文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
グループ経営理念を「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」と定め、大同特殊鋼グループとして、素材または素材に関する技術をもって素材が秘めている可能性をひきだし、新たな価値を創造することで、人と社会の未知のニーズに応え、その発展につながるよう貢献し続けることを目指しております。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、先行きについては不透明感が一段と増しております。当社の主要需要先である自動車関連の受注は、世界各地での生産活動停止を受け、回復には時間がかかることが想定され、当面は厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。このような状況下、当社はすべての関係者の皆様や社員およびその家族の安全を最優先とし、新型コロナウイルスの感染防止に努めるとともに、固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を推し進め、影響が最小限となるよう事業活動の継続を図ってまいります。
他方、中長期的な視点では、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが地球規模での大きなテーマとなっています。お客様におきましても地球温暖化ガスの削減が大きなテーマとなっており、自動車の内燃機関や航空機のジェットエンジンの高効率化が求められています。自動車産業ではさらに、電動化などのパワートレインの多様化や自動運転、コネクテッドカー化など、100年に1度の大きな技術革新が起きようとしています。また、ビッグデータ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)を活かしたデジタル革命が進んでおり、いろいろな産業界に変革がもたらされようとしています。それらにより、半導体需要の増加やロボットによる自動化等が進展すると見込まれます。
足元の当社を取り巻く経営環境は厳しい状況ではありますが、次期は2020年「大同特殊鋼グループ2020中期経営計画」の最終年度となります。下記中期経営計画の経営基本方針および行動方針をもう一段推し進めながら、お客様とともに持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
<2020中期経営計画基本方針>
当社は、お客様の技術革新を機能性に優れた素材を提供することで支えてまいります。例えば、内燃機関・ジェットエンジンの高効率化には高耐熱・高耐食ステンレス鋼や高合金を、自動車の電動化には高性能磁石や高機能粉末を、自動運転化には軟磁性材料等を提供してまいります。デジタル革命に対しましても半導体製造装置に必要な高清浄ステンレス鋼や自動化・ロボット化に必要な高性能磁石等、お客様の必要とする高機能な素材を提供することで、その進化・技術革新をしっかりと支えてまいります。
これらの実現のために、次の3点の行動方針のもと中長期的成長を目指してまいります。
<行動方針>
① ポートフォリオ改革(構造材料から機能材料へ)
成長機会の多い機能材料・磁性材料セグメントへ積極投資を実施し、売上高トップセグメント化を目指します。全社的製品ポートフォリオを改革し、利益の最大化を目指してまいります。
前記のとおり、今後は耐熱性、耐食性、高清浄度や磁気特性等の機能性に優れた素材へのニーズが高まる見込みです。ステンレス鋼、高合金、粉末といった機能材料や磁性材料の需要が継続的に伸びていくと想定しています。この動きを確実に捉え安定供給を果たすべく、当期までに知多工場の連続鋳造ライン合理化を始めとした生産能力の増強投資を実施してまいりました。今後はこれら設備の早期戦力化を目指した事業活動に取り組んでまいります。また、長期的に大きな市場成長が見込まれる磁石事業については、2020年度に中津川先進磁性材料開発センターを開設し、次世代の革新モータ技術とそれにふさわしい搭載磁石に関する研究を強化してまいります。
② 事業基盤の強化(損益分岐点改善、経営体質強化)
長期継続的な成長を実現するため、事業基盤を強化してまいります。
事業全体の基盤である鋼材事業に関しては、徹底したコストダウンを行い、再生産可能な適正マージンを確保することを目指します。また、既存設備の能率向上、一貫歩留の向上、物流の整流化を進め、生産スループットの最大化を目指してまいります。持続可能な社会の実現に向け、環境投資も積極的に進めてまいります。事業基盤の根幹である人材に対しても働き方改革による生産性向上と人材育成の両立を目指してまいります。
③ 事業の再構築
採算の悪い事業についての見極めを行い、採算の取れる事業への再構築を進めてまいります。当期は、ターボハウンジング部門において、急激な事業環境の悪化により将来における収益性が低下したものと判断し、固定資産の減損処理を実施しました。今後も選択と集中を進めることにより経営効率を上げ、中長期的に資本効率を高めてまいります。
<経営指標>
当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを、以下の表にて発生の可能性や時期、影響の大きさの観点から重要性が高いと判断している項目順に記載しております。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、または重要とは見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
○:対応着手済、●:今後対応予定
