当社グループは、パイプのリーディング・カンパニーとして、すぐれた製品を供給し顧客の信頼に応えることにより、社会に貢献することを使命としております。当社グループの経営の方向性として、株主重視の経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでおります。そして、鋼管業界において、グローバルで質・量ともに世界でもトップと言える企業集団への成長発展を目指します。
当社は引き続き、国内の高い収益力を維持しつつ、海外を中心に将来の成長のために必要な投資を積極的に行い、この厳しい環境を克服し成長していくため、平成30年3月9日に公表しました第5次中期経営計画の初年度として主要施策の実行をすすめてまいります。
第5次中期経営計画の内容は、以下のとおりとなっております。
第5次中期経営計画期間:平成30年4月1日(平成31年3月期) ~ 平成33年3月31日(平成33年3月期)
1.連結経営目標:第4次中期経営計画の実績と第5次中期経営計画の目標
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(億円) |
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第4次中期経営計画 |
第4次中期経営計画 |
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第5次中期経営計画 |
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平成27年度 |
平成28年度 |
平成29年度 |
平成29年度 |
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平成32年度 |
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
平成30年3月期 |
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平成33年3月期 |
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実績・目標 |
実績 |
実績 |
実績 |
目標 |
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目標 |
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売上高 |
1,450 |
1,373 |
1,563 |
1,850 |
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1,750 |
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営業利益 |
170 |
245 |
208 |
225 |
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240 |
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営業利益率 |
11.7% |
17.8% |
13.3% |
12.0% |
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13.7% |
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ROE |
4.7% |
7.4% |
6.2% |
6.5%以上 |
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6.5% |
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株主還元率 |
255.2% |
49.6% |
48.2% |
70.0%以上 |
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50.0% |
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80.5%(3年平均) |
(3年平均) |
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社会への利益還元 |
2,100万円 |
2,200万円 |
2,400万円 |
2,100万円 |
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3,000万円 |
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2,237万円(3年平均) |
(3年平均) |
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2.第5次中期経営計画の課題と主要施策
1) 国内での取り組み
①高収益体質の維持、営業力の更なる強化
②人手不足時代への対応と生産性の向上
◎IoTやAIを活用した生産、事務の効率化
◎設備更新、採用方針や働き方の見直し
◎女性人材、外国人の活用
2) 海外での取り組み
①米国3社:新設/更新設備の活用、販売力の一層の強化による業容拡大
②SUNSCO(HCM)社:パイプを中心とした国内営業力の強化と設備稼働率/歩留りの改善による一層のコスト削減と黒字体質の定着
③自動車/二輪車関連:各国での生産拡大に対応した設備投資の実施と営業力の強化
④優秀な現地人材の確保と一層のレベルアップ。本社派遣者から現地人材への交代促進
⑤海外収益の配当/Royalty等での国内への利益還元強化
