当社グループは、鉄鋼事業を中核とした資源循環型事業を通じて社会と共生し、日本経済と地域社会の発展に貢献することを経営理念に定めています。この理念の実現を目指し、安全とコンプライアンスを徹底する経営風土を作り出すこと、進取と変革に挑戦する企業風土を醸成すること、メーカーの原点である現場重視の経営体制を構築することを行動指針とし、グループ一丸となって取り組んでいます。
当社は「100年企業」に向け、創業の精神である“Spirit of Challenge”という経営理念の下、社会やお客様などステークホルダーからより一層信頼され、評価される「質の高い」企業づくりに取り組んでいます。具体的には、「世界のインフラ・環境づくりに貢献する企業」「利益水準を向上しステークホルダーに還元する企業」「コンプライアンス・品質を重視する企業」「働きがいのある安全で働きやすい職場」という当社グループのあるべき姿の実現を目指します。
これらを実現するため、当社は2018年10月に、2020年度を最終年度とする中期経営計画「Quality Up 2020」(以下、「本中期計画」といいます。)を策定しました。本中期計画のスローガンとして「未来への挑戦 より強い共英製鋼グループを目指して」を掲げております。
① 経営計画
本中期計画の最終年度である2020年度の達成目標として、連結売上高2,800億円、連結経常利益140億円、製品出荷量400万トン(国内180万トン、海外220万トン)、ROS5%以上、ROE6%以上、配当性向30%程度を設定しております。設備投資・事業投資額については、2018年度から2020年度の3年間で450億円の実施を計画しております。
② 基本方針
ステークホルダーから長期的に信頼、評価される企業を実現するために、本中期計画期間中に「経営力・現場力・社員力」の向上という3つのQuality Upに取り組みます。
・経営力: ガバナンス体制の強化、コンプライアンスの重視、品質管理体制の向上
・現場力: 操業技術力や営業力・顧客サービス力の質的向上
・社員力: 自立型人材の育成、多様な人材の採用・登用
③ 具体的施策
事業セグメントごとに、国内鉄鋼事業は「競争力の強化・生産性の向上」、海外鉄鋼事業は「出荷量の増加・収益力の強化」、また、環境リサイクル事業と鉄鋼周辺事業は「収益機会の拡大」に取り組みます。同時に、その取り組みを支える「経営基盤の強化」を進めます。
1) 国内鉄鋼事業の競争力の強化・生産性の向上
・国内出荷量180万トン体制の確立とトン当たり利益の改善を目標とします。
・生産面では、より効率的な生産体制の構築、操業技術力の向上等により製造コストの削減を進めます。
・営業面では、営業部員一人ひとりの営業力、顧客サービス力の向上を図るとともに、購買・販売・出荷業務の改革を進めます。
・工場設備の老朽化対応・強靭化対策に取り組みます。また、建築工法の多様化等に対応した新製品の開発に努めます。
・引き続き、国内電炉業界が適正な競争環境の下で健全に発展していくため、業界再編や業務提携に前向きに取り組みます。
2) 海外鉄鋼事業の出荷量の増加・収益力の向上
・海外出荷量220万トン体制の構築とトン当たり利益の改善により海外鉄鋼事業の利益を全体の3割程度まで引き上げることを目標とします。
・ベトナム・米国の拠点において、設備投資による増産・増販とコスト削減、生産効率の改善に取り組みます。
・ベトナムでは、北部2社の一体運営、及び南部の鉄鋼事業と港湾事業との連携強化を図ります。
・引き続き、米国事業の拡大や新たな地域での事業展開を検討します。
3) 環境リサイクル事業および鉄鋼周辺事業の収益機会の拡大
・環境リサイクル事業および鉄鋼周辺事業の利益を安定的に全体の1割程度とすることを目標とします。
・環境リサイクル事業については、電気炉での無害化溶融処理による質の高い廃棄物処理に努めるとともに、管理体制の強化を図り、顧客からの信頼とブランド力を高めます。また、廃棄物処理設備の投資や他社との
連携・提携、加えて、海外での事業展開を検討します。
・鉄鋼周辺事業については、子会社群の収益力の強化を図るとともに、新製品の開発や事業の多角化、新規事業への展開を検討します。
4) 経営基盤の強化
・ステークホルダーから長期的に信頼、評価されるようガバナンス体制を強化し、コンプライアンスの重視と品質管理体制の向上に取り組みます。
・当社グループの成長を担う自立型人材の育成や多様な人材の採用・登用、働きがいのある安全で働きやすい職場環境の実現に取り組みます。
・国内事業所や国内外の子会社間の連携を強化し、グループ総合力を最大限に発揮できる体制を構築します。
・操業の機械化・自動化による安全の確保と作業の省人化・無人化やAI・IoTを活用した次世代操業に向けた取り組みを始めます。
・省エネやCO2削減への取り組みを強化するとともに、社会貢献活動の拡充を図ります。
・資本コストを意識しつつ、健全な財務内容の維持・構築のために、最適な投資戦略や財務戦略を立案・実行します。
④ 中期経営計画の進捗状況と優先的に対処すべき課題
本中期計画の2年目となる当連結会計年度においては、連結売上高2,550億円、連結経常利益105億円、製品出荷量363万トン(国内178万トン、海外185万トン)、ROS4.1%、ROE4.8%を目標として設定し、売上高は若干未達となったものの、経常利益については190億円と目標値を大きく上回り、最終年度の目標である140億円を前倒しで達成することができました。ROS、ROEにつきましても、それぞれ7.9%、7.8%と大幅に改善しました。
経営力・現場力・社員力の向上を目指す「3つのQuality Up」については、社外役員の増員などガバナンス体制の強化、コンプライアンス意識調査の継続的な実施(経営力)、製造現場における自動化・省力化への取り組み、営業部門の全社システム改革(現場力)、人事制度改革の実施、教育・研修制度の拡充、福利厚生施設の充実などの職場環境整備(社員力)など、各方面でテーマを掲げ、具体的な取り組みを進めています。
以上の通り、定量面、定性面とも概ね順調に進捗しておりますが、その内容については課題も残しています。特に、海外鉄鋼事業については、本中期計画において「利益を全体の3割程度まで引き上げる」との目標を掲げていますが、当連結会計年度においても達成には至っておらず、優先的に対処すべき最重要課題と位置付けております。
当社グループの鉄鋼事業は日本・ベトナム・北米の「世界3極体制」の下で進めておりますが、ベトナムにおいては、依然として需要は堅調であるものの、供給能力過剰による価格競争が続いており、事業環境は厳しい状態です。また、北米エリアにおいては、2016年末に橋頭保としてビントン・スチール社を取得後、事業規模等の観点から、事業拡大を模索していました。
