【連結財務諸表注記】
※1 報告企業
株式会社クボタ(以下「親会社」)は日本に所在する企業です。親会社及び連結子会社(以下「当社」)は農業機械、エンジン、建設機械、パイプインフラ関連、環境関連等の幅広い製品分野をもつ製造・販売会社です。当社製品は日本国内のみならず、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、タイ等において製造され、日本国内及び北米、欧州、アジア地域を中心とする海外で販売されております。
※2 作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
当社の連結財務諸表は、注記「※3 重要な会計方針」に記載がある場合を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、親会社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を使用しております。実際の業績はこれらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
見積り及び仮定は継続して見直され、当該見直しによる影響は会計上の見積りの変更として、見積りを変更した報告期間及び将来の報告期間において認識されます。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、次のとおりです。
・連結子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲(注記「※3 重要な会計方針 (1) 連結の基礎」参照)
・金融商品の分類(注記「※3 重要な会計方針 (3) 金融商品」参照)
・履行義務の充足の時期(注記「※3 重要な会計方針 (12) 収益認識」参照)
また、報告期間の末日後において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りに関する項目は、次のとおりです。
・償却原価で測定する金融資産の減損(注記「※3 重要な会計方針 (3) 金融商品」及び注記「※27 金融商品」参照)
・非金融資産の減損(注記「※3 重要な会計方針 (9) 非金融資産の減損」、注記「※11 有形固定資産」及び注記「※12 のれん及び無形資産」参照)
・引当金の測定(注記「※3 重要な会計方針 (10) 引当金」及び注記「※17 引当金」参照)
・確定給付制度債務の測定(注記「※3 重要な会計方針 (11) 退職後給付」及び注記「※18 従業員給付」参照)
・偶発負債(注記「※30 コミットメント及び偶発負債」参照)
なお、報告期間の末日において、新型コロナウイルス感染症が当社の経営成績等に及ぼす影響は重要でないと見込んでおります。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の収束時期や将来的な影響は依然として不透明であり、今後、感染拡大の状況が悪化した場合には、当社の会計上の判断、見積り及び仮定に重要な影響を及ぼす可能性があります。
※3 重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社及びストラクチャード・エンティティ
子会社とは、当社が支配を有している事業体をいいます。支配を有しているとは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社は、議決権または類似の権利の状況や投資先に関する契約内容、取締役の過半数が当社から派遣されている役員及び従業員で占められているか等、支配の可能性を示す諸要素を総合的に判断して支配の有無を決定しております。
連結子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれており、連結子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表を修正しております。連結財務諸表の作成に際して、連結会社間の債権債務残高、内部取引高及び未実現損益は消去しております。支配の喪失を伴わない連結子会社に対する所有持分の変動については、資本取引として会計処理しております。一方、支配の喪失を伴う連結子会社に対する所有持分の変動については、支配を喪失した時点の公正価値で残存する持分を測定した上で、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益として認識しております。
ストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体をいいます。当社は、証券化による資金調達に際し、金融債権の一部を新たに設立したストラクチャード・エンティティに譲渡しておりますが、譲渡後も金融債権に対する回収延滞や不履行を管理し、ストラクチャード・エンティティの残余持分も保有しております。そのため、当社はストラクチャード・エンティティの経済実績に最も重要な影響を与える活動を指図する能力を有し、潜在的に重要な損失を負担する義務を有することから、当該ストラクチャード・エンティティを連結しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社がその財務及び営業方針に重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配は有していない事業体をいいます。当社は投資先の議決権の20%以上50%以下を直接または間接的に保有する場合、重要な影響力がないことが明確に証明できない限り、投資先に対して重要な影響力を有していると推定しております。
共同支配企業とは、当社を含む複数の当事者が共同支配の取決めに基づき、それぞれの当事者が投資先の純資産に対する権利を有している場合の当該投資先をいいます。共同支配とは、契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定に支配を有している当事者全員の一致した合意を必要とする場合をいいます。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、投資先が関連会社または共同支配企業に該当すると判定された日から該当しないと判定された日まで、持分法で会計処理しております。関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合については、連結子会社に該当することとなる場合を除き、残存する持分を公正価値で測定した上で、持分法の適用中止から生じた利得及び損失を純損益として認識しております。
また、関連会社及び共同支配企業に対する投資が減損している可能性を示唆する客観的な証拠が存在する場合には、当該関連会社または共同支配企業に対する投資全体を単一の資産として、減損テストを実施しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は取引日における為替レートまたはそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
報告期間の末日における外貨建貨幣性項目は報告期間の末日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の測定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は報告期間の末日の為替レートで、収益及び費用は報告期間の平均レートでそれぞれ換算しております。当該換算により生じる換算差額はその他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、当該在外営業活動体に関連する為替換算差額の累計額は、処分に係る利得または損失の一部として当該在外営業活動体が処分された報告期間において純損益に振替えられます。