3) 国内外共通の取り組み
①労働時間及び人件費当たりの労働生産性の向上
②より一層の環境への配慮、エネルギー効率の向上、安全への対応強化
③国内外でのM&Aを含めた事業投資の積極的な検討
4) 株主重視政策及び社会貢献方針の堅持
①配当方針:「単体経常利益×(1-法人実効税率)×50%」の堅持
②配当実施後の単体純利益の0.5%程度の社会貢献支出の継続
③国内外での社会貢献の強化
◎国内:文化芸術、スポーツ、医療、教育、自然環境保護分野への貢献
◎新興国:貧困撲滅、健康医療、教育振興への貢献強化
(ベトナム:「アジア失明予防の会」への支援、インド:貧困地区の高校生への奨学金支給、ビジネス拡大による雇用の創出)
今後の見通しにつきましては、政府の経済対策の推進等により、企業の収益環境、雇用、所得環境の改善が持続することで、引き続き景気は緩やかに回復していくものと思われますが、米国新大統領の経済政策の影響や英国のEU離脱問題、中東や東アジアの不安定な国際情勢などの影響により、海外景気の下振れと円高に振れる事により国内景気が足踏み状態となるリスクがあります。
(日本)
国内事業につきましては、建築向け製品の需要については、プラスに転じる気配があることに加え、市況の先高感から問屋筋による在庫の積み増しの動きが出てくるものと思われます。一方、急激に値上りした材料コイル価格により、製品価格とのスプレッドの悪化が懸念されますが、需要の取り込みに注力すると同時に、コイル価格の値上げを製品価格へ転嫁することにより収益確保の努力を継続してまいります。
(北米)
北米事業につきましては、新大統領の経済政策を好感して鋼材価格は高止まりとなっており、需要の取り込みおよびコイル価格上昇幅の製品価格転嫁に注力してまいります。米国MAC社においては、新倉庫の建設を進めており製品の品質管理の向上に努めてまいります。また、米国MOST社においては、新工場を建設し2インチミルを新設することで、品揃えを拡大しカナダ及び米国北西部の販売強化をいたします。
(アジア)
アジア事業につきましては、ベトナムSUNSCO社では、高品質な製品を供給することで、ベトナム国内および近隣国への販売体制の強化を図ってまいります。また、インドKUMA社では、インドの北部と南部にある2工場で、好調なインド国内4輪&2輪自動車の生産の増加によるステンレス鋼管需要増に対応すると同時に、新設した4インチ薄肉造管機によるトラック・バス用の径の大きな環境対応仕様の特殊排気管の今後の需要増加の取り込みに注力いたします。
当社は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に対する方針(以下、「本方針」といいます。)を決定しており、本方針について平成28年6月24日開催の定時株主総会で有効期限を3年(承認を得た定時株主総会終結の時から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで)とすることを株主の皆様にご承認を得ております。
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。そのためには、大規模買付行為にあたり十分な情報が株主の皆様に提供されることが重要と考えます。従いまして、当社取締役会としましては、株主の皆様の判断のために、大規模買付行為に関する情報が大規模買付者から提供された後、これを評価・検討し取締役会としての意見を取りまとめて開示いたします。
当社の経営には、鉄鋼産業の一翼を担う鋼管の製造加工および販売などを行う企業としての豊富な経験、国内外の取引先および顧客等との間に築かれた長期的取引関係、全国に立地する各工場と地域社会との関係等への理解が不可欠です。これらに関する十分な理解なくしては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできません。そのため、当社株式の適正な価値を投資家の皆様にご理解いただくよう、IR活動を通じて事業内容の適時開示に努めておりますが、突然大規模買付行為がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかを株主の皆様が短期間の間に適切に判断されるためには、大規模買付者および当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式をそのまま継続的に保有することを考えられる株主の皆様にとっても、大規模買付行為が当社に与える影響、当社の従業員、関連会社、取引先および顧客等のステークホルダーとの関係など大規模買付後の経営方針や事業計画等は、重要な判断材料であります。同様に、当社取締役会が当該大規模買付行為についてどのような意見を有しているのかも、当社株主にとっては重要な判断材料になると考えます。
また、当社取締役会は、大規模買付者との間にも中長期的な企業価値向上を目的として建設的な対話は可能であり、そのための機会と十分な時間の確保は当社および大規模買付者双方にとっても有意義なものと考えております。
これらを考慮し、当社取締役会は、大規模買付行為に際しては、従前より、一定のルールを設け、株主の皆様への十分な情報の提供と検討の期間を確保し、取締役会が大規模買付者との間で必要な交渉を行うとともに、当社の業務執行を行う者から独立した委員により構成される独立委員会への諮問を通じて、対抗措置の発動の是非についての取締役会の判断の公正性および透明性を担保する仕組みを構築してまいりましたが、今般、株主意思のさらなる尊重のため、必要に応じて株主の皆様の意思を直接に確認する仕組みを追加することといたしました。これらの仕組みは、株主の皆様が大規模買付者の相当性、妥当性を判断する上でも有用と考えております。
