当社は2021年4月7日に第6次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)を公表いたしました。
今中期経営計画は70周年を迎えた当社が、100周年を健全に迎えることができるサステナブル企業グループを目指すとの方針のもと、その基盤固めの3ヶ年と位置づけております。 経営計画を確実に推進することにより、経営基盤を確固としたものにし、また環境への配慮を更に進めゼロカーボンに向けた体制も早期に確立し、長期安定的な成長によるサステナブル企業グループを目指します。
第6次中期経営計画の内容は、以下の通りとなっております。
①長期的成長のための収益基盤:売上高:2,000億円、営業利益:260億円、営業利益率:13%
②計画策定の前提となる経営環境の想定
・国内:鉄鋼需要は長期的な減少傾向にあるが、この3年間はコロナの影響が前半で収束し最終年度は2018年度のレベルまで回復
・海外:各国とも後半にはコロナの影響から脱し、アジアを中心に成長路線に戻る
・鉄鋼市況:前半は乱高下を予想するが、徐々に落ち着くと想定
・国内外の自動車関連:各国のEV化の動向を注視し、必要な対応を開始
・競争力のある原材料の安定的な調達に努力
③デジタル化の一層の推進による製造/営業での生産性向上
④ESGを意識した経営により、企業の長期的安定的成長を目指す
①売上高:国内外での販売数量の回復を見込
②営業利益/営業利益率:単体は営業利益率15%、主要連結各社は営業利益率最終10%
(Leavittのみ5%以上)を目標
③ROE:連結ROE6.5%を目標とする
④株主還元率:引き続き配当方針を堅持し高い還元率を実現
⑤環境方針:CO2排出量を2013年度比、国内グループ2030年△46%(2023年度比△30%)削減
1)国内での取り組み
①生産販売の回復と高収益体質の維持
②丸一ステンレス鋼管の営業利益率10%目標:半導体/自動車向けBA管の生産能力増強、
自動化投資による生産効率の向上
③グループ企業間のシナジー効果の発揮:丸一ステンレス鋼管、東洋特殊鋼業、アルファメタル、丸一鋼販間
④堺工場のSR仕上工程、九州工場のGHライン、東京/名古屋工場の設備改修など168億円の投資
⑤生産及び営業でのデジタル化の一層の推進による生産性の向上
・IoT:生産ラインの稼働データの自動収集と分析システムの全工場への展開
・DXを活用した営業関連のIT化推進(WEB化、電子化、リモートワーク環境の整備等)
・AI/RPAを活用した事務システムの本格運用と利用範囲の拡大
・生産現場における検査と品質管理の全自動化
⑥ESGレポートの作成。ゼロカーボンへの対応の国内関連会社や海外現法への順次展開
⑦女性人材、海外人材の一層の活用
⑧遊休土地、建物の利活用
⑨オープンイノベーションの展開:設備メーカーとの協働による造管新技術の開発
顧客との協働によるソリューションビジネスの新たな取り組み
2)海外での取り組み
①営業利益率目標:米国Leavitt社の5%以外は10%の達成を目標とする
②SUNSCO:国内販売比率を更に高め(50%以上)収益基盤を強固に
第2冷延設備稼働によるコスト削減と品質の向上による収益への貢献
③自動車二輪車関係工場での設備投資の継続と収益の拡大
④インドKUMA社の四輪二輪の排ガス用ステンレス鋼管以外の製品需要の捕捉と投資の検討
⑤丸一ステンレス鋼管の海外進出の検討
⑥現地人材の育成による人材現地化の更なる推進
⑦海外でのESGへの取り組み
⑧国内外でのM&Aを含めた事業投資の積極的な検討の継続
3)株主還元と社会貢献
①株主還元:配当方針の堅持
②社会貢献:各国での社会貢献を継続(配当実施後の純利益の1%程度を目途)
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ロシアのウクライナ軍事侵攻による世界経済への新たなリスク等、引き続き厳しい状況が見込まれます。米国では高騰を続けていた熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)は、昨年9月末のメトリックトン当たりUS$2,159の過去最高値から下がり始め、3月にはUS$1,031まで下落したものの、ウクライナ侵攻の影響から足元US$1,600台まで上昇しております。アジアではいまだコロナ禍に苦しむ国が多く、中国ではゼロコロナ及び共同富裕政策、加えてCO2排出抑制を目的に鉄鋼生産調整を行っており、経済成長が抑制される懸念があります。日本国内では、鉄鋼市況は盛り上がりを欠く展開の中で、ウクライナ情勢を背景に再びコイル調達価格の上昇が見込まれる厳しい状況となっております。
このような情勢のもと、当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第6次中期経営計画の2年目として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別の経営環境及び対処すべき課題等については以下のとおりです。