(3) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(当初認識)
営業債権及び金銭債権はこれらの発生日に、その他の金融資産は当社が当該金融資産の契約当事者となった時点(取引日)に、公正価値(直接帰属する取引コストを含む)で当初認識しております。ただし、重大な金融要素を含まない営業債権は取引価格で測定しております。
(分類及び事後測定)
金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しております。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、次の要件をともに満たす場合に実効金利法による償却原価で事後測定しております。具体的には、当初認識時に測定された金額から元本の返済を控除し、当初の金額と満期金額との差額の実効金利法による償却累計額を加減するとともに、貸倒引当金を調整しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件により特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払のみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
金融資産は、次の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件により特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払のみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
資本性金融資産については公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択を行っております。
資本性金融資産の認識を中止した場合、または公正価値が取得原価より低くなり、その価値下落が一時的ではないと判断された場合、当該金融資産に係る公正価値の純変動の累積額は利益剰余金に振替え、純損益では認識しておりません。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産からの受取配当金については、投資の払い戻しであることが明らかな場合を除き、金融収益として純損益で認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。当該金融資産に係る当初認識後の公正価値の変動は純損益として認識しております。
(認識の中止)
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産のキャッシュ・フローを受取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済的便益のほとんどすべてが移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
(償却原価で測定する金融資産の減損)
償却原価で測定する金融資産について、報告期間の末日に回収状況、過去の貸倒実績、経済状況の趨勢、債務者の支払能力や現担保価値等を考慮して予想信用損失に係る貸倒引当金を評価して認識しております。報告期間の末日時点で信用リスクが低いと判断される場合、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識時以降に著しく増大していないと評価し、12ヶ月間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。回収期日経過日数が30日を超えた場合、合理的な反証がない限り、信用リスクが当初認識以降著しく増大していると評価し、全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。ただし、営業債権、契約資産、長期売掛金及びリース債権については常に全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。予想信用損失または戻入れの金額は、販売費及び一般管理費に含めて純損益で認識しております。合理的な回収見込みがないと判断された債権については、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。なお、当社は債務不履行を「支払能力の喪失」と定義しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(当初認識)
金融負債は契約の当事者になった時点(取引日)に、公正価値(直接帰属する取引コスト控除後)で認識しております。
(分類及び事後測定)
金融負債は償却原価で測定する金融負債に分類しております。当初認識後は実効金利法を用いた償却原価により測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益として認識しております。
(認識の中止)
金融負債に係る契約上の義務の履行等によりこれが消滅した場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、先物為替契約、金利スワップ契約等のデリバティブを利用しておりますが、ヘッジ会計の適用要件を満たしていないためヘッジ会計を適用しておりません。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で当初認識し、当初認識後は公正価値で再測定しております。デリバティブの公正価値の変動はすべて純損益で認識しております。
④ 公正価値の測定
公正価値は測定に使用するインプットに応じて、次の3つのレベルに分類されます。
レベル1-活発な市場における同一資産・負債の市場価格
レベル2-レベル1以外の直接的または間接的に観察可能なインプット
レベル3-観察不能なインプット(企業自身の仮定から得られるインプット及び合理的に入手可能なインプットまたは多くの市場参加者が合理的だとして用いているインプット等)
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しております。取得原価には、購入原価、直接労務費、直接経費、正常生産能力に基づく製造間接費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含めております。取得原価は主として移動平均法に基づいて算定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要するコストの見積額を控除して算定しております。
(6) 有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接起因するコスト、解体・除去及び原状回復のコスト、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって主に定額法により償却しております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は、建物及び構築物10~50年、機械装置及びその他の有形固定資産2~14年です。なお、減価償却方法、耐用年数及び残存価額は少なくとも報告期間の末日に見直しを行い、変更が必要な場合は会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
(7) 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しております。耐用年数が限定されない無形資産は取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。
開発活動における支出は、次のすべての要件を満たす場合に限り無形資産として認識しております。
