当社は「グローバル・メジャー・ブランド」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることにより、最も多くの社会貢献をなしうるブランド」となることを長期目標としております。今後も「グローバル・メジャー・ブランド・クボタ」の確立に全身全霊で取り組み、国連の推進する持続可能な開発目標(SDGs)への最大限の貢献と長期にわたる持続的発展をめざします。その実現に向け、あらためて「現場主義」と「お客様第一主義」の徹底を図るとともに、以下の重点施策を推進していきます。
グローバル・メジャー・ブランドに相応しい経営基盤の確立は急務であり、特に研究開発体制、生産調達体制、情報システムの早期拡充に取り組みます。
研究開発体制については、リソースの強化・拡充を継続するとともに、限られたリソースで最大限の成果を発揮できる体制を構築することにより、開発期間短縮と品質改善を図ります。国内ではグローバル研究開発体制の中核となる研究開発拠点の設立に着手し、分散する拠点の統合・効率化及び成長事業の開発力や先端技術開発の強化を進めます。海外では欧州新開発拠点の運営本格化等、各グローバル研究開発拠点の整備・拡充を継続推進していきます。
生産調達体制については、事業ごとに最も効率的な生産体制の確立に取り組みます。また、品質向上、コスト低減、リードタイム短縮にサプライヤーと一体で取り組むことにより、調達のレベルアップと供給の安定化に努めます。加えて、頻発する自然災害や発生が予想されている大地震に対して、事業継続計画の見直しと対策の徹底を図り、早期の対策完遂をめざします。
情報システムについては、ICTの推進体制を確立し、体質強化、競争力強化及び顧客満足度向上に資する基幹システムの新鋭化やレベルアップに向けた開発を着実に遂行するとともに、IT関連組織のガバナンス強化を図ります。
農業機械事業では、畑作用大型トラクタの新製品開発と現行機種の競争力・収益力強化による基盤強化を図ります。また、成長原資を創出するため、高い収益力を有する中小型トラクタの拡販と収益極大化、成長製品である芝関連機器やユーティリティビークル(多目的四輪車)のシリーズ拡大にも注力します。新興国市場では、合弁会社によるトラクタの現地生産を決定したインド事業の本格化や新興国向けトラクタのシリーズ拡大に取り組みます。コンバインや田植機については、当面中国事業の再建に集中し、需要が回復しない中でも、ムダの排除とコストダウンの徹底により収益を確保します。併せて成長製品であるホイール・コンバインの採算改善、市場ニーズに適合した新製品の開発、サービスの充実化等により、中期的な成長基盤の強化を図ります。国内農業機械では、シェアアップと体質強化の徹底により収益力の大幅改善をめざすとともに、農業機械の販売のみにとどまらず、周辺機器、整備・サービス、ソリューションまでカバーする「農業総合サービス事業」への進化を加速させます。その一環として、ICT農業機械分野における主導的地位の確立に向け、先行技術開発やICTを活用した農業支援システム(KSAS)のレベルアップ、グローバル精密農業技術の開発及び本機・インプルメントの次世代統合制御システムの構築を推進します。
建設機械事業は、すべての主要市場で躍進し、世界的に存在感のある事業に成長しました。今後も大きな成長が期待される分野として積極的な資源投入を継続します。製品のシリーズ拡充とモデルチェンジを着実に進め、研究開発も加速することにより、事業領域の拡大と事業基盤の強化を推進します。
エンジン事業は、各国の排ガス規制に着実に対応し、顧客の様々な要望に応えうる豊富な製品ラインアップを揃えることで、事業が大きく拡大してきました。今後のさらなる成長に向けて、大型エンジンの開発、クリーン化・エコ化への対応を加速するとともに、需要拡大に対応するため、業界最高水準の生産体制の構築に取り組みます。
水・環境事業は、組織体制をパイプインフラ事業と環境事業に再編し、体質強化の徹底による業績確保に注力します。
パイプインフラ事業は、パイプシステムと素形材・鋼管の一体運営による合理化・効率化を推進し、事業体質の抜本的強化を図ります。ダクタイル鉄管等の国内需要の大幅な縮小に対応するため、製造、物流の工程革新や、営業、工事等も含めた事業全体の刷新を早期に完了させます。また、設計・施工の一括受注や管路更新工事等の業績確保につながるテーマを継続推進し、市場の変化に対応した事業構造改革を実行することで、早期の業績改善をめざします。海外売上が拡大している素形材については、海外生産拠点の抜本的改革を促進します。
環境事業は、「総合環境インフラ企業」のトップブランド確立をめざします。当社の強みを活かして水ソリューション、環境保全、創エネルギー分野での案件創出に努め、福島県における放射能汚染廃棄物の減容化プロジェクト等の進行中の大型案件も着実に推進していきます。また、水・環境分野においてIoT技術を活用し、トータルソリューションサービスを提供するシステム(KSIS)の一層の進化を進め、新たな顧客価値を提供することによりプラント・機器の拡販やメンテナンス事業の効率化と囲い込みを図ります。また、海外事業が拡大しつつある液中膜、浄化槽については、一層の拡販に向けた効率的・効果的な運営体制の構築に注力します。
売上が順調に拡大する一方で、収益性の改善を果たすことができなかったことは痛恨の極みであり、持続的な企業価値の向上を通じてすべてのステークホルダーに対する責任を果たしていくため、利益拡大重視の方針を一層徹底します。
国内事業の収益力回復に向け、人口減少・高齢化に伴う社会構造の変化に適切に対応し、真のニーズを先取りする製品・サービスの開発、提供を推進するとともに、あらゆる事業コストの抜本的な抑制による収益基盤の強化に努めます。さらに、継続的な需要縮小に対して、事業部間、あるいは国内事業と海外事業間の人員シフトにより、人材配置の最適化を推進します。
