第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績につきましては、海外子会社及び関連会社の2020年1月~3月の業績が反映されております。当期間における新型コロナウイルス感染症の影響として、建設現場・鋼材加工を行うファブリケータ―の稼働率低下や、輸送の停滞等が発生しておりますが、期間を通じてみると、その影響は全体として限定的であった点にご留意ください。

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの経営環境は、米中貿易交渉が第一段階の合意に至ったとは言え、世界経済の先行きに不透明感が残るなか、新型コロナウイルス感染症拡大が経済活動の停滞に拍車をかける状況で推移いたしました。
 鋼材需要に関しましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響度合い及び時期が、当社が事業を展開している国・地域ごとに異なるものの、全体的には下押し圧力が強まる様相を呈しております。
 また、原材料に関しましては、鉄鉱石価格が引き続き高値圏で推移している一方、鉄スクラップ価格は2019年末の上昇基調から2020年の年初に再び下落基調となった後、経済活動の停滞による鉄スクラップ発生量の減少から価格が急上昇に転じるなど乱高下が続いており、引き続き原材料事情が当社グループ各社の業績に大きな影響を及ぼす要因となっております。

 日本におきましては、2019年度後半からの建設需要の低迷に加え、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた経済活動の停滞に伴い鋼材需要は減退し、販売数量・価格とも前年同期を下回りました。その様な状況のもと、2020年4月より稼働した在宅勤務においても受発注が可能なECサイトを活用し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で増加傾向にある顧客の短納期発注の捕捉に努めるなど、当社の強みである短納期対応の拡充に取り組みました。その結果、前年同期比では減収減益となりましたが、一定の収益を確保しております。なお、造船所向けの船尾骨材等につきましては、数量・価格とも厳しい状況が継続しておりますが、船舶の排ガス規制強化やエコ化ニーズへの対応に製販一体で取り組んでおります。

 連結子会社を有する韓国、タイ国、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン王国、サウジアラビア王国におきましては、いずれも2020年1月~3月の業績が当第1四半期連結累計期間に反映されます。なお、2020年3月末に持分法適用関連会社となったベトナムのポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニーに関しましては、同社の会計期間が1月~12月であることから、第2四半期連結累計期間より連結業績への反映を開始いたします。

 韓国のワイケー・スチールコーポレーション(以下、YKS)におきましては、韓国政府が行った借入残高の上限設定等の不動産取引規制により鋼材需要が減少傾向にあるなか、2月には新型コロナウイルス感染症拡大による建設現場の稼働率低下の影響を一時的に受けたこともあり、販売数量は前年同期比で減少いたしました。そうしたなか、需給バランスの均衡及び販売価格の維持に努めた結果、前年同期比では減収減益となったものの、直前四半期を上回る利益を計上しております。なお、2020年6月19日に開示いたしましたとおり、YKSの棒鋼事業を分社分割し新会社を設立いたします。その上で、今後の韓国棒鋼市場の縮小及び競争環境の激化に対処し、競争力強化・収益性の向上を図るために、新会社は同国の鉄鋼業界に精通した戦略的パートナーであるDaehan Steel Co., Ltd.(大韓製鋼社)を51%株主として迎えた合弁事業として再スタートいたします。詳細につきましては、2020年6月19日に開示しております「連結子会社の会社分割及び新会社株式の譲渡並びに特別損失の発生に関するお知らせ」をご参照ください。

 タイ国のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(以下、SYS)におきましては、2019年10月にスクラップ価格が底を打ち反転したことにより、年初には流通顧客が購入量を増加させる動きがありましたが、全般的には民間の設備投資は落ち込み、国内需要は公共投資向けに支えられている状況が継続しております。加えて、タイ国内市場では中国及びマレーシアからの輸入材が前年度を上回るペースで流入し、市場環境は厳しさを増してきております。これに対して、SYSでは2019年11月より稼働した鋼材物流センターの屋内保管能力を活かし、一部の製品サイズについては在庫を保有し、即納を行える体制を構築いたしました。顧客からは高評価を受けており、今後更に即納対象の製品ラインナップの拡充を図ってまいります。一方、主要輸出先である東南アジア市場では、低調な需要、中国・韓国メーカーとの激しい競争環境が継続するなか、新型コロナウイルス感染症が新たな懸念材料となり、顧客の購買心理を更に押し下げていることに加え、一部輸出先国での輸入規制もあり、販売数量は減少しております。そうしたなか、前年同期比では販売数量の減少により減収となりましたが、年初からのスクラップ価格低下を背景に増益となっております。