(ⅰ)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(ⅱ)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(ⅲ)無形資産を使用または売却できる能力
(ⅳ)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(ⅴ)無形資産の開発を完成させ、それを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(ⅵ)開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
なお、上記の要件を満たさない開発活動に関する支出は、発生時に費用として認識しております。
耐用年数が限定される無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法により償却しております。主要な無形資産の見積耐用年数は、自社利用ソフトウェア主として5年、資産計上した開発費(以下「開発資産」)5年です。なお、償却方法及び耐用年数は少なくとも報告期間の末日に見直しを行い、変更が必要な場合は会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
(8) リース
① 借手
当社はリースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内であるリース(以下、「短期リース」)及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたって定額法により費用として純損益で認識する方法を選択しております。
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で連結財政状態計算書の有形固定資産に含めて表示しております。使用権資産の取得原価には、リース負債の当初測定の金額、リースの開始日以前に支払ったリース料、借手に発生した当初直接コスト、原資産の原状回復の際に借手に生じるコストの見積りを含めております。使用権資産は見積耐用年数とリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。
リース負債はリースの開始日において支払われていないリース料を同日現在の借手の追加借入利子率を用いて割引いた金額で測定しております。リース料には固定リース料、変動リース料のうち指数またはレートに応じて決まる金額、購入オプションの行使価格、リースの解約に対するペナルティの支払額を含めております。リースの開始日後は、リース負債の残高に対して毎期一定の率となる金利費用を純損益で認識し、当該金利費用及び支払われたリース料を反映するように測定しております。なお、リース負債は連結財政状態計算書のその他の金融負債(流動)及びその他の金融負債(非流動)に含めて表示しております。
リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプションまたは行使しないことが合理的に確実な解約オプションの期間を加えて決定しております。
リースの開始日後においてリース期間の変化及び原資産を購入するオプションについての判定に変化があった場合、改訂後のリース料を改訂後の割引率で割引くことによって、リース負債を再測定しております。
なお、当社は実務上の便法として、原資産のクラスごとに、非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
② 貸手
リース取引のうち、資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合はファイナンス・リースとして分類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースとして分類しております。
ファイナンス・リースに係る債権は、正味リース投資未回収額で当初認識しております。ファイナンス・リースに係る収益は、正味リース投資未回収額に対して一定の期間利益率となるようにリース期間にわたって純損益で認識しております。
(9) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産については、報告期間の末日において、資産または資金生成単位で減損の兆候の有無を評価し、兆候が存在する場合は当該資産または資金生成単位の回収可能価額を見積っております。
のれん、耐用年数が限定されない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを実施しております。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。使用価値は、資産または資金生成単位から将来発生すると見込まれるキャッシュ・フローを見積り、貨幣の時間価値、及び当該資産または資金生成単位に特有のリスクを反映した税引前の割引率を使用して現在価値に割引くことで算定しております。
資金生成単位は、他の資産または資産グループからのキャッシュ・インフローとは概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される最小の資産グループの単位であり、個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しております。
全社資産は独立してキャッシュ・インフローを発生させないため、全社資産に減損の兆候がある場合は、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき、減損テストを実施しております。
資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該金額を減損損失として純損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額に基づき、比例的に各資産に配分しております。
過年度に認識したのれん以外の資産または資金生成単位の減損損失については、報告期間の末日において当該減損損失の戻入れの兆候の有無を判定しております。戻入れの兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額を見積り、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合は減損損失の戻入れを行っております。減損損失の戻入れは、過年度において当該資産または資金生成単位について認識された減損損失がなかったとした場合の償却または減価償却控除後の帳簿価額を上限とし、純損益で認識しております。
(10) 引当金
過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しております。
引当金は、報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出に関する最善の見積りで測定されます。また、貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、引当金は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定されます。
(11) 退職後給付
当社は従業員の退職給付制度として確定給付制度及び確定拠出制度を設けております。
(確定給付制度)
親会社及び主に国内における大部分の連結子会社は、確定給付企業年金制度または退職一時金制度を採用しております。確定給付負債または資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の差額で算定されます。
確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。
