文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「資源リサイクル」による鉄づくりを原点として、新たなる社会的価値の創出に挑戦することを存在理念とし、また、トータル・テクノロジーを基盤とし、市場を見つめた経営を実践することを経営理念としております。
当社の電気炉による厚板の製造は、ユーザーニーズに対応したタイムリーな基礎資材の供給とともに、資源の有効活用、省エネルギー等を通して、近時、社会的要請となっている環境の保全、循環型社会の構築にも寄与できるものと考えております。
経営にあたっては、株主・取引先・従業員・地域社会など当社にかかわる全ての人々に受入れられ、期待される会社となるよう、経営基盤の強化と持続的な成長を目指して企業活動を行っております。
(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループの主要セグメントである鉄鋼関連事業においては、国内外需要が2020年前半の新型コロナウイルス感染症の影響による落ち込みからは回復しつつあるものの、ロシア連邦のウクライナ侵攻の影響や米国経済の金融引き締めによる失速の可能性もあり、一段の下押しもあり得る厳しい情勢と認識しております。また、原材料であるスクラップ価格が記録的な高値水準となっていることに加え、ロシア連邦のウクライナ侵攻の影響や円安による電力・資材価格の高騰は、当社の経営成績を圧迫する恐れがあります。また、厚板市場のメイン・サプライヤーである高炉メーカーにおいて国内生産設備を集約する動きがある一方、国内人口の減少による需要の減少が懸念されており、決して予断を許さない環境にあるということが言えます。
また、足許では「カーボンニュートラル」等環境面への配慮も一段と必要になっております。このような環境下において、当社グループは2021年度から3年間にわたる「21中期経営計画」に基づき、大都市で操業を続ける製鉄所として時代の要請である「循環型社会」「脱炭素社会」への貢献を果たし、ESG/SDGs課題へも真摯に向き合いつつ100年企業へさらなる成長を遂げる所存です。
① 循環型社会への貢献(スクラップリサイクル)
環境に調和した電気炉の建設を検討するとともに、鉄資源の効率的なリサイクルの推進、省エネルギー設備投資や省資源操業を通じて、循環型社会へ貢献してまいります。
② 成長戦略の推進
成長の3本柱に、製造力、営業力、商品力を据え、設備投資の実行、ITやDXの積極活用により、お客様のご支持を得られるよう努めてまいります。
③ 持続可能な基盤整備の推進
現場現物に立脚した人材育成、安全環境防災への一層の資源投入により、持続的な事業発展の基盤を整備してまいります。
④ ESG/SDGs課題に対する取組の強化
品質管理や環境管理など、コンプライアンスの徹底により、お客様をはじめ、社会からの信頼を確固たるものにしてまいります。またワークとライフの調和を図り、働き甲斐のある職場づくりを進めてまいります。
⑤ ㈱中山製鋼所との業務提携の推進
生産設備の相互有効活用による鋳片及び厚板での受委託枠の拡大、保全・調達・物流での相互協力の推進、グループ会社も含めた両社ネットワーク活用などにより、相互にメリットを享受しながら、循環型社会に貢献してまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 電気炉設備の更新
当社の中核設備である国内最大級の200トン電気炉は、操業開始後60年を経過しており、2023年度の更新を目指し対応を進めてまいります。
② 鉄鋼事業のコスト競争力強化
今後予想される厳しい経営環境を見据えると、さらなる省人化、諸資材原単位やエネルギーコストの低減、固定費の削減など幅広くコスト低減に取り組む必要があります。そのために、適時適切な設備投資の実行、人材育成を含めた安定操業体制の整備等に取り組んでまいります。
③ 新製品や新規事業分野の開拓
これまでも取り組んできた新製品の開発や、新規事業分野の開拓に精力的に取り組んでまいります。また、2021年4月27日に締結した㈱中山製鋼所との包括的業務提携契約に基づき具体的施策を推進していくとともに、他社との提携やM&Aにもシナジー効果や投資効果を見極めつつ前向きに対応してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。
(1) 製品市況及び競業による影響について
当社グループの主力事業である国内厚板市場は、国内高炉各社及び国内電炉大手との厳しい競合に晒されており、設備増強の進んだ中国をはじめアジア近隣諸国からの余剰品の流入、国内景気低迷による国内需要の減退、競合他社の輸出不振による国内向け供給増加などをきっかけに厳しい価格競争となり、製品市況の下落に繋がることが懸念されます。その場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料価格の変動による影響について
当社グループの主力製品である厚板の主要原材料は鉄スクラップです。鉄スクラップの購入価格は国内需給の影響のみならず、世界鉄鋼生産の動向による国際的な市況の影響を受けて大きく変動する懸念があります。原材料価格の上昇に連動した当社製品への価格転嫁が適切に行えない場合には、鉄スクラップの価格高騰が収益を圧迫し当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) エネルギー単価の高騰による影響について
当社グループの主力製品である厚板の製造には電力及びLNG等のエネルギーを大量に消費します。極力単価の安い深夜帯を利用しての電力消費を行う等、コスト削減努力を行っておりますものの、為替レート、原油価格の変動、政府のエネルギー政策等によりエネルギー単価が高騰した場合には製造コストが上昇し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 重大な災害、事故、感染症等による影響について
当社グループは、主力製品の厚板製造工場を含め、その大半が愛知県名古屋市及びその近郊に立地しております。このため当地域が、地震、津波、台風といった大規模な自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の流行、あるいはテロ活動などに見舞われた場合、操業が停止する可能性があり、これが長期にわたる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、設備事故、労働災害等の重大な災害、環境問題、品質問題等が発生した場合、事業活動の停止・制約等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 環境規制による影響について
当社グループの主力製品である厚板の製造工程においては、大量のエネルギー及び資材を消費し、廃棄物、副産物等が発生します。これらの消費・排出・処理に関する諸規制は近年益々厳しくなる傾向にあり、今後求められる環境水準が高まった場合には、これらに関わる事業上の制約や新たに必要となる対策費用が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 投資有価証券の価値変動による影響について
上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼします。また、年金資産を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異(前提と実績の乖離)が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスが変異を繰り返し経済活動が停滞する局面はあったものの、各種制限が徐々に緩和されるなど正常化に向けた動きも見られました。一方で、ロシア連邦によるウクライナ侵攻が経済に影響を与え、為替市場においては円安が進行するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
