文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、基礎素材メーカーとして良質な鉄鋼製品の安定供給を通して、経済・社会の発展に寄与していくこと、及び、電炉メーカーとして鉄鋼リサイクルシステムの一翼を担い、省資源・省エネルギーに貢献していくことを経営の基本方針としております。当社グループは上記の基本方針のもとに、様々な環境の変化のもとで安定的に収益が確保できる経営基盤の確立を目指して、以下の経営戦略を推進いたします。
① 国内では、需要見合いの生産を実行し、再生産可能な販売価格の維持に努めつつ、生産余力を活用して鋼片・鋼材の輸出に注力することにより収益基盤を強化するとともに、普通鋼電炉業界の改善・発展に寄与してまいります。
② 線材・形鋼・構造用鋼・鉄筋棒鋼等の多様な条鋼類の製造販売を行うことにより、安定的な収益の確保を図ってまいります。
③ 製品の品質・コストの競争力確保に努めるとともに、財務体質の強化も図り、電炉会社に相応しい経営体質の構築を図ってまいります。
④ 当社は完全子会社の三星金属工業㈱、㈱トーカイを含めた5つの製造拠点をもつ事業所体制を構築し、グループ全体の一層の業務効率化、営業力強化並びに資産の有効活用を進めることにより、安定した収益基盤の確立を目指してまいります。
⑤ 良質な製品の提供並びに環境面への積極的な取組みを通じて、需要家はもとより社会全体の信頼を確保してまいります。
当社の経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、個人消費の回復や、国内設備投資の増加による緩やかなプラス成長が見込まれ、世界的にも経済は順調な回復の中にありますが、米国の保護主義的な政策の実施などにより不透明な要素が顕在化してきております。
こうしたなか、普通鋼電炉業界におきましては、東京オリンピック・パラリンピックの関連施設の建設、周辺インフラの整備の本格化や、甚大災害への対策なども必要不可欠となっていることなどから、建設に関する国内需要は今後も底堅く推移すると見込まれます。
一方、エネルギー価格、副原料をはじめとする各種資材の高騰が続くものと見込まれることや、鉄スクラップの価格動向も先行き不透明となっており、経営環境は引き続き厳しい状況が続くと思われます。
このような経営環境の下、当社グループにおきましては、社内に設置した競争力強化委員会により、全国の複数拠点での事業体制を活用した各品種、物流、鉄源などの幅広い分野における戦略強化や開発の推進によって、競争力の更なる強化に向けた取り組みを進めているところでございます。
さらに、利益成長を目指すための必須条件である人材育成についても引き続き、グループ全体で取り組むとともに、企業存続を脅かすコンプライアンス問題への対応力も一層強化してまいります。
また、コーポレートガバナンス・コードの原則を踏まえた企業統治体制の確立と経営の透明性・効率性の更なる向上を目指し、企業価値の向上や電気炉メーカーとして連結経営基盤の強化・拡充を志向し、以って株主の皆様への還元拡充に努めてまいりたいと存じます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 成熟した日本経済の環境下で、長期的視点から、国内の公共事業・民間建設需要が大きく伸長することは考えにくく、需要減少に伴い他社との販売競争が激化して当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 主原料である鉄スクラップ価格が東アジア地域内の需要拡大、国内高炉メーカー購入増加の影響等を受け、短期的かつ大幅に変動した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 中国や韓国を中心に全世界で鉄鋼生産能力増強が進行し、過剰な生産設備による供給過剰問題が顕在化することにより世界的な鉄鋼需給バランスが大きく崩れた場合、海外市場から日本市場への輸出が増加する可能性があります。この場合、当社グループ製品の販売量減少、販売価格下落などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの各事業所及び需要家をはじめとする取引先が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合には、事業活動が制約を受けることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故、環境事故、品質問題等が発生した場合、又は重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度のわが国経済は、雇用環境が着実に改善するとともに、個人消費にも持ち直しの動きが拡がり、企業活動も総じて堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が継続しております。
普通鋼電炉業界におきましては、東京オリンピック・パラリンピック関連需要が本格化してきたことに加え、老朽化した社会資本への対応や自然災害対策の需要などもあり、国内の建設需要は概ね堅調に推移しております。一方、中国の景気回復を背景に、主原料である鉄スクラップ価格に加え、エネルギー価格、副原料、電極・耐火物などの諸資材が高騰しており、コスト面において厳しい状況が続きました。