以上の見解に基づき、当社取締役会は、当社が社会のインフラを供給する企業として継続的、持続的に成長戦略を実施するために本ルールを一部変更の上、継続することは、決して当社の取締役の保身を目的としないのみならず、当社グループの企業価値、株主共同の利益の維持、向上に資するものと思料いたします。
なお、本方針の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.maruichikokan.co.jp)に掲載した平成28年5月11日付プレスリリースをご参照ください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、これらの事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループが取扱っている各種鋼管は、熱延コイルを主要原材料としておりますが、熱延コイルの市況は世界の鉄鋼原料及び鉄鋼製品の需給動向等によって変動いたします。当社グループでは、国内外の高炉メーカーを原材料の仕入先として安定した価格での購入と適正な販売価格体系構築に努めておりますが、原材料の価格が上昇し、販売価格への転嫁が十分に図れない場合等には、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
当社グループで製造・販売している各種鋼管及びメッキ鋼板製品は、店舗・工場・倉庫などの中低層建造物の建築資材、自動車等輸送機器向け、ビニールハウス向け農芸用資材、公共施設・各種工場やプラントにおける電線管、配管用の資材及び道路標識や街灯の支柱などが主たる用途です。したがって、中低層の建築投資、輸送用機器の生産量、企業の設備投資及び公共投資、及び当社製品ユーザーの生産動向等によって、連結経営成績は影響を受ける可能性があります。
当社グループの有価証券及び投資有価証券は、総資産の約2~3割を占めており、主な内容は、当社の関係会社株式、主要な取引先の株式及び債券となっております。当社グループでは、時価のある有価証券については、期末日時点での時価が帳簿価額に対して30%以上下落した場合、減損処理を実施しております。
このため、株式市場の低迷等、当社グループが保有する有価証券並びに投資有価証券の時価が大きく変動した場合、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
当社グループでは、各種の規格、品質管理基準に従って製品を生産し、需要家のニーズに応えるべく品質の維持向上に万全を期しておりますが、全ての製品に欠陥が無いとは限らず、製造物賠償責任等に伴う費用が発生する可能性があります。
当社グループでは、国内外において需要地生産体制をとり、生産拠点を需要地に設けることでリスクを分散しており、また、工場等の安全対策を徹底して実施しておりますが、地震災害や事故等により当社グループの工場設備に災害が発生した場合、業績に影響を受ける可能性があります。
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。会計基準の選択に関しては、当面は日本基準で連結財務諸表を作成する方針です。当連結会計年度においては、会計基準等の改正も含めた会計方針の変更はありません。また、会計上の見積りの変更もありません。
総資産は、前連結会計年度末に比べ99億6千5百万円増加し3,164億1千8百万円となりました。
流動資産は、64億8千7百万円増加し1,595億8千万円となりました。主な増減要因は、譲渡性預金の設定などから有価証券が274億8千1百万円増加する一方、現金及び預金が300億9千5百万円減少しました。売上増などから、受取手形及び売掛金が35億2千5百万円、製品が17億9千6百万円、原材料及び貯蔵品が30億5百万円増加しました。
譲渡性預金の設定は、余資の効率的運用を図るべく行ったものであります。たな卸資産(製品、原材料及び貯蔵品)の対前年度増加率が売上の伸長率を上回っており、この増加が課題となりました。
固定資産は、34億7千8百万円増加し1,568億3千7百万円となりました。不動産売却や減価償却などから有形固定資産が23億9千5百万円減少し、追加購入や株価回復などから投資有価証券が53億1千3百万円増加したことによります。
設備投資として、国内では、詫間工場めっきラインの更新工事、堺工場1号機製管機更新工事が完了すると共に、東京工場の寸法切工場を増設いたしました。また、販売拠点強化に向け丸一鋼販株式会社の北陸営業所を新築し移転いたしました。海外では、ベトナムのSUNSCO(HNI)社の第1工場建屋延長工事を進めるとともに、米国MAC社での新倉庫棟の建設に着手いたしました。これら56億3千4百万円の設備投資を行いましたが、事業全体では減価償却費64億6百万円の範囲内に止まりました。また、社宅の集約による効率化から生じた遊休不動産の売却も行った結果、有形固定資産が減少しました。なお、投資有価証券の追加購入は、余資の効率的運用を図るべく行ったものであります。
負債は、1億1千6百万円減少し471億1千3百万円となりました。仕入増などから支払手形及び買掛金が14億5千2百万円増加した一方、海外子会社での返済が進み短期借入金が5億2千6百万円・長期借入金が22億9千7百万円減少しました。流動負債の対前年度比増加は、流動資産の増加とほぼ同水準であり、流動比率は前年度ほぼ横這いの460.4%となっております。