その意味で、本年3月のアルタ・スチール社買収は、当連結会計年度における特に重要な施策です。同社の買収により、当社のグローバル戦略の柱である「世界3極体制」はより強固なものとなり、海外の製品出荷量目標220万トンを目指す布石となりました。アルタ・スチール社は、カナダ西部唯一の電炉工場として60年以上にわたり事業を行ってきた優良な電炉メーカーです。同社の運営面での速やかなグループ化を進め、米国のビントン・スチール社と連携を取りつつ、北米での鉄鋼事業を強化してまいります。
日本・ベトナム・北米の各拠点が地域に根差した事業を展開して強さを発揮する「グローカル・ニッチ戦略」の下、互いに切磋琢磨することにより、グループ全体の企業価値向上を目指してまいります。
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2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
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中期計画 |
実績 |
中期計画 |
実績 |
中期計画 |
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売上高 |
2,350億円 |
2,423億円 |
2,550億円 |
2,393億円 |
2,800億円 |
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経常利益 |
70億円 |
86億円 |
105億円 |
190億円 |
140億円 |
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出荷量 |
326万トン |
327万トン |
363万トン |
337万トン |
400万トン |
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(国内) |
174万トン |
175万トン |
178万トン |
165万トン |
180万トン |
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(海外) |
152万トン |
152万トン |
185万トン |
172万トン |
220万トン |
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ROS |
3.0% |
3.6% |
4.1% |
7.9% |
5%以上 |
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ROE |
3.5% |
4.6% |
4.8% |
7.8% |
6%以上 |
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配当性向 |
28.9% |
26.7% |
24.8% |
28.4% |
30%程度 |
⑤ 2020年度の重点推進施策
以上のように、当社グループは本中期計画の下、海外鉄鋼事業の収益力強化を優先的に対処すべき課題として企業価値の向上に努めていきますが、今般の新型コロナウイルス感染拡大は、世界経済に甚大な影響をもたらし、当社グループを巡る経営環境は、不確実性が高まっております。当社グループの中核事業である鉄鋼事業においては、国内外ともに、建築・土木工事の中断や延期などによる鋼材需要の減少により、市況悪化や出荷量の減少が予想されます。国内では、2019年度第4四半期より需要の減少が見られる中、経済活動を再開させた中国の影響により、原材料である鉄スクラップの価格が上昇基調にあります。ベトナムでは新型コロナウイルス感染症の抑え込みには成功しているものの、当局の指導による厳しい移動制限や、工事の中断等事業活動に制約がありました。米国やカナダでは景気の減速により鉱山向け鋼材の需要が低迷しています。世界における新型コロナウイルス感染拡大は継続しており、今後の影響の程度について、定量的に想定することは困難な状況です。
当社グループとしましては、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、グローバル経済の今後に大きな変化が生じるとともに、我が国においては、人口減少時代に対応した働き方改革、情報技術の進歩やそれに伴う購買行動・流通構造の変化、ESGに関する意識の高まりなど、社会の構造的変化が加速化すると考えております。
従いまして、2020年度におきましては、新型コロナウイルスショックなど当社グループを取り巻く外部環境の大きな変化やリスクに対応し、次の5点を重要推進施策として取り組みます。
・国内鉄鋼事業の最適な生産・販売・購買体制の構築
・海外鉄鋼事業の現地化ならびに「グローカル・ニッチ戦略」の推進
・ポストコロナ時代に対応したグループ総合力の強化
・サステナブルな社会の実現に向けた取り組み
・ワークスタイルの変化に対応した職場づくり・人づくり
これからは、人をつなぎ、時をつなぎながら持続的成長を続けていくとともに、イノベーションにも挑戦していかなければなりません。
今後の成長を見据えた次期中期経営計画の策定を視野に入れつつ、上記施策に取り組んでまいります。
なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)現在において判断したものです。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。これらのリスク発生の可能性を的確に認識し、リスクの軽減と発生の回避、リスクが顕在化した際の迅速な対応にグループの総力を挙げて取り組んでまいります。
なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)現在において判断したものであります。
(1) 日本製鉄株式会社との関係について
本書提出日現在、日本製鉄株式会社は当社発行済株式の25.8%(当社議決権比率では26.7%)を保有する当社の筆頭株主であり、当社は同社の持分法適用関連会社であります。しかしながら、当社は自ら経営責任を負い、独立した事業経営を行っており、今後もかかる経営を継続していく方針であります。ただし、同社は当社に対して相応の株式を保有していることから、当社の筆頭株主として議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