クボタ生産方式の展開では、サプライヤーや物流を含む「前工程」からお客様に届くまでの「後工程」を全体最適の視点で改善し、世界トップレベルの高効率な生産体制構築に向けた取り組みを加速します。また、間接部門を含めた全社・全部門への展開では、プロジェクトを通じた不要業務の徹底的削減と業務の標準化・効率化により、付加価値業務の極大化を図ります。
棚卸資産の削減では、一過性要因に左右されない組織的・構造的な削減を推進します。
当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。
当社製品には生産財・資本財が多いため、民間設備投資、建設投資、国内公共投資等の低迷により、当社製品の需要が減退し、売上が減少する可能性があります。また、農業政策が国内農業関連製品の売上に影響を与える可能性があります。海外、特に欧米においては、小型トラクタ等の売上が個人消費や住宅建設投資等の一般景気の低迷により減少する可能性があります。
当社は外部の供給業者から多くの原材料、部品を調達しております。こうした原材料、部品の価格が需給の逼迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料、部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、経営成績の悪化を招く可能性があります。
当社が大規模な海外展開を行っている事業は、海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、海外市場での安定的な製品の製造及び販売が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、成長を阻害する可能性があります。重要なリスクとしては次のようなものがあります。
当社は海外に経営成績及び財政状態に大きく貢献する複数の製造・販売・金融子会社を有しております。各海外子会社の現地通貨建ての財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。また、親会社が海外の子会社や外部顧客に輸出する場合、その取引の多くは現地通貨建てで行われ、獲得した外貨は円貨へと換算されます。従って、現地通貨と円貨との為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を与えます。通常は他の通貨に対して円高になれば当社の経営成績及び財政状態にマイナスの影響を及ぼします。為替レートの変動によるマイナスの影響を軽減するため、各販売拠点での製造を目的とした、生産拠点の現地への移行を進めております。また、先物為替契約、通貨スワップ契約及び通貨金利スワップ契約を行っております。しかし、これらの活動に関わらず著しい為替レート変動は当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
金利の上昇により支払利息が増加し、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は有価証券を保有しており、その大半が株式であるため株式相場の動向次第で公正価値が大きく変動する可能性があります。また、株式相場の下落により退職給付制度に関する制度資産が減少する可能性があります。有価証券の公正価値変動、制度資産の減少が当社の財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は今後も第三者との提携、合併・買収等に取り組み、新たな成長を模索する可能性がありますが、このような活動の成否は事業を取り巻く環境、取引相手の能力、あるいは当社と相手が共通の目標を共有しているか否か等に影響されると考えられます。このような活動が成功しない場合や投資に対するリターンが予想を下回る場合は、収益性が悪化する可能性があります。
当社は各事業において競合他社との厳しい競争にさらされているため、取引条件、研究開発、品質等で他社を凌駕できない場合には、経営成績の悪化を招く可能性があります。
当社が提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償責任を負う可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、売上を減少させる可能性があります。
当社が有害物質の排出・漏洩、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等を引き起こした場合、その是正措置をとるために多額の費用が発生したり、訴訟に発展したりする可能性があります。それらが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は過去、1954年から2001年にわたりアスベストを含む製品の製造に携わっておりました。アスベスト健康被害に関連して、健康被害にあった方々への支払や訴訟に関する費用が発生し、それらの費用が多額になるような場合には、当社の経営成績、財政状態あるいは資金流動性に対して重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社の取締役、執行役員及び従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体への徹底を図っております。しかし、万一、それらの行為が発生し、当社がコンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。
