当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日銀の金融緩和策により企業収益や雇用環境が改善し、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、個人消費は依然として停滞しており、また、中国経済の景気減速や米国新政権の政策等、海外情勢の不確実性の高まりもあり、景気の行先は依然として不透明な状況にあります。
鉄鋼業界におきましては、造船向けの需要は低迷しているものの、自動車向け需要や産業機械向け外需は持ち直しており、建築向け需要は堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度の国内粗鋼生産量は、1億516万トンと、前年度に比べて93万トン、0.9%増となりました。
当社グループの主力セグメントである鉄鋼関連事業におきましては、産業機械・建設機械向け需要の持ち直し、都市再開発案件や物流施設案件等による建築向け需要の底堅さ等から、秋口以降、受注の回復が見られました。一方、主原料である鉄スクラップ価格は、国際相場高騰の影響を受け昨年11月以降急騰し、収益圧迫要因となりました。
このような事業環境の中、効率的な生産と継続的なコスト削減、顧客ニーズへの対応に取り組んでまいりました。また、その他事業につきましてもそれぞれが積極的な営業活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高につきましては363億3千8百万円となり、前連結会計年
度に比べ13億2千3百万円、3.5%の減収となりました。経常利益につきましては、30億4千2百万円となり、前連
結会計年度に比べ12億8千7百万円、29.7%の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は20億3千8百万円と前連結会計年度に比べ7億8千2百万円、27.7%の減益となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(鉄鋼関連事業)
鉄鋼関連事業につきましては、開発案件の取り込み、建設機械の排ガス規制強化に伴う駆け込み需要の増加、鋼材市況の先高観からの在庫積上げの動きなどから、主要製品である厚板の販売数量は前連結会計年度に比べ増加しました。一方、販売価格は、市場の変動に対応し、適正水準の確保に努めましたが、前連結会計年度に比べ下落しました。また、主原料である鉄スクラップ価格は下期以降に急騰したことから、前連結会計年度に比べ上昇しました。その結果、売上高は338億6千2百万円と前連結会計年度に比べ、14億2千2百万円の減収となり、セグメント利益(営業利益)は28億8千7百万円と前連結会計年度に比べ、11億6千4百万円の減益となりました。
(レンタル事業)
レンタル事業につきましては、フィルターレンタル枚数は増加したものの厨房工事の減少及び広告看板部門の受注減により、売上高は5億5千1百万円と前連結会計年度に比べ、1千2百万円の減収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は1億1千7百万円と前連結会計年度に比べ1千万円の増益となりました。
(物流事業)
物流事業につきましては、倉庫取扱量が増加したことにより、売上高は3億9千8百万円と前連結会計年度に比べ5千5百万円の増収となり、セグメント利益(営業利益)は1億2百万円と前連結会計年度に比べ3千3百万円の増益となりました。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、案件の着実な受注に努め、売上高は15億2千6百万円と前連結会計年度に比べ5千5百万円の増収となりましたが、ベトナム子会社の立ち上げ費用の負担もありセグメント損失(営業損失)は2千2百万円(前連結会計年度のセグメント損失(営業損失)は7百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、110億8千7百万円となり、前連結会年度末より28億6千5百
万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動による収入は、21億8千4百万円(前連結会計年度は81億9千万円の収入)となりました。
主として、売上債権の増加20億6千4百万円があったものの、税金等調整前当期純利益30億4千2百万円、減価
償却費の計上26億3千4百万円、仕入債務の増加11億9千9百万円などの収入があったことによるものです。
投資活動による支出は、42億8千4百万円(前連結会計年度は27億9百万円の支出)となりました。
主として、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入55億円があったものの、有価証券の取得76億8
百万円、有形固定資産の取得15億3千9百万円などの支出があったことによるものです。
財務活動による支出は、7億7千9百万円(前連結会計年度は11億2千5百万円の支出)となりました。
主として、配当金の支払5億1千1百万円、自己株式の取得2億6千4百万円などの支出があったことによるも
のです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼関連事業 |
26,498 |
1.5 |
|
エンジニアリング事業 |
2,302 |
15.5 |
|
合計 |
28,801 |
