第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末現在において判断したものであります。

(1)経営成績

当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営環境は、新型コロナウイルス感染症抑制策や経済対策等により景気回復のペースが国・地域ごとに異なるものの、経済活動の正常化に向かう動きが見られる状況で推移いたしました。

原材料に関しましては、海外を中心とした鉄源需給の逼迫から、鉄スクラップ価格及び鉄鉱石価格とも騰勢を強めました。その後、鉄スクラップにつきましては、各国・地域での感染症の状況に伴う建設活動の動向等を反映し、価格調整局面が繰り返されつつも総じて高値圏での推移が継続しております。また、鉄鉱石につきましては、中国での粗鋼減産等を受け、夏場以降に一時急落したものの、再び反発し上昇基調に転じるなど値動きが大きくなっております。加えて、足元では合金鉄価格や燃料価格も上昇基調となるなどコスト上昇圧力が強まっております。

また、当社グループの主要製品であるH形鋼等の土木・建築用鋼材の需要に関しましては、感染症再拡大の状況等により、国・地域ごとに回復度合いが異なっておりますが、中国における鉄鋼製品輸出に対する増値税還付の撤廃や粗鋼減産等を受け需給が引き締まっていることや、鉄スクラップ価格が高値圏でとどまっていること等を背景に、製品価格は概ね強含みで推移しております。

 

日本におきましては、形鋼製品の市中の荷動きは盛り上がりに欠ける状況が継続しておりますが、高炉メーカーが鋼板等の製品に注力しているなか、積極的に新規顧客の開拓に取り組んだ結果、受注は堅調に推移し販売数量は前年同期比で増加いたしました。営業利益につきましては、鉄スクラップ価格の高止まりに加え、合金鉄価格や燃料価格等の上昇基調が収益を圧迫したことから、前年同期比で減益となっております。しかしながら、原料高の影響を最小化すべく、技術力によるコスト低減に努めるとともに販売価格の押上げを図ってきたことにより、収益性は徐々に上向いてきております。

 

連結子会社を有するタイ、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン、サウジアラビア、ベトナム、韓国におきましては、いずれも2021年1月~9月の業績が当第3四半期連結累計期間に反映されます。

 

タイのサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(以下、SYS)におきましては、タイ国内は大規模公共投資等が形鋼需要の牽引役となっておりますが、感染症再拡大による経済活動及び建設活動停滞の影響を受けております。輸出市場におきましては、全体的には感染症再拡大による形鋼需要のスローダウンが見られるものの、中国における輸出増値税還付の撤廃や粗鋼減産等により同国メーカーの輸出圧力が低下していることに加え、韓国メーカーの東南アジア市場への輸出が減少したことを受け、需給バランスの改善が見られております。販売数量につきましては、輸出市場におけるシェア上昇への取り組み等により、前年同期比で増加しております。営業利益につきましては、鉄スクラップ高が続いているものの、輸出市場での販売数量の増加及び形鋼価格の上昇が貢献し前年同期比で増益となっております。

 

米国の持分法適用関連会社におきましては、力強い非住宅建設需要に牽引され形鋼需要が回復するなか、積極的な受注活動により需要を捕捉したことから、販売数量は前年同期比で増加いたしました。加えて、鉄スクラップ価格の上昇を上回る形鋼価格の値上げが実現し、鋼材マージンの改善基調が継続しております。業績につきましては、販売数量の増加及び鋼材マージンの拡大により、前年同期比で大幅な増益となっております。

 

 

バーレーンの持分法適用関連会社スルブカンパニーBSC(c)(以下、SULB)におきましては、世界的な鉄鋼需給の引き締まりを受け、GCC域外からの輸入材の圧力が低下していることから、市場環境にはやや改善が見られる状況となっております。一方で、原材料高を背景とした形鋼価格の押上げが市場に浸透してきたものの、GCC域内での建設活動の本格的な回復には時間を要する状況のなか、夏場に鉄鉱石価格が下落に転じたこともあり、顧客は形鋼価格の値下がりを期待する動きを見せております。その様ななか、SULBにおきましては、GCC域内での採算重視の受注活動と生産量確保のための輸出とのバランスをとることにより、業績につきましては前年同期比で改善しております。

 

ベトナムの持分法適用関連会社ポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニー(以下、PY VINA)におきましては、形鋼需要は経済回復に伴う改善と感染症再拡大による悪化により一進一退の状況が継続しております。一方で、原材料高のなか、操業改善等によるコスト削減の取り組みを強化するとともに、世界的な鋼材市況の上昇や同国への輸入材の圧力低下を受け、販売価格の押し上げに注力した結果、業績は底堅く推移しております。なお、ベトナムにおいては、PY VINAの働きかけにより、マレーシアからの輸入H形鋼に対するアンチダンピング調査が2020年8月に開始されておりましたが、2021年8月に関税率10.64%(5年間)の措置が発効されており、輸入H形鋼に対する貿易障壁としてベトナム国内のH形鋼市場安定化に寄与することと期待しております。

 

