第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有

価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日(2024年8月7日)現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2024年1月1日から2024年6月30日)は、合金鉄製品市況の下落等により、前年同期と比べ売上高は減少しました。利益面においては、合金鉄市況の下落が減益要因となったものの、焼却灰資源化事業における電力コスト上昇分の価格転嫁等の増益要因により前年同期並となりました。

 以上により、売上高は36,495百万円(前年同期比9.5%減)となり、営業利益は2,213百万円(同15.9%増)、経常利益は1,152百万円(同7.5%増)となりました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は、投資有価証券の売却を行った前年同期と比べ減益の534百万円(同30.8%減)となりました。

 

 各事業の経営成績は、次のとおりです。

 なお、当中間連結会計期間から、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

(合金鉄事業)

 主力製品である高炭素フェロマンガン市況の下落に伴い、売上高は前年同期と比べ減少しました。利益面においても国内合金鉄事業のマージンが前年同期と比べ縮小しました。

 以上の結果、合金鉄事業の売上高は24,140百万円(前年同期比15.3%減)、経常利益は446百万円の損失(前年同期実績314百万円の利益)となりました。

 

(機能材料事業)

 令和6年能登半島地震により、拠点となる富山工場と妙高工場が被災したものの、3月12日に全品種の製造を再開しています。

 電子部品関連では依然として主要ユーザーによる在庫調整が長引いており、酸化ジルコニウムや酸化ほう素の販売数量は前年同期と比べ減少しました。水素吸蔵合金及びリチウムイオン電池正極材受託事業など、車載用電池材料についても定期修繕等による減産などにより販売数量は前年同期と比べ減少しました。

 マンガン化成品は、付加価値に見合った価格への見直しが進んだため業績は堅調に推移しました。フェロボロンは、需要が堅調に推移し販売数量は前年同期と比べ増加しました。

 以上の結果、機能材料事業の売上高は6,331百万円(前年同期比0.2%増)、経常利益は576百万円(同13.9%増)となりました。

 

(焼却灰資源化事業)

 定期修繕を実施したことにより処理量は前年同期と比べ減少しました。一方、電力コスト上昇分の焼却灰処理価格への転嫁や貴金属市況上昇に伴う回収金属価格の好転は増益要因となりました。

 以上の結果、焼却灰資源化事業の売上高は3,843百万円(前年同期比18.2%増)、経常利益は789百万円(同1,449.9%増)と大幅な増益となりました。

 

(アクアソリューション事業)

 水素製造用純水製造装置の受注は堅調に推移しましたが、排水処理装置の受注は減少しました。

 以上の結果、アクアソリューション事業の売上高は792百万円(前年同期比7.0%減)、経常利益は52百万円(同27.0%減)となりました。

 

(電力事業)

 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用した売電事業として2カ所の水力発電所が順調に稼働しました。発電量についても気象条件に恵まれたこともあり、前年同期と比べ増加しました。

 以上の結果、電力事業の売上高は634百万円(前年同期比3.2%増)、経常利益は124百万円(前年同期比2.7%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,020百万円減少し97,729百万円となりました。流動資産は原材料及び貯蔵品の減少などにより、前連結会計年度末と比べ2,223百万円減少し49,363百万円、固定資産は機械装置及び運搬具の減少などにより、前連結会計年度末と比べ796百万円減少し48,366百万円となりました。

 当中間連結会計期間末の負債合計は、長期借入金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ3,051百万円減少し26,261百万円となりました。なお、有利子負債(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、リース債務(流動負債)、長期借入金、リース債務(固定負債))は、1,584百万円減少し16,970百万円となりました。

 当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ31百万円増加し71,467百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、4,771百万円の収入となりました(前年同期は3,360百万円の収入)。

主な増加要因は、棚卸資産の減少827百万円であります。

主な減少要因は、未払消費税等の減少1,042百万円であります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,475百万円の支出となりました(前年同期は2,450百万円の支出)。

主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,232百万円、有形固定資産の売却による収入8百万円であります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、2,626百万円の支出となりました(前年同期は1,967百万円の支出)。

主な要因は、長期借入金の返済による支出1,764百万円であります。

 以上の結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ298百万円減少し7,552百万円となりました。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、当社の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

 

 

(5) 経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「特徴ある製品・技術・サービスを開発・提供し、持続的な成長を通じて、豊かな未来の創造に貢献する」という経営理念に基づき、2030年の「あるべき姿」として、「連結売上高1,100億円以上、連結経常利益130億円以上、ROE10%以上」を数値目標に掲げております。これを実現するため、2027年までの第9次中期経営計画を策定し、今後4年間で実行すべき具体的な施策をまとめました。

 

 合金鉄事業では、国内合金鉄の生産性向上と棚卸資産の圧縮を追求し、より強固な収益・財務体質を確立します。同時に、カーボンフリー合金鉄製造のための研究開発を進め、2030年までにCO2排出量45%以上削減の達成を目指します。海外事業では安定生産を継続し、水力発電によるグリーン電源の優位性を活かし市場開拓を進めてまいります。

 

 機能材料事業では、今後の電子部品の需要増加に対応して、酸化ジルコニウムの生産能力の増強を検討します。また、地政学リスク回避に貢献するオンリーワン商品を拡販や次世代電池材料分野における研究開発の成果を具体化することで、収益の拡大を図ります。

 

 焼却灰資源化事業では、電気料金などのコスト上昇分を着実に処理価格へ反映させ、自治体や地域社会との連携を更に強化し焼却灰の収集量を増加させることで、2030年までに焼却灰溶融炉を現状の4基から7基体制とすることを目指します。加えて、100%連結子会社である中央電気工業株式会社を2024年7月1日付けで吸収合併しました。この合併により同社が展開していた焼却灰資源化事業への取り組みを新日本電工株式会社として強化し、事業成長を加速させてまいります。

 

 アクアソリューション事業では、産廃処分場から発生する排水中のほう素の除去需要に対応するため能力増強を図ります。また、純水装置の拡販を通じて、水素社会の発展に貢献してまいります。

 

 電力事業では、FITによる長期的な安定収益の確保に加え、水力発電の環境価値を活かした非化石証明の発行により当社のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。

 

 これらの施策に対し、足下においては、まずは事業部門・製造部門における基盤整備・体質強化を推し進め、研究開発や機能部門のGX、DX等のサステナビリティ施策についても課題を着実にクリアしていくことにより将来に向けた基礎体力を養い、「あるべき姿」の目標達成のために当社グループ一致団結して尽力してまいります。

 

(7) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(8) 研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は303百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(9) 生産、受注及び販売の状況

 当中間連結会計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の状況に重要な変更

はありません。

 

(10) 主要な設備

 当中間連結会計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は、次のとおりであります。

事業所名

(所在地)

事業の名称

設備の内容

投資予定金額

(百万円)

資金調達

方法

着手及び完了予定年月

総額

既支払額

着手

完了

本社

(東京都中央区)

機能材料事業及びアクアソリューション事業

スマートファクトリーの具現化に向けたIoT基盤の導入

680

31

自己資金

2024年5月

2025年2月

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年3月27日開催の取締役会において、2024年7月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社である中央電気工業株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併の決議を行い、同日付で合併契約を締結し、2024年7月1日付で吸収合併を行っております。

 詳細は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。