2.5 |
|
(注) 1 |
セグメント間取引については、相殺消去しておりません。 |
|
2 |
生産高の記載は、製造原価によっております。 |
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3 |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼関連事業 |
32,275 |
△0.7 |
2,711 |
37.5 |
|
エンジニアリング事業 |
1,563 |
3.3 |
359 |
11.5 |
|
合計 |
33,838 |
△0.5 |
3,070 |
33.8 |
|
(注) 1 |
セグメント間取引については、相殺消去しております。 |
|
2 |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼関連事業 |
33,862 |
△4.0 |
|
レンタル事業 |
551 |
△2.2 |
|
物流事業 |
398 |
16.3 |
|
エンジニアリング事業 |
1,526 |
3.8 |
|
合計 |
36,338 |
△3.5 |
|
(注) 1 |
セグメント間取引については、相殺消去しております。 |
|
2 |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
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3 |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 |
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社メタルワン |
6,215 |
16.5 |
6,266 |
17.2 |
|
(注) |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
主要な原材料価格の変動については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「資源リサイクル」による鉄づくりを原点として、新たなる社会的価値の創出に挑戦することを存在理念とし、また、トータル・テクノロジーを基盤とし、市場を見つめた経営を実践することを経営理念としております。
当社の電気炉による厚板の製造は、ユーザーニーズに対応したタイムリーな基礎資材の供給とともに、資源の有効活用、省エネルギー等を通して、近時、社会的要請となっている環境の保全、循環型社会の構築にも寄与できるものと考えております。
経営にあたっては、株主・取引先・従業員・地域社会など当社にかかわる全ての人々に受入れられ、期待される会社となるよう、経営基盤の強化と持続的な成長を目指して企業活動を行っております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営は、主原料である鉄スクラップの相場の変動と厚板製品市況の動きに影響されることが大きく、経営目標としてこれら他律的要因による収益の変動リスクを極力最小限に抑え、株主価値の向上に努めていくことが肝要と考えております。そのために、生産性の向上、徹底したコスト削減努力はもとより、キャッシュフロー経営の重視、安定的な設備投資の実施を確保するべく自己資本の充実及び収益力の向上に意を払ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは2015年度から2017年度を最終年度とする「15中期経営計画」を策定し、今後益々競争の激化が予想される鉄鋼業界のなかで厚板専業メーカーとして培ってきた自社の特性を活かし、さらなる発展を遂げるべく、以下の経営戦略に基づき、経営基盤の強化に取り組んでまいります。
①連結事業基盤の強化
②顧客対応力の強化・拡大
③サブコア事業の伸長と新規開拓
④組織活力の向上・人財の育成
(4) 当社グループを取り巻く経営環境
① 鉄鋼関連事業
鉄鋼関連事業における国内厚板需要につきましては、設備投資の拡大や東京五輪関連・都市再開発案件等が期待でき、底堅い推移が見込まれます。しかしながら、鉄スクラップ価格の動きが不透明であることや、韓国及び中国からの厚板製品の輸入が増加していることから、その動向を注視する必要があります。
② レンタル事業
業務用厨房向けグリスフィルターレンタル事業につきましては、取り扱い製品である高性能フィルターを使用する店舗の開拓が期待でき、堅調な推移が見込まれます。
広告看板事業については、各種イベントの継続的な開催、消費税増税による看板の張り替え需要が見込まれることから、安定的に推移すると思われます。
③ 物流事業
運送・荷役事業につきましては、鉄鋼関連事業の影響を受ける事業であり、堅調な推移が見込まれます。
危険品倉庫事業は、企業のコンプライアンス重視による危険物の保管需要や、自動車向け電化製品向けのリチウムイオンバッテリーの保管需要の増加が見込まれております。
④ エンジニアリング事業
エンジニアリング事業につきましては、設備の合理化・更新需要が見込まれ、受注環境は堅調に推移すると思われます。
(5) 当面の対処すべき課題の内容等
今後の経営環境につきましては、景気は緩やかな回復基調を続けているものの、米国経済や中国をはじめとする新興国経済の動向、英国のEU離脱の影響等、先行き不透明な状況が続くと思われます。
