第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社は、日本鋳造グループのすべての役員・社員が共有し、あらゆる活動の拠り所となる経営の基本原則として、経営理念と行動規範を以下のとおり定めています。

 

経営理念

 日本鋳造は、自ら培った技術により、より高い価値・サービスを社会に提供し、貢献していきます。また、それを実行するために社員全員がプライドを持って努力し続けていきます。

行動規範

 ① うそをつかない

 ② 手を抜かない

 ③ まわりの人に配慮し思いやりの気持ちを持とう

 ④ お互い協力しあって仕事しよう

 ⑤ 奉仕と感謝

 

 経営指標としては、ROS(売上高経常利益率) 5%を目標としております。

 

 2019年度の当社を取り巻く事業環境については以下のとおりです。

 米中貿易摩擦の影響により落ち込んだ半導体の需要は、回復の兆しが見えておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でその回復は限定的となっております。建設機械や工作機械については、需要が落ち込んだまま回復の見込みが不透明となっております。また、東京オリンピックに向けたビル・インフラ等建設の特需はほぼ終了しております。

 その結果、素形材部門では、半導体製造装置向けおよび工作機械向けの需要が減少し、受注については前年度比4.4%減少し、売上高については16.3%の減少となりました。また、エンジニアリング部門では、受注についてはほぼ前年度並みとなりましたが、売上高については一部の建築部材が減少し、前年度比4.5%の減少となりました。

 以上の結果、連結売上高は12,091百万円と前年度比12.0%の減少となりました。利益につきましては、売上減の影響などにより、営業利益は425百万円と前年度比36.4%の減益となりました。連結経常利益は457百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は331百万円となりました。

 今後も継続的に収益を確保していくためには、素形材部門における収益確保と人材育成の課題に取り組んでいくことが必要であると認識しています。

 このために次の施策を着実に実行して参ります。

 

 ① 成長戦略「選択と集中」に基づいた、注力すべきコア技術・コア製品の見極め

 ② 見極めた技術・品種・製品の強みの深化

 ③ 品質・コスト・生産性改善、ムダ削減の一層のレベルアップ

 ④ 上記に対する経営資源(「ヒト」、「モノ」、「カネ」)の選択的配分

 ⑤ 階層別教育の充実

 

 当社グループをめぐる経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減等の懸念材料により、先行きの不透明感が高まっておりますが、感染リスク対策に万全を尽くしながら事業を継続し、上記の施策に取り組んで参ります。今後の状況判断を迅速に行い、企業の持続的成長を図り、株主の皆様をはじめ全てのステークホルダーにとっての企業価値の向上に努める所存です。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループが展開しております事業は、様々な要因により収益性等が左右されます。こうした要因になる可能性のある主なリスクは次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

リスク項目

リスクシナリオ

リスク対策

①新型コロナウイルス感染症の影響を含む販売市場環境の変化

 

 

 

・新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少

・民間設備投資や公共関連事業の動向が当社グループの各需要家(鉄鋼・プラント・産業機械・建設機械・橋梁・建築・自動車等)の経営環境にマイナスの影響を与え、販売量の減少や販売価格が低下する可能性

・設備投資や作業工程見直し、海外OEMによる調達等コスト削減による競争力の確保

・金属3D積層造形品など高機能化・高付加価値
を主体とした新商品開発推進による優位性の確保

②原材料等の需給環境変化

 

 

 

・当社グループが調達している原材料(銑鉄・鋼屑・非鉄金属・合金及び鋼材・ゴム等)の価格が、世界的・地域的需給や投機的動向により高騰し、販売市場価格に転嫁できない可能性

・原単位の向上

・安価原料への切替

③為替レートの変動

・海外OEM品の調達価格の上昇の可能性

・外貨入金を支払に充て、為替影響を軽減

④金利の変動

 

・金利上昇による負担増の可能性

・借入先の分散

・金利負担と安定資金の確保を考慮した借入金に占める長期借入金の比率の最適化

⑤保有固定資産及び保有株式等の資産価値の変動

・保有株式・土地の時価下落の可能性

・収益性低下による固定資産の減損の可能性

・保有目的および保有メリットを勘案し保有対象を厳選

⑥退職給付債務計算の前提条件の変動

 

・退職給付債務計算の前提条件の変動により、退職給付費用が増加する可能性

・前提条件の変動による影響の適時、適切な把握

⑦法令・公的規制

 

 

 

・「環境」、「労働・安全衛生」、「租税」、「独占禁止法等の経済法規」、「建設業法等の事業関連法規」、その他法令・公的規制が改正もしくは変更され、業績に影響を及ぼす可能性