 米国の持分法適用関連会社におきましては、2019年度は2018年度の好況時に積みあがった市中在庫の調整や、スクラップ価格の下落に伴う買い控えなどの影響を受けておりました。その後、在庫調整が一巡したことに加え、スクラップ価格も2019年10月を底に反転したことから、堅調な非住宅建設需要を背景に顧客が発注を活発化させ、当第1四半期連結累計期間の販売数量及び収益は前年同期比で増加しております。なお、米国の貿易措置としては、通商拡大法第232条及び中国からの輸入品に対する通商法第301条が継続されていますが、新たな貿易措置として調査されていた中国・カナダ・メキシコから輸入される鉄骨等の加工品に対するアンチダンピング関税及び相殺関税については、米国国際貿易委員会により否決されております。これにより中国製鉄骨等の迂回輸入が懸念されますが、これまでのところ目立った影響は生じておりません。

 バーレーン王国の持分法適用関連会社スルブカンパニーBSC(c)におきましては、2019年末に掛けてスクラップ価格が上昇したことを受け、様子見状態であった顧客が発注量を増やしたことから、製品販売数量は前年同期比で増加いたしました。一方で、中東市場における形鋼需要の低迷から販売価格押し上げの勢いは弱く、また依然として鉄鉱石価格がスクラップ価格と比べ高値圏で推移していることから、業績は直前四半期に比べて改善したものの、前年同期比では悪化しております。なお、GCC諸国においても新型コロナウイルス感染症拡大による建設活動や輸送の停滞等が発生していることに加え、世界経済悪化の懸念から油価が大きく下落していることもあり、中東市場における経営環境は厳しい状況が継続しております。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前第1四半期連結累計期間と比べ10,070百万円減38,246百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前第1四半期連結累計期間と比べ95百万円増3,077百万円、経常利益は前第1四半期連結累計期間と比べ412百万円増7,474百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前第1四半期連結累計期間と比べ462百万円増5,138百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

① 鉄鋼事業(日本)

2019年度後半からの建設需要の低迷に加え、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた経済活動の停滞に伴い鋼材需要は減退し、販売数量・価格とも前年同期を下回りました。その様な状況のもと、2020年4月より稼働した在宅勤務においても受発注が可能なECサイトを活用し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で増加傾向にある顧客の短納期発注の捕捉に努めるなど、当社の強みである短納期対応の拡充に取り組みました。その結果、前年同期比では減収減益となりましたが、一定の収益を確保しております。なお、造船所向けの船尾骨材等につきましては、数量・価格とも厳しい状況が継続しておりますが、船舶の排ガス規制強化やエコ化ニーズへの対応に製販一体で取り組んでおります。

以上により、当事業の売上高は前第1四半期連結累計期間と比べ3,690百万円減9,250百万円、セグメント利益(営業利益)は前第1四半期連結累計期間と比べ360百万円減1,098百万円となりました。

 

② 鉄鋼事業(韓国)

韓国政府が行った借入残高の上限設定等の不動産取引規制により鋼材需要が減少傾向にあるなか、2月には新型コロナウイルス感染症拡大による建設現場の稼働率低下の影響を一時的に受けたこともあり、販売数量は前年同期比で減少いたしました。そうしたなか、需給バランスの均衡及び販売価格の維持に努めた結果、前年同期比では減収減益となったものの、直前四半期を上回る利益を計上しております。なお、2020年6月19日に開示いたしましたとおり、YKSの棒鋼事業を分社分割し新会社を設立いたします。その上で、今後の韓国棒鋼市場の縮小及び競争環境の激化に対処し、競争力強化・収益性の向上を図るために、新会社は同国の鉄鋼業界に精通した戦略的パートナーであるDaehan Steel Co., Ltd.(大韓製鋼社)を51%株主として迎えた合弁事業として再スタートいたします。詳細につきましては、2020年6月19日に開示しております「連結子会社の会社分割及び新会社株式の譲渡並びに特別損失の発生に関するお知らせ」をご参照ください。