(2) 建設需要の減少について
人口減少が進む成熟した日本経済の下、長期的に見て、国内の公共事業、民間建設需要が大きく伸長することは考えにくく、当社グループの主力製品である異形棒鋼の需要もそれに伴い減少することが考えられます。減少する需要を当社グループで捕捉できない場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、人口増加や経済発展により建設需要の見込める海外への進出に積極的に取り組んでいます。既にベトナム、米国、カナダへ進出していますが、進出先を世界各地に分散させることで、特定の国あるいは地域の需要減退の影響を、他の国あるいは地域の事業によって補完するエリア戦略を展開しています。
(3) 競合激化による販売価格下落並びに出荷量減少について
当社グループの中核事業である国内鉄鋼事業は、競合する電炉メーカーが多数存在し、構造的な供給能力過剰問題を抱えております。よって、今後の鋼材需要動向次第では販売量確保のための競争が高じ、販売価格の下落および出荷量の減少により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、競合メーカーに対抗し得る営業力強化と製造コスト削減、製品品質の向上や付加価値製品の開発に取り組んでいます。
(4) 原材料および副資材の価格上昇並びに調達制約について
当社グループが使用する原材料(鉄スクラップ)は、グローバルな需給環境により価格が変動しますが、価格上昇は製品販売価格への転嫁が難しく、また、副資材(電極、合金鉄等)も、価格上昇や供給不足により必要量の調達ができなくなることで、製造コストの上昇や操業停止を招く可能性があり、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、有利かつ安定的な原材料、副資材の調達のため、情報収集に努めながら調達価格・時期等について的確な判断を行うとともに、信頼できる調達先の確保に努めています。
(5) 電力および燃料等のエネルギー価格上昇について
原子力発電所の停止による電力単価の引き上げ、さらには再生可能エネルギーにかかる賦課金など電力費の負担は高水準で推移しています。また世界的にエネルギー(石油、液化天然ガス等)価格が高騰した場合、もしくは為替動向によりエネルギー輸入価格が高騰した場合、当社が製造工程で使用する電力コストや燃料コストの他、輸送コストが増加する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、電力原単位の低減を中心とした生産性の向上に努め、エネルギーコスト等の削減に取り組んでいます。
(6) 物流を巡る外部環境の変化について
当社グループの製品の出荷および原材料や副資材の入荷にかかる物流を巡る環境が、運送業界の人手不足や規制強化等により大きく変化した場合、輸送コストの上昇や輸送力の確保に支障が生じることで、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、輸送にかかる中継地の設置、往復便の利用、積込や待機時間の短縮、運送業者の子会社化など輸送効率の向上や輸送力の確保に努めています。
(7) 品質に関する問題の発生について
当社グループの製品に関する品質については、産業標準化法に基づくJISや建築基準法、評定等の公的規準並びに取引先との契約等によって規定されています。また、近年各業界において、品質違反、品質偽装等の問題が発生して社会的な耳目を集める状況下、当社グループの製品は、不特定多数の生命・財産に影響を及ぼす建設物や工作物に関連するものが多く、その品質には社会的にも強い関心が寄せられているものと認識しています。そのため、品質に関する問題が発生した場合、公的認証や取引の喪失、レピュテーションの低下等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、品質管理室においてグループ横断的な品質統括管理を行い、計画的に品質監査を実施するとともに、中央品質管理委員会において、品質監査で把握された品質管理に関する重要課題に改善指示を行うなど、品質管理体制を強化しています。また、各生産拠点においては、検査・試験工程において、手介入によるデータ改竄・誤入力のリスクを低減する目的で自動測定機器や自動伝送システムの導入など、ハード面においても品質管理上の問題発生を抑制するための対応を進めています。
(8) 環境に関する問題の発生について
当社グループが展開する鉄鋼事業及び環境リサイクル事業は、操業に伴い煤煙や煤塵、残渣が不可避的に発生するという性質上、各種環境法令の規制を受ける他、当社グループの実施する環境保全施策については、生産拠点の所在する近隣住民をはじめ、高い社会的関心が寄せられているものと認識しております。そのため、特に規制等が変更された場合には、設備の導入や人員の確保等、相応の追加投資が必要となる可能性があり、規制等変更に対する対応の巧拙によっては、行政処分等に基づく事業停止やレピュテーションの低下等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、法令に基づく環境データ測定を定期的に実施するとともに、環境監査においてその実施状況を確認しています。また複数の拠点において環境マネジメントシステムISO14001 を取得し、環境保全のための体制整備を行っております。さらに排ガス集塵機といった環境設備の維持更新、工場で使用する冷却水のクローズドシステムの構築など、環境保全に資するハード面の整備にも取り組んでいます。今後は、鉄鋼生産及び廃棄物リサイクル時に発生する副産物の排出を抑制するための研究開発や技術保有企業との連携に取り組み、ゼロエミッションの実現を目指します。
(9) 需要家ニーズの変化への対応遅延について
需要家は工期短縮や現場作業の省人化を目的とした新工法の開発を進めており、その中でニーズも変化します。当社グループはこれに応えるべく努めておりますが、競合他社が需要家のニーズを満たした新製品を先行して市場投入することで、当社グループの製品出荷量が減少し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、開発室を中心に需要家のニーズを把握しながら、高強度異形棒鋼やその加工製品、新たな加工製品の開発に取り組んでおります。また、今後は、複数の需要家の技術部門との関係強化を図るなどして、新製品の共同開発も検討していきます。
(10) 海外事業固有のリスクについて