純資産につきましては、100億8千1百万円増加し2,693億5百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を157億7千7百万円確保し、配当金の支払が69億9千4百万円あったことと、その他有価証券評価差額金が16億2千3百万円増加したことなどによります。株主に対する配当の重要性は認識しており、利益配当の基本方針に沿った配当を実施する一方、将来の戦略的事業及び設備投資に備えた内部留保も重要と考えております。結果、自己資本比率は81.7%(前年度実績81.2%)となっております。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて65億2千4百万円増加し、1,040億2千6百万円となりました。売上増などから、売掛金及び受取手形やたな卸資産(製品、原材料及び貯蔵品)が増加しました。また、工場の更新工事や販売拠点の新築など、減価償却費を上回る設備投資を行った結果、固定資産も増加しました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて12億1千7百万円増加し、217億9千6百万円となりました。売上増などから、売掛金やたな卸資産(製品、原材料及び貯蔵品)が増加しましたが、設備投資が減価償却費の範囲内に止まったことから、固定資産は減少しました。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて13億1千1百万円減少し、222億8千4百万円となりました。売上増などから、たな卸資産(製品、原材料及び貯蔵品)が増加しましたが、減価償却により固定資産は減少しました。
当連結会計年度の売上高は、販売数量増と販売価格の上昇により1,562億6千6百万円(前年度比13.8%増)と増収になりました。なお、この売上高は平成21年3月期の1,542億7千9百万円を上回る過去最高金額となっております。一方、国内外において材料価格の値上がりを販売価格へ転嫁することに鋭意取り組んでまいりましたが、これが未達の状態でスプレッドが悪化しました。コストダウンや生産効率の向上に努めましたが、営業利益は208億2千6百万円(同15.0%減)と減益になりました。営業外損益で受取配当金が前年度比4億6千6百万円増加、為替差損が前年度比6千6百万円減少するなど、前年度比4億6千9百万円改善しましたが、経常利益は229億8千6百万円(同12.2%減)と減益になりました。
特別損益では、前年度比で固定資産売却益が8千7百万円、投資有価証券売却益が7千6百万円増加し、投資有価証券売却損が1億1千7百万円減少するなど、前年度比3億3千4百万円改善しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は157億7千7百万円(同10.9%減)と減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、パイプの販売価格と材料コイルとのスプレッドの変動が最も大きなものです。当連結会計年度は、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁が追いつかず、このスプレッドの確保が難しくなったことから、減益となりました。
国内事業につきましては、材料コイルの大幅な値上がりと供給がタイトな状況により、当社では製品の販売数量よりも価格への転嫁を優先して取り組んできました。当連結会計年度では、売上高は、建材を中心に販売数量の微増と販売価格の上昇により988億4千3百万円(前年度比11.4%増)と増収となりました。一方、年度を通しての製品価格へのコイル仕入価格上昇分の転嫁が追いつかず、亜鉛などの副資材のコストアップもあり、コストダウンや設備改造による生産効率の向上に取り組んだものの、セグメント利益は176億円(前年度比9.7%減)と減益になりました。
北米事業につきましては、販売数量は前年同期比微増ながら販売価格の上昇により、売上高は267億3千6百万円(前年度比19.4%増)と増収になりました。収益面は、材料価格の上昇に併せてスプレッドの確保に注力したものの追いつかず、セグメント利益は19億2百万円(前年度比2.2%減)と若干の減益になりました。
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)はベトナム国内市場の競争激化と輸出市場の輸入制限拡大による数量減、更にはコイル価格上昇を販売価格に転嫁しきれず、大幅な減益となりました。一方、インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)ではインド国内4輪&2輪自動車の生産増やトラック・バス用の径の大きな特殊排気管の需要取り込みが奏功し、販売数量の増加に加えスプレッドの改善も図れ、大幅な増益を確保できました。その結果、売上高は306億8千6百万円(前年度比17.3%増)と増収になったものの、セグメント利益は10億8千1百万円(前年度比62.7%減)と大幅な減益になりました。
目標とする経営指標及びその達成状況につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 の(1)経営方針について」の第4次中期経営計画の最終年度の実績をご参照ください。
② 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
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日本 |
93,735 |
+14.2 |
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北米 |
27,860 |
+22.1 |
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アジア |
31,817 |
+21.7 |
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合計 |
153,413 |
+17.1 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額は消費税等を含んでおりません。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