確定給付制度債務は、その制度ごとに予測単位積増方式により算定され、その現在価値は将来の見積給付額を割引いて算定されます。割引率は給付支払の見積時期及び金額を反映した報告期間の末日時点の優良社債の市場利回りに基づいて決定しております。
給付水準改訂等の制度変更により生じる過去勤務費用は、発生時に全額純損益として認識しております。
また、確定給付負債または資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。
(確定拠出制度)
親会社及び一部の連結子会社では確定拠出年金制度を有しております。当該制度への拠出は、従業員が労働を提供した期間における要拠出額を従業員給付費用として純損益で認識しております。
(12) 収益認識
① 顧客との契約から生じる売上高
販売金融収益を除く顧客との契約から生じる売上高について、次の5ステップアプローチに基づき認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する
ステップ5:履行義務を充足した時点で(または充足するに応じて)売上高を認識する
当社は注記「※1 報告企業」のとおり、多種多様な製品・サービスの提供を行っております。
製品販売については、製品に対する物理的占有、所有に伴う重大なリスク及び経済価値の顧客への移転状況といった支配の移転に関する指標を勘案した結果、製品に対する支配を顧客に移転して履行義務を充足するのは製品の引渡時点であると当社は判断し、当該時点で売上高を認識しております。
また、当社は工事請負契約を顧客と締結しております。当該契約については、当社の履行により他に転用できる資産を創出せず、かつ、現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を当社が有していることから、資産の支配を一定の期間にわたって顧客に移転していると考えております。このため、報告期間の末日において測定した履行義務の充足に係る進捗度に基づき、工事期間にわたって売上高を認識しております。なお、当社は、総工事原価の妥当な積算を行うこと、及びこれらの契約に係る進捗度を合理的に見積ることが可能であることから、進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いております。
売上高は顧客との契約において約束された対価から値引き、購入量に応じた割戻し等を控除した金額で測定しております。変動性がある値引き、割戻し等を含む変動対価については、過去、現在及び予想を含む合理的に利用可能なすべての情報を用いて当社が権利を得る対価の金額を見積り、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ売上高を認識しております。
契約に複数の履行義務が識別される場合は、主に観察可能な独立販売価格の比率でそれぞれの履行義務に取引価格を配分しております。
② 販売金融収益
当社は、ディーラーを通して当社の農業機械等を購入した最終ユーザーに対して小売金融またはファイナンス・リースといった販売金融サービスを提供しております。
販売金融サービスから生じる金融債権に係る金利収益は契約期間にわたって実効金利法により認識しており、連結損益計算書の売上高に含めて表示しております。
(13) 法人所得税
法人所得税は当期税金及び繰延税金から構成されており、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益または資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しております。
当期税金は報告期間の末日において制定または実質的に制定されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付または税務当局から還付されると予想される金額で測定しております。
繰延税金は資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除を利用するのに十分な課税所得を稼得する可能性が高い場合にのみ認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異に対して認識しております。
ただし、連結子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関する将来加算一時差異については、当該一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合は、繰延税金負債を認識しておりません。また、連結子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関する将来減算一時差異については、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来において実現する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、報告期間の末日における制定または実質的に制定されている税率及び税法に基づき、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産の帳簿価額は報告期間の末日において見直し、繰延税金資産の一部または全部の税務便益を実現させるのに十分な課税所得の稼得が見込めないと判断される部分について、繰延税金資産を認識しておりません。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税企業体に課されている場合、または異なる納税企業体に課されているものの、これらの納税企業体が当期税金資産及び当期税金負債を純額で決済すること、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
また、税務当局が当社の税務処理を認める可能性に不確実性が存在する場合、関連する課税所得等を決定する際に当該不確実性を反映しております。
(14) 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、報告期間における発行済普通株式の加重平均株式数で親会社の普通株主に帰属する当期利益を除して算定しております。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(15) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている新設または改訂が行われた主な基準書及び解釈指針のうち、適用が強制されないため、当年度において適用していないものは次のとおりです。
IFRS第17号の適用による当社の連結財務諸表への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
※4 セグメント情報
当社は機械、水・環境及びその他の3事業セグメント区分にわたって多種多様な製品・サービスの提供を行っております。機械事業では主として農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械の製造・販売等を行っております。水・環境事業では主としてパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)の製造・販売等を行っております。その他事業では主として各種サービスの提供等を行っております。
これら3事業セグメントは主に製品・サービスに基づき区分された当社の組織構造と一致しており、当社の最高経営意思決定者は経営資源の配分の決定及び業績の評価のために事業セグメントの経営成績を定期的にレビューしております。
なお、事業別セグメント情報は当社の連結財務諸表作成のための会計方針により作成されております。