当社は、ベトナム、米国及びカナダに子会社を所有しています。当該子会社の業績は、各国内の経済状況、鋼材市況の影響を受け、それらが悪化した場合、同子会社の業績も悪化する可能性があります。また各国の法令・規制や税制により子会社の事業が制約を受け、想定外の負担等が発生する可能性があります。さらに各国の突発的な政情不安、自然災害、あるいは労働災害等により操業停止等の事態に陥る可能性がありますが、日本とは経済事情、商習慣、文化、労使関係も異なるため、そのような場合には、復旧に予想外に時間がかかることも想定されます。これらの結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、現地経営陣から定期的に現地の経済状況・鋼材市況や業績の報告を求めるとともに、進出先の国あるいは地域の法令・税制やその変更点等について、外部専門家の指導を受けながら対応に努めています。
当該子会社が外国資本との合弁会社である場合、意思決定や事業運営に一定の制約が生じます。この結果、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、子会社の合弁相手先との意思決定の方法や事業運営の役割分担について、当社グループに不利益のないよう合弁契約等において明確に定め運用するとともに、定期的に合弁相手先との子会社の経営に関する情報交換を行っています。
(11) 環境リサイクル事業固有のリスクについて
環境リサイクル事業の事業活動においては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)により定められた許可を要しますが、法規制や社会的要請に反する事象が発生した場合、許認可その他の事業資格の喪失等により事業が継続できないことで、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、廃掃法を遵守するよう役員・従業員に対する啓蒙・教育の場を設けるとともに、廃棄物処理の実務における廃掃法遵守状況の管理強化に努めています。
顧客である排出事業者からより高度なリサイクル方法が求められる中、新しいリサイクル技術の開発とその設備導入が必要であり、それらにかかる費用の増加、また技術開発・設備導入遅延による顧客の減少などにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、排出事業者の企業活動領域のグローバル化に伴い、特に国内及び欧州の環境規制の情報収集を行い、早期に対応を行うことで顧客確保を図っています。
(12) SDGs達成に向けた取り組みの不足・遅延について
近年、企業経営において株主至上主義からESG(環境・社会・企業統治)にも目を向け、企業を取り巻くあらゆるステークホルダーとの関係性を見直すべきとの考えが普及し、ESG・SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みが強く求められています。当社グループの取り組みが不足・遅延することにより、人材採用環境の悪化や顧客の減少、レピュテーションの低下などにつながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、今後は、ESG推進室を中心にステークホルダーの当社グループに対する期待や要請について情報収集し、社会に対する重要度、当社グループにとっての重要度を分析することで、マテリアリティ(重要課題)を特定するとともに、SDGs達成に向けた具体的な取り組みを推進していきます。
(13) 企業買収や資本提携等に係るリスクについて
当社グループは、今後の事業拡大に向けて企業買収や資本提携等が重要かつ有効であると認識しておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明し損失が発生する可能性も否定できません。また、買収にかかるのれんが発生する場合、その償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんにかかる減損損失等の損失が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、企業買収や資本提携等を検討する場合、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うとともに、コストアプローチ法、インカムアプローチ法などにより、買収価格の妥当性を多角的に検証・精査することで、極力リスクを回避するように努めています。なお、企業買収にかかるのれんの当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は3億円です。
(14) 固定資産の減損リスクについて
当社グループは、生産設備や土地等の有形固定資産を有しておりますが、設備投資による効果が得られないことなどにより、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、「固定資産の減損にかかる会計基準」の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業の成長に必要な設備投資を行う中で、大規模な設備投資については投資効果・採算性の検証を綿密に行い、極力リスクを回避するように努めています。また、設備の稼働後も、予実管理を継続的に実施しています。
(15) 多様な人材の確保について
当社グループは、事業の運営・成長に必要な人材の確保に努めておりますが、事業運営には、各種の資格や技能・専門知識を有する人材の確保が必要であり、これらの人材育成には相応の期間を要することから、今後、少子化等による労働市場の需給逼迫や人材流動化の進展等により、人材の確保が想定どおりに進まない場合、中長期的には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、従来型の採用を強化しながら、性別・国籍を問わず、専門人材、海外人材、障がい者など多様な人材の確保に向けた採用活動と、より活躍できる環境を整備すべく人事・福利厚生諸制度の改定に取り組むなど、魅力ある企業づくりに努めています。
(16) 情報システム並びにネットワークの障害について