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が継続したものの、年度後半にかけては輸出や生産に弱さが見られ、製造業を中心に企業収益は弱含みで推移し、景気に減速感が出始めました。また、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などの不安定な世界情勢に加え、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響など、景気の先行きは依然として不透明な状況が継続しております。
このような経済環境の中、特殊鋼の主要需要先である自動車関連の受注は、グローバルでの販売低調および日系自動車メーカーの車両生産減少を受け、前期比で減少しました。産業機械の受注は、米中貿易摩擦の影響を受け、前期比で減少しました。また、第4四半期に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大により、全需要先において受注は弱含みとなり、その結果、鋼材売上数量は前期比で減少しました。一方、原材料・資材関係については、鉄スクラップ価格は国内需給の緩和を受け安値で推移しましたが、製鋼工程で使用する黒鉛電極等の副資材価格や、電力などのエネルギーコストは増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、前期比528億33百万円減収の4,904億21百万円、経常利益は前期比100億44百万円減益の242億98百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の売却益、ターボハウジング部門の減損損失計上などにより前期比101億94百万円減益の109億87百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
特殊鋼鋼材
構造用鋼は、主要需要先である自動車関連や産業機械向けの受注減少を受け、前期比で数量が減少しました。工具鋼も、自動車関連の受注減少を受け前期比で数量が減少しました。主要原材料である鉄スクラップ価格は、国内需給の緩和により安値で推移しましたが、製鋼工程で使用する黒鉛電極等の副資材価格や、電力などのエネルギーコストは増加しました。販売価格については、鉄スクラップスライド部分を除き、昨年度実施した価格改定により上昇しました。
この結果、当連結会計年度における特殊鋼鋼材の売上高は、売上数量の減少により前期比12.5%減少の1,816億74百万円、営業利益は売価改定および鉄スクラップ価格の下落により増益となりましたが、連結子会社における不適切な会計処理の修正により前期比8億50百万円減益の51億48百万円となりました。
機能材料・磁性材料
ステンレス鋼および高合金は、自動車向け需要は燃費改善に向けた動きにより堅調に推移しましたが、産業機械向けの需要減少、また年度後半から回復基調にあるものの半導体関連の需要減少により、前期比で数量が減少しました。磁石製品は、中国での自動車販売減少等を受け、粉末製品も海外需要の減少により売上高が減少しました。
この結果、当連結会計年度における機能材料・磁性材料の売上高は、売上数量の減少により前期比9.3%減少の1,673億56百万円、営業利益は前期比70億55百万円減益の136億38百万円となりました。
自動車部品・産業機械部品
自由鍛造品は、年度後半より半導体関連の需要が回復してきたこと等により売上高は前期比で増加しました。エンジンバルブ部品・型鍛造品は自動車生産の減少を受け、売上高は前期比で減少しました。精密鋳造品は、中国での自動車販売減少に伴うターボ関連製品の需要低迷が継続し、売上高は前期比で減少しました。
この結果、当連結会計年度における自動車部品・産業機械部品の売上高は、売上数量の減少により前期比11.4%減少の973億43百万円、営業利益は前期比18億78百万円減益の4億30百万円となりました。
エンジニアリング
当連結会計年度におけるエンジニアリングの売上高は、前期比3.4%減少の265億83百万円となりましたが、営業利益は省エネ目的の機能向上メンテナンス事業強化等による内容構成良化により前期比6億68百万円増益の29億60百万円となりました。
流通・サービス
主に新規連結会社の増加影響により、当連結会計年度における売上高は、前期比29.4%増加の174億63百万円、営業利益については前期比54百万円増益の25億81百万円となりました。
当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。現在の経営環境においては、2020中期経営計画の数値目標の達成は困難な状況ではありますが、今中期経営計画の経営基本方針、行動方針をもう一段推し進めてまいります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社および当社の連結子会社)の受注・販売形態は、素材供給等のグループ間取引が多岐にわたり、また受注生産形態をとらない製品もあるため、セグメントごとに受注規模を金額あるいは重量で示すことは行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手別の販売実績は、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ247億97百万円減少し6,258億99百万円となりました。総資産の増加の主な内訳は、「現金及び預金」の増加178億24百万円、「有形固定資産」の増加114億14百万円、減少の主な内訳は、「受取手形及び売掛金」の減少163億47百万円、「投資有価証券」の減少217億79百万円であります。