こうしたなか、当社グループにおきましては、全国に5つの製造拠点をもつ事業所体制の下、グループの製造・販売・購買が一体となって市場環境や生産条件などの変化を迅速に捉えながら、需要見合いの生産に徹することで再生産可能な販売価格の実現に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、当社の鋼材販売数量が前期比8万2千トン増の106万8千トンとなったことに加え、鋼材販売単価が前期比トン当たり8千5百円上昇したことにより、連結売上高は、前期比303億14百万円増収の1,297億79百万円となりました。一方で、主原料である鉄スクラップ価格が大幅に上昇するなか、販売価格の値上げを実施したものの、出荷価格への反映の遅れもあり、連結営業利益は、前期比5億69百万円減益の17億66百万円、連結経常利益は、前期比6億13百万円減益の21億47百万円となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益に加え、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」における分類が変わったことによる法人税等調整額の影響などにより、前期比29億55百万円増益の49億35百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当セグメントにおける売上高は、鋼材販売単価が上昇したことにより前期比303億25百万円増収の1,293億6百万円、セグメント損益(営業損益)は主原料である鉄スクラップ価格が大幅に上昇するなか、販売価格の値上げを実施したものの、出荷価格への反映の遅れもあり、前期比5億54百万円減益の14億68百万円の利益計上となりました。
当セグメントにおきましては、子会社を通じて不動産事業を行っており、売上高は、前期比16百万円減収の6億円、セグメント損益(営業損益)は前期比13百万円減益の3億13百万円の利益計上となり、概ね前期並の水準を維持しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
品目 |
前連結会計年度 生産量(千t) |
当連結会計年度 生産量(千t) |
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鉄鋼事業 |
粗鋼 |
1,498 |
1,777 |
|
|
鋼材 |
1,359 |
1,449 |
当社グループの販売実績は、見込生産によるものが大半を占めるため記載を省略しております。
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 金額(百万円) |
当連結会計年度 金額(百万円) |
|
鉄鋼事業 |
98,980 |
129,306 |
|
その他の事業 |
485 |
473 |
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合計 |
99,465 |
129,779 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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エムエム建材㈱ |
13,576 |
13.6 |
20,734 |
16.0 |
|
阪和興業㈱ |
12,483 |
12.6 |
14,915 |
11.5 |
当連結会計年度末における総資産は、期末休日や増加運転資金の影響による受取手形及び売掛金の増加(170億27百万円)等により、前期末(1,594億50百万円)から163億7百万円増加し、1,757億57百万円となりました。
負債につきましては、支払手形及び買掛金の増加(106億41百万円)や短期借入金の増加(66億32百万円)等により前期末(742億76百万円)から125億6百万円増加し、867億83百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(49億35百万円)や配当金の支払(5億12百万円)等により前期末(851億73百万円)から38億円増加し、889億74百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の53.0%から50.3%になりました。
セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末のセグメント資産は、期末休日影響等により前期比156億28百万円増加の1,687億55百万円となりました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、不動産の売却等により前期比3億97百万円減少の74億80百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末(40億23百万円)より10億10百万円減少し、30億12百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億14百万円及び仕入債務の増加額105億27百万円等の収入に対し、売上債権の増加額170億27百万円等の支出により、24億59百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入14億95百万円及び有形及び無形固定資産の売却による収入9億43百万円等に対し、有形及び無形固定資産の取得による支出39億71百万円等により、16億28百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは期末休日や増加運転資金の影響により短期借入れを実施したこと等により、30億77百万円の収入となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、運転資金につきましては、金融機関からの短期借入金により調達することとしており、設備投資等の資金につきましては、金融機関からの長期借入金と内部調達を原則としております。
当社グループでは、資金の流動性を確保するため、金融機関の短期借入枠を設定しています。また、グループ・ファイナンスの運営によって、資金余剰状態にある子会社からの預金と資金需要がある子会社への貸付を一元管理することで、資金効率化を図っております。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金、役員退職慰労引当金及び環境対策引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は当社(鉄鋼事業)を中心に行っており、研究開発活動の主眼は、多様な顧客ニーズに応える新製品の開発、コスト低減に通じる現状の鉄鋼製造技術の効率向上と、現製品の品質向上のための設備・装置の改良開発並びに操業技術の改良であります。
鉄鋼事業では、高強度鉄筋の開発等に対して1億17百万円を研究開発費として計上しております。
その他の事業では、研究開発費の計上はありません。