・法令・公的規制の改正動向および変更内容の適時把握

⑧品質リスク

 

 

 

・重大クレーム(品質クレーム・納期遅延)発生やクレーム頻発等により信頼性が低下し、大幅なシェアダウンにより業績に影響を及ぼす可能性

・試験機更新等による検査データの信頼性向上

・全社QA教育の実施等や、不良品撲滅に向けたPDCA活動の推進

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

1.財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の当社を取り巻く事業環境については、以下のとおりです。

 米中貿易摩擦の影響により落ち込んだ半導体の需要は、回復の兆しが見えておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響でその回復は限定的となっております。建設機械や工作機械については、需要が落ち込んだまま回復の見込みが不透明となっております。また、東京オリンピックに向けたビル・インフラ等建設の特需はほぼ終了

しております。

 その結果、素形材部門では、半導体製造装置向けおよび工作機械向けの需要が減少し、受注については4.4%減少し、売上高については16.3%の減少となりました。またエンジニアリング部門では、受注についてはほぼ前年度並み

となりましたが、売上高については一部の建築部材が減少し、前年度比4.5%の減少となりました。

 以上の結果、連結売上高は12,091百万円と、前年度比12.0%の減少となりました。利益につきましては、売上減の影響などにより、営業利益は425百万円と前年度比36.4%の減益となりました。連結経常利益は、457百万円とな

り、親会社株主に帰属する当期純利益は331百万円となりました。

 

 総資産は、売上高の減少に伴う受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ780百万円減少

し、19,899百万円となりました。

 負債は売上高の減少と前連結会計年度末が金融機関の休日で当連結会計年度に決済を行ったことによる支払手形

及び買掛金と電子記録債務の減少等により795百万円減少し、9,514百万円となりました。

 また、純資産は親会社株主に帰属する当期純利益の増加とその他有価証券評価差額金の減少により、10,384百万

円となり、自己資本比率は前連結会計年度に比べ2.1ポイント増加した52.2%となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが507百万円の収入に対し、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得を中心として879百万円の支出となり、これらを合計し

たフリー・キャッシュ・フローは371百万円の支出となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、122百万円の収入となりました。短期借入による収入800百万円と長期借入金の返済による支出523百万円および配当金の支出153百万円等によるものです前連結会計年度に設備投資の増加

に伴う長期安定資金を長期借入で確保しているため、当連結会計年度は短期借入により資金調達を行いました。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ249百万円減少し195百万円

となりました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

 当社グループは「鋳造関連事業」の単一セグメントであります。

 当連結会計年度における実績を品種別に示すと、次のとおりであります。

 

1.品種別製品生産実績                                              (百万円)

品種別

当連結会計年度

 

前年同期比(%)

 

素形材

6,304

△14.0

エンジニアリング

3,755

△6.8

その他

284

△55.6

合計

10,343

△13.8

  (注)1 金額は、製造原価によっております。

 2 上記金額には消費税等は含んでおりません。

 

2.品種別製品受注実績                                       (百万円)

品種別

当連結会計年度

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

素形材

7,272

△4.4

2,467

26.2

エンジニアリング

4,873

0.8

1,911

1.0

その他

445

△21.3

61

△33.3

合計

12,591

△3.2

4,440

12.7

  (注)1 金額は、販売価格によっております。

 2 上記金額には消費税等は含んでおりません。

 

3.品種別販売実績                                    (百万円)

品種別

当連結会計年度

前年同期比(%)

素形材

6,760

△16.3

エンジニアリング

4,855

△4.5

その他

476

△17.5

合計

12,091

△12.0

  (注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日立建機株式会社

1,187

8.6

1,751

14.5

2 上記金額には消費税等は含んでおりません。

 

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 

1.重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「追加情報」に記載のとおりであります。

2.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度は米中貿易摩擦の影響により半導体需要が落ち込み、回復の兆しが見えておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でその回復は限定的となっております。建設機械や工作機械については、需要が落ち込んだまま回復の見込みが不透明となっています。また、東京オリンピックに向けたビル・インフラ等の特需はほぼ終了しております。

その結果、素形材部門では、半導体製造装置向けおよび工作機械向けの需要が減少し、受注については前年度比4.4%減少し、売上高については16.3%の減少となりました。また、エンジニアリング部門では、受注についてはほぼ前年度並みとなりましたが、売上高については一部の建築部材が減少し、前年度比4.5%の減少となりました。