また、当年度より、社内組織をベースとした事業セグメントの構成の変更に基づき、従来、「その他」に含めておりました金融サービス事業を「機械」に含めております。加えて、社内管理制度の変更に基づき、従来、各事業セグメントに含めておりました一部の資産を全社資産として調整欄に含めております。これらの変更に伴い、比較情報についても変更後の区分に組替えて表示しております。
(1) 事業別セグメント情報
事業別セグメント情報は次のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 1 調整欄にはセグメント間の内部取引に係る消去額、事業セグメントに配賦していない費用及び全社資産等が含まれております。事業セグメントに配賦していない費用の金額は前年度34,105百万円、当年度30,198百万円であり、その主なものは親会社で発生する管理部門の費用、基礎研究費及び為替差損益です。全社資産の金額は前年度256,074百万円、当年度317,016百万円であり、その主なものは親会社の現金及び現金同等物、有価証券及び管理部門に関連する資産です。
2 セグメント利益の合計額は連結損益計算書の営業利益と一致します。営業利益と税引前利益との間の調整については連結損益計算書に記載のとおりです。
3 セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。
4 非流動資産は、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。
(2) 製品別情報
製品別の外部顧客に対する売上高は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 当年度より、従来、「その他」に含めておりました金融サービス事業を「農業機械・エンジン」に含めております。この変更に伴い、比較情報についても変更後の区分に組替えて表示しております。
(3) 地域別情報
仕向地別の外部顧客に対する売上高は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1 北米に含まれる米国向けの売上高は前年度586,705百万円、当年度721,398百万円です。
2 連結売上高の10%を超える特定顧客への売上高はありません。
所在地別の非流動資産残高は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1 非流動資産は、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。
2 北米に含まれる米国に所在する非流動資産は前年度71,322百万円、当年度92,900百万円です。
※5 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。
なお、現金及び現金同等物は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の残高は一致しております。
※6 営業債権
営業債権の内訳は次のとおりです。
なお、営業債権は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
(単位:百万円)
※7 金融債権
金融債権の内訳は次のとおりです。
なお、金融債権は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
※8 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は次のとおりです。
(注) 担保として差入れた引出制限条項付預金及び公共工事の請負代金の前受として使途が制限される預金
当社は、取引関係の維持・発展等を目的として保有する資本性金融資産に対する投資について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産として指定しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄の公正価値は次のとおりです。
当社は、主として取引関係の見直しの結果、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部を売却し、認識を中止しております。これらの認識中止時点の公正価値及び処分に係る累積利得または損失(税効果調整前)は次のとおりです。
※9 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
費用として認識された棚卸資産は前年度1,198,396百万円、当年度1,435,255百万円です。また、費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は前年度2,197百万円、当年度1,746百万円です。
※10 持分法で会計処理されている投資
(1) 関連会社に対する投融資及び取引
関連会社に対する営業債権(受取手形及び売掛金)、貸付金、投資(株式及び出資金)及び預り金は次のとおりです。
関連会社に対する売上高は前年度47,038百万円、当年度50,426百万円です。
前年度及び当年度において、個々に重要性のある関連会社はありません。
なお、個々に重要性のない関連会社の当期利益に対する当社の持分は前年度876百万円、当年度902百万円です。
(2) 共同支配企業に対する投融資及び取引
共同支配企業に対する営業債権(受取手形及び売掛金)、貸付金、投資(株式及び出資金)及び預り金は次のとおりです。
共同支配企業に対する売上高は前年度5,315百万円、当年度5,521百万円です。
前年度及び当年度において、個々に重要性のある共同支配企業はありません。
なお、個々に重要性のない共同支配企業の当期利益に対する当社の持分は前年度1,652百万円、当年度2,140百万円です。
※11 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は次のとおりです。
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の売上原価または販売費及び一般管理費に含まれております。また、減損損失については連結損益計算書のその他の費用に含まれております。
※12 のれん及び無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は次のとおりです。
企業結合で認識した無形資産には、顧客関係資産、商標権及び技術関連が含まれております。
無形資産の償却費は、連結損益計算書の売上原価または販売費及び一般管理費に含まれております。
期中に費用として認識された研究開発支出(研究開発費)は次のとおりです。
前表の「その他」にはのれん及び耐用年数が限定されない無形資産が含まれております。
資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は次のとおりです。
のれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は過去の実績を反映した5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。また、経営者が承認した5年間を超える期間におけるキャッシュ・フローの見積りには、資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定した成長率(2.1%~3.0%)を使用しております。割引率は各資金生成単位の税引前の加重平均資本コスト(8.3%~9.0%)を基礎に算定しております。
使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用価値算定に用いた成長率及び割引率について合理的な範囲で変動があった場合においても、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。