当社グループが展開する事業に関しては、情報技術を広範囲に活用しており、情報システムやネットワーク障害、外部からのサイバー攻撃が発生した場合、業務や操業の停止などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業務を継続的に運営できる体制の整備のために、システムやネットワーク環境の高度化、情報セキュリティの向上に取り組んでおります。データセンター、セキュリティ監視会社の利用など外部専門機関を活用するとともに、ネットワーク回線の複数化、セキュリティにかかるハード面の増強、社内教育の充実などインフラや社内体制の整備を進めています。また、今後は、スマートファクトリー推進室と各生産拠点の保全部門との緊密な連携の下、FAシステムの改修・構築に取り組んでいきます。
(17) コンプライアンスに反する事象の発生について
当社グループが展開する事業に関しては、製品の品質・取引関係・環境・労務・安全衛生・会計基準・税務等の多岐にわたる法規制や、種々の社会的要請が存在することから、コンプライアンス関連のリスクを完全には回避できない可能性があります。そのため、法規制や社会的要請に反する事象が発生した場合、許認可その他の事業資格の喪失や、当社グループの社会的信用の低下、訴訟対応等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、行動指針に高い倫理観を持ち、公正・誠実を旨として行動すべきことを謳い、リスク・コンプライアンス委員会における議論や役員・従業員に対する啓蒙・教育の実施等を通じてコンプライアンス体制を構築するとともに、事業拠点毎にコンプライアンス推進計画を策定・実践するなど、自主的・自律的なコンプライアンス活動の推進に努めています。
(18) 自然災害や戦争・テロ行為等の発生について
当社グループは日本、ベトナム、米国、カナダに製造、販売等の拠点を設け事業を展開しています。これらの国あるいは地域において、地震、火災、台風、洪水、戦争、テロ行為等が発生した場合、事業活動が停滞し、また損害を被った設備等の修復のため多額の費用が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これら災害等にかかるリスクに備え、事業継続計画(BCP)の策定・訓練の実施、耐震対策、在庫の確保、製品や設備予備品等の拠点間融通など、従業員の安全と製品の安定供給のための体制を整備するとともに、損害保険への加入等を通じてリスクの低減に努めています。
(19) 設備の故障や事故等の発生について
当社グループが展開する鉄鋼事業では、高電圧の電力使用による電気炉操業が製造の中核であり、その心臓部である電炉トランスが故障した場合、操業に大きな支障をきたします。各生産拠点では綿密な設備管理を行っておりますが、不可抗力により不具合もしくは故障が発生する可能性があります。また、電気炉で高温溶融する鉄スクラップの受入れには、収集業者への指導と受入れ検査の徹底による異材混入の排除に努めておりますが、水分を含んだ密閉容器の混入などにより、電気炉操業時に水蒸気爆発が発生し、設備の破壊、操業の停止に至るリスクがあり、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、工場設備の定期的な保全並びに老朽化設備の計画的な更新に取り組み、また、爆発リスク低減のために、鉄スクラップ受入れ時のチェック体制を強化しています。
(20) 新型コロナウイルス感染症等のパンデミックの発生について
当社グループは日本、ベトナム、米国、カナダに製造、販売等の拠点を設け事業を展開しています。これらの国あるいは地域において感染症等が発生・拡大した場合、事業活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)を策定して、有事の際に従業員の安全と製品の安定供給を確保するための手順等を定めています。今後は、BCPに基づく定期的な訓練実施を通じて、その実効性を継続的に検証・改善していくとともに、感染症等の発生・拡大時にも臨機応変に業務対応できるよう、平時から、時差出勤や在宅勤務等、柔軟な働き方に関する制度・環境整備を進めます。
(21) 為替相場の変動並びに保有株式価値の下落について
当社グループの海外子会社の現地通貨建て資産負債や国内の事業活動における一部の個別外貨建て取引は、円換算時に為替相場の影響を受けますが、想定を超えた為替相場の変動が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、日本、ベトナム、米国、カナダにて地産地消型の事業を展開し、ビジネス通貨を分散させることで、為替変動リスクを一定程度軽減させています。また、国内の個別外貨建て取引においても、為替予約、通貨スワップ等を付加することで、為替変動リスクをヘッジしております。
当社グループが保有する上場株式の株価下落あるいは投資先企業の業績不振に伴う投資有価証券の価値下落により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、政策保有株式は縮減することを基本方針としており、保有する場合も便益と資本コストを検証する等、厳格に判定しております。なお、当社グループが保有する政策保有目的の上場株式の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は21億円です。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの主要需要先である国内建設用鋼材市場では、建築・土木分野向けともに鋼材需要は盛り上がりを欠く状況であったことに加え、年明けから期末にかけての新型コロナウイルス感染症の影響によって停滞感が強まり製品市況も軟化する中、製品価格の維持に努めました。一方、鉄スクラップ市況は、期初より下落基調で推移し、11月より一旦上昇に転じましたが、年明けには再び下落基調に転じ、想定を下回る水準となりました。結果として、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差額)は拡大しました。
海外鉄鋼事業については、ベトナム、米国とも、当期後半には競合環境の激化や製品市況の軟化などにより苦戦したものの、堅調な需要の下、全体として前期を上回る業績となりました。