以上により、当事業の売上高は前第1四半期連結累計期間と比べ3,324百万円減11,800百万円、セグメント利益(営業利益)は前第1四半期連結累計期間と比べ150百万円減682百万円となりました。

 

③ 鉄鋼事業(タイ国)

2019年10月にスクラップ価格が底を打ち反転したことにより、年初には流通顧客が購入量を増加させる動きがありましたが、全般的には民間の設備投資は落ち込み、国内需要は公共投資向けに支えられている状況が継続しております。加えて、タイ国内市場では中国及びマレーシアからの輸入材が前年度を上回るペースで流入し、市場環境は厳しさを増してきております。これに対して、SYSでは2019年11月より稼働した鋼材物流センターの屋内保管能力を活かし、一部の製品サイズについては在庫を保有し、即納を行える体制を構築いたしました。顧客からは高評価を受けており、今後更に即納対象の製品ラインナップの拡充を図ってまいります。一方、主要輸出先である東南アジア市場では、低調な需要、中国・韓国メーカーとの激しい競争環境が継続するなか、新型コロナウイルス感染症が新たな懸念材料となり、顧客の購買心理を更に押し下げていることに加え、一部輸出先国での輸入規制もあり、販売数量は減少しております。そうしたなか、前年同期比では販売数量の減少により減収となりましたが、年初からのスクラップ価格低下を背景に増益となっております。

以上により、当事業の売上高は前第1四半期連結累計期間と比べ3,622百万円減14,935百万円、セグメント利益(営業利益)は前第1四半期連結累計期間と比べ423百万円増1,607百万円となりました。

 

④ 軌道用品事業

当事業の売上高は前第1四半期連結累計期間と比べ139百万円増1,757百万円、セグメント利益(営業利益)は前第1四半期連結累計期間と比べ145百万円増190百万円となりました。

 

⑤ その他

その他の売上高は前第1四半期連結累計期間と比べ428百万円増502百万円、セグメント利益(営業利益)は前第1四半期連結累計期間と比べ14百万円増18百万円となりました。

 

(2) 財政状態

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7,316百万円減少375,709百万円となりました。
 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ465百万円減少39,953百万円となりました。
 また、純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加、配当金の支払による減少の他、為替換算調整勘定が6,542百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ6,850百万円減少335,756百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが11,708百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが6,551百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは3,647百万円減少しました。これに資金に係る換算差額の減少1,293百万円等を加えた結果、前連結会計年度末に比べ886百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末の資金残高は27,374百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間において、営業活動による資金の増加は11,708百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ6,241百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間において、法人税等の支払額が△500百万円(前第1四半期連結累計期間は△2,014百万円)であったこと等によります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間において、投資活動による資金の減少は6,551百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ1,547百万円減少しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間において、定期預金の預入による支出が△5,035百万円(前第1四半期連結累計期間は△6,290百万円)であったこと等によります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間において、財務活動による資金の減少は3,647百万円であり、前第1四半期連結累計期間に比べ569百万円増加しました。これは主に、当第1四半期連結累計期間において、配当金の支払額が△3,027百万円(前第1四半期連結累計期間は△2,424百万円)であったこと等によります。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間において研究開発費は発生しておりません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社の会社分割及び新会社株式の譲渡)

当社は、2020年6月19日付の取締役会決議に基づき、当社の連結子会社であるワイケー・スチールコーポレーション(以下「YK Steel」)が営む鉄鋼製品の製造販売事業を会社分割により新会社に承継させ、YK Steelが有する新会社の株式の51.00%をDaehan Steel Co., Ltd.(以下「大韓製鋼社」)に譲渡することとし、YK Steelは2020年6月19日付にて大韓製鋼社との間で株式譲渡契約を締結いたしました。
 詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)をご参照ください。