以上の結果、連結売上高は12,091百万円と前年度比12.0%の減少となりました。利益につきましては、売上減の影響などにより、営業利益は前年度比36.4%の減益となりました。連結経常利益は457百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は331百万円となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、老朽更新および合理化を目的とした設備投資の増加に伴う長期安定資金を前連結会計年度に長期借入で確保しており、当連結会計年度は短期借入で調達しています。今後の設備投資資金は、設備投資効果を含む生産性改善と販売拡大により営業活動によるキャッシュ・フローを主体に賄う予定です。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、ROS5%(売上高経常利益率)を目標としています。当連結会計年度は素形材部門の需要減少による売上減の影響などにより達成することができませんでした。

今後も継続的に収益を確保していくためには、素形材部門における収益改善と人材育成の課題に取り組んでいくことが必要であると認識しております。

このために次の施策を着実に実行して参ります。

 

①成長戦略「選択と集中」に基づいた、注力すべきコア技術・コア製品の見極め

②見極めた技術・品種・製品の強みの深化

③品質・コスト・生産性改善・ムダ削減の一層のレベルアップ

④上記に対する、経営資源(「ヒト」、「モノ」、「カネ」)の選択的配分

⑤階層別教育の充実

 

当社グループをめぐる経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減等の懸念材料により、先行きの不透明感が高まっておりますが、感染リスク対策に万全を尽くしながら事業を継続し、上記の施策に取り組

んで参ります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社が技術援助を受けている契約

技術導入先

国籍

内容

対価

契約期間

フリードリッヒ

マウラーゼーネ

ドイツ

橋梁用伸縮装置の製造技術

売上高に対する

ランニングロイヤルティ

1985年3月1日より

2021年12月31日まで

 (注)契約期間満了の12ヶ月前までに当事者の一方が解約通知しない限り、2年間ずつ自動延長となっております。

 

 

5【研究開発活動】

 連結財務諸表提出会社の研究開発は、経営戦略に基づいた生産性向上と商品開発及び基礎技術開発を目的として商品開発に必要な各種設備の整備も行い、また、JFEスチール株式会社との共同研究等の連携も行いながら推進しており

ます。
 当連結会計年度の主な研究開発の内容は次のとおりであり、研究開発費の総額は145百万円であります。

 

1.素形材関連開発

(1)金属3D積層造形の技術開発

① 低熱膨張材料の鍛造品の切削加工品から積層造形品への置き換えを目的に試作を実施しました。積層造形品の物性(熱膨張率および機械的強度や経年劣化、切削性・メッキ性など)の評価も併せて行い、何れもお客様から十分にご評価して頂きました。

② 今後、切削加工品から積層造形品への置き換え品の量産化を図るとともに、積層造形物ならではの新たな形状をお客様に提案していきます。また、新規導入した積層造形用のラボ用ガスアトマイズ粉末装置を活用し、新機能材料の開発を進めていきます。

③ 金属3D積層造形用ゼロ膨張粉末及びその積層造形品の特許を取得いたしました。

 

(2)新機能材料の開発

① アルミナと同等の熱膨張係数を有する低熱膨張材料の開発に成功しました。半導体製造工程での使用可能な商品を開発し、顧客と量産化に向けた評価作業を行っています。

② 高ヤング率かつ切削性の優れた低熱膨張材料や熱膨張係数がゼロの線材、主に建設機械用部品に使用される高強度材料、耐熱・耐摩耗性に優れたシームレスパイプ用材料の開発に取り組んでいきます。
 

 

2.エンジニアリング関連開発

(1)超高減衰ゴム支承(HDR-S)

 現在も免振形式の採用が多い大規模橋梁の新設工事には、超高減衰ゴム支承(HDR-S)の提案に努め、実績を上げています。今後も、このニーズの絶えることはないと考えられることから、更なる拡販に向けて、高機能化、高付加価値化を主体とした新商品の開発を推進していきます。

 

(2)耐震・制震装置

 各高速道路の大規模なリニューアル工事や耐震補強工事では、既設支承の取替えのみならず、耐震装置を併設することがあります。耐震ストッパーや段差防止装置などの開発を行い、種々の顧客ご要望に対応できるよう、品揃の充実を図っているところであります。

 また、想定と異なる地震動が発生した場合でも、橋梁構造全体の危機耐性を向上させ、かつ交通システムの回復性にも貢献する新商品の開発を推進しています。

 

(3)露出型弾性固定柱脚(NCベース)

 下ナット方式のメカニズム、建築構造用高強度鋼材(550N/mm2TMCP鋼材)を使用した鋼板製ベースプレートなどを評価いただいて、大スパン構造物、大型倉庫、公共設備、病院、ホテルなど多岐に渡る建物に採用されていますが、納期・コスト・施工性の一層の改善を目指して、アンカー孔へのグラウト材注入用に新たに「溝付きグラウト注入金物」を開発しました。