当社はデータ及びITシステムの機密性、可用性及び完全性といった情報セキュリティを毀損するような一定のリスクを抱えております。これらのリスクを低減すべく、適切な情報管理を目的としたセキュリティシステム、方針・方策、過程、手法、専門チームや技術を構築しております。しかし、これらの努力にもかかわらず、当社のITシステム及びネットワーク上の問題が発生した場合、業務運営の中断によって事業機会を喪失するほか、社内情報流出に伴う損害賠償責任を負ったり、知的財産権を侵害されたりする可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、売上を減少させる可能性があります。
当社は製造販売する製品や事業活動に関するさまざまな環境規制に対応する必要があります。今後さらなる規制の強化、例えば二酸化炭素排出規制や排ガス規制、主要材料の使用制限等が行われた場合、その対応のために相当のコスト負担をする可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社がそれらの環境規制に対応することに経済的合理性がないと判断した場合、関連する事業領域での事業活動を縮小したり、撤退したりする可能性があります。
当社は日本、北米、欧州及びアジア等で事業活動を営んでおります。それらの国・地域において予測困難な事象が発生した場合、製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。予測困難な事象には、地震や津波、洪水、台風といった自然災害や感染症の流行、戦争やテロ、火災等の事故及び情報システムや通信ネットワークの停止等が含まれます。とりわけ、日本は世界でも有数の地震多発国であり、強度の地震もしくは津波の被害を受ける可能性があります。
当社は当年度より、従前の米国基準に替えてIFRSを適用しております。また、前年度の財務数値についても、IFRSに組替えて比較分析を行っております。文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。
当年度(2018年1月1日~2018年12月31日)の売上高は前年同期比993億円(5.7%)増加して1兆8,503億円となりました。
国内売上高は官公需関連を中心とする水・環境部門が減収となりましたが、農業関連商品やエンジン等を中心に機械部門が伸長したため、前年同期比135億円(2.4%)増の5,773億円となりました。
海外売上高は緩やかな景気拡大を背景に建設機械、トラクタ、エンジンが大きく増加したほか、素形材やダクタイル鉄管も伸長したため、前年同期比857億円(7.2%)増の1兆2,730億円となりました。当年度の海外売上高比率は前年同期比1.0ポイント上昇して68.8%となりました。
営業利益は原材料価格の上昇や固定費等の費用増を国内外での増販で補い切れず、前年同期比106億円(5.3%)減の1,893億円となりました。税引前利益は営業利益の減少や、前期の金融収益には有価証券売却益が含まれていることに伴う金融収益の悪化により、前年同期比168億円(7.8%)減の1,972億円となりました。法人所得税は米国連邦法人税率引下げの影響等により、前年同期比241億円負担減の491億円となり、当期利益は前年同期比68億円(4.8%)増の1,501億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期を44億円(3.3%)上回る1,386億円となりました。
事業別セグメントの外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況は次のとおりです。
当部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比6.3%増加して1兆5,276億円となり、売上高全体の82.6%を占めました。
国内売上高は前年同期比4.9%増の3,089億円となりました。農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械が揃って増加しました。
海外売上高は前年同期比6.7%増の1兆2,187億円となりました。北米では需要拡大が続くトラクタや新機種を投入したユーティリティビークル(多目的四輪車)が増加したほか、堅調な建設・工事需要を背景に建設機械、エンジンも伸長しました。欧州ではユーロやポンドに対する円安効果に加え、建設機械やエンジンが大幅に増加しました。アジアでは農産物価格の上昇や雨季の天候が概ね良好に推移したこと等によりタイの農業機械が伸長したほか、インドのトラクタも順調に拡大しました。一方、需要の大幅な減退により中国の農業機械が大きく減少したため、アジア全体では前期の売上を下回りました。
当部門のセグメント利益は鋼材価格の高騰や固定費等の費用増を国内外での増販で補い、前年同期並みの2,009億円となりました。
当部門はパイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比2.3%増加して2,923億円となり、売上高全体の15.8%を占めました。
国内売上高は前年同期比1.0%減の2,384億円となりました。環境関連製品や社会インフラ関連製品は増加したものの、ダクタイル鉄管の低迷によりパイプ関連製品が大幅減となりました。
海外売上高は素形材、ダクタイル鉄管、浄化槽等の増加により、前年同期比19.9%増の539億円となりました。
当部門のセグメント利益は原材料価格の上昇やダクタイル鉄管の国内売上が大幅に減少したことによる構成悪化等により、前年同期比18.6%減少して199億円となりました。
当部門は各種サービス事業等により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比5.3%増加の304億円となり、売上高全体の1.6%を占めました。