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日本 |
98,843 |
+11.4 |
|
北米 |
26,736 |
+19.4 |
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アジア |
30,686 |
+17.3 |
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合計 |
156,266 |
+13.8 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は当該割合が10%に満たないため記載を省略しております。
3.上記金額は消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度末における現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末より59億6千5百万円減少し、532億3千1百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は以下のとおりであります。
営業活動によって増加した資金は148億3千2百万円(前連結会計年度比69億5千2百万円の収入減)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益232億5千1百万円と非資金支出である減価償却費64億6百万円であります。主な支出は、売上債権の増減額37億2千万円、たな卸資産の増減額51億5千8百万円、法人税等の支払額70億7千7百万円であります。たな卸資産の増減額の支出増によって、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が前年度比で減少したことが課題と認識しております。
投資活動によって減少した資金は110億9千5百万円(前連結会計年度比67億5千2百万円の支出増)となりました。主な収入は、定期預金の純増減額241億2千9百万円であります。主な支出は、有価証券の純増減額235億8千9百万円、投資有価証券の取得による支出81億3千8百万円、固定資産の取得による支出50億3千9百万円であります。余資の効率的運用を図るべく、有価証券及び投資有価証券の取得を行ったことから、前年度比で支出が増加しました。
財務活動によって減少した資金は95億8千3百万円(前連結会計年度比12億7百万円の支出減)となりました。主な支出は、長期借入金の返済による支出22億8千6百万円、配当金の支払額69億9千4百万円などであります。前年度に引き続き、借入金の返済が進んでおります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を中心に、一部は借入金により充当しております。当連結会計年度末の現金同等物の残高は、前連結会計年度末より59億6千5百万円減少したものの、532億3千1百万円となりました。当連結会計年度末の短期借入金は63億3千9百万円であり、この返済に必要な流動性は十分に満たしていると認識しております。また、流動比率は、前連結会計年度末の461.7%に対して、当連結会計年度末は460.4%と若干下がったものの、依然として高水準となっております。従って、当社グループの財務の健全性は引き続き確保されており、平成30年4月より始まった第5次中期経営計画に沿った投融資を含む当社グループの円滑な事業活動を行う上で、現時点では大きな支障は無いと認識しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、市場開発活動を通じて、年々高度化・多様化する需要家のニーズ、動向を先取り把握することで新製品の開発を行うほか、世界的に高まっている環境負荷低減の要求への対応、生産技術の革新やコストの低減などについて、製造現場との意思の疎通を図りながらたえず幅広く行っております。
当連結会計年度の主要な技術開発は次のとおりです。
当社は自動車、建築、エネルギー分野を主体として積極的に海外事業を展開しており、自動車、自動二輪車用鋼管の旺盛な需要が期待される地域においては、日本で培い開発した技術を各地で発展させております。
日本国内では、農芸用・仮設用・輸送機用などに使用されるめっき鋼管の一時防錆表面処理について、膜厚のムラを抑えて均一な皮膜にすることにより、より防錆力を高めるための技術開発を進めています。
農芸用鋼管に関しては、近年激しさを増してきた自然災害(豪雪・暴風)に対応するため、従来タイプの高強度農芸用鋼管より、さらに母材部の強度を高め、かつ加工性も良好なハイテン農芸用鋼管の開発を進めており、実用化段階に至っております。
また、鋼構造物に使用される角形鋼管、軽量形鋼などでは、一時防錆塗料として「公共建築工事標準仕様書」に規定された「鉛・クロムフリーさび止めペイント JIS K 5674」対応塗料(グレー色)が急速に拡大しており、当社としても一部の工場で適用完了しました。さらに他の工場でも適用するべく、開発を加速しております。
北米においては、MAC社で新製品倉庫を建設し、販売力を強化するとともに、設備更新等により品質向上を進めます。
アジアにおいては、ベトナムSUNSCO(HNI)社で第1工場建屋延長工事を行うとともに、品質マネジメントシステム ISO 9001-2015を取得し、今後増加が見込まれる二輪・自動車の増産に対応できる体制を整備しました。ベトナムSUNSCO社では、豪州向け角型めっき鋼管でクロムフリーの表面処理を実用化し、環境負荷低減に向けた取り組みとしております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は1億4千6百万円であります。