(日本)
国内単体事業につきましては、材料コイルの供給タイト感に変化は無く、建築分野および自動車生産の需要回復も期待薄で、年間の販売予定数量は前年度比微増見通しとしました。従い、コロナ前の2019年度比では△7.5%の水準と依然コロナ前までの回復は期待薄で見通しました。一方、コイル価格はウクライナ侵攻の影響による世界的な上昇基調から、当社の調達価格の値上がりが見込まれており、前年度に引き続き製品価格への転嫁を最優先の経営課題とし、これによりスプレッドの悪化をミニマイズします。加えて、亜鉛などの副資材原材料調達や燃料コストなどの種々の製造コストの上昇も見込まれており、製品価格への転嫁と工場の生産性向上やコストダウンに努めてまいります。また、連結子会社に関しては、丸一ステンレス鋼管㈱も、採算の悪い輸出用ステンレス管生産を抑えて付加価値の高い半導体製造装置向けBA管の増産強化を行い、原材料価格上昇の製品価格への転嫁、加えて収益力改善の各種社内活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、丸一鋼販㈱で浜松加工センターにドイツ製最新鋭の自動車用パイプ切断加工機の導入を予定、丸一ステンレス鋼管㈱ではBA管製造設備の増強投資を2023年中旬の完成を目指し順次進めております。加えてCO2削減に、グループ一体で取り組んでまいります。
(北米)
北米事業につきましては、コロナ禍からの経済活動の早期再開に加え、追加経済対策のインフラ整備への期待もありますが、足元人手不足および物流コストや燃料価格の上昇等、インフレリスクが顕在化しドル金利上昇が見込まれています。鉄鋼需要の回復は堅調に推移しておりますが、過去最高水準まで急激に上昇したコイル価格は、10月以降下落したものの、ウクライナ侵攻の影響から再び上昇しております。米国内での需要地生産体制を充実させるために、昨年11月に買収した米国MNT社を当社グループレベルの品質・サービスの提供を図り、農業中心のネブラスカ州周辺への供給体制を整えます。これにより北米事業は5拠点体制(うち米国4拠点)となり、合計の年間販売予定数量は、前年度比+12.9%増の見通しとしました。また、HRC価格の急騰に連動した製品の値上げを再び進め、スプレッドの確保を進めてまいります。一方、需要拡大の続く半導体製造装置向けBA管を、日本からの供給増に加え、現地生産の可能性を検討いたします。
(アジア)
アジア事業につきましては、変異株の流行とワクチン接種の遅れによる新型コロナウイルス感染拡大から脱し、経済回復へと動き出し、加えてウクライナ情勢によるインフレ懸念から、鉄鋼製品価格は下押し圧力から一転上昇基調となっております。ベトナムSUNSCO社では、ベトナム国内の販売比率拡大に努め、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減し競争力強化によるサステナブルな経営に注力しております。また、加えてCO2削減対策に取り組んでまいります。昨年6月に稼働した第2冷延ミルにより、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上と能力アップを進めてまいります。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、販売数量の確保と共に、引き続き二輪メーカーへの製品納入価格の適正化に取り組んでまいります。
インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要回復が期待されますが、足元では半導体不足から回復遅れリスクがあります。尚、バンガロール工場での1インチミルの増設も昨年12月に稼働し、今後の需要増に対応可能となりました。今後のEV化による需要伸び悩みを考えた新マーケットを検討課題としております。
また、新たに連結子会社化するフィリピンのマルイチ・フィリピン・スチール・チューブ(MPST社)では、二輪車メーカーの現地生産移行後の受注を取り込んで、利益確保が可能な商業生産レベルへと早期に軌道化させます。
これらアジア4社合計の年間販売数量は、前年度比+7.3%増の見通しとしました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、これらの事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループで製造・販売している各種鋼管及びメッキ鋼板製品は、店舗・工場・倉庫などの中低層建造物の建築資材、自動車等輸送機器向け、ビニールハウス向け農芸用資材、公共施設・各種工場やプラントにおける電線管、配管用の資材及び道路標識や街灯の支柱などが主たる用途です。したがって、中低層の建築投資、輸送用機器の生産量、企業の設備投資及び公共投資、及び当社製品ユーザーの生産動向等によって、連結経営成績は影響を受ける可能性があります。