なお、当期に関しては、新型コロナウイルス感染症の経営成績への影響は軽微でした。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,723百万円(1.7%)減少し、159,192百万円となりました。これは、現金及び預金が13,476百万円、原材料及び貯蔵品が2,949百万円増加し、受取手形及び売掛金が9,242百万円、電子記録債権が3,353百万円、有価証券が2,100百万円、商品及び製品が1,255百万円、流動資産その他が3,031百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて14,983百万円(15.0%)増加し、114,657百万円となりました。これは、機械装置及び運搬具が5,841百万円、土地が6,937百万円、建設仮勘定が2,374百万円、投資有価証券が1,070百万円増加し、のれんが3,677百万円減少したこと等によります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて12,260百万円(4.7%)増加し、273,850百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,338百万円(2.9%)増加し、82,238百万円となりました。これは、短期借入金が5,880百万円、流動負債その他が3,113百万円増加し、支払手形及び買掛金が7,334百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2,122百万円(7.6%)増加し、30,032百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が3,957百万円、繰延税金負債が1,093百万円増加し、長期借入金が3,429百万円減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,460百万円(4.1%)増加し、112,269百万円となりました。なお、グループ全体の当連結会計年度末の借入金は、前期末から2,850百万円増加して71,637百万円となり、有利子負債自己資本比率(DEレシオ)は0.5となっております。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて7,800百万円(5.1%)増加し、161,581百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益11,489百万円、剰余金の配当1,738百万円、その他有価証券評価差額金の減少539百万円、為替換算調整勘定の減少965百万円等によります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べて179円50銭増加し、3,479円31銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.8%から55.2%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は前期対比2,914百万円(1.2%)減収の239,343百万円となりました。連結営業利益は同10,203百万円(110.9%)増益の19,404百万円、連結経常利益は同10,308百万円(119.2%)増益の18,954百万円、親会社株主に帰属する当期純利益については、前期対比4,985百万円(76.6%)増益の11,489百万円となりました。なお、当連結会計年度において、アルタ・スチール社の取得に伴う負ののれん発生益3,512百万円(第4四半期)を特別利益として、ベトナム北部拠点の一つであるベトナム・イタリー・スチール社(VIS社)の固定資産(のれん含む)の減損損失4,630百万円(第3四半期)を特別損失として、それぞれ計上しております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
国内鉄鋼事業
当事業部門については、製品出荷量は前期対比10.2万トン減の165万トンとなりました。鉄スクラップ価格が前期対比8.1千円(23.0%)下落した一方、製品価格は前期と同水準であったため、売買価格差は8.1千円(24.2%)拡大しました。
以上の結果、売上高は前期対比7,953百万円(6.1%)減収の123,299百万円、営業利益は同8,371百万円(86.8%)増益の18,015百万円となりました。
海外鉄鋼事業
当事業部門は、ベトナム及び米国にて鉄鋼事業を展開しております。
ベトナムにおいては、堅調な鋼材需要の下、原材料である鉄スクラップおよび半製品価格が軟調に推移したことから、業績は期初より概ね堅調に推移してきましたが、第3四半期以降は、競合環境が一層厳しさを増す中で北部・南部とも苦戦を強いられました。
米国においては、鋼材需要は底堅く推移しましたが、前期において高騰した製品市況の軟化などにより、第3四半期以降は厳しい結果となりました。
しかしながら、全体としては前期業績を上回り、売上高は前期対比5,183百万円(5.0%)増収の109,063百万円、営業利益は同2,575百万円増益(前年同期は291百万円の損失)の2,284百万円となりました。
環境リサイクル事業
当事業部門については、炭素繊維など処理困難物の処理量は増加したものの、大型のスポット案件が減少したことなどにより、売上高は前年同期対比217百万円(3.2%)減収の6,466百万円、営業利益は同101百万円(8.5%)減益の1,089百万円となりました。
その他
当事業部門については、子会社を通じた土木資材の販売および保険代理店業等のほか、ベトナムで港湾事業を展開しております。売上高は前年同期対比72百万円(16.3%)増収の516百万円となり、営業利益は同187百万円増益(前年同期は40百万円の損失)の147百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて15,678百万円増加し、42,085百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益17,032百万円、当連結会計年度末において売上債権が減少したこと等による運転資金負担減7,048百万円の収入があり、更に、減価償却費等による非資金項目を加え、収入37,921百万円を計上しました。また、利息の支払額1,919百万円、法人税等の支払額3,642百万円、利息及び配当金の受取額871百万円等により、最終的には33,246百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出22,269百万円、定期預金の払戻による収入24,867百万円、当連結会計年度3月より連結子会社となったアルタ・スチール社株式取得による支出15,177百万円、既存鉄鋼製造設備の維持更新や合理化投資、ベトナムの生産拠点の合理化投資のための有形固定資産の取得による支出7,783百万円等により、19,323百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、短期借入金の純増額6,415百万円、長期借入れによる収入1,000百万円、長期借入金の返済による支出3,855百万円、配当金の支払額1,739百万円等により、1,697百万円の収入となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