当社グループの主力セグメントである鉄鋼関連事業におきましては、中国の過剰生産を背景とした鋼材輸出の増加や新興国の成長鈍化に伴う鋼材需要の停滞、エネルギーコストの上昇、原材料価格の変動など、不確定な要素もあり、その動向は引き続き注視すべき状況となっております。
以上のような経営環境に対して、当社グループは15中期経営計画(2015年度~2017年度)の基本方針である「①連結事業基盤の強化」、「②顧客対応力の強化・拡大」、「③サブコア事業の伸長と新規開拓」、「④組織活力の向上・人財の育成」に基づき、中期経営目標を達成すべくグループ一丸となって取り組みを展開してまいります。当社におきましては、この中期経営計画の下、大手需要家への販路拡大や、マーケットを見据えた柔軟な価格政策の実施等により国内市場における拡販に注力し、厚板市場におけるシェアの維持、拡大に努めてまいります。また、省エネ・省力化投資を引き続き積極的に推進し、コスト競争力の強化を図ってまいります。当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続きますが、引き続きグループ全体の経営資源を効率的に有効活用し、強固な経営基盤の構築と顧客信頼度ナンバーワンを目指して、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
今後とも、国内唯一の厚板専業メーカーとして、市場での存在を確かなものとし、併せて、組織体制、コンプライアンス体制、リスク管理体制をより一層充実させることで、コーポレート・ガバナンス、内部統制の強化にも継続的に取り組み、公正で透明性の高い、社会から信頼を寄せられる経営を進め、業績の向上に努めてまいる所存でございます。
(6) 株式会社の支配に関する基本方針について
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買が認められている以上、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる敵対的買収であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては電炉厚板製造に係わる高い技術力と幅広いノウハウ、豊富な経験、並びに顧客・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に長年にわたって築いてきた緊密な関係等への十分な理解と配慮が不可欠であり、これらに関する十分な理解がなくては、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできないものと考えております。
当社としては、当社株式に対する大規模買付が行われようとした際に、株主の皆様に当該大規模買付に応じるべきか否かをご判断いただくために、買付を行おうとする者からの必要十分な情報の提供と、当社取締役会による評価を行うべき期間が与えられるようにしたうえで、株主の皆様が熟慮に基づいた判断を行うことができるような体制を確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為に対しては、必要かつ相当の対抗措置を講ずることが当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものと考えております。
② 基本方針実現のための取組みの概要
1) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、国内唯一の電炉厚板専業メーカーとして、国内希少備蓄資源のひとつである鉄スクラップを主原料に、長年にわたり培ってきた高度な操業技術で、一般的に高炉品種とされている厚板製造を、電炉操業により可能にすることで、環境負荷の軽減、循環型社会の発展に貢献しています。また、短納期、小ロット、多品種生産を可能とする電炉の特性を活かし、高炉を補完するかたちで市場における需要家ニーズに応え続けており、当社のオリジナル製品である被削性改良鋼板やレーザー切断用鋼板は、市場においてその性能に高い評価を受けております。さらに、営業面においては、受注生産体制に徹することで、受注した製品をタイムリーに生産出荷することができ、需要家との間で堅い信頼関係が構築され、安定受注が維持されています。
また、当社経営と従業員との関係についても、「人を基本とする経営の実践」という経営理念に支えられた極めて良好な関係にあり、企業価値形成の源泉になっております。
2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成27年5月21日開催の取締役会において、買付を行おうとする者が具体的買付行為を行う前に経るべき手続きを示した「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」の継続を決議し、同年6月19日開催の第91回定時株主総会において、株主の皆様のご了承をいただきました。本対応方針は、当社取締役会が代替案を含め買収提案を検討するために必要十分な情報と相当な期間を確保することにより、株主の皆様が買収提案に関し、熟慮に基づいた判断を行えるようにすること、加えて、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を毀損することとなる悪質な株式等の大量買付を阻止することを目的としております。
