当連結会計年度における当社グループの経営環境は、スクラップ価格が一時下落し、その後2016年後半から徐々に値を上げ続けるなかで、製品販売価格の改善が思うように浸透しない状況で推移しました。また、中国による安価な鉄鋼製品・半製品の輸出は地域や品種によっては若干の変化は見られるものの、全体的には依然として高水準となっており、海外市場が大きなウェイトを占める当社グループに多大な影響を及ぼし続けております。
日本におきましては、スクラップ価格上昇に見合う製品価格への反映に取り組みながら、実需に見合う生産・販売に努めております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、国際的な海運市況の低迷から造船所の新規受注が数量、価格面ともに落ち込んでおり、当社の製品も数量、価格とも厳しい状況が続いております。
連結子会社を有する韓国、タイ国、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン王国、サウジアラビア王国におきましては、いずれも2016年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されます。
韓国のワイケー・スチールコーポレーションでは、2015年6月頃から始まったアパート建設増加による鉄筋需要が、足元の韓国経済の景気減速や家計負債の増加等により、この先も続くかどうか不透明になってきており、2016年後半の利益は上期に比べ落ち込みました。
タイ国のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドでは、タイ国内景気の低迷により、建設投資の盛り上がりに欠ける状況が続いております。上期にはスクラップ価格上昇局面での一時的な駆け込み需要がありましたが、下期はその反動もあり、販売数量、利益ともに上期に比べ減少しております。
米国の持分法適用関連会社につきましては、スクラップ価格上昇の影響を受けてはいるものの、一定の収益を確保しております。
バーレーン王国の持分法適用関連会社スルブカンパニーBSC(c)では、石油価格は底打ちしたものの、原油の減産による中東地域での公共投資の低迷により形鋼需要が停滞しております。また、中国等からの安価な鉄鋼製品・半製品の流入が市況に悪影響を与え続けております。一方、原油収入減少を補うため、湾岸諸国でガス、電気料金などの公共料金が引き上げられており、当初想定を超える操業コスト上昇に直面するなど、非常に厳しい状況が続いております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比べ8,842百万円減の142,136百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度と比べ476百万円減の10,739百万円、経常利益は前連結会計年度と比べ2,066百万円減の21,519百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ1,674百万円減の11,319百万円となりました。
なお、前期数値及び前期比分析は、会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値で行っております。
セグメントの業績は、次のとおりです。
スクラップ価格上昇に見合う製品価格への反映に取り組みながら、実需に見合う生産・販売に努めております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、国際的な海運市況の低迷から造船所の新規受注が数量、価格面ともに落ち込んでおり、当社の製品も数量、価格とも厳しい状況が続いております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ147百万円減の40,614百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,447百万円減の4,495百万円となりました。
2015年6月頃から始まったアパート建設増加による鉄筋需要が、足元の韓国経済の景気減速や家計負債の増加等により、この先も続くかどうか不透明になってきており、2016年後半の利益は上期に比べ落ち込みました。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ2,491百万円減の42,044百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,084百万円増の1,140百万円となりました。
タイ国内景気の低迷により、建設投資の盛り上がりに欠ける状況が続いております。上期にはスクラップ価格上昇局面での一時的な駆け込み需要がありましたが、下期はその反動もあり、販売数量、利益ともに上期に比べ減少しております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度に比べ6,636百万円減の53,153百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度に比べ54百万円減の5,863百万円となりました。
当事業の売上高は、前連結会計年度に比べ415百万円増の6,039百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ253百万円増の967百万円となりました。
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ17百万円増の284百万円、セグメント損失(営業損失)は1百万円(前連結会計年度はセグメント利益(営業利益)24百万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが19,178百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローでは14,914百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは5,426百万円減少しました。これに資金に係る換算差額の減少680百万円を加えた結果、前連結会計年度末に比べ1,843百万円減少し、当連結会計年度末の資金残高は30,697百万円となりました。
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は19,178百万円であり、前連結会計年度に比べ14,208百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度において、たな卸資産の増減額が△3,069百万円(前連結会計年度は9,867百万円)であったこと等によります。
