文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の継続を背景に個人消費が持ち直しつつあり、企業に関しても鉱工業生産に回復の動きがみられるなど、緩やかな回復基調となりました。海外では、米国が雇用拡大を背景に緩やかな景気拡大を続けてきましたが、昨年11月の大統領選でトランプ大統領が勝利してからは減税・インフラ投資の増加等による米国経済への期待が高まり、世界同時株高・ドル高をもたらしました。中国は政府の景気対策を背景に、自動車販売台数が大きく伸びるなど、比較的安定した成長となりました。
このような経済環境の中、特殊鋼の主要需要先である自動車産業に関しましては、北米・中国での販売好調を受け堅調に推移しました。当社の主要原材料である鉄スクラップは、中国ビレット価格の影響を受け春先に急騰・急落したあと、比較的安定的に推移していましたが、原料炭価格の上昇を受け11月以降上昇しています。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、数量面では自動車向けを中心に増加しましたが、原材料価格の動きに連動する販売価格の低下等から、前年同期比224億16百万円減収の3,235億36百万円となりました。経常利益につきましては、退職給付費用等固定費の増加がありましたが、数量増加やエネルギーコストの低下等が寄与し、前年同期比1億39百万円減益の183億26百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年度に計上したソフトウエア開発中止に伴う損失がなくなったことから前年同期比43億24百万円増益の108億88百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
構造用鋼は、主要需要先である自動車の北米・中国販売が好調に推移したこと等から、数量が前年同期比で増加しました。工具鋼は、中国経済減速に伴う在庫調整の影響等で数量が前年同期比で減少しました。主要原材料である鉄スクラップ価格は、11月までは比較的低位安定で推移したことから前年同期比で低下しました。これに伴い、販売価格は前年同期比で低下しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の特殊鋼鋼材の売上高は、前年同期比6.0%減少の1,200億98百万円、営業利益は前年同期比4億18百万円減益の44億58百万円となりました。
ステンレス製品は、自動車、半導体向けが堅調で、数量は前年同期比で増加しました。また、原材料であるニッケル価格の下落に伴い、販売価格は低下しました。高合金製品は自動車関連需要が増加したことから、前年同期比で数量が増加しました。磁石製品は、EPS(電動パワーステアリング)向けを中心に数量が増加しました。粉末製品は海外自動車向けの需要が回復し、数量が増加しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の機能材料・磁性材料の売上高は、前年同期比8.2%減少の1,087億94百万円、営業利益は前年同期比31億29百万円増益の124億18百万円となりました。
自由鍛造品は、原油価格の低迷を背景にオイル&ガス関連の需要が減少していることから、売上高は前年同期比で減少しました。型鍛造品は、鉄スクラップ価格等の下落に伴う販売価格の低下等により売上高は前年同期比で減少しました。エンジンバルブ部品は、北米自動車販売が好調を維持し、売上高は前年同期比で横ばいとなりました。精密鋳造品は、ターボ関連製品の需要拡大基調が継続し、数量は前年同期比で増加しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の自動車部品・産業機械部品の売上高は、前年同期比4.4%減少の708億75百万円、営業損益は前年同期比21億11百万円減益の11億7百万円の損失となりました。
一部製品の海外向け売上は好調であったものの、全体としては売上案件が減少し、当第3四半期連結累計期間のエンジニアリングの売上高は前年同期比13.4%減少の163億29百万円、営業利益は前年同期比9億4百万円減益の5億91百万円となりました。
大同特殊鋼(上海)有限公司を新たに連結したこと等から、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比9.4%増加の74億38百万円、営業利益は前年同期比3億33百万円増益の12億66百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社および当社の連結子会社)が対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、当社の企業価値の様々な源泉および当社を支える各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保または向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。したがいまして、当社の株式を買い集め、多数派株主として自己の利益の追求のみを目的として濫用的な会社経営を行うものであったり、株主の皆様に当社の株式の売却を事実上強要するものであったり、または、株主の皆様が当該買付けの条件・方法等について検討し、当社取締役会が代替案の提示等を行うための十分な時間を確保しないものである等の当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けを行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
当社は、上記①の当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)の実現に資する特別な取組みとして、お客様との共創、成長領域への注力、QCD競争力の強化および企業基盤の強化を実施しております。本取組みにつきましては、当社第92期有価証券報告書の「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」の(1)から(4)をご参照ください。
また、当社はコーポレート・ガバナンスの充実に向けた取組みを基本方針の実現に資する特別な取組みのひとつと位置付けております。コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方およびその充実に向けた取組みにつきましては、当社第92期有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保または向上を目的として、平成27年6月26日開催の当社第91期定時株主総会において出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、同定時株主総会の終結時に有効期間が満了する原対応方針(平成25年6月27日開催の当社第89期定時株主総会において出席株主の皆様のご賛同を得て導入した「当社の株券等の大規模買付行為に関する対応方針」をいいます。)に替えて、以下にその概要を記載した対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を継続して導入することを、平成27年5月8日開催の当社取締役会において決定いたしました。同取締役会には、社外監査役2名を含む当社監査役全員が出席し、いずれの監査役も本対応方針に同意する旨の意見を述べました。なお、本対応方針に関する議案は、第91期定時株主総会において承認可決いただいております。
本対応方針の概要は、当社の株券等を20%以上取得しようとする大規模買付者に対して、取締役会による大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供や期間の確保等、本対応方針に定める大規模買付ルールに従うことを求め、大規模買付者が大規模買付ルールに従わない場合や、大規模買付ルールに従っても当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合に対抗措置を発動できるとするものです。
本対応方針の内容の詳細につきましては、以下の当社ホームページをご参照ください。
http://www.daido.co.jp/ir/pdf/defence.pdf
上記②の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記①に記載されているような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう株式の大規模な買付けを困難にするものと考えられ、上記①の基本方針に資するものであると考えております。
また、当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的に、上記②の取組みを実施しております。
したがいまして、上記②の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
上記③の取組みは、大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供と期間の確保の要請に応じない大規模買付者、および当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行おうとする大規模買付者に対して対抗措置を発動できるとすることで、これらの大規模買付者による大規模買付行為を防止するものであり、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。
また、上記③の取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保しまたは向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為の内容の評価・検討等に必要な情報の提供と期間の確保を求めるために実施されるものであります。
さらに、上記③の取組みにおいては、株主の皆様の意思を確認する手続の導入、独立性の高い委員により構成される特別委員会の設置およびその勧告の最大限の尊重、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、株主意思確認株主総会の決議に基づく対抗措置発動等の当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記③の取組みの合理性および公正性を確保するための様々な制度および手続が確保されております。
したがいまして、上記③の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は47億66百万円であります。
当期の世界経済は、米国をはじめ先進国は雇用環境の堅調さから底堅く推移すると見られているものの、米国新政権の動きや英国のEU離脱問題などから先行きの不透明感が高まっています。特殊鋼の需要につきましては、主要需要先である自動車産業が堅調に成長していくことが期待されているものの、原油価格の低迷を背景とした石油掘削関連等の需要が低迷しており、今後の動きを注視する必要があります。当社グループに影響を与えうるリスク要因としては、為替変動に伴う需要の減少リスク、資源価格・原材料価格の変動リスク、地政学的リスクなどがあると認識しております。
このような経営環境の中、当社グループは、市場の変化・お客様の動向を常に注視し、その変化に即応してまいります。また、中期経営計画で目標とした海外売上高の拡大に向けての施策を着実に実施し、お客様との共創、成長領域への注力、QCD(品質、コスト、納期対応力)競争力の強化を進めてまいります。