第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は「グローバル・メジャー・ブランド」すなわち「最も多くのお客様から信頼されることにより、最も多くの社会貢献をなしうるブランド」となることを長期目標としております。当社の事業領域である「食料・水・環境」の各分野が相互に連携、作用し合い、そのシナジーが生み出すトータルソリューションを提供することで、「グローバル・メジャー・ブランド クボタ」を確立し、国連の推進する持続可能な開発目標(SDGs)への最大限の貢献と長期にわたる持続的発展をめざします。

 

(1) より柔軟でプロアクティブな(先見的な)課題設定

深刻化する地球・社会環境の変化に対して、よりワイドで多角的なレンズを持ち、社会・お客様を先回りした問題の発掘、及び当社にしかできない課題設定をプロアクティブに行います。その実現に向けて、これまでの事業領域にとどまらず、お客様の事業の上流から下流までのソリューションを通じた価値の提供に尽力すべく、お客様に寄り添いお客様が抱える課題を世界に先駆けて発掘し、それを解決してく中で新たなイノベーションを生み出していく「On Your Side」の精神を重視していきます。

 

(2) オープンでイノベーティブな(革新的な)技術とビジネス・スキームの開発

先進的研究開発をベースに、よりオープンに他分野の考え方を取り入れ、時に外部のパートナーと協働しながら、イノベーティブな技術とビジネス・スキームを積極的に開発していきます。その第一歩として、IoTやICT技術の組み込みや、海外拠点へ供給する基幹部品の開発等、全世界の研究開発をコントロールする中核拠点となる新・堺中央研究所の新設に着手しました。将来をにらんだグローバルな開発競争に打ち勝つべく、Design Process Innovation(製品開発プロセス改革)等の新しい取り組みを盛り込み、開発の質と効率を大幅に向上させます。さらに、北米、欧州、タイ、中国の各研究開発拠点に加えてインドでの新たな研究開発拠点の設立もにらみ、日本を含めた世界6極でのグローバル研究開発体制を構築し、全世界の技術者が同じ価値観の下に効率的かつ創造的な開発に取り組めるようにしていきます。

また、既存製品領域の枠を越えた事業、製品、サービスの企画・立案と、オープンイノベーションの推進を図り、お客様の期待を超える新たな価値を創造することを目的にイノベーションセンターを日本と欧州に設置しました。今後さらに地域を広げていくとともに、将来必要な事業構築のために当社だけではできないコト、モノに積極的に投資していきます。これらの活動を通じて、自社はもとより、将来社会的に大きなインパクトを与えるような要素技術(ディープテック)を持つビジネスパートナーとともに、新たな価値を創出していきます。また、次世代農機に必要な技術研究、6次産業や流通を巻き込んだスマートフードバリューチェーンの構築等、一企業だけでは顧客の成功をもたらせない案件については、産官学やスタートアップとの提携も行い、推進していきます。

 

(3) 新たなITを活用したDXの推進によるトータルソリューションの創造と提供

クラウド、AI、5G等、DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、ビジネスモデルやビジネスプロセスを抜本的に変革すること)の基盤テクノロジーは進化を続けております。このデータ・デジタル技術を活用し、当社の「行動」、「知識・経験」そして「モノ」を変革することで、トータルソリューションの創造と提供による社会への貢献を果たしていくことをめざします。その実現に向けて、IoT/AI等のICT技術を活用してオペレーションの最大限の効率化を図るとともに、事業そのものの構造を変化させていきます。製品機器の販売や修理、サービスだけにとどまらず、お客様のビジネスに成功をお届けするために、その入口から出口まで、始めから終わりまで、お客様のビジネスに関わり、トータルソリューションを提供していきます。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。

(1) 経済状況

当社製品には生産財・資本財が多いため、民間設備投資、建設投資、国内公共投資等の低迷により、当社製品の需要が減退し、売上が減少する可能性があります。また、農業政策が国内農業関連製品の売上に影響を与える可能性があります。海外、特に欧米においては、小型トラクタ等の売上が個人消費や住宅建設投資等の一般景気の低迷により減少する可能性があります。

(2) 原材料の価格高騰・調達難

当社は外部の供給業者から多くの原材料、部品を調達しております。こうした原材料、部品の価格が需給の逼迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料、部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、経営成績の悪化を招く可能性があります。

(3) 国際的事業展開に伴うリスク

当社が大規模な海外展開を行っている事業は、海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、海外市場での安定的な製品の製造及び販売が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、成長を阻害する可能性があります。重要なリスクとしては次のようなものがあります。

