文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、顧客のニーズに応える高品質・高付加価値の製品作りにより、企業の発展・展開と社会的責任を果たすことを目指しています。鉄スクラップを再利用して製品化する循環型処理の過程において、最新設備の導入と技術力の開発により、省資源、省エネルギーそして環境の保全問題という、いま社会に最も求められているテーマに対して地球規模で取り組んでまいります。また、高速かつ大量の鉄道輸送と船舶輸送の一翼を担う製品作りにつきましても、日本国内にとどまらずグローバルな事業展開を通じて、社会経済の発展に貢献してまいります。
当社は、世界的な経済構造の激しい変革に対応できる経営方針として、事業の一極化をさけ、主に海外に事業投資を行い、投資の分散化を進めてまいりました。健全な財務体質を維持しつつ、将来の成長分野へ投資する方針であり、キャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
当社グループが属する各事業分野では、今後も国内外メーカーとの競争が激化するものと予想され、これに対処するために国内外の各事業において、生産設備の更新、拡充等により生産性の向上と原価低減を図り、当社グループとして更なる収益性の向上を目指してまいります。また鉄鋼製品製造会社間では技術会議を開催し、技術情報の交換と技術向上に努めております。
当社グループは成長の源泉である海外事業を更に安定・発展・拡大させていく所存です。そのためにも、モノづくり企業として技術、経営のベースである国内事業の基盤強化を推し進め、コスト競争力の強化、品質の安定と向上、デリバリーを含む顧客サービスの向上に不断の努力を続けてまいります。人材教育・育成にもより一層力を入れ、海外事業への展開、発信に努めてまいります。
当社グループは持株会社体制のもと、社会に貢献できる可能性をあらゆる角度から検討し、傘下の事業会社のそれぞれの特性と機能を活かし、活力と調和のとれたグループ経営を推し進めるとともに、世界市場をターゲットとした事業を展開してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの生産及び販売活動は、国内のみならず、米国、タイ国、韓国、バーレーン王国並びにサウジアラ
ビア王国で行われ、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しております。これらの海外市場への事業進
出においては、各国で発生する恐れのあるテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱により関係会社の業績と財
務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での予期し得ない政治又は法環境の変化、経済状況
の変化等により、事業の遂行に問題が生じる可能性もあります。
当社グループは、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しており、在外子会社、関連会社等の業績が
連結の経営成績に大きく影響を及ぼします。連結財務諸表は、各国の現地通貨を円換算して作成しているため、為
替レートの変動により財務内容に影響を及ぼします。また、当社グループが保有する現金及び預金のうち、外貨の
占める割合は高く、一般に、他の通貨に対する円高は、当社に悪影響を及ぼし、円安は当社に好影響をもたらすこ
とになります。なお、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増減が包括利益並びに純資産に大きく影響を及
ぼしますが、為替換算調整勘定は在外子会社等を保有することで生じる連結財務諸表の報告上のものであり、当社
の業績そのものを左右するものでなく、今後とも引き続き海外事業の展開を続ける方針であることから為替換算調
整勘定の変動に対してヘッジは行っておりません。
当社グループの主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく影響され、各々の市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境により大きく影響を受ける可能性があります。
当社グループはグローバルに事業を展開する電炉メーカーであり、大量の電力を使用する当社グループにとって、大幅な電力単価の引上げや電力使用制限があれば、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 中東合弁事業のリスク
当社は、世界市場をターゲットにグローバルな事業を展開しており、米国、タイ国、韓国に続く新たな展開先として、2007年に形鋼需要の拡大が見込まれる中東地域への進出を決定し、中東事業の合弁先であるFoulath社と共に、2009年にはバーレーン王国にスルブカンパニーBSC(c)「以下SULB社」を設立し、主にH形鋼の生産・販売のため、直接還元鉄から製鋼、圧延の一貫工場を建設し、2011年には特別目的会社を通じてサウジアラビア王国の鉄鋼メーカーの資産買収を行い、ユナイテッド・スルブカンパニー(“サウジスルブ”)LLC「以下Saudi Sulb社」を設立し、中東での事業を進めてまいりました。
SULB社は2013年7月末より商業生産を開始し、既にフル生産体制は確立しておりますが、中東地域での公共投資の低迷、中国等からの安価な輸入品の流入、政府補助カットに伴う湾岸諸国での電気、ガス、水道価格の実質上の値上げによるコスト増、直接還元鉄の原材料となるペレットの安定調達の課題等、当初想定していなかった様々な要因により、非常に厳しい経営環境に直面しております。また、Saudi Sulb社においても、同様に厳しい状況となっております。
当社は中東合弁事業に多額の投資(貸付、債務保証含む)を行っており、中東の営業活動に伴う損失に加え、今後、多額の投資損失が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの経営環境は、中国からの鉄鋼製品・半製品輸出の勢いが軟化基調を辿るなか、主原料であるスクラップ価格が継続的に上昇するも、鋼材需要が大きくは伸びず製品価格改定が思うように進まない状況で推移しました。また、製鋼副資材である、電極・耐火物・合金鉄等の市況が上昇し始めており、2018年以降、製鋼コストの上昇が更に進む見通しです。
日本におきましては、年度の後半からようやく鋼材需要の回復が実感できるようになりましたが、スクラップ価格等の上昇ペースに製品価格改定が追いついておらず、前期比で減益となっております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、造船所が過去に低船価で受注した船の建造を進めており、当社の製品は数量・価格とも厳しい状況が続いております。