なお、企業結合に関する当初の会計処理が完了していないため資金生成単位に配分していないのれん及び耐用年数が限定されない無形資産の金額に重要性はありません。
※13 リース
(1) 借手
当社は事務所、製造設備及び従業員社宅等の一部をリース契約に基づき賃借しております。
使用権資産の帳簿価額及び増減は次のとおりです。
なお、当社はリース期間の変化によりリース負債を再測定し、当該金額を使用権資産の修正として認識しております。
リースに係る純損益で認識した金額は次のとおりです。
前年度及び当年度のリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額はそれぞれ16,601百万円、21,541百万円です。
当社では、個社の判断に基づきリース取引を行っております。
借手は貸手の同意なしにリース取引を延長できる場合に延長オプションがあるものとされます。また、借手はリース取引を契約の中途で解約できる場合に解約オプションがあるものとされます。
各社では、必要に応じてこれらのオプションを行使しております。
リース負債の満期分析は次のとおりです。
(2) 貸手
当社は、当社製品の最終ユーザーに対して、農業機械等をファイナンス・リースにより賃貸しております。
原資産に関するリスクについては、定期的にモニタリングを実施するとともに、中古市場における販売情報を蓄積することにより低減しております。
リース収益は次のとおりです。
リース料債権の満期分析は次のとおりです。
※14 社債及び借入金
(1) 社債及び借入金の内訳
(注) 1 短期借入金は銀行借入金及びコマーシャル・ペーパーであり、当年度の期末残高に対する加重平均利率は0.43%です。
2 1年以内返済予定分を含めております。
長期借入金(1年以内返済予定分を含む)の内訳は次のとおりです。
(注) 当年度の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
なお、社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(2) 担保提供資産
担保に供している資産は次のとおりです。
(注) 1 証券化取引に際し、担保として差入れた金融債権
2 担保として差入れた引出制限条項付預金
短期及び長期の銀行借入は一般的な取引約定に基づいております。この取引約定のもとでは、将来、当社は銀行から担保や保証の提供を要求される可能性があります。また、期日が到来した債務、または債務不履行の場合にはすべての債務について銀行は預金と相殺する権利を持ちます。銀行以外の貸手との長期契約についても、貸手の要求に対して追加的な担保の提供が必要となる旨の一般的な定めがなされております。
※15 営業債務
営業債務の内訳は次のとおりです。
なお、営業債務は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
※16 その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は次のとおりです。
※17 引当金
引当金の内訳及び増減は次のとおりです。
当社は、顧客への製品の販売に関連してそれらが顧客との間で合意された仕様に従って意図したとおりに機能するという保証を顧客に提供しており、将来発生すると見込まれる無償修理費用を製品保証引当金として計上しております。製品保証引当金には、過去の製品保証費実績に基づいて見積った支出、並びにリコールや自主的な無償修理を決定した個々の案件に対して見込まれる修理単価及び対象台数に基づいて見積った支出が含まれており、経済的便益の流出は概ね1~5年以内に発生するものと見込まれます。
その他の引当金には、受注損失引当金、資産除去債務等が含まれております。
引当金の流動、非流動区分ごとの内訳は次のとおりです。
なお、非流動負債に区分される引当金は連結財政状態計算書のその他の非流動負債に含めております。
※18 従業員給付
(1) 退職後給付
親会社及び主に国内における大部分の連結子会社は、確定給付制度として、大部分の従業員を対象とする確定給付企業年金制度または退職一時金制度を有しております。親会社及び一部の連結子会社の退職者は、退職給付を選択により一時金または企業年金基金から年金として受取ることができます。給付額は主にポイント制のもとでポイントの累計数に基づいて計算されます。ポイントは勤続年数に応じて付与される「勤続ポイント」、等級に応じて付与される「等級ポイント」、各年度の評価に応じて付与される「評価ポイント」等から構成されます。
確定給付企業年金制度は法令に従い、当社と法的に分離された企業年金基金により運営されております。企業年金基金の理事会及び年金運用受託機関は制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
また、親会社及び一部の連結子会社は大部分の従業員を対象とする確定拠出制度を有しております。
親会社は、2021年11月に、従業員の雇用の選択肢を多様化するため、一部の従業員に関して60歳から65歳への定年延長を実施するとともに、定年延長にあわせた確定給付企業年金制度及び退職金制度の改訂を2022年4月1日に実施することを決定しました。また、これに加えて一部の確定給付企業年金制度を廃止し、過去の積立分について、確定拠出制度へ移換する予定です。
この制度改訂に伴い、確定給付制度債務を減額し、同額の過去勤務費用を純損益に認識しております。当年度において純損益に認識された過去勤務費用は5,547百万円であり、連結損益計算書の売上原価を3,933百万円、販売費及び一般管理費を1,614百万円、それぞれ減額しております。
① 連結財政状態計算書に計上された確定給付負債または資産
連結財政状態計算書に計上された確定給付負債または資産の純額と、確定給付制度債務及び制度資産との関係は次のとおりです。
② 確定給付制度債務の現在価値
確定給付制度債務の現在価値の変動は次のとおりです。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは前年度16年、当年度17年です。
③ 制度資産の公正価値
制度資産の公正価値の変動は次のとおりです。
翌年度の確定給付企業年金制度への拠出見込額は6,300百万円です。
④ 資産上限額の影響
確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産は、確定給付制度からの返還及び将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。
資産上限額の影響の変動は次のとおりです。
⑤ 数理計算上の仮定
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は次のとおりです。
なお、当社はポイント制を採用しているため、確定給付制度債務の算定に際して昇給率を使用しておりません。
⑥ 制度資産のカテゴリー別内訳
制度資産のカテゴリー別の内訳は次のとおりです。
当社は将来の年金給付の支払に備え、許容できるリスクのもとで可能な限りの運用成果をあげることを制度資産の運用方針としております。また、リスクを分散するため、金利変動リスク、経済成長率、通貨の種類等の投資収益に影響する要因を考慮の上、投資先の産業、会社の種類、地域等を慎重に検討してポートフォリオのバランスをとっております。当社の目標とする配分比率は、株式及び為替リスクがヘッジされていない外国債券35%、及びそれ以外の資産(主に国内債券、為替リスクがヘッジされている外国債券、現金及び短期投資、生命保険一般勘定)65%です。
制度資産の多くの部分は信託銀行と投資顧問により運用されております。これらのファンドマネージャーは、最適な資産構成を実現するために当社が長期的かつ総合的な運用方針に基づいて策定した運用指針を遵守し、さらに特定のベンチマークにより評価されます。