当部門のセグメント利益は前年同期並みの30億円となりました。
当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは891億円の収入となりました。当期利益は増加しましたが、棚卸資産等の運転資本の変動や金融債権の増加に伴う支出の増加等により前年同期比480億円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは588億円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出は減少しましたが、有価証券の売却及び償還や定期預金の純減に伴う収入が減少したため、前年同期比128億円の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは278億円の支出となりました。資金調達の増加等により前年同期比48億円の支出減となりました。
これらのキャッシュ・フローに為替レート変動の影響を加えた結果、当年度末の現金及び現金同等物残高は期首残高から16億円減少して2,291億円となりました。
当社の財務の基本方針は、操業に必要となる資金源を十分に確保すること、及びバランスシートの健全性を強化することです。
当社は運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図るとともに、グループ内の資金管理を親会社や海外の金融子会社に集中させることにより、グループ内の資金管理の効率改善に努めております。
当社は営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の源泉と考えており、資金需要に応じて金融機関からの借入、社債の発行、債権の証券化による資金調達、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金等を充当しております。また、親会社が200億円を上限に取引金融機関と特定融資枠契約を設定しておりますが、これまでのところその使用実績はありません。
当社の一部の借入契約については担保制限、格付維持及び純資産維持等の財務制限条項が存在しております。格付維持条項は株式会社格付投資情報センターのBBB-格以上に格付を保つこと、純資産維持条項は連結財務諸表における資本の金額を8,903億円以上に、親会社財務諸表における純資産の金額を3,992億円以上に保つことを求めております。当社は2018年12月31日現在これらの財務制限条項を遵守しております。
現在のところ当社は事業活動を行う上で十分な運転資本を有しており、事業運営や投資活動のための資金調達に困難が生じることはないと考えております。
総資産は前年度末(2017年12月末)比633億円増加して2兆8,957億円となりました。
資産の部では小売が好調な北米やタイでの販売金融の拡大により金融債権が大きく増加しました。
負債の部では未払法人所得税が減少しましたが、営業債務等が増加しました。
資本合計は株価や為替レート変動に伴うその他の資本の構成要素の減少を利益の積み上がりが補って増加しました。親会社所有者帰属持分比率は前年度末比0.7ポイント増加して46.3%となりました。
当年度における事業別セグメントの生産実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は販売額をもって計上しております。
3 金額に消費税等は含まれておりません。
当年度における事業別セグメントの受注状況は次のとおりです。
なお、機械部門は電装機器を除き受注生産を行っておらず、水・環境、その他の各事業部門についても一部受注生産を行っていない事業があります。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額に消費税等は含まれておりません。
当年度における事業別セグメントの販売実績は次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 販売額が総販売額の10%以上に及ぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。
3 金額に消費税等は含まれておりません。
(注) 会社設立は2019年3月末を予定しております。
(2) 当社が技術導入している契約
主な技術導入契約の相手先及び概要は次のとおりです。
(注) 実施料は原則として販売額または販売数量に応じて支払っております。
該当事項はありません。
当社は運転資金の効率的な調達を行うため、2018年12月31日現在で取引金融機関5行と特定融資枠契約を締結しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 ※27 金融商品 (3) 流動性リスク」に記載しております。
当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。
当年度に発生した研究開発支出は558億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。
農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。