連結子会社を有する韓国、タイ国、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン王国、サウジアラビア王国におきましては、いずれも2017年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されます。
韓国のワイケー・スチールコーポレーションでは、2015年6月頃から始まったアパート建設増加に伴う鉄筋需要が引き続き堅調であり、前期比では増収増益となりました。一方、韓国の家計負債の増加から政府による借入残高の上限設定などの不動産取引規制等が実施されており、今後の鉄筋需要の先行きは不確かとなっております。
タイ国のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドでは、民間の建設需要は力強さを欠いており、景気刺激策として公共投資向けの需要が引き続き出てきておりますが、販売価格面では厳しく、またコスト面でもスクラップ高の影響も受けており、前期比で利益は大幅に減少しております。なお、タイ国では中国に対するアンチダンピング規制が2017年10月に終了しており、今後、中国からの輸入品の影響を受ける恐れがあります。
米国の持分法適用関連会社につきましては、2017年を通じて需要の盛り上がりには欠け、安値の輸入品の影響を受けてはいるものの一定の収益を確保しております。
バーレーン王国の持分法適用関連会社スルブカンパニーBSC(c)では、原油価格の持ち直し後も形鋼需要の本格的な回復には至っておりません。一方、2017年末頃より鉄鋼製品・半製品価格は上昇気配となっているものの、今後どこまで継続するか不透明な状況です。
なお、当連結会計年度の経営分析の結果は以下のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は176,073百万円であり、前連結会計年度に比べ33,937百万円増加しました。中国からの鉄鋼製品・半製品輸出の勢いが軟化基調を辿るなか、主原料であるスクラップ価格が継続的に上昇しました。鋼材需要が大きくは伸びない状況でしたが、前連結会計年度と比較して、各国における販売数量の増加・販売単価の上昇に加え、円安の影響により売上高が増加しました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は153,616百万円であり、前連結会計年度に比べ35,423百万円増加しました。また、販売費及び一般管理費は14,116百万円であり、前連結会計年度に比べ912百万円増加しました。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度の営業外収益は10,140百万円であり、前連結会計年度に比べ908百万円減少しました。これは、主に持分法による投資利益が7,041百万円と前連結会計年度に比べ1,335百万円減少したことによります。また、営業外費用は653百万円であり、前連結会計年度に比べ384百万円増加しました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は381百万円であり、特別損失は125百万円でありました。特別利益の主なものは退職給付信託返還益351百万円であります。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税(法人税等還付税額を含む)と法人税等調整額の総額は4,590百万円であり、前連結会計年度に比べ3,725百万円減少しました。2017年末に米国において税制改正法が成立し、米国子会社での法人税や法人税等調整額について税制改正の影響を織り込んだ結果、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額が減少しました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1,255百万円であり、前連結会計年度に比べ568百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度と比べ33,937百万円増の176,073百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度と比べ2,398百万円減の8,340百万円、経常利益は前連結会計年度と比べ3,691百万円減の17,828百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ918百万円増の12,238百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
年度の後半からようやく鋼材需要の回復が実感できるようになりましたが、スクラップ価格等の上昇ペースに製品価格改定が追いついておらず、前期比で減益となっております。また、造船所向けの船尾骨材等につきましては、造船所が過去に低船価で受注した船の建造を進めており、当社の製品は数量・価格とも厳しい状況が続いております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ7,087百万円増の47,702百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,085百万円減の3,409百万円となりました。
2015年6月頃から始まったアパート建設増加に伴う鉄筋需要が引き続き堅調であり、前期比では増収増益となりました。一方、韓国の家計負債の増加から政府による借入残高の上限設定などの不動産取引規制等が実施されており、今後の鉄筋需要の先行きは不確かとなっております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ16,344百万円増の58,389百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,588百万円増の2,728百万円となりました。
民間の建設需要は力強さを欠いており、景気刺激策として公共投資向けの需要が引き続き出てきておりますが、販売価格面では厳しく、またコスト面でもスクラップ高の影響も受けており、前期比で利益は大幅に減少しております。なお、タイ国では中国に対するアンチダンピング規制が2017年10月に終了しており、今後、中国からの輸入品の影響を受ける恐れがあります。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ12,810百万円増の65,964百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,899百万円減の3,963百万円となりました。
当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ2,322百万円減の3,717百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度と比べ946百万円減の20百万円となりました。