当社は運用成績の測定にあたり、個々の資産ごとにベンチマークとなる収益率を設定し、これを資産区分ごとの構成比に応じて組み合わせた収益率と実際の収益率を比較しております。
⑦ 重要な数理計算上の仮定に関する感応度分析
重要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合の確定給付制度債務の変動額は次のとおりです。
本分析においては、数理計算上の仮定を割引率以外は変動させずに割引率のみを変動させた場合として算出しております。実際には他の数理計算上の仮定が相互に関連して変化するため、この感応度分析の結果が確定給付制度債務の変動を必ずしも正確に表すものではありません。
⑧ 確定拠出制度
確定拠出制度に係る年金費用は前年度4,504百万円、当年度4,987百万円です。
(2) 従業員給付費用
連結損益計算書に含まれる従業員給付費用は前年度320,862百万円、当年度344,148百万円です。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職後給付に係る費用等が含まれております。また、従業員給付費用には主要な経営幹部への報酬が含まれており、主要な経営幹部に対する報酬は「※29 関連当事者」に記載しております。
なお、従業員給付費用は連結損益計算書の売上原価または販売費及び一般管理費に含めております。
※19 その他の負債
その他の負債の内訳は次のとおりです。
※20 資本
(1) 授権株式数及び発行済株式数
授権株式数は前年度、当年度ともに1,874,700千株です。
発行済株式数の増減は次のとおりです。なお、親会社の発行する株式はすべて無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
(注) 前年度及び当年度の期中減少は自己株式の消却によるものです。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数(関連会社が保有する親会社株式の当社の持分を含む)は、前年度644千株、当年度339千株です。
(2) 資本剰余金及び利益剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金は資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成され、主な内訳は資本準備金です。日本の会社法(以下「会社法」)では、株式の発行に対する払込または給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されております。また、資本準備金は株主総会の決議により資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
利益剰余金は利益準備金とその他の剰余金により構成されております。会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。利益準備金は欠損補填に充当できるほか、株主総会の決議により取り崩すことができます。
(3) 配当金
① 配当金支払額
前年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
② 基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
(4) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素を構成する各項目の増減は次のとおりです。
その他の包括利益-税効果調整後を構成する各項目の内訳とそれらに係る税効果額(非支配持分を含む)は次のとおりです。
非支配持分に帰属するその他の包括利益-税効果調整後の内訳は次のとおりです。
※21 売上高
(1) 売上高の分解
製品及び仕向地別に分解した顧客との契約から認識した売上高並びにその他の源泉から認識した収益は次のとおりです。
前年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
その他の源泉から認識した収益には、実効金利法を用いて算定した小売金融及びファイナンス・リースに係る金利収益が、前年度57,431百万円、当年度62,819百万円含まれております。
当社は多種多様な製品及びサービスの提供を行っており、これらは主として機械事業と水・環境事業に分類されます。
各事業における履行義務の内容は次のとおりです。
① 機械
機械事業では主として農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械に係る製品の製造・販売を日本国内及び海外の各地域で行っており、これらの地域におけるディーラー等の法人または最終ユーザーである個人及び法人を主たる顧客としております。
当社はこれらの製品販売について製品の引渡時点で履行義務を充足していると判断し、売上高を認識しております。対価は履行義務の充足時点から1年以内に受領しており、これらの契約については実務上の便法を適用して金融要素に係る調整は行っておりません。売上高は契約において約束された対価で測定され、値引き、購入量に応じた割戻し等を控除しており、顧客への返金が見込まれる金額は返金負債として認識しております。
なお、当社と顧客の間に重要な返品に係る契約はありません。
また、当社は製品の販売に関連して、販売後の一定期間内に生じた製品の欠陥による故障に対して無償で修理を行う等の製品保証を提供しております。当該保証は、当社の製品が顧客との間で合意された仕様に従って意図したとおりに機能するという保証を顧客に提供するものであるため、製品保証引当金として認識しております。
② 水・環境
水・環境事業では主としてパイプインフラ関連製品、環境関連製品の製造・販売及び環境関連施設、水道用施設等の公共施設の工事請負を行っており、日本国内の国・地方自治体等の官公庁や日本及び海外の各地域における法人を主たる顧客としております。
当社はこれらの製品販売について製品の引渡時点で履行義務を充足していると判断し、売上高を認識しております。工事請負については、工事の進捗につれて履行義務が充足されるため工事契約期間にわたって売上高を認識しており、進捗度の測定には契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いるインプット法を適用しております。対価は履行義務の充足時点から1年以内に受領しており、これらの契約については実務上の便法を適用して金融要素に係る調整は行っておりません。売上高は契約において約束された対価で測定され、値引き、購入量に応じた割戻し等を控除しており、顧客への返金が見込まれる金額は返金負債として認識しております。
なお、当社と顧客の間に重要な返品に係る契約はありません。
また、当社は製品の販売等に関連して、一定の期間内に判明した瑕疵に対して無償で修理を行う等の製品保証を提供しております。当該保証は、当社の製品等が顧客との間で合意された仕様に従って意図したとおりに機能するという保証を顧客に提供するものであるため、製品保証引当金として認識しております。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は次のとおりです。
債権には営業債権及びその他の金融資産(非流動)に含まれている長期売掛金が含まれております。
契約資産は、水・環境事業における工事請負契約について報告期間の末日時点での進捗度に基づいて測定した履行義務の充足部分と交換に受取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものです。契約資産は連結財政状態計算書のその他の流動資産に含まれており、対価に対する当社の権利が当該対価の支払期限が到来する前に時の経過だけが要求される無条件な状態となった時点で債権に振替えられます。
また、契約負債には顧客からの前受金等が含まれております。