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は14,914百万円であり、前連結会計年度に比べ9,520百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度において、定期預金の払戻による収入が13,525百万円(前連結会計年度は19,103百万円)であったこと等によります。
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は5,426百万円であり、前連結会計年度に比べ2,155百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度において、自己株式の取得による支出が△1百万円(前連結会計年度は△2,225百万円)であったこと等によります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
41,470 |
2.1 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
41,485 |
△2.5 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
54,057 |
△3.0 |
|
軌道用品事業 |
6,035 |
8.5 |
|
その他 |
― |
― |
|
合計 |
143,048 |
△1.0 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
41,539 |
△0.4 |
8,313 |
12.5 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
45,646 |
4.0 |
11,943 |
43.2 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
56,500 |
△5.3 |
10,186 |
48.9 |
|
軌道用品事業 |
6,043 |
7.2 |
628 |
0.6 |
|
その他 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
149,729 |
△0.8 |
31,072 |
34.0 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 鉄鋼事業(韓国)における受注実績の重要性が高くなったため、当連結会計年度より記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
40,614 |
△0.4 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
42,044 |
△5.6 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
53,153 |
△11.1 |
|
軌道用品事業 |
6,039 |
7.4 |
|
その他 |
284 |
6.5 |
|
合計 |
142,136 |
△5.9 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。
当社は、顧客のニーズに応える高品質・高付加価値の製品作りにより、企業の発展・展開と社会的責任を果たすことを目指しています。鉄スクラップを再利用して製品化する循環型処理の過程において、最新設備の導入と技術力の開発により、省資源、省エネルギーそして環境の保全問題という、いま社会に最も求められているテーマに対して地球規模で取り組んでまいります。また、高速かつ大量の鉄道輸送と船舶輸送の一翼を担う製品作りにつきましても、日本国内にとどまらずグローバルな事業展開を通じて、社会経済の発展に貢献してまいります。
当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
当社グループが属する各事業分野では、今後も国内外メーカーとの競争が激化するものと予想され、これに対処するために国内外の各事業において、生産設備の更新、拡充等により生産性の向上と原価低減を図り、当社グループとして更なる収益性の向上を目指してまいります。また鉄鋼製品製造会社間では技術会議を開催し、技術情報の交換と技術向上に努めております。
また、当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。
当社グループの生産及び販売活動は、国内のみならず、米国、タイ国、韓国、バーレーン王国並びにサウジアラ
ビア王国で行われ、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しております。これらの海外市場への事業進
出においては、各国で発生する恐れのあるテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱により関係会社の業績と財
務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での予期し得ない政治又は法環境の変化、経済状況
の変化等により、事業の遂行に問題が生じる可能性もあります。
当社グループは、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しており、在外子会社、関連会社等の業績が
連結の経営成績に大きく影響を及ぼします。連結財務諸表は、各国の現地通貨を円換算して作成しているため、為
替レートの変動により財務内容に影響を及ぼします。また、当社グループが保有する現金及び預金のうち、外貨の
占める割合は高く、一般に、他の通貨に対する円高は、当社に悪影響を及ぼし、円安は当社に好影響をもたらすこ
とになります。なお、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増減が包括利益並びに純資産に大きく影響を及
ぼしますが、為替換算調整勘定は在外子会社等を保有することで生じる連結財務諸表の報告上のものであり、当社
の業績そのものを左右するものでなく、今後とも引き続き海外事業の展開を続ける方針であることから為替換算調
整勘定の変動に対してヘッジは行っておりません。
当社グループの主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境により大きく影響を受ける可能性があります。
なお、中国からの鉄鋼製品・半製品の高水準な輸出が世界の鉄鋼市況を低迷させており、当社グループにも世界各地で大きく影響を及ぼしております。今後とも中国の鋼材供給の動向に注意を払う必要があります。
当社グループはグローバルに事業を展開する電炉メーカーであり、大量の電力を使用する当社グループにとって、大幅な電力単価の引上げや電力使用制限があれば、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 中東合弁事業のリスク
