を構築することにあります。
本統合により、全社的な視点での開発リソースの最適配分と部門間の連携を飛躍的に高め、技術シナジーの最大化を図ります。
この新体制のもと、研究開発マネジメントの高度化を図り、有望なテーマへ重点的にリソースを配分することで、お客様の課題解決に貢献するソリューション開発を一層推進してまいります。「技術の東洋炭素」として、今後も炭素の持つ無限の可能性を追求し、社会の発展に貢献してまいります。
その他、当企業グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当中間連結会計期間において、著しい変更があったものは、次のとおりであります。
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会社名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
投資予定金額 |
着手及び完了予定 |
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総額 (百万円) |
既支払額 (百万円) |
着手 |
完了 |
|||
|
東洋炭素株式会社 生産技術センター (香川県観音寺市) |
日本 |
製造設備の増設 |
1,198 |
966 |
2022年12月 |
2025年12月 (注) |
(注)完了予定年月を2025年3月から2025年12月に変更しております。
(7)生産、受注及び販売の実績
生産実績
当中間連結会計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
12,259 |
85.8 |
|
米国 |
2,507 |
96.3 |
|
欧州 |
2,628 |
97.2 |
|
アジア |
6,732 |
91.0 |
|
合計 |
24,127 |
89.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
受注実績
当中間連結会計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
|||
|
受注金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
日本 |
10,572 |
75.1 |
6,026 |
65.4 |
|
米国 |
1,267 |
65.0 |
2,342 |
56.7 |
|
欧州 |
1,755 |
63.2 |
1,337 |
56.9 |
|
アジア |
5,499 |
90.6 |
2,603 |
115.1 |
|
合計 |
19,094 |
76.7 |
12,309 |
68.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.前中間期以前に外貨建てで受注したもので、当中間期中の為替相場の変動による差異については、当中間期受注金額に含めております。
3.半製品(素材製品)は、主として見込生産であるため、上記の金額には含まれておりません。
4.当中間連結会計期間における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当中間連結会計期間 (自2025年1月1日 至2025年6月30日) |
|||
|
受注金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
特殊黒鉛製品 |
6,890 |
63.4 |
4,860 |
69.6 |
|
一般カーボン製品(機械用カーボン分野) |
1,754 |
85.0 |
847 |
85.2 |
|
一般カーボン製品(電気用カーボン分野) |
2,190 |
83.3 |
841 |
86.2 |
|
複合材その他製品 |
8,259 |
88.7 |
5,760 |
63.9 |
|
合計 |
19,094 |
76.7 |
12,309 |
68.5 |
販売実績
当中間連結会計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自2025年1月1日 至2025年6月30日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
12,059 |
85.3 |
|
米国 |
2,070 |
82.0 |
|
欧州 |
2,614 |
94.6 |
|
アジア |
6,235 |
91.0 |
|
合計 |
22,980 |
87.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当中間連結会計期間の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当中間連結会計期間 (自2025年1月1日 至2025年6月30日) |
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|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
特殊黒鉛製品 |
9,310 |
76.4 |
|
一般カーボン製品(機械用カーボン分野) |
1,986 |
101.6 |
|
一般カーボン製品(電気用カーボン分野) |
2,078 |
84.6 |
|
複合材その他製品 |
8,803 |
103.3 |
|
商品 |
800 |
68.8 |
|
合計 |
22,980 |
87.4 |
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等は行われておりません。