「現金及び預金」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に備え、手元資金を確保し流動性を高めたことにより増加しております。「有形固定資産」は、主に機能材料・磁性材料事業における合理化投資により増加しました。設備投資については、2020中期経営計画での戦略設備投資は当年度までに概ね完工しました。一方で、自動車部品・産業機械部品事業のターボハウジング部門において収益性が低下した事業用資産を当期に減損しております。来年度の設備投資については対象を厳選し実施してまいります。「投資有価証券」は、保有株式の時価下落により減少しました。
なお、当連結会計年度より連結決算の開示内容の充実およびグループ経営の強化を図るため、前連結会計年度において非連結子会社でありました28社を連結の範囲に含めております。この変更により、主として「現金及び預金」、「たな卸資産」、「有形固定資産」が増加し、新規連結に伴い関係会社株式が減少したため「投資有価証券」は減少しております。
また、当社グループの当連結会計年度末の非支配株主持分を含めた純資産は、前期末に比べ90億4百万円減少し3,091億36百万円となりました。純資産の増加の主な内訳と要因は、親会社株主に帰属する当期純利益109億87百万円の計上等による「利益剰余金」の増加88億36百万円、減少の主な内訳と要因は、保有株式の時価下落による減少等による「その他有価証券評価差額金」の減少130億79百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は43.7%となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期比171億14百万円増加し、578億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、410億33百万円(前期比129億19百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益211億70百万円およびたな卸資産圧縮91億9百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、393億26百万円(前期比56億18百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出454億15百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、105億26百万円(前期比49億37百万円の増加)となりました。これは主に、社債の発行による収入150億円によるものであります。
当社グループでは、新型コロナウイルスの感染拡大により厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。当社も固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を推し進め、営業キャッシュ・フローを創出するよう事業活動を続けてまいります。資金需要については、設備投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。
当社グループの資金の流動性は、手元の運転資金については、当社および一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、新型コロナウイルス感染症による事業や金融環境の変化に対応するための手元資金を十分確保し、円滑な事業活動を行うことを留意してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
①経営者によって承認された事業計画
減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フロー、繰延税金資産の回収可能性の判断においては、経営者によって承認された事業計画を基礎としております。また、事業計画の最終年度以降は将来の不確実性を考慮して成長率を見積っております。事業計画は、主として受注獲得予想、市場の成長率および原価改善などに一定の仮定を用いており、実際にはこれらの影響を受けて変動いたします。
(減損損失)
当社グループでは、有形固定資産および無形固定資産を対象に年に1回または減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(5,842百万円)を計上いたしました。減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営者によって承認された事業計画および事業計画の最終年度以降は将来の不確実性を考慮して成長率を見積った金額を基礎としており、これらには一定の仮定を用いております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループの繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。当該回収可能性の判断は、経営者によって承認された事業計画および事業計画の最終年度以降は将来の不確実性を考慮して成長率を見積った金額を基礎としており、これらには一定の仮定を用いております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
②新型コロナウイルスの感染拡大による影響
新型コロナウイルスの感染拡大が、世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、先行きについては不透明感が一段と増しております。当社の主要需要先である自動車関連の受注は、世界各地での生産活動停止を受け、回復には時間が掛かることが想定され、当面は厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。