韓国の持分法適用関連会社ワイケー・スチールコーポレーション(以下、YKS)におきましては、住宅建設等の増加を背景に、鉄筋需給バランスが改善を見せていることから販売単価が上昇し、業績は堅調に推移しております。なお、2021年8月2日公表の「2022年3月期 第1四半期決算短信」にてお知らせしておりますとおり、現地パートナーである大韓製鋼社とYKSとの製販両面での連携強化を通じたYKSの更なる収益性向上を図るため、大韓製鋼社のYKSへの出資比率を51%から70%とし、当社グループの出資比率を49%から30%へと変更しております。これに伴い、2022年3月期の第3四半期以降は、YKSの業績の30%が当社の持分法投資損益に反映されることになります。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比1,050百万円減107,706百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前年同期比159百万円減8,531百万円、経常利益は前年同期比22,115百万円増39,622百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期比22,949百万円増27,823百万円となりました。

なお、ベトナムのPY VINAにつきましては、2020年3月末に持分法適用関連会社となったことから、前第3四半期連結累計期間の連結業績には同社の4~9月の業績が反映されております。また、韓国のYKSにつきましては、2020年9月に、ヤマト・コリア・ホールディングスカンパニーリミテッド(以下、YKH)が営む棒鋼事業を会社分割により新設されたYKSに承継し、YKS株式の51%を大韓製鋼社へ譲渡したことにより持分法適用関連会社となったことから、前第3四半期連結累計期間の連結業績にはYKHの棒鋼事業の1~8月の業績が連結子会社として反映され、9月の業績が持分法投資損益として反映されております。(前第3四半期連結累計期間には「鉄鋼事業(韓国)」の売上高33,524百万円、営業利益2,508百万円が含まれております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(セグメント情報等)をご参照ください。)

 

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりです。

 ① 鉄鋼事業(日本)

形鋼製品の市中の荷動きは盛り上がりに欠ける状況が継続しておりますが、高炉メーカーが鋼板等の製品に注力しているなか、積極的に新規顧客の開拓に取り組んだ結果、受注は堅調に推移し販売数量は前年同期比で増加いたしました。営業利益につきましては、鉄スクラップ価格の高止まりに加え、合金鉄価格や燃料価格等の上昇基調が収益を圧迫したことから、前年同期比で減益となっております。しかしながら、原料高の影響を最小化すべく、技術力によるコスト低減に努めるとともに販売価格の押上げを図ってきたことにより、収益性は徐々に上向いてきております。

以上により、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ11,364百万円増40,868百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ1,330百万円減1,418百万円となりました。

 

 

  ② 鉄鋼事業(タイ国)

タイ国内は大規模公共投資等が形鋼需要の牽引役となっておりますが、感染症再拡大による経済活動及び建設活動停滞の影響を受けております。輸出市場におきましては、全体的には感染症再拡大による形鋼需要のスローダウンが見られるものの、中国における輸出増値税還付の撤廃や粗鋼減産等により同国メーカーの輸出圧力が低下していることに加え、韓国メーカーの東南アジア市場への輸出が減少したことを受け、需給バランスの改善が見られております。販売数量につきましては、輸出市場におけるシェア上昇への取り組み等により、前年同期比で増加しております。営業利益につきましては、鉄スクラップ高が続いているものの、輸出市場での販売数量の増加及び形鋼価格の上昇が貢献し前年同期比で増益となっております。

以上により、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ20,834百万円増59,094百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ3,835百万円増8,270百万円となりました。

 

  ③ 軌道用品事業

当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ648百万円減5,390百万円、セグメント利益(営業利益)は前第3四半期連結累計期間と比べ141百万円減530百万円となりました。

 

  ④ その他

その他の売上高は前第3四半期連結累計期間と比べ923百万円増2,352百万円、セグメント利益(営業利益)は122百万円(前第3四半期連結累計期間はセグメント損失(営業損失)31百万円)となりました。

 

(2)財政状態

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ30,955百万円増加390,743百万円となりました。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4,285百万円増加38,276百万円となりました。

また、純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加、配当金の支払による減少、自己株式の取得による減少の他、為替換算調整勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ26,670百万円増加352,467百万円となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,865百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが71,343百万円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローは15,537百万円減少いたしました。これに資金に係る換算差額の増加2,145百万円を加えた結果、前連結会計年度末に比べ62,817百万円増加し、当第3四半期連結会計期間末の資金残高は81,980百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において、営業活動による資金の増加は4,865百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ19,667百万円減少しました。これは主に、当第3四半期連結累計期間において、売上債権の増減額(△は増加)が△11,362百万円(前第3四半期連結累計期間は△287百万円)及び棚卸資産の増減額(△は増加)が△9,577百万円(前第3四半期連結累計期間は1,835百万円)であったこと等によります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において、投資活動による資金の増加は71,343百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ94,374百万円増加しました。これは主に、当第3四半期連結累計期間において、定期預金の払戻による収入が81,405百万円(前第3四半期連結累計期間は3,424百万円)であったこと等によります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において、財務活動による資金の減少は15,537百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ5,849百万円増加しました。これは主に、当第3四半期連結累計期間において、自己株式の取得による支出が△6,881百万円(前第3四半期連結累計期間は△2,580百万円)であったこと等によります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。