当社グループが取扱っている各種鋼管は、熱延コイルを主要原材料としておりますが、熱延コイルの市況は世界の鉄鋼原料及び鉄鋼製品の需給動向等によって変動いたします。当社グループでは、国内外の高炉メーカーを原材料の仕入先として安定した価格での購入と適正な販売価格体系構築に努めておりますが、原材料の価格が上昇し、販売価格への転嫁が十分に図れない場合等には、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
当社グループでは、各種の規格、品質管理基準に従って製品を生産し、需要家のニーズに応えるべく品質の維持向上に万全を期しておりますが、全ての製品に欠陥が無いとは限らず、製造物賠償責任等に伴う費用が発生する可能性があります。
当社グループが保有している固定資産について収益性が低下し投資の回収が見込めなくなった場合、固定資産の減損損失が発生し連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの有価証券及び投資有価証券は、総資産の約2~3割を占めており、主な内容は、当社の関係会社株式、主要な取引先の株式及び債券となっております。当社グループでは、時価のある有価証券については、期末日時点での時価が取得原価に対して30%以上下落した場合、減損処理を実施しております。
このため、株式市場の低迷等、当社グループが保有する有価証券並びに投資有価証券の時価が大きく変動した場合、連結経営成績に影響が出る可能性があります。
当社グループは鋼管製造において成熟された技術力を有し、高品質・多品種・小ロットといった顧客の需要に応える生産体制を整えており、同業他社に対して優位性を確保しておりますが、鋼管製造において技術革新が起きた場合、当社の優位性が失われ連結経営成績に影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、国内外において需要地生産体制をとり、生産拠点を需要地に設けることで自然災害やパンデミックに対するリスクを分散しております。また、工場等の安全対策として安全教育部による従業員教育を徹底して実施しておりますが、地震や風水害等の大規模災害、パンデミックの発生や事故等により当社グループの工場操業に支障が出た場合、連結経営成績に影響を受ける可能性があります。
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、紛争やテロ、デモ、ストライキ、政情不安、通貨危機等が発生した場合、当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクがあります。
当社グループは太陽光発電設備の導入や環境対応塗料の採用を進め、環境負荷の低減に取り組んでまいりましたが、二酸化炭素の排出量削減などを義務付ける新たな環境規制が導入された場合には、当社グループの事業活動に制約を受けたり、規制に適合する設備更新などに多額の費用が発生し連結経営成績に影響が出る可能性があります。
当社グループはグローバルに事業を展開し、各国における法令並びに条例を遵守しておりますが、貿易摩擦等で関税の引き上げや、輸出入に関する規制が強化されることにより事業活動に支障が生じた場合、連結経営成績に影響を与えるリスクがあります。
当社グループは国内の労働力人口の減少への対応や海外で活躍できる人材の育成と現地人材のレベルアップのため、女性の採用や海外研修に積極的に取り組んでおります。また、再雇用制度による技術継承や設備更新による省力化を進めております。これらの施策が計画通りに進まず優秀な人材を確保できなかったり、技術継承が行えなかった場合、当社グループの継続的発展に影響を与えるリスクがあります。
当社は情報セキュリティポリシーを策定し情報管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により顧客・取引先等の機密情報、従業員の個人情報や営業秘密が漏えいした場合、当社グループの社会的評価や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
総資産は、前年度比398億2千6百万円増加し3,700億7千8百万円となりました。
流動資産は、233億6百万円増加し1,925億6千2百万円となりました。主な増減要因は、売上の伸長から受取手形及び売掛金が127億7千5百万円増加、原材料価格の高騰等により原材料及び貯蔵品が121億4千9百万円、製品が101億2千3百万円増加した一方で、現金及び預金が運転資金負担の増加に加え、自己株式の取得や新規連結子会社の持分取得等により108億2千7百万円減少したことによります。