本対応方針は、平成17年5月27日付の経済産業省・法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の3つの原則に準拠し、かつ、平成20年6月30日付の企業価値研究会の「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されたものであります。
また、議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付を行おうとする者の買収提案が当社の設定する大規模買付ルールに定める要件(必要かつ十分な情報の提供及び評価期間の経過)を満たすときは、取締役会が仮に大規模買付行為に反対であったとしても、反対意見の表明、代替案の提示等を行う可能性は排除しないものの、原則として対抗措置は講じません。大規模買付行為の提案に応じるか否かは株主の皆様が、ご判断いただくこととなります。対抗措置のひとつとしての新株予約権の無償割当ては、1)当該大規模買付行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められる類型に該当する場合、及び2)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合に限られます。
さらに、本対応方針を適正に運用し、取締役会による恣意的判断を防止するため、当社取締役会から独立した機関として社外監査役・社外有識者から構成される独立委員会を設置しており、取締役会は大規模買付者による大規模買付ルールの遵守の有無、対抗措置を発動することの適否等について必ず同委員会に諮問し、その勧告を最大限尊重することとしております。
なお、本対応方針の有効期間は、当社第91回定時株主総会後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。ただし、有効期間の満了前であっても、株主総会又は取締役会により本対応方針を廃止する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止されるものとしております。
また、当社は、本対応方針の変更を行うことがあります。その場合には、その内容について、適時適切な開示を行います。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記 ② 1)に記載した取組みは、当社グループの企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための方策であり、当社の基本方針に沿うものです。
また、上記 ② 2)に記載した対応方針は、大規模買付行為を受け入れるか否かが最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、株主の皆様の共同の利益を守るために大規模買付者に大規模買付ルールを遵守することを求め、一定の場合には、必要に応じて株主の皆様にご承認いただくことのある対抗措置の発動を行おうとするものです。本対応方針は当社取締役会が対抗措置を発動する場合を詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本対応方針の規定に従って行われます。当社取締役会は単独で本対応方針の発効・延長を行うことはできず、その発効及び延長は株主の皆様のご承認を必要とします。また、大規模買付行為に関して当社取締役会が対抗措置をとる場合など、本対応方針に係る重要な判断に際しては、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会に諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。同委員会は当社の費用において必要に応じて外部専門家等の助言を得ることができます。さらに、本対応方針の継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっており、その内容において、公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、有価証券報告書提出日現在において投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1) 製品市況及び競業による影響について
当社グループの主力製品は厚板であります。厚板市場は造船、産業機械、建設機械向け等の需要が旺盛な局面では需給はひっ迫し、数量、価格ともに一定期間は堅調に推移いたしますが、国内高炉各社及び国内電炉大手の生産能力アップ、さらには各国の保護貿易主義による輸出の低迷、設備増強の進んだ中国をはじめアジア近隣諸国からの余剰品の流入等の影響で需給バランスは供給過剰気味となる可能性があります。また、景気低迷に伴う設備投資の抑制、ユーザーの在庫調整等による鉄需要産業全般の生産調整局面においては受注量が激減し、各社の熾烈な価格競争が製品市況の下落に繋がるため、価格の維持が困難な状況に陥ることが懸念されます。その場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料価格の変動による影響について
当社グループの主力製品である厚板の主要原材料は鉄スクラップです。鉄スクラップの購入価格は国内需給の影響のみならず、世界鉄鋼生産の動向による国際的な市況の影響を受けて大きく変動する懸念があります。原材料価格の上昇に連動した当社製品への価格転嫁が適切に行えない場合には、鉄スクラップの価格高騰が収益を圧迫し当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) エネルギー単価の高騰による影響について