当社は、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しており、米国、タイ国、韓国に続く新たな展開先として、2007年に形鋼需要の拡大が見込まれる中東地域への進出を決定し、中東事業の合弁先であるFoulath社と共に、2009年にはバーレーン王国にスルブカンパニーBSC(c)「以下SULB社」を設立し、主にH形鋼の生産・販売のため、直接還元鉄から製鋼、圧延の一貫工場を建設し、2011年には特別目的会社を通じてサウジアラビア王国の鉄鋼メーカーの資産買収を行い、ユナイテッド・スルブカンパニー(“サウジスルブ”)LLC「以下Saudi Sulb社」を設立し、中東での事業を進めてまいりました。
SULB社は2013年7月末より商業生産を開始し、既にフル生産体制は確立しておりますが、石油価格下落による中東地域での需要低迷、中国等からの安価な鉄鋼製品・半製品の流入による販売価格低迷、バーレーン王国における電気、ガス、水道価格の値上げによるコスト増、直接還元鉄の原材料となるペレットの安定調達の課題等、当初想定していなかった様々な要因により、非常に厳しい経営環境に直面しております。また、Saudi Sulb社においても、同様に厳しい状況となっております。
当社は中東合弁事業に多額の投資(貸付、債務保証含む)を行っており、中東の営業活動に伴う損失に加え、今後、多額の投資損失が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発は、鉄鋼事業(日本)及び軌道用品事業を中心に各製造工程の技術スタッフが共同して行っております。
鉄鋼事業(日本)では主に製鋼・圧延工程の生産効率及び品質向上等に関連した生産技術及び付加価値の高い新製品の開発に取り組んでおります。
軌道用品事業では新しい溶接技術や締結方法の開発に取り組み、ユーザーの求める鉄道の高速化・重量物輸送に適し、かつ保守性に優れた軌道用品の開発に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は42百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりであります。
船舶用鋳鋼品等の性能向上に不可欠な鋳鋼品の強度向上に関する研究を産学連携で行っております。
当事業に係る研究開発費は3百万円であります。
ローラー床板、PCまくらぎ分岐器、各種締結装置等の開発を行うことにより、分岐器の省メンテナンス化に取り組んでおります。また、新幹線用の地震対策に関する脱線防止ガード・逸脱防止ガード等の受託研究を共同で行っております。
当事業に係る研究開発費は、受託研究費を含めて38百万円であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は169,444百万円であり、前連結会計年度に比べ6,858百万円増加しました。増加の主な要因は、有価証券の残高が4,500百万円増加したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は179,506百万円であり、前連結会計年度に比べ4,958百万円減少しました。減少の主な要因は、投資有価証券の残高が6,381百万円減少したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は22,341百万円であり、前連結会計年度に比べ790百万円減少しました。減少の主な要因は、短期借入金の残高が1,675百万円減少したことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は17,411百万円であり、前連結会計年度に比べ1,560百万円増加しました。増加の主な要因は、繰延税金負債の残高が1,173百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は309,198百万円であり、前連結会計年度に比べ1,129百万円増加しました。増加の主な要因は、利益剰余金の残高が7,996百万円増加したことによります。
また、自己資本比率は82.9%であり、前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少しております。
なお、キャッシュ・フローの分析については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は142,136百万円であり、前連結会計年度に比べ8,842百万円減少しました。これは、円高による影響に加え、スクラップ価格が一時下落し、その後2016年後半から徐々に値を上げ続けるなかで、製品販売価格の改善が思うように浸透しない状況で推移したこと等によります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は118,193百万円であり、前連結会計年度に比べ8,836百万円減少しました。また、販売費及び一般管理費は13,203百万円であり、前連結会計年度に比べ469百万円増加しました。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度の営業外収益は11,048百万円であり、前連結会計年度に比べ2,113百万円減少しました。これは、主に持分法による投資利益が8,376百万円と前連結会計年度に比べ1,923百万円減少したことによります。また、営業外費用は269百万円であり、前連結会計年度に比べ522百万円減少しました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は15百万円であり、特別損失は75百万円でありました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は8,315百万円であり、前連結会計年度に比べ971百万円増加しました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1,824百万円であり、前連結会計年度に比べ135百万円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度と比べ8,842百万円減の142,136百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度と比べ476百万円減の10,739百万円、経常利益は前連結会計年度と比べ2,066百万円減の21,519百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ1,674百万円減の11,319百万円となりました。
なお、前期数値及び前期比分析は、会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値で行っております。