第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルし、省資源・省エネルギーを通じて地球環境の保全に努めるとともに、社会の発展に貢献することを経営理念としております。商品力強化・差別化により、顧客ニーズを追求し、現場・現物に立脚した合理的でオープンな経営を進め、イノベーションを通じてゆるぎない競争力を維持し、信頼される企業グループを目指します。

 

 (2) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略

当社事業において、需要の大宗を占める国内建設需要は中長期的には減少傾向が続くものと思われる一方、副原料・主要資材の更なる高騰に加え、エネルギー価格・輸送コストの一層の増加も懸念され、スクラップ価格の変動と合わせ、引き続き、厳しい状況が続くと思われます。こうした困難な経営環境を克服し、企業として成長を持続することが最大の課題であると考えております。

当社グループは、本年3月に策定・公表した『2020年度連結中期計画 ~新たな飛躍~ 』のとおり、2020年度での売上高1,000億円、経常利益100億円、売上高利益率10%の経営目標に向け、引き続き鋭意努力してまいります。

併せて、品質管理をはじめとするコンプライアンスの徹底を図りつつ、安全衛生・環境・防災に関するリスク管理に一層努めるとともに、人材育成・技能伝承等の基盤整備を推進してまいります。

また、海外事業(KOS社)を中心とする成長戦略の推進や、品質・商品力の更なる強化とグループ国内事業の効率的な生産・物流体制の一層の強化にも取り組んでまいります。加えて、徹底的な省エネルギー対策や生産性向上対策を引き続き推進し、業界トップクラスのコスト競争力の更なる強化に努めてまいります。

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 製品及び原材料等価格変動のリスク

普通鋼電炉業界は、国内において需要量に対し供給能力余剰の構造にあり、過剰生産及び販売による販売価格の崩落リスクがあります。

また、中国を中心とした東アジア諸国における鉄鋼生産の増大等による海外鋼材市況の下落リスクや主原料である鉄スクラップ価格及び副原料である合金鉄や資材等の高騰並びに乱高下リスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 電力供給に関するリスク

大量の電力を使用する当社グループは、原子力発電所を含む各発電所の稼働状況および天候等の影響により、電力需給が逼迫した場合、電力供給の制約を受ける可能性があります。また、高止まりしている電力料金につきましても、今後の国内電力供給環境の変化によっては、さらなる上昇リスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 災害に関するリスク

当社グループの各事業所において大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、事業活動が制約を受けることにより、業績に影響が生じる可能性があります。

 

(4) 関係会社所在国のカントリーリスク

当社は、インドネシア共和国に子会社を所有しております。同社の業績は、為替相場の変動や、同国の政治・経済情勢及び法環境等が変化した場合、影響を受けます。また、同国において突発的な政情不安や自然災害等が発生した場合、工場の操業停止等の事態に陥るリスクがあります。

なお、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に設備投資が緩やかに増加し、雇用・所得環境の改善が一層進んだことで、個人消費に持ち直しの動きがみられ、全体としては緩やかな回復基調が続くこととなりました。

鉄鋼業界につきましては、国内では、建築・土木向け需要が底堅く推移し、産業機械をはじめとする製造業向け需要にも増加の傾向がみられたことで、国内需要は総じて堅調に推移しました。また、海外についても、需要の伸びに加え、中国での過剰生産能力の解消に向けた動きを受け、鋼材需給は改善し、市況も上昇傾向となりました。

当社グループの属する普通鋼電炉業界では、需要は堅調に推移したものの、スクラップ価格の上昇・高止まりに加えて、副原料・主要資材価格や輸送コストの上昇により、コストが大きく増加いたしました。

このような厳しい経営環境において、当社グループはコンプライアンスの強化・充実を図りつつ、安全衛生・環境・防災のリスク管理強化を鋭意進めるとともに、品質向上および商品力強化を一段と推進してまいりました。また、更なる省エネルギー・省電力の追求、現場・現実に根差した操業努力による徹底したコスト削減にも積極的に取り組んでまいりました。

これらの取り組みに加え、連結子会社である東京鋼鐵株式会社(以下、東京鋼鐵)を含めた当社グループの関東、関西、九州における製造拠点の立地や各々の設備の優位性を活用し、一部製品の生産移管等により最適な生産・物流体制の強化に取り組みました。