当社グループの主力製品である厚板の製造には電力およびLNG等のエネルギーを大量に消費します。極力単価の安い深夜帯を利用しての電力消費を行う等、コスト削減努力を行っておりますものの、為替レート、原油価格の変動、政府のエネルギー政策等によりエネルギー単価が高騰した場合には製造コストが上昇し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 重大な災害、事故等による影響について
当社グループは、主力製品の厚板製造工場を含め、その大半が愛知県名古屋市およびその近郊に立地しております。このため昨今懸念されている「東海地震」「東南海地震」や台風等の大規模自然災害に見舞われた場合、操業が停止する可能性があり、これが長期に亘る場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、設備事故等重大な災害が発生した場合、事業活動の停止・制約等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 環境規制による影響について
当社グループの主力製品である厚板の製造工程においては、大量のエネルギー及び資材を消費し、廃棄物、副産物等が発生します。これらの消費・排出・処理に関する諸規制は近年益々厳しくなる傾向にあり、今後求められる環境水準が高まった場合には、これらに関わる事業上の制約や新たに必要となる対策費用が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 投資有価証券の価値変動による影響について
上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼします。また、年金資産を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
研究開発は、鉄鋼関連事業において生産技術・設備技術並びに新製品開発など現事業分野における市場競争力の
強化を中心に取り組み、更に、鋼材の用途開発による事業分野の拡大にも努めております。
また、その他事業の開発にも取り組んでおります。
なお、研究開発費総額は、1億2千7百万円であります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、本報告書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
流動資産は、346億4千8百万円で、前連結会計年度末より、25億9千8百万円の増加となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金、原材料及び貯蔵品が増加したことによるものです。
固定資産は、294億2千8百万円で、前連結会計年度末より、2億6千5百万円の減少となりました。その主な要因は、建物及び構築物、投資有価証券が増加したものの、有形固定資産において、減価償却が進んだことによるものです。
(流動負債)
流動負債は、64億3千2百万円で、前連結会計年度末より、6億3千2百万円の増加となりました。その主な要
因は、未払法人税等、未払消費税等の減少があったものの、支払手形及び買掛金、未払金が増加したことによるも
のです。
(固定負債)
固定負債は、11億2千2百万円で、前連結会計年度末より、6千9百万円の減少となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が減少したことによるものです。
純資産は、565億2千1百万円で、前連結会計年度末より、17億6千9百万円の増加となりました。その主な要因は、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(3) 経営成績の分析
(経常損益の部)
当社グループの主力セグメントである鉄鋼関連事業において、開発案件の取り込み、建設機械の排ガス規制強化に伴う駆け込み需要の増加、鋼材市況の先高観からの在庫積上げの動きなどから、主要製品である厚板の販売数量が前連結会計年度に比べ増加しましたが、販売価格が市場の変動により下落した結果、売上高は、前連結会計年度に比べ、13億2千3百万円減収の363億3千8百万円となりました。また、主原料である鉄スクラップ価格は、国際相場高騰の影響を受け昨年11月以降急騰し、収益圧迫要因となりました。その結果、営業利益は、前連結会計年度と比べ、11億7千7百万円減益の30億8千9百万円となりました。
営業外収益1億8千万円、営業外費用2億2千7百万円を計上し、経常利益は、前連結会計年度と比べ、12億8千7百万円減益の30億4千2百万円となりました。
(特別損益の部)
投資有価証券評価損1百万円を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は、30億4千2百万円となり、法人税等の計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は20億3千8百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローにつきましては、本報告書「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。