収穫機事業では、担い手農家向け自脱型コンバイン「ディオニス」を開発し、大型のフラッグシップ機を10年ぶりにフルモデルチェンジしました。主な特長は以下のとおりです。①国内特殊自動車排出ガス4次規制適合の高出力クリーンエンジンを搭載することで、作業能率向上を図ると同時に湿田作業や多収米・飼料用米の収穫等の高負荷作業も余裕をもって行えるようになりました。②GPS、3G通信機器、無線LANを内蔵した「直接通信ユニット」の採用により、キーONするだけで位置情報・作業情報・稼働情報が自動的にKSAS(クボタスマートアグリシステム)のサーバーに送信されるため、作業日誌作成のためのデータ送信作業が不要になりました。さらに、収穫作業をしながら圃場単位で収穫物の食味・収量を測定できる「食味・収量センサ」仕様に「食味収量メッシュマップキット」を加えることで、圃場内のより細かい単位(5m/10m/15m/20mの4段階)ごとの食味・収量のバラツキをパソコン画面上に色の濃淡で表示して「見える化」しました。これにより、翌年の品質・収量向上のための圃場改善や土作り、施肥計画に役立てることができます。③グレンタンク側板、カッタ後部カバーを開閉可能にすることで頻繁に清掃する箇所のメンテナンス作業を容易に行えるようになりました。
担い手向け6条植・8条植田植機「ナビウェル」の開発
移植機事業では、低コスト稲作を志向する担い手農家向けにGPSを活用して高精度化、低コスト化に寄与する新機能を搭載した田植機「ナビウェル」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①GPSによる車速情報からスリップ補正ができるため、設定した株間で植え付けができるようになりました。これにより株間が狭くなることがないため余分な苗が不要となりコスト削減が図れ、安定した稲の生育も期待できます。②植え付けと同時に施肥を行う場合にもGPSの車速情報でスリップによるバラツキが補正されるため、設定した施肥量で散布でき、余分な肥料を使わずコスト低減が図れるようになりました。③GPSの位置情報を利用してステアリングを自動で補正する「直進キープ機能」に加え、「条間アシスト機能」を装備することで、圃場の端でターンをしたときに条間がずれても自動で補正できるようになりました。さらに、隣接の苗を踏んだり、苗と苗の間が広がり過ぎたりしないため、不慣れなオペレータでもきれいに田植えをすることができるようになりました。④KSASと連動することで、圃場ごとに設定した施肥量や植付株数(株間)等が自動で設定できるようになりました。
建設機械事業では、欧州の3-4tクラスのミニバックホー市場へフルモデルチェンジ機を導入すべく「KX037-4」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①操縦席周辺のベース設計を見直し、4-5tクラスのキャビンを搭載できるようにすることで、居住空間及び乗降口を拡大しました。また、エンジン配置の見直しにより、騒音規制に適合しつつヒートバランス性能を大きく改善し、エアコン搭載を実現しました。②前置きデジタルメータの採用により作業状況の視認性が向上し、オペレータの疲労低減を実現しました。③2019年からの欧州排ガス規制StageⅤに対応するため、現行機搭載の過流(IDI)式22.9kWエンジンに替えて直噴(DI)式18.5kWエンジンを搭載しました。その上で、油圧のチューニング、圧力損失の低減を行うことで、現行機同等の作業性能を実現しました。
当セグメントに係る研究開発支出は466億円です。
パイプ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、環境関連製品(各種環境プラント等)、社会インフラ関連製品(素形材、スパイラル鋼管等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。
パイプシステム事業では、下水圧送管路の腐食破損に起因する漏水・道路陥没事故の未然防止を図るための定期的な調査・診断が行える下水圧送管路の腐食診断技術「スネーくん」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①管路断面図と流量から非満流となる場所を腐食危険箇所として机上で事前に絞り込めるようになりました。②ビデオカメラ調査により管路内の腐食の有無を判断できるようになりました。③腐食危険箇所の空気弁設置場所から30mの範囲を土木工事不要で調査可能にしました。これにより下水圧送管路の維持管理を安く・早く・正確に行うことができるようになり、さらに、改築・更新の計画が容易に立案できるようになりました。
環境事業では、国内の小規模下水市場で実績のあるMBR下水処理システムを中大規模処理場へも普及させるために、集積度を向上させた液中膜ユニットと曝気風量制御技術の融合により電力使用量を大幅に削減可能な省エネMBRシステム「SCRUM」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①従前のMBRシステムに比べて消費電力約50%削減を実現し、電力使用量を従前の高度処理法と同等以下の0.22kWh/㎥まで削減することが可能になりました。②曝気風量制御技術として各種センサ情報を基に膜ろ過圧力予測モデルを用いて、膜洗浄風量を最適値へ自動的に制御できるようになりました。また、処理水のNH4-N濃度を基に硝化に必要な空気量を確保しながら補助散気風量を最小化する制御技術を開発しました。
当セグメントに係る研究開発支出は52億円です。
全社の基盤技術であるメカトロ・センシング・情報通信・高精度制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくりを革新する社内工場向けの検査装置・監視システムの開発、水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム及びスマート農業関連技術等の研究開発に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発支出は40億円です。