① 各国税制の予期せぬ変化に伴うリスク
② 各国法規制の予期せぬ変化に伴うリスク
③ 移転価格や事前確認申請の交渉における予期せぬ結果に伴うリスク
④ 重要な市場における政府による許認可政策や補助金政策の変化に伴うリスク
⑤ 政府間で協議決定される国際貿易政策による予期せぬ関税や輸出入割当量の変化に伴うリスク
⑥ 人材確保の困難性
⑦ 発展途上国における未成熟な技術水準や不安定な労使関係
⑧ 発展途上国等における政情不安

(4) 為替レートの変動

当社は海外に経営成績及び財政状態に大きく貢献する複数の製造・販売・金融子会社を有しております。各海外子会社の現地通貨建ての財務諸表は、円換算後に連結財務諸表に反映されております。また、親会社が海外の子会社や外部顧客に輸出する場合、その取引の多くは現地通貨建てで行われ、獲得した外貨は円貨へと換算されます。従って、現地通貨と円貨との為替レートの変動が経営成績及び財政状態に影響を与えます。通常は他の通貨に対して円高になれば当社の経営成績及び財政状態にマイナスの影響を及ぼします。為替レートの変動によるマイナスの影響を軽減するため、各販売拠点での製造を目的とした、生産拠点の現地への移行を進めております。また、先物為替契約、通貨スワップ契約及び通貨金利スワップ契約を行っております。しかし、これらの活動に関わらず著しい為替レート変動は当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 金利変動リスク

金利の上昇により支払利息が増加し、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 株式相場の変動リスク

当社は有価証券を保有しており、その大半が株式であるため株式相場の動向次第で公正価値が大きく変動する可能性があります。また、株式相場の下落により退職給付制度に関する制度資産が減少する可能性があります。有価証券の公正価値変動、制度資産の減少が当社の財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 第三者との戦略的提携、合併・買収等の成否

当社は今後も第三者との提携、合併・買収等に取り組み、新たな成長を模索する可能性がありますが、このような活動の成否は事業を取り巻く環境、取引相手の能力、あるいは当社と相手が共通の目標を共有しているか否か等に影響されると考えられます。このような活動が成功しない場合や投資に対するリターンが予想を下回る場合は、収益性が悪化する可能性があります。

 

(8) 他社との競争

当社は各事業において競合他社との厳しい競争にさらされているため、取引条件、研究開発、品質等で他社を凌駕できない場合には、経営成績の悪化を招く可能性があります。

(9) 製品やサービス

当社が提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償責任を負う可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、売上を減少させる可能性があります。

(10) 環境汚染、公害等

当社が有害物質の排出・漏洩、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等を引き起こした場合、その是正措置をとるために多額の費用が発生したり、訴訟に発展したりする可能性があります。それらが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(11) アスベスト関連

当社は過去、1954年から2001年にわたりアスベストを含む製品の製造に携わっておりました。アスベスト健康被害に関連して、健康被害にあった方々への支払や訴訟に関する費用が発生し、それらの費用が多額になるような場合には、当社の経営成績、財政状態あるいは資金流動性に対して重大な影響を及ぼす可能性があります。

(12) コンプライアンス・リスク

当社は法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社の取締役、執行役員及び従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体への徹底を図っております。しかし、万一、それらの行為が発生し、当社がコンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。

(13) ITシステム及びネットワーク

当社はデータ及びITシステムの機密性、可用性及び完全性といった情報セキュリティを毀損するような一定のリスクを抱えております。これらのリスクを低減すべく、適切な情報管理を目的としたセキュリティシステム、方針・方策、過程、手法、専門チームや技術を構築しております。しかし、これらの努力にもかかわらず、当社のITシステム及びネットワーク上の問題が発生した場合、業務運営の中断によって事業機会を喪失するほか、社内情報流出に伴う損害賠償責任を負ったり、知的財産権を侵害されたりする可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、売上を減少させる可能性があります。

(14) 環境規制への対応

当社は製造販売する製品や事業活動に関するさまざまな環境規制に対応する必要があります。今後さらなる規制の強化、例えば二酸化炭素排出規制や排ガス規制、主要材料の使用制限等が行われた場合、その対応のために相当のコスト負担をする可能性があり、それが当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社がそれらの環境規制に対応することに経済的合理性がないと判断した場合、関連する事業領域での事業活動を縮小したり、撤退したりする可能性があります。

(15) 自然災害等予測困難な事象による被害

当社は日本、北米、欧州及びアジア等で事業活動を営んでおります。それらの国・地域において予測困難な事象が発生した場合、製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。予測困難な事象には、地震や津波、洪水、台風といった自然災害や感染症の流行、戦争やテロ、火災等の事故及び情報システムや通信ネットワークの停止等が含まれます。とりわけ、日本は世界でも有数の地震多発国であり、強度の地震もしくは津波の被害を受ける可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績