固定資産は、165億1千9百万円増加し1,775億1千5百万円となりました。主な増減要因は、投資有価証券が時価評価の影響等により145億5千7百万円増加したことによります。
負債は、92億1千万円増加し624億8千5百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が114億2千8百万円増加したことによります。
純資産につきましては、306億1千5百万円増加し3,075億9千3百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を277億6千万円確保、その他有価証券評価差額金が投資有価証券の時価評価の影響で79億8百万円増加した一方で、配当金の支払71億7千5百万円、自己株式の取得で53億2千3百万円減少したこと等によります。
なお、資本の財源および資金の流動性については、前連結会計年度と大きな変動は無く、運転資金及び設備資金は自己資金を中心に充当し、国内及び海外子会社の借入金の返済の流動性は満たしておりますが、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢に伴う先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて179億7千1百万円増加し、1,411億9千万円となりました。売上の伸長から受取手形及び売掛金が99億3千4百万円、原材料価格の高騰等により原材料及び貯蔵品が62億1百万円、製品が26億円増加したことによるものです。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて134億8千1百万円増加し、305億9千6百万円となりました。マルイチ・ネブラスカ・チューブLLCを新規連結したことで33億2千2百万円、原材料価格の高騰等により原材料及び貯蔵品が40億4千1百万円、製品が64億5千6百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて51億8千4百万円増加し、227億6千1百万円となりました。原材料価格の高騰等により原材料及び貯蔵品が19億6百万円、製品が10億6千7百万円増加したことによるものです。
販売数量面では、日本・北米・アジアの3セグメントともに前年度を上回り、全体では前年度比+3.2%となりました。売上高は、数量増に加え販売価格の値上げ効果もあり2,242億1千8百万円(前年度比39.1%増)と増収になりました。利益面も、3セグメントともに増益になり、営業利益は362億7千6百万円(同97.9%増)と大幅増益になりました。昨年4月に公表いたしました第6次中期経営計画の目標値である売上高2,000億円、営業利益260億円、営業利益率13%を初年度で達成することが出来ました。
営業外損益は、受取配当金等から営業外収益は増加したものの営業外費用の増加から前年度比7千2百万円悪化しましたが、経常利益は384億5千8百万円(同86.8%増)と増益になりました。特別損益は、投資有価証券売却益が減少し固定資産除却損が増加したことから、前年度比1億3千9百万円悪化しました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は277億6千万円(同100.3%増)と倍増になりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、パイプの販売価格と材料コイルの仕入価格との値差(スプレッド)の変動が最も大きなものです。当連結会計年度は、販売数量の増加に加え、スプレッドが大きく改善したことで、営業利益・経常利益共に増益となりました。
国内事業につきましては、前半での材料コイルの供給状況のタイト感は薄れたものの、コイル消費単価の急激かつ大幅な上昇に継続して対応するため、店売り向けに加え自動車を始め大手ユーザー向けの値上げに取り組んだ結果、それなりの成果がありました。単体の販売数量は、前年度比+2.1%伸長しましたが、前年度がコロナの影響で落ち込んだこともあり、前々年度比では△10.0%とコロナ前の水準には回復出来ておりません。売上高は、製品値上げ効果により1,361億6百万円(前年度比22.1%増)と増収になりました。セグメント利益は、単体での製品値上げによるスプレッドの前年度比での同レベル維持と数量増からの製造コスト負担減に加え、丸一ステンレス鋼管㈱での付加価値の高い半導体製造装置向けBA管高採算品の販売構成比増やステンレス管の製品価格値上げなどの収益性改善効果も寄与し、215億円(同38.3%増)と増益になりました。また、自動車関連向けのパイプ製造販売が主体の九州の連結子会社の㈱アルファメタルでは、自動車関連の販売不振から新規事業の拡大に鋭意取り組んでいるものの営業赤字が継続し、2億4千2百万円の固定資産の減損損失を特別損失に計上しました。