当社グループでは、世界経済は2021年3月期第2四半期(2020年7月~2020年9月)以降に徐々に回復するとの仮定のもと、会計上の見積りを行っておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響がさらに長期化した場合には、減損会計、繰延税金資産の回収可能性等の見積りの前提条件に影響を及ぼします。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
当社は、2019年8月30日開催の取締役会において、当社および当社グループの更なる事業拡大や既存国内工場を含めた効率化を目的として、㈱IHI所有の土地、建物および製造設備を取得することについて決議し、同年9月17日付けで売買契約を締結いたしました。
当社グループは特殊鋼をベースにした高い技術力を背景に「素材の可能性を追求し、人と社会の未来を支え続けます」を経営理念とし、「新製品・新事業の拡大」「既存事業の基盤強化」のため、積極的な研究開発活動を行っております。現在、当社「技術開発研究所」を中心に、新製品、新材料、新技術の研究開発を推進しており、研究開発スタッフはグループ全体で329名であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
主に当社が中心となり、自動車用構造材料、工具鋼などの素材開発および製鋼、精錬、凝固から製品品質保証までプロセス革新等の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費の総額は
微粒子SPは浸炭部品の摩耗特性を大きく向上させる反面、SP粒残留による品質不具合や工場内環境悪化の原因となっていました。浸炭のままでも非常に高い耐摩耗特性が得られる肌焼鋼を開発し、2019年より自動車のCVTプーリーに採用され、お客様の微粒子SP工程廃止に貢献いたしました。現在は適用拡大を推進しております。
・強度と製造性(矯正性と被削性)を高いレベルで両立可能なクランクシャフト用鋼
自動車のエンジン用クランクシャフトは高い強度とともに、真直性を確保するための曲げ矯正性および高能率で製造するための被削性が必要とされます。鋼材成分を最適化することによって、各必要特性を高いレベルで両立可能なクランクシャフト用鋼を開発いたしました。2020年中に量産開始予定です。
・ホットスタンピング金型の評価技術開発(専用の実機試験設備導入)
自動車軽量化や衝突安全性向上の要求が高まり、ホットスタンピング工法による超ハイテン部品の採用が増加しています。しかし、金型の損傷形態には未解明の部分があり、金型性能評価用の設備を導入、活用して評価技術を開発いたしました。損傷形態を再現できるようになったことで、今後は現象解明により、お客様のニーズに合致した鋼種開発を進め、さらなる採用拡大を目指してまいります。
(2) 機能材料・磁性材料
主に当社が中心となり、耐食・耐熱材料、高級帯鋼、接合材料、電磁材料等の素材開発および電子デバイスの研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費の総額は
ダイカストでは金型に対して冷却能力強化の要求が高まっており、積層造形技術を組み合わせ、複雑な冷却配管構造が検討されています。強度と靭性を備えながら、熱伝導性に優れた積層造形用粉末を開発いたしました。積層造形機を保有するユーザーを中心に評価頂いており、採用拡大を目指してまいります。
2019年10月25日付で、岐阜県中津川市にある市所有地を譲り受けるべく立地協定を締結し、2020年5月25日に中津川先進磁性材料開発センターを開所しています。当社グループの㈱ダイドー電子と協同して、次世代モータ技術とそれにふさわしい搭載磁石に関する産学連携の研究開発を推進し、体制強化を図ることで、産業発展へ寄与するとともに、地元への貢献も進めてまいります。
主に当社が中心となり、ターボチャージャーやエンジンバルブ等の自動車部品および各種産業機械部品の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費の総額は
自動車には多くのセンシング技術が搭載されていますが、エンジンの燃焼効率向上にも精密な制御が不可欠になっており、排気センサーの使用環境が高温化しています。開発材は冷鍛性を維持しつつ耐熱性を高めたことで、高耐熱用排気センサーのハウジング材に適用され、センシング技術の向上に貢献しております。
・軽量・高耐熱Ni基タービンホイール 「Licaloy」
高温延性と高温強度の高いバランスに加え、低密度でありながら高温特性に優れる合金を開発いたしました。 従来の高耐熱材と比べ、軽量で低慣性なタービンホイールが製造可能で、アクセルのオン/オフに対する応答性が良く、加速中の燃費向上も期待されます。当社グループの㈱大同キャスティングスで製品化を進めております。
主に当社が中心となり、環境保全・リサイクル設備や省エネルギー型各種工業炉等の開発を行っております。
当事業に係る研究開発費の総額は
・「汚泥の高付加価値化と省エネ・創エネを組み合わせた事業採算性の高い炭化システムに関する調査事業」
の実施
当社は中央大学・気仙沼市と産学官の共同研究体を設立し、国土交通省が実施した2019年度「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」において、標記調査事業を実施いたしました。本調査事業では、当社パイロットプラントを用いて、超高温炭化処理による下水汚泥の無害化・高付加価値化技術、および炭化プラントの燃費・運転コストを低減する技術を検証し、これらを組み合わせた炭化システムの事業採算性を確認しております。本調査事業は今後も継続する予定であり、中小規模の下水処理場が使われる地方都市での循環型社会の形成に貢献してまいります。