前年同期比(%) |
|
国内鉄鋼事業(百万円) |
87,599 |
68.5% |
|
海外鉄鋼事業(百万円) |
77,564 |
76.5% |
|
環境リサイクル事業(百万円) |
4,593 |
69.4% |
|
その他(百万円) |
340 |
72.0% |
|
合計(百万円) |
170,096 |
72.0% |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループの販売実績のうち、見込生産形態によるものが大半を占めるため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
前年同期比(%) |
|
国内鉄鋼事業(百万円) |
123,299 |
93.9% |
|
海外鉄鋼事業(百万円) |
109,063 |
105.0% |
|
環境リサイクル事業(百万円) |
6,466 |
96.8% |
|
その他(百万円) |
516 |
116.3% |
|
合計(百万円) |
239,343 |
98.8% |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
エムエム建材株式会社 |
24,375 |
10.06 |
23,598 |
9.86 |
|
阪和興業株式会社 |
26,664 |
11.01 |
23,520 |
9.83 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
主要な原材料価格及び販売価格の変動については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2018年10月31日に公表した中期経営計画「Quality Up 2020」において、2020年度の売上高2,800億円、経常利益140億円、売上高経常利益率(ROS)5%以上、純資産利益率(ROE)6%以上を目標として掲げております。当連結会計年度においては売上高239,343百万円、経常利益18,954百万円、売上高経常利益率(ROS)7.9%、純資産利益率(ROE)7.8%となっております。これに至った要因と今後の方針については下記のとおり分析・検討を行っております。
国内鉄鋼事業については、建設用鋼材需要が停滞する中、製品出荷量は減少しましたが、徒に数量を追うことなく、近年の副資材ならびに運賃等のコスト高を踏まえ、商慣習の見直しなどにより適正価格の維持に努めた結果、前期対比増益となりました。原材料である鉄スクラップの価格はほぼ通年に亘り下落基調で推移しましたが、製品価格については前期と同水準を維持することができ、利益の源泉となる売買価格差(製品価格と原材料価格の差異)が前期対比拡大しました。
海外鉄鋼事業については、全体としては前年度の赤字計上から黒字転換しましたが、収益性については満足できる水準とはなりませんでした。ベトナムにおいては、堅調な需要の下、上期は原材料安等により好調でしたが、下期に、ベトナム最大手メーカーによる南部市場への製品の拡販が本格化し、これまで北部に比べて安定していた南部市場においても価格競争が激化し、南部拠点のビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)の下期業績は悪化しました。米国においては、堅調な鋼材需要と同国の保護主義政策によって高騰していた鋼材市況が次第に下落したことや、下期の設備トラブルや副資材の在庫評価損の計上など期末に一時的要因により損失を計上したことから、前期対比減収減益となりました。
環境リサイクル事業については、単価の高い処理困難物案件の獲得に努め、前年度とほぼ同水準の利益を計上しました。
当連結会計年度は、国内鉄鋼事業の大幅増益と海外鉄鋼事業の黒字転換により、全体としては前期対比増益となりました。中期経営計画の目標値を大きく超えたとはいえ、未だ多くの課題があると考えております。
今後の方針としては、海外鉄鋼事業の収益力強化を最重要課題と位置付け、中期経営計画の最終年度においても目標を達成すべく売上高・利益水準の向上に努めてまいる所存です。
国内の建設用鋼材需要については、中長期的には国内の鋼材需要は減少するものと認識しております。その上、この度の新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞に伴い、当面は大きく減少し、また回復にも時間を要するものと考えております。しかし、近年上昇した副資材費や運送費が大きく下がることはないと見ており、これらに対しては、電力や各種原材料の使用原単位削減を中心とした徹底的なコスト削減に取り組むとともに、社会情勢や民間需要の動向を見極め、適切な営業活動を行ってまいります。
海外鉄鋼事業については、2018年5月のVIS社(ベトナム)子会社化に加え、2020年3月のアルタ・スチール社(カナダ)の買収により、当社グループの海外鉄鋼事業の基盤はより強化されたと考えておりますが、VIS社は当社子会社化以降利益を上げることができず、当連結会計年度において減損損失を計上するに至りました。一方で、製鋼工程を持たないキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)は、原材料であるビレットの安価調達をベースに、短納期での生産・販売体制が確立し、黒字転換しております。VIS社は、今一度コスト構造を見直し、高い技術力を背景としたブランド力を活かし、KSVC社との連携も図りながら、収益力の強化を図ります。VKS社は、市場環境の変化に対応すべく、販売戦略の見直し、製鋼フル生産とチー・バイ・インターナショナル・ポート社との連携強化によるコスト競争力強化等に努めてまいります。
北米においては、先進国の安定した鋼材需要の下、ビントン・スチール社の生産能力増強、コスト競争力強化等により、収益力を強化してまいります。新たに当社グループに加わったアルタ・スチール社については、当社グループ会社としての運営を軌道に乗せ、ビントン・スチール社と、主に技術面での連携を図ってまいります。