北米事業につきましては、米国の熱間圧延コイル(HRC)価格が、メトリックトン当たり上期(1-6月期)のUS$818の上昇・7-9月期もUS$259の大幅な高騰となり9月末にはUS$2,159のピークとなり、その後一転し12月にはUS$1,684まで下落しました。米国マルイチ・アメリカン・コーポレーション(MAC社)、米国マルイチ・レビット・パイプ・アンド・チューブLLC(Leavitt社)、米国マルイチ・オレゴン・スチール・チューブLLC(MOST社)の販売数量は、10-12月期に市況が反転し落ち込みましたが、11月に新規連結した米国マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC(MNT社)も加えた米国4拠点合計の年間販売数量は、前年度比+3.2%となりました。メキシコのマルイチメックスS.A.de C.V.(Maruichimex社)の販売数量は、前年度がロックダウンした期間もあり前年度比+18.9%となり、北米5拠点合計の販売数量は前年度比+3.9%となりました。
売上高は、HRC価格の急騰に連動した製品の単価上昇により486億9千9百万円(前年度比107.3%増)と数量増を上回る倍増となりました。セグメント利益も、製品販売価格の値上げが材料コイルの消費単価の上昇に先行した結果、販売数量の増加とスプレッドの大幅改善により112億2千8百万円(前年度比112倍)と大幅な増益になりました。
アジア事業につきましては、ベトナムのマルイチ・サン・スチール・ジョイント・ストック・カンパニー(SUNSCO社)ではベトナム国内市場の競争激化やコロナによる工場内隔離での生産継続を余儀なくされた期間はあったものの、ロックダウンによるベトナム国内需要減を輸出でカバーし、販売数量は前年度比+6.2%を確保し収益性も改善しました。マルイチ・サン・スチール・(ハノイ)・カンパニー・リミテッド(SUNSCO(HNI)社)では、ロックダウンの影響から、販売数量は前年度比△6.2%となりました。また、単価改定においてもユーザー対象の販売であり苦戦しました。インドのマルイチ・クマ・スチール・チューブ・プライベート・リミテッド(KUMA社)では、一部ロックダウンしたものの前年度の長期の操業停止と比較して期間も短く、販売数量は前年度比+4.7%と増加しました。
売上高は394億1千2百万円(前年度比50.6%増)と増収になりました。セグメント利益も、増収効果とスプレッド改善により32億4千6百万円(同32.4%増)と増益になりました。
目標とする経営指標及びその達成状況につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 の(1)経営方針について」の第6次中期経営計画をご参照ください。
② 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループは、主として見込み生産をしており、金額的に重要性がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は当該割合が10%に満たないため記載を省略しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末より110億2千8百万円減少し、530億5千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は以下のとおりであります。
営業活動によって増加した資金は150億9千6百万円(前年度比92億5千9百万円の収入減)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益382億4千1百万円、減価償却費59億3千6百万円、仕入債務の増減額107億1千7百万円であります。主な支出は、法人税等の支払額76億2千3百万円、棚卸資産の増減額192億4千5百万円、売上債権の増減額117億1千8百万円であります。
投資活動によって減少した資金は100億1千万円(前年度比68億3千1百万円の支出減)となりました。主な収入は、投資有価証券の売却及び償還による収入38億6千7百万円であります。支出につきましては、米国内での需要地生産体制を充実させるため、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出26億4千3百万円を計上したほか、有形及び無形固定資産の取得による支出68億3千5百万円、投資有価証券の取得による支出60億円等によるものであります。