鉄鋼需要につきましては、中国の成長鈍化やウクライナ情勢等の懸念材料はあるものの、国内では粗鋼生産が前期を上回る水準で推移するなど、全体として回復基調で推移しました。
このような環境のもと、当社グループは当連結会計年度を開始年度とする3ヶ年の21中期経営計画で掲げた目標を達成すべく、グループ各社が着実に施策を実行するとともに、主要製品である厚板の販売価格の適正水準確保のための営業活動に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高につきましては643億9千9百万円となり、前連結会計年度に比べ240億7千1百万円、59.7%の増収となりました。経常利益につきましては、55億2千5百万円となり、前連結会計年度に比べ29億9千2百万円、118.1%の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は37億8千5百万円と前連結会計年度に比べ21億9千2百万円、137.6%の増益となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更等)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご覧ください。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(鉄鋼関連事業)
鉄鋼関連事業につきましては、主原料である鉄スクラップ価格が前期を大きく上回る水準で推移し、エネルギー・諸資材価格も軒並み上昇するなどコスト面では大変厳しい環境となりました。一方で、主需要先である産業機械・建設機械向け需要及び建築向け需要の回復を背景に、主要製品である厚板の販売数量が前期比で増加し、販売価格の値上げも浸透したことにより、収益環境は下期にかけて大きく改善しました。
その結果、売上高は617億6百万円と前連結会計年度に比べ241億9千3百万円の増収、セグメント利益(営業利益)は51億3千8百万円と前連結会計年度に比べ28億9千1百万円の増益となりました。
(レンタル事業)
レンタル事業につきましては、積極的な営業活動によりグリスフィルターのレンタル枚数や厨房工事の受注が増加したことにより、売上高は6億5千8百万円と前連結会計年度に比べ1千9百万円の増収、セグメント利益(営業利益)は5千9百万円と前連結会計年度に比べ4百万円の増益となりました。
(物流事業)
物流事業につきましては、取引先の生産活動の落ち込みにより危険物倉庫の取扱量が減少したことから、売上高は6億4千1百万円と前連結会計年度に比べ3千3百万円の減収となったものの、コスト低減によりセグメント利益(営業利益)は2億5千8百万円と前連結会計年度に比べ1千2百万円の増益となりました。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、大型工事案件の減少により、売上高は13億9千2百万円と前連結会計年度に比べ1億6百万円の減収となったものの、利益率の改善によりセグメント利益(営業利益)は3千1百万円(前連結会計年度のセグメント損失(営業損失)は5千1百万円)となりました。
なお、エンジニアリング事業に構成されていたMEITOKU ENGINEERING VIETNAM CO.,LTD.は、全出資持分を譲渡したため連結の範囲から除外しております。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
主要な原材料価格の変動については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しております。
(3) 財政状態
(資産の部)
流動資産は525億9千万円で、前連結会計年度末より93億8千6百万円の増加となりました。その主な要因は、有価証券が減少したものの、受取手形及び売掛金、商品及び製品、電子記録債権が増加したことによるものです。
固定資産は251億5千6百万円で、前連結会計年度末より11億5百万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産において減価償却が進んだことによるものです。
(負債の部)
流動負債は106億1千8百万円で、前連結会計年度末より49億7千8百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金、未払法人税等及び未払消費税等が増加したことによるものです。
固定負債は10億6千9百万円で、前連結会計年度末より1千2百万円の増加となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が増加したことによるものです。
(純資産の部)
純資産は660億5千8百万円で、前連結会計年度末より32億8千9百万円の増加となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は133億1千1百万円となり、前連結会計年度末より15億4千7百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による支出は11億8千8百万円(前期は3億5千8百万円の収入)となりました。
主として、税金等調整前当期純利益55億6千6百万円、仕入債務の増加26億6千7百万円、減価償却費の計上24億2千7百万円などの収入があったものの、売上債権の増加99億2千3百万円、棚卸資産の増加20億5千8百万円などの支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による収入は33億5千万円(前期は15億9千3百万円の支出)となりました。
主として、有価証券の取得131億円、定期預金の預入60億円、投資有価証券の取得16億8千2百万円などの支出があったものの、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還159億円、定期預金の払戻90億円などの収入があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は6億9百万円(前期は7億7千5百万円の支出)となりました。
主として、配当金の支払6億7百万円などの支出があったことによるものです。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、原材料等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。現在、これらの資金需要につきましては自己資金により充当しており、当社グループの財務の健全性は十分に確保されていると認識しております。また、手許の運転資金につきましては、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表及び財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
研究開発活動は、鉄鋼関連事業において需要家ニーズに即した新商品開発に取り組んでおります。また生産技術・設備技術並びに操業プロセスにおける自動化技術など現事業分野における市場競争力の強化に資する問題に取り組んでおります。
なお、研究開発費総額は、