その他の売上高は、前連結会計年度と比べ16百万円増の300百万円、セグメント利益(営業利益)は10百万円(前連結会計年度はセグメント損失(営業損失)1百万円)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
48,123 |
16.0 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
60,895 |
46.8 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
66,510 |
23.0 |
|
軌道用品事業 |
4,088 |
△32.3 |
|
その他 |
― |
― |
|
合計 |
179,616 |
25.6 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
52,504 |
26.4 |
13,115 |
57.8 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
55,239 |
21.0 |
8,793 |
△26.4 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
64,334 |
13.9 |
8,556 |
△16.0 |
|
軌道用品事業 |
4,162 |
△31.1 |
1,074 |
70.8 |
|
その他 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
176,241 |
17.7 |
31,540 |
1.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
鉄鋼事業(日本) |
47,702 |
17.5 |
|
鉄鋼事業(韓国) |
58,389 |
38.9 |
|
鉄鋼事業(タイ国) |
65,964 |
24.1 |
|
軌道用品事業 |
3,717 |
△38.5 |
|
その他 |
300 |
5.7 |
|
合計 |
176,073 |
23.9 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は190,775百万円であり、前連結会計年度に比べ21,331百万円増加しました。増加の主な要因は、受取手形及び売掛金の残高が9,443百万円増加したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は176,545百万円であり、前連結会計年度に比べ2,961百万円減少しました。減少の主な要因は、出資金の残高が4,641百万円減少したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は29,431百万円であり、前連結会計年度に比べ7,090百万円増加しました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の残高が5,752百万円増加したことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は17,816百万円であり、前連結会計年度に比べ404百万円増加しました。増加の主な要因は、退職給付に係る負債の残高が155百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は320,073百万円であり、前連結会計年度に比べ10,875百万円増加しました。増加の主な要因は、利益剰余金の残高が8,915百万円増加したことによります。
また、自己資本比率は81.1%であり、前連結会計年度に比べ1.8ポイント減少しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが13,751百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローでは18,510百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは3,903百万円減少しました。これに資金に係る換算差額の増加689百万円を加えた結果、前連結会計年度末に比べ7,973百万円減少し、当連結会計年度末の資金残高は22,723百万円となりました。
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は13,751百万円であり、前連結会計年度に比べ5,427百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度において、売上債権の増減額が△8,467百万円(前連結会計年度は△2,300百万円)であったこと等によります。
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は18,510百万円であり、前連結会計年度に比べ3,596百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度において、有形固定資産の取得による支出が△8,897百万円(前連結会計年度は△4,385百万円)であったこと等によります。
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は3,903百万円であり、前連結会計年度に比べ1,522百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度において、長期借入金の返済による支出が△1,550百万円であったこと等によります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発は、鉄鋼事業(日本)及び軌道用品事業を中心に各製造工程の技術スタッフが共同して行っております。
鉄鋼事業(日本)では主に製鋼・圧延工程の生産効率及び品質向上等に関連した生産技術及び付加価値の高い新製品の開発に取り組んでおります。
軌道用品事業では新しい溶接技術や締結方法の開発に取り組み、ユーザーの求める鉄道の高速化・重量物輸送に適し、かつ保守性に優れた軌道用品の開発に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は35百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりであります。
H形鋼の断面寸法形状の測定に関する研究及び、船舶用鋳鋼品等の性能向上に不可欠な鋳鋼品の強度向上に関する研究を産学連携で行っております。
当事業に係る研究開発費は4百万円であります。
ローラー床板、PCまくらぎ分岐器、各種締結装置等の開発を行うことにより、分岐器の省メンテナンス化に取り組んでおります。また、新幹線用の地震対策に関する脱線防止ガード・逸脱防止ガード等の受託研究を共同で行っております。
当事業に係る研究開発費は、受託研究費を含めて30百万円であります。