財務活動によって減少した資金は166億5千6百万円(前年度比26億8千8百万円の支出増)となりました。主な支出は、配当金の支払額71億7千5百万円、資本効率の向上並びに機動的な資本政策の遂行を可能とするため行った、自己株式の取得による支出53億2千3百万円、短期借入金の純増減額32億1千7百万円などであります。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を中心に、一部連結子会社は借入金により充当しております。当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末より110億2千8百万円減少し、530億5千8百万円となりました。一方、当連結会計年度末の借入金残高は、短期借入金28億7千4百万円・長期借入金3億4千5百万円であり、これらの返済に必要な流動性は十分に満たしていると認識しております。従って、当社グループの財務の健全性は引き続き確保されており、第6次中期経営計画に沿った投融資・設備投資を含む当社グループの円滑な事業活動の資金には、大きな支障は無いと考えております。また、新型コロナウィルス感染症の影響やロシアによるウクライナへの軍事侵攻による先行き不透明感からも、当社グループ全体での円滑な事業活動の資金について留意してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況」(重要な会計上の見積り)に注記しております。
該当事項はありません。
当社グループは自動車、建築、エネルギーを主体として積極的に海外事業を展開しており、研究開発は市場開発活動を通じて、年々高度化・多様化する需要家のニーズ、動向を先取り把握することで新製品の開発を行うほか、世界的に高まっている環境負荷低減の要求への対応、生産技術の革新やコストの低減などについて、製造現場との意思の疎通を図りながらたえず幅広く行っております。
また、SDGsへの対応として環境面への対応を強化するべく、新たにグループ全体を包括するカーボンニュートラル・環境推進委員会を発足しました。全社統括として環境最高責任者、環境統括管理責任者、環境統括推進責任者を置き、グループ各社には環境管理責任者、環境推進責任者、環境推進委員を置いて、全社を挙げてカーボンニュートラルに向けた活動の推進及び環境法規制順守の徹底を図る体制としました。
当連結会計年度の主要な技術開発は次のとおりです。
日本国内では、農芸用・仮設用・輸送機用などに使用されるプレめっき鋼管の一時防錆表面処理について、膜厚の均一化を図り、更なる防錆力を高めるための技術開発を継続しております。表面処理の薬剤のラボ評価等は完了し、設備面の検討・手配を進めている段階であり、2022年度中に一部のラインでの実用化を目指して進めております。
耐食性に優れためっき製品であるAL-Z55のフェンスや道路資材等への用途拡大化の一環として、塗装下地に適した表面処理を開発するべく、需要家と共同開発契約を締結し、ラボ評価等を進めております。
鋼構造物に使用される角形鋼管、軽量形鋼などについては、一時防錆塗料として「公共建築工事標準仕様書」に規定された「鉛・クロムフリーさび止めペイント JIS K 5674」対応塗料(グレー色、鉛丹色)の使用について市場ニーズが加速している事を受け、既に丸一鋼管㈱の東京工場、名古屋工場及び四国丸一鋼管㈱、九州丸一鋼管㈱で適用しておりましたが、当連結会計年度では北海道丸一鋼管㈱に設備導入し、適用完了しました。これで当該製品を製造する全てのラインで当該塗料の適用が完了しました。
堺工場においてストレッチレデューサーラインの仕上げエリアの大幅な更新を行い、ラインの高効率化・自動化・省力化を推進します。
また、丸一鋼販の各営業所(浜松、四国、岡山)では、客先要望に応えるために、寸法切り及びコラム切断・開先加工の設備導入を進めております。加えて浜松営業所では、寸法切り加工作業の効率化・自動化の目的で、全自動・高速タイプの寸法切り設備の増設を進めております。
ステンレス鋼シームレス管を扱う丸一ステンレス鋼管(株)では、石油化学分野における長尺信号ケーブル保護管などに用いられるコイル管の製造技術を確立し、国内外案件の受注、出荷を始めました。さらに今後を見据えた水素社会、カーボンニュートラル社会の実現にむけた耐熱鋼、耐食鋼の開発にも取り組みを進めています。
AIやIoTに関連する技術に関しては、国内の主工場で製造現場での操業データの収集・解析を行う事により、安定的・効率的な生産稼働体制の構築を進めております。また生産ラインの異常停止、不良発生データおよび製造設備 メンテナンスデータをデジタル管理化することで、稼働率向上につながる設備保全システムの検討も進めています。
設備メーカーとの協働による次世代造管機の開発・検討ラインは、IoT技術などを利用して 今までの造管ラインからさらに省力化・自動化を進めております。
また、事務部門の効率化としては、帳票電子化・作業自動化の取り組みをしております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は