当年度(2019年1月1日~2019年12月31日)の売上高は前年同期比697億円(3.8%)増加して1兆9,200億円となりました。

国内売上高は官公需関連を中心とする水・環境部門が環境関連製品の大幅増やダクタイル鉄管の伸長等により増加したほか、機械部門も農業機械やエンジン等が堅調に推移したため、前年同期比480億円(8.3%)増の6,254億円となりました。

海外売上高は円高や天候不順の影響はありましたが、米国での緩やかな景気拡大を背景にトラクタや建設機械が伸長したため、前年同期比217億円(1.7%)増の1兆2,947億円となりました。当年度の海外売上高比率は前年同期比1.4ポイント低下して67.4%となりました。

営業利益は固定費の増加や円高の影響はありましたが、国内外での増販や値上げ効果、米国での金利低下に伴う販売促進費の減少等で補い、前年同期比123億円(6.5%)増の2,017億円となりました。税引前利益は営業利益の増加により、前年同期比118億円(6.0%)増加して2,090億円となりました。法人所得税は530億円の負担、持分法による投資損益は31億円の利益となり、当期利益は前年同期比89億円(6.0%)増の1,591億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度を105億円(7.6%)上回る1,491億円となりました。

 

事業別セグメントの外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況は次のとおりです。

① 機械

当部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されております。

当部門の売上高は前年同期比2.9%増加して1兆5,726億円となり、売上高全体の81.9%を占めました。

国内売上高は前年同期比3.8%増の3,206億円となりました。農業機械やエンジンが増加したほか、台風の影響により生産・出荷の遅れが発生した建設機械についても前年度を上回りました。

海外売上高は前年同期比2.7%増の1兆2,520億円となりました。北米では需要が堅調に推移したほか、2018年の台風の影響により一部製品の出荷時期が前年度から当年度にずれ込んだことや建設機械の新機種投入効果等により、建設機械及びトラクタが大幅に増加しました。欧州ではユーロやポンドに対する円高の影響により減収となりました。現地通貨ベースではBrexitによる景気悪化懸念を背景とした英国での建設機械需要の低迷や、エンジン排ガス規制強化に伴う前年度の駆け込み需要の反動はありましたが、ドイツやフランスではトラクタ及び建設機械が好調に推移したため、前年度並みの売上となりました。アジアではタイの農業機械や建設機械が増加したものの、中国のコンバインや建設機械が低迷したことにより、アジア全体では前年度を下回る売上となりました。その他の地域では干ばつや景気悪化によりオーストラリアの建設機械やトラクタが減少しました。
 当部門のセグメント利益は固定費の増加や円高の影響はありましたが、国内外での増販や値上げ効果、米国での金利低下に伴う販売促進費の減少等で補い、前年同期比1.8%増加して2,045億円となりました。

 

② 水・環境

当部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、バルブ、素形材、スパイラル鋼管等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)により構成されております。

当部門の売上高は前年同期比8.0%増加して3,157億円となり、売上高全体の16.4%を占めました。

国内売上高は前年同期比14.7%増の2,735億円となりました。パイプインフラ関連製品はダクタイル鉄管や工事事業が伸長しました。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設建設の売上により大幅に増加しました。

海外売上高は中東向けのダクタイル鉄管や中国の浄化槽等が減少したため前年同期比21.6%減の423億円となりました。

当部門のセグメント利益は国内での大幅な増収等により、前年同期比34.5%増加して267億円となりました。

 

③ その他

当部門は各種サービス事業等により構成されております。

当部門の売上高は前年同期比4.1%増の316億円となり、売上高全体の1.7%を占めました。

当部門のセグメント利益は前年同期比20.2%増加して36億円となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当年度の営業活動によるキャッシュ・フローは824億円の収入となりました。当期利益は増加しましたが、営業債務の減少等の運転資本の変動により前年同期比67億円の収入減となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは915億円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により前年同期比327億円の支出増となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは215億円の支出となりました。自己株式の取得やIFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の返済による支出が増加しましたが、資金調達の増加により前年同期比63億円の支出減となりました。

これらのキャッシュ・フローに為替レート変動の影響を加えた結果、当年度末の現金及び現金同等物残高は期首残高から295億円減少して1,997億円となりました。

 

