第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等は次のとおりであります。

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約締結日

契約期間

大同特殊鋼㈱

(当社)

大同興業㈱

日本

当社を株式交換完全親会社とし、大同興業株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換

平成28年5月31日

 

 

株式交換の概要は、以下のとおりです。 

① 株式交換の目的

当社は、大同興業株式会社(以下、「大同興業」といいます。)の有する海外拠点と人材を最大限活用してマーケティング力の強化を図るとともに、ターボ部材事業、磁石事業及び高合金事業にかかるノウハウと経営資源を融合することで、商品開発から量産に至る一貫した事業モデルの構築を更に加速させていくことが、当社グループのさらなる成長に向けて必須であると考えるに至りました。

そして、これらを実行するためには、当社による大同興業の完全子会社化が最善の策であるとの結論に達し、両社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、大同興業を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」といいます。)を実施することを決議いたしました。当社は、この大同興業の完全子会社化により、厳しさを増す事業環境の中、グループ経営の機動性と柔軟性を高め、一層の企業価値向上を図ってまいります。

 

② 株式交換の日(効力発生日)

  平成28年10月1日(予定)

※上記日程は、本株式交換に係る手続進行上の必要性その他の事由によって必要となる場合には、両社が協議し合意の上で変更されることがあります。

 

③ 株式交換の方法

当社は、会社法第796条第2項の規定に基づき、会社法第795条第1項にしたがった株主総会の決議による本株式交換に係る株式交換契約の承認を必要としない、簡易株式交換の手続きにより本株式交換を行う予定です。大同興業は、平成28年6月29日に開催された定時株主総会の決議による承認を受け、本株式交換を行う予定です。

 

④ 株式交換に係る割当ての内容

本株式交換においては、当社は、本株式交換により当社が大同興業の発行済株式の全部を取得する時点の直前時に、大同興業の株主名簿に記載又は記録された大同興業の株主(但し、当社を除きます。)に対し、大同興業の普通株式に代わり、その所有する大同興業の普通株式の数に、以下の算式により算出される株式交換比率(以下、「本株式交換比率」といいます。)を乗じて得た数の当社の普通株式を割り当て交付します。 

株式交換比率=696円/当社の普通株式の平均価格(※)

※「当社の普通株式の平均価格」とは、東京証券取引所市場第一部における平成28年8月22日(同日を含みます。)から同年9月16日(同日を含みます。)までのすべての取引日における当社の普通株式1株当たりの売買高加重平均価格の平均値(ただし、小数第1位まで算出し、その小数第1位を四捨五入します。)とします。

 

 

⑤ 株式交換比率の算定根拠

本株式交換に用いられる株式交換比率の決定にあたって公正性・妥当性を期すため、当社は、独立した第三者機関である株式会社三菱東京UFJ銀行(以下、「三菱東京UFJ銀行」といいます。)に大同興業の株式価値の算定を依頼することとしました。

三菱東京UFJ銀行は、非上場会社である大同興業の普通株式については、大同興業が継続企業であることから、将来の事業活動の状況を適切に評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」といいます。)を採用して株式価値の算定を行いました。

当社は、三菱東京UFJ銀行によるDCF法に基づき算定した大同興業普通株式の1株当たりの株式価値の算定結果(555~806円/株)を参考に、大同興業の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、大同興業との間で株式交換比率について慎重に協議を重ねた結果、最終的に上記④「株式交換に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率が妥当であるとの判断に至り、合意いたしました。

 

⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要

  商号     :大同特殊鋼株式会社
  本店の所在地:名古屋市東区東桜一丁目1番10号
  代表者の氏名:代表取締役社長 石黒 武
  資本金の額 :37,172百万円
  事業の内容 :特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品等の製造・販売
 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が継続しているものの、企業の業況判断に慎重さがみられるなど一部弱さも見られました。海外経済は英国の国民投票でEU離脱が選択され、金融市場が一時リスクオフの動きを強めるなど、先行きの不透明感が強まりました。
 このような経済環境の中、特殊鋼の主要需要先である自動車産業に関しましては、国内では軽自動車の燃費偽装問題等があったものの、北米・中国での販売が好調であり、底堅く推移しました。販売価格は、主要原材料である鉄スクラップおよびニッケルの価格が低下していることを背景に前年同期比で低下しました。
 この結果、当第1四半期連結累計期間の連結経営成績は、売上高は前年同期比105億48百万円減収1,061億56百万円、経常利益は前年同期比2億94百万円減益39億46百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期比5億39百万円増益23億28百万円となりました。

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

①特殊鋼鋼材

構造用鋼は、主要需要先である自動車産業向けの数量が底堅く推移し前年同期比で数量が増加しました。工具鋼の数量は、国内は横ばいも海外で弱い動きがあり、前年同期比でやや減少しました。主要原材料である鉄スクラップ価格は、昨年夏場以降、中国が安価な鉄鋼中間製品を周辺アジア諸国に輸出していることを背景に、前年同期比で低下しました。これに伴い、販売価格も前年同期比で低下しました。
 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の特殊鋼鋼材の売上高は、前年同期比10.0%減少389億68百万円、営業利益は前年同期比5億11百万円増益8億28百万円となりました。

 

 

②機能材料・磁性材料

ステンレス製品は、パソコン販売低迷によるHDD需要の減少等から、数量は前年同期比で減少しました。また、原材料であるニッケル価格の下落に伴い、販売価格は低下しました。高合金製品はリードフレーム用素材の在庫調整が終了したこと等から、前年同期比で数量が増加しました。磁石製品は、数量はEPS(電動パワーステアリング)向けを中心に増加しているものの、円高が進んだことから売上高は前年同期比で横ばいとなりました。チタン製品に関しては、海外医療向けが堅調に推移し、売上高は前年同期比で増加しました。
 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の機能材料・磁性材料の売上高は、前年同期比13.2%減少354億73百万円、営業利益は前年同期比7億74百万円増益35億59百万円となりました。