さらに、東京鋼鐵において鋼片(ビレット)長尺化工事を行い、PT. KRAKATAU OSAKA  STEEL(以下、KOS社)への鋼片供給を拡大する体制を整えました。

また、KOS社につきましては、昨年7月に竣工式を終え、当社グループからの鋼片安定供給の優位性を活かしながら、成長するインドネシアのインフラ需要を捕捉しつつ、順調に生産・販売数量を拡大させております。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループにおける鋼材売上数量は、109万7千トン(前期実績94万9千トン)、売上高は811億円(前期実績621億3千5百万円)、経常利益は67億3百万円(前期実績59億3千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は43億1千8百万円(前期実績27億6千9百万円)となりました。

当社グループは普通鋼の生産及び製品等の販売並びにこれらの運送を営む単一のセグメントとなっております。

 

 

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産高

(当連結会計年度)

 

品目

生産数量(千トン)

前年同期比増減率(%)

鋼片

1,153

12.3

鋼材

1,140

19.8

 

 

 

②受注実績

(当連結会計年度)

 

品目

受注高
(百万円)

前年同期比増減率(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比増減率(%)

鋼材・鋼片

84,394

29.3

12,144

37.3

 

 

 

③販売実績

(当連結会計年度)

 

品目

販売高(百万円)

前年同期比増減率(%)

鋼材

75,719

30.8

鋼片他

5,381

26.9

合計

81,100

30.5

 

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

 

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 

日鉄住金物産㈱

17,007

27.4

18,626

23.0

 

エムエム建材㈱

14,200

22.9

16,722

20.6

 

阪和興業㈱

7,798

12.6

9,861

12.2

 

 

 

2 「生産、受注及び販売の実績」に記載されている金額には、消費税等を含んでおりません。

 

 

(2) 財政状態

① 資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べ20.2%増加し、1,227億3千7百万円となりました。これは、主として棚卸資産が77億5千2百万円、受取手形及び売掛金が74億1千万円増加したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ5.6%増加し、719億2千8百万円となりました。これは、有形固定資産が33億7千8百万円増加したことなどによるものです。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ14.4%増加し、1,946億6千5百万円となりました。

② 負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べ113.7%増加し、327億1千万円となりました。これは、主として短期借入金が85億8千8百万円、支払手形及び買掛金が75億3千1百万円増加したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ31.4%増加し、176億6千8百万円となりました。これは、主として長期借入金が39億4千4百万円増加したことによるものです。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ75.2%増加し、503億7千9百万円となりました。

③ 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2.0%増加し、1,442億8千6百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益などにより利益剰余金が31億5千万円増加したことによるものです。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ16億6千万円増加し、605億9千8百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、使用した資金は8億5千4百万円(前連結会計年度49億2千4百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益67億3百万円、減価償却費39億2千4百万円、仕入債務の増加額75億1千万円、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額77億3千1百万円、売上債権の増加額73億9千5百万円、未収入金の増加額38億2百万円であります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、使用した資金は89億7千3百万円(前連結会計年度116億1千万円の支出)となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出90億4千6百万円であります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、得られた資金は114億9千8百万円(前連結会計年度57億7千4百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増減額85億3千7百万円、長期借入れによる収入42億6千8百万円、支出の主な内訳は、配当金の支払額11億6千7百万円であります。

 

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの当連結会計年度の資金状況は、営業活動におけるキャッシュ・フローにおいて8億5千4百万円の資金を支出しております。

これに投資活動による支出89億7千3百万円、財務活動による収入114億9千8百万円を加え、当連結会計年度における資金は16億6千万円増加し、換算差額を考慮した現金及び現金同等物は605億9千8百万円となりました。

なお、今後の資金需要の主なものは、次連結会計年度における設備の新設、改修等に係る投資額約65億円でありますが、その財源は自己資金にてまかなう予定としております。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

    該当事項はありません。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社は新商品開発、製造プロセス改善、圧延生産性向上、ビレット及び製品品質向上をテーマに上げ、技術開発・操業改善に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度においては、新商品開発にかかる研究開発費を16百万円計上しております。