(3) 資金の源泉及び流動性

① 資金調達及び流動性管理

当社の財務の基本方針は、操業に必要となる資金源を十分に確保すること、及びバランスシートの健全性を強化することです。

当社は運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を図るとともに、グループ内の資金管理を親会社や海外の金融子会社に集中させることにより、グループ内の資金管理の効率改善に努めております。

当社は営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の源泉と考えており、資金需要に応じて金融機関からの借入、社債の発行、債権の証券化による資金調達、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金等を充当しております。

現在のところ当社は事業活動を行う上で十分な運転資本を有しており、事業運営や投資活動のための資金調達に困難が生じることはないと考えております。

 

② 資産・負債・資本
(a) 資産

総資産は前年度末(2018年12月末)比2,437億円増加して3兆1,393億円となりました。

資産の部では運転資本の増加等により現金及び現金同等物が減少しましたが、小売が好調な北米やタイでの販売金融の拡大により金融債権が増加したほか、IFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の計上等により有形固定資産も増加しました。

(b) 負債

負債の部では社債及び借入金が増加したほか、IFRS第16号「リース」の適用に伴うリース負債の計上によりその他の金融負債も増加しました。

(c) 資本

資本合計は利益の積上がりにより増加しました。親会社所有者帰属持分比率は前年度末比0.3ポイント低下して46.0%となりました。

 

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

 当年度における事業別セグメントの生産実績は次のとおりです。

 

事業別セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械

1,529,998

2.7

水・環境

318,275

11.0

その他

31,631

4.6

合計

1,879,904

4.1

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しております。

2  金額は販売額をもって計上しております。

3  金額に消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

 当年度における事業別セグメントの受注状況は次のとおりです。

なお、機械部門は一部を除き受注生産を行っておらず、水・環境、その他の各事業部門についても一部受注生産を行っていない事業があります。

 

事業別セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年度末比(%)

機械

14,600

10.7

5,058

△5.7

水・環境

217,772

△19.4

231,876

1.4

その他

5,263

9.1

2,116

5.1

合計

237,635

△17.5

239,050

1.3

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しております。

2  金額に消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

 当年度における事業別セグメントの販売実績は次のとおりです。

 

事業別セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機械

1,572,646

2.9

水・環境

315,748

8.0

その他

31,648

4.1

合計

1,920,042

3.8

 

(注) 1  セグメント間取引については相殺消去しております。

2  販売額が総販売額の10%以上に及ぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。

3  金額に消費税等は含まれておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社が技術導入している契約

主な技術導入契約の相手先及び概要は次のとおりです。

 

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

契約期間

クボタ環境
サービス㈱

ステインミュラー バブコック エンバイロメント GmbH

ドイツ

大型焼却プラント向ボイラ設備に関する技術導入

自 1998年10月22日
至 2020年10月21日
(自動延長条項あり)

㈱クボタ

ノバケミカルズ Corp.

カナダ

鋳鋼製チューブの内表面改質による皮膜形成の技術導入

自 2002年3月20日
至 2020年12月31日
(自動延長条項あり)

 

(注)  実施料は原則として販売額または販売数量に応じて支払っております。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は「食料・水・環境を一体のものとして捉え、優れた製品・技術・サービスを通じて課題解決し、地球と人の未来を支え続ける」ことを使命としております。当社はこの使命に基づき、事業に直結した製品・技術の開発と、会社の持続的な発展を支える中長期的研究開発の両立に努めております。

当年度に発生した研究開発支出は594億円であり、事業別セグメントごとの研究開発支出及びその主な研究開発成果等は次のとおりです。「その他」事業の研究開発支出及び特定の事業部門に関連づけられない基礎研究支出等は、合算の上で「その他・全社」として分類しております。

 

(1) 機械

農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械等の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。

 

自動運転農機 アグリロボトラクタ「MR1000A」(無人仕様)の開発

トラクタ事業では、アグリロボトラクタ「MR1000A」の無人仕様を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①無線リモコンで各種操作ができるので、離れた位置からでも自動運転の開始や停止の操作が行えます。無人運転の対象作業が、「耕うん」・「代かき」・「肥料散布」・「粗耕起」まで増えます。②圃場外周走行によるマッピング操作、及び作業に必要な情報を入力するだけで、圃場形状に合わせた最も効率的な作業ルートを自動生成できるので、未熟練者でも効率の良い作業が行えます。作業開始位置までスイッチひとつで自動で移動できる機能によって、ロス(過度の重複、残耕)の少ない作業が行えます。③有人状態での直進オートステアリング機能を搭載しており、自動運転対象外の作業においても、直進時のステアリング操作はトラクタに任せることができるので、高精度な直進作業が行えます。④障害物を検知するレーザーやソナーを装備し、障害物に近づくと自動運転を停止します。また自動運転作業時、機体がマッピングした圃場からはみ出る・機体が作業経路から外れる等の状況になった場合、自動運転を停止させる安心サポート機能を装備しております。