環境リサイクル事業については、引き続き処理困難廃棄物の取扱量拡大、各拠点における処理品目の拡大などに加え、製鋼生産量により産業廃棄物の処理量の制約を受ける電気炉以外の処理炉建設など、処理能力の拡充が今後の課題であると認識しております。
当社グループは、本中期計画にて定めたあるべき姿、即ち、「世界のインフラ・環境づくりに貢献する企業」、「利益水準を向上しステークホルダーに還元する企業」、「コンプライアンス・品質を重視する企業」、「働きがいのある安全で働きやすい職場」の実現を目指し、一丸となって取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは原材料である鉄スクラップ、合金鉄等の副資材の購入費用、その他製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は製造設備の更新等の設備投資、投資有価証券の購入等によるものであります。
当社グループは、原材料価格と製品販売価格の市況変動に対応可能な事業資金を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
また、経営基盤である財務の健全性や経営の透明性を高めるとともに、資金調達の多様化や安定化を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資金調達を可能にするため、当社は株式会社日本格付研究所から格付けを取得しており、本報告書提出時点において、格付は「A-(見通し:安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。さらに、手元現預金は相応の水準を維持しており、足元資金繰り等に問題はありませんが、今後、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する場合においても、投資計画・資金計画の見直しや取引先金融機関からの資金調達により、事業継続に必要な運転資金を確保できるものと考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響については不確実性が大きく将来事業計画等の見込み数値に反映させることが難しい面もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っております。
a. 固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)等を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
b. 繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産について、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングをもとに、回収可能性があると判断される金額を計上しております。繰延税金資産の評価は、将来の課税所得の見積りと、税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
当社及び連結子会社の運営等に関する契約は次のとおりであります。
(1) 株主間協定
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締結年月 |
契約の名称 |
契約の締結当事会社 |
相手先 |
契約内容 |
|
2004年1月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ 共英リサイクル㈱ |
三井物産㈱ エア・ウォーター㈱ |
共英リサイクル㈱の設立、運営に関する株主間協定 |
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2006年6月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ |
合同製鐵㈱ |
中山鋼業㈱の運営に関する株主間協定 |
|
2012年10月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ |
㈱メタルワン Marubeni-Itochu Steel Pte Ltd |
キョウエイ・スチール・ベトナム社の運営に関する株主間協定 |
|
2012年11月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ |
ベトナム鉄鋼公社 三井物産㈱ 伊藤忠丸紅鉄鋼㈱ |
ビナ・キョウエイ・スチール社の運営に関する株主間協定 |
|
2018年1月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ |
㈱辰巳商會 ㈱海外交通・都市開発事業支援機構 VUNG TAU SHIPPING AND SERVICES JOINT STOCK COMPANY VIETNAM STEEL CORPORATION |
チー・バイ・インターナショナル・ポート社の運営に関する株主間協定 |
|
2018年4月 |
株主間協定 |
共英製鋼㈱ |
Thai Hung Trading Joint Stock Company |
ベトナム・イタリー・スチール社の運営に関する株主間協定 |
(2) 株式譲渡契約
当社は、2020年2月4日開催の取締役会において、米国のAIP MC Holdings, LLCが保有するMoly-Cop AltaSteel Ltd.(以下、「MC AltaSteel」)の一部であり、MC AltaSteelがカナダで行っている鉄鋼事業関連資産(以下、「本AltaSteel関連資産」)を取得することを決定し、同日、MC AltaSteelと株式譲渡契約を締結いたしました。MC AltaSteelは、本AltaSteel関連資産を承継する目的で、2020年1月30日にAltaSteel Inc.(以下、「AltaSteel」)を設立し、当社は2020年3月にAltaSteel株式を全て取得いたしました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
国内鉄鋼事業については、本社開発部及び当社グループの開発拠点として名古屋事業所内に保有する開発センターにおいて、超高強度鉄筋及びネジ節鉄筋を中心とした高付加価値・差別化製品の開発、既存製品の品質向上、グループ間での技術改善の迅速な横展開を図っております。
海外鉄鋼事業、環境リサイクル事業、その他については、当連結会計年度において研究開発費の計上がないため記載を省略しております。