 

③自動車部品・産業機械部品

自由鍛造品は、原油価格下落に伴い掘削・石油プラント関連の需要が減少していることから、売上高は前年同期比で減少しました。型鍛造品は、鉄スクラップ価格および自動車集購価格の下落に伴う販売単価の低下等により売上高は前年同期比で減少しました。エンジンバルブ部品は、北米自動車販売が好調を維持し、売上高は前年同期比で横ばいとなりました。鋳鋼品、精密鋳造品は、ターボ関連製品の需要拡大基調が継続し、数量は前年同期比で増加しました。
 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の自動車部品・産業機械部品の売上高は、前年同期比6.1%減少231億20百万円、営業損益は前年同期比9億98百万円減益7億34百万円の損失となりました。

 

④エンジニアリング

一部製品の海外向け売上が好調であったものの、全体としては売上案件が若干減少し、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比5.4%減少54億77百万円、営業利益は前年同期比2億81百万円減益11百万円となりました。

 

⑤流通・サービス

大同特殊鋼(上海)有限公司を新たに連結したこと等から、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比48.3%増加31億17百万円、営業利益は前年同期比1億14百万円増益4億24百万円となりました。

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社および当社の連結子会社)が対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

① 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の様々な源泉および当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保または向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。したがいまして、当社の株式を買い集め、多数派株主として自己の利益の追求のみを目的として濫用的な会社経営を行うものであったり、株主の皆様に当社の株式の売却を事実上強要するものであったり、または、株主の皆様が当該買付けの条件・方法等について検討し、当社取締役会が代替案の提示等を行うための十分な時間を確保しないものである等の当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けを行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

当社は、上記①の当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)の実現に資する特別な取組みとして、お客様との共創、成長領域への注力、QCD競争力の強化および企業基盤の強化を実施しております。本取組みにつきましては、当社第92期有価証券報告書の「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」の(1)から(4)をご参照ください。

 

また、当社はコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みを基本方針の実現に資する特別な取組みのひとつと位置付けております。コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方およびその充実に向けた取組みにつきましては、当社第92期有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保または向上を目的として、平成27年6月26日開催の当社第91期定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、同定時株主総会の終結時に有効期間が満了する原対応方針(平成25年6月27日開催の当社第89期定時株主総会において出席株主の皆様のご賛同を得て導入した「当社の株券等の大規模買付行為に関する対応方針」をいいます。)に替えて、以下にその概要を記載した対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を継続して導入することを、平成27年5月8日開催の当社取締役会において決定いたしました。同取締役会には、社外監査役2名を含む当社監査役全員が出席し、いずれの監査役も本対応方針に同意する旨の意見を述べました。なお、本対応方針に関する議案は、第91期定時株主総会において承認可決いただいております。

本対応方針の概要は、当社の株券等を20%以上取得しようとする大規模買付者に対して、取締役会による大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供や期間の確保等、本対応方針に定める大規模買付ルールに従うことを求め、大規模買付者が大規模買付ルールに従わない場合や、大規模買付ルールに従っても当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合に対抗措置を発動できるとするものです。

本対応方針の内容の詳細につきましては、以下の当社ホームページをご参照ください。

http://www.daido.co.jp/ir/pdf/defence.pdf

④ 上記②の取組みについての取締役会の判断

上記②の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記①に記載されているような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けを困難にするものと考えられ、上記①の基本方針に資するものであると考えております。

また、当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的に、上記②の取組みを実施しております。

したがいまして、上記②の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

⑤ 上記③の取組みについての取締役会の判断

上記③の取組みは、大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供と期間の確保の要請に応じない大規模買付者、および当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行おうとする大規模買付者に対して対抗措置を発動できるとすることで、これらの大規模買付者による大規模買付行為を防止するものであり、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。

また、上記③の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保しまたは向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供と期間の確保を求めるために実施されるものであります。

さらに、上記③の取組みにおいては、株主の皆様の意思を確認する手続の導入、独立性の高い委員により構成される特別委員会の設置およびその勧告の最大限の尊重、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、株主意思確認株主総会の決議に基づく対抗措置発動等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記③の取組みの合理性および公正性を確保するための様々な制度および手続が確保されております。

したがいまして、上記③の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。

 

 

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は15億72百万円であります。

 

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

当期の世界経済は、米国をはじめ先進国は雇用環境の堅調さから底堅く推移すると見られているものの、英国のEU離脱問題などから先行きの不確実性が高まっています。日本経済も、為替の変動が大きくなるなど、先行きの不透明感が増しています。特殊鋼の需要につきましては、主要需要先である自動車産業が堅調に回復していくことが期待されているものの、原油価格の低迷を背景とした石油掘削関連等の需要が低迷しており、今後の動きを注視する必要があります。当社グループに影響を与えうるリスク要因としては、為替変動に伴う需要の減少リスク、資源価格・原材料価格の変動リスク、地政学的リスクなどがあると認識しております。
 このような経営環境の中、当社グループは、市場の変化・お客様の動向を常に注視し、その変化に即応してまいります。また、中期経営計画で目標とした海外売上高の拡大に向けての施策を、着実に実施してまいります。更なる品質の向上、継続的なコスト削減への取組み、デリバリー体制の強化も行い、経営基盤となるQCD(品質、コスト、納期対応力)競争力の強化にも努めてまいります。