 

ラジコン草刈機「ARC-500」の開発

農業ソリューション事業では、ラジコン草刈機「ARC-500」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①操作が容易なプロポ(送信機)を使い、2本のスティックで簡単に前進後退と左右方向の操作ができます。刈刃の回転のオン/オフやエンジン停止も遠隔操作できるので安心して作業が行えます。②最大40度の斜面でも安定した作業ができます(注:条件によります)。法面の角度に応じて自動的に車輪の向きを調整し、ずり落ちを緩和する「等高線直進アシスト機能」を搭載しており、車体の向きを細かく確認・修正する作業が減り、オペレータの負担を軽減します。③高さ600mmまでの草を刈り取れます(注:条件によります)。高さを変えて上下に配置した4枚の刈刃が草を細かく切断するため、作業後に草を集める必要がありません。硬い草や障害物に当たると刃が逃げるフリー刃機構が機体を衝撃から守ります。④消耗部品である刈刃は、機体側面のカバーを外して、機体を持ち上げることなく交換できます。

 

農業機械の稼働管理サービス「MY農機」の開発

お客様のスマートフォン上で農業機械の位置や稼働状況等を簡単に確認できる「MY農機」サービスを開発しました。運転席の操作パネルに表示される対象機械の異常や燃料の残量等、各種情報を管理者向けにわかりやすく見える化することで、担い手農家の「順調作業」をサポートします。主な特長は以下のとおりです。①無料でご利用いただけます。②稼働中の機械の位置や当日の稼働時間がスマートフォンの画面上に表示され、作業のおおまかな進捗状況が把握できます。さらに機械に異常が生じた場合はその内容と対処法も確認できるので、速やかな応急処置が可能になります。③機械ごとの作業時間内訳、燃料消費量等が1日単位で2ヶ月分確認できるので、管理者と作業者(オペレータ)の作業の振り返りや改善に役立ちます。また、定期交換部品の交換タイミングのアラートが表示されるので、メンテナンスのタイミングが把握でき、さらに画面をタップすると交換手順を確認することができます。

 

当セグメントに係る研究開発支出は505億円です。

 

(2) 水・環境

パイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、バルブ、素形材、スパイラル鋼管等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)の製品開発とそれに関連する先行基礎研究開発を行っております。主な成果は次のとおりです。

 

シールドトンネル内配管用耐震型ダクタイル鉄管「US形R方式」の開発

パイプインフラ事業では、大都市水道の基幹管路として使用される大口径ダクタイル鉄管の新しい耐震継手「US形R方式」を開発しました。主な特長は以下のとおりです。①新しい継手構造により接合時間の大幅な短縮がはかれるようになりました(注:旧継手「US形LS方式」との比較によります)。②角度付き直管のラインアップにより配管本数を削減でき、曲線区間の管路布設費の低減をはかれるようになりました。③トンネル内配管での管搬送において、従前のように1本ずつではなく、複数本同時に搬送できる新たな台車を開発したことにより、工事期間の短縮がはかれるようになりました。

 

AIによるマンホールポンプ監視システムの開発

環境事業では、マンホールポンプ(家庭から排出される生活汚水を下水処理場へ送る設備)を遠隔で監視するシステムにAIを導入するシステムを開発しました。主な特長は以下のとおりです。①AIが人の代わりに運転データ(水位と電流値)を監視・分析することによって、異常な運転状態を早期に知らせることが可能になりました。通常時と異なる運転をしていた場合には、1日に1回、監視画面上に通知します。また設備が緊急停止する前に異常運転を把握することにより、事前に対策が打てる等、効率的な維持管理が可能になります。②ICTの活用により、修繕・更新履歴・点検結果等を登録できる台帳をクラウド上に作成することができ、一元管理ができるようになりました。③当社製通報装置「MU-1000」シリーズを設置すれば、別途特別な機器の購入は必要ありません。

 

当セグメントに係る研究開発支出は49億円です。

 

(3) その他・全社

全社の基盤技術であるメカトロ・センシング・情報通信・高精度制御技術を高度化し、各事業部の製品群に組み込む先行要素技術開発、モノづくりを革新する社内工場向けの画像認識技術・自動化システム・分析要素技術開発、水環境インフラソリューション向け遠隔監視・診断システム、スマート農業及び施設園芸関連技術等の研究開発に取り組んでおります。

 

当セグメントに係る研究開発支出は39億円です。