契約資産及び契約負債の残高の重要な変動は次のとおりです。
なお、前年度及び当年度における契約負債の期首残高のうち、報告期間中に認識した売上高の金額はそれぞれ10,006百万円、7,481百万円です。
また、前年度及び当年度において過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
未充足(または部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格は前年度121,216百万円、当年度146,832百万円です。当該履行義務は水・環境事業における工事請負契約に係るものであり、工事の進捗に応じて主として5年以内に売上高として認識されると見込まれます。
なお、当社は実務上の便法を適用しており、上記の金額には当初の予想契約期間が1年以内の未充足の履行義務に係る取引価格を含めておりません。
また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
※22 その他の収益及びその他の費用
その他の収益及びその他の費用の内訳は次のとおりです。
※23 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は次のとおりです。
なお、上記の受取配当金に含まれる報告期間中に認識を中止した資本性金融資産に係る金額に重要性はありません。
※24 法人所得税
(1) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は次のとおりです。
当社は主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした通常の法定実効税率は前年度及び当年度ともに30.6%です。ただし、海外連結子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
通常の法定実効税率と平均実際負担税率との差異の内訳は次のとおりです。
(2) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生要因別内訳は次のとおりです。
繰延税金資産の純額の増減内容は次のとおりです。
(注) 純損益を通じて認識した額と繰延税金費用との差額は為替の変動によるものです。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限別の内訳は次のとおりです。
繰延税金負債を認識していない連結子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前年度及び当年度において、それぞれ8,643百万円、20,884百万円です。これらは当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
なお、当社は、税務当局が税務処理を認める可能性について不確実性が存在する場合、関連する課税所得等を決定する際に当該不確実性を反映しておりますが、前年度及び当年度において重要な影響はありません。
※25 1株当たり利益
当社は取締役及び執行役員を対象とする譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。この制度に基づいて付与された株式のうち、権利が確定していない株式を参加型資本性金融商品として普通株式と区分しております。
なお、普通株式と参加型資本性金融商品は親会社の所有者に帰属する当期利益に対して同等の権利を有しております。
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の計算上の分子及び分母は次のとおりです。
潜在的に希薄化効果のある株式が存在しないため、希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は記載しておりません。
※26 キャッシュ・フローの補足情報
(1) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は次のとおりです。
(注) 借入期間が3ヶ月を超える借入金を長期借入金としております。
(2) 非資金取引
主要な非資金取引の内容は次のとおりです。
※27 金融商品
(1) 資本管理
当社は資本のうち、親会社の所有者に帰属する持分を自己資本として扱っております。
当社は長期安定的な企業価値の向上を経営の最重要課題としております。企業価値の持続的な向上を図るため、収益力の強化に向けて資本を十分に活用すること、将来の事業拡大を支えるのに足りる水準の資本を保持すること、株主還元の一層の充実を図ることを資本政策の基本方針としております。
当社はこの基本方針に基づき、内部留保については健全な経営の維持と将来の経営環境への対応を考慮の上、その使途を決定しており、利益配分については安定的な配当の維持及び向上を行っております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 信用リスク
当社の営業債権、契約資産、長期売掛金及び金融債権は相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被る信用リスクにさらされております。
これらの信用リスクを軽減するため、営業債権及び契約資産については顧客の格付、取引内容、財務内容に応じた与信限度額を設定し、継続的にモニタリングを実施しております。また、営業保証金及び不動産担保の取得、保証契約等の保全措置も講じております。金融債権及び長期売掛金については契約時に外部機関または内部データベースに基づく信用情報調査を行っております。取引開始後は期日管理を行っており、期日経過日数に応じて督促、訪問、当社製品の回収等の措置を講じております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額が当社の金融資産の信用リスクエクスポージャーの最大値です。なお、これらの資産は多数のディーラーまたは小口の最終ユーザーに対するものであり、特定顧客との取引に著しく集中する状況にはありません。
また、余剰資金の運用のために保有している金融資産及び為替リスクを軽減するために利用しているデリバティブは発行体の信用リスクにさらされております。
これらの信用リスクの発生を未然に防止するため、安全性の高い債券を中心に資金運用を行うとともに、高い格付を有する金融機関に限定して取引を行っております。
① 営業債権、契約資産及び長期売掛金に係る信用リスク測定
長期売掛金は日本において、主に個人の最終ユーザーに対し当社の農業機械を直接販売することにより生じるものです。
営業債権、契約資産及び長期売掛金は常に全期間の予想信用損失をもって貸倒引当金を算定しております。これらの資産については、信用リスクの特徴が類似する資産ごとにグルーピングし、過去の貸倒実績に現在の状況及び将来の経済状況の予測を考慮して予想信用損失を測定しております。信用減損金融資産については、個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。信用減損金融資産に該当しているか否かは、債務者の重大な財政状態の悪化、長期の回収期日経過、債務者の破産等の客観的証拠により判断しております。なお、契約資産に関する予想信用損失に重要性はありません。
営業債権及び長期売掛金のリスク分類別の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は次のとおりです。
貸倒引当金の増減は次のとおりです。
② リース債権に係る信用リスク測定
当社は主にタイにおいて、ファイナンス・リースを提供しております。リース債権は個人及び法人の最終ユーザーに対する当社の農業機械等のリースに関連しております。これらの債権は最低リース料総額とリース資産の見積残存価額の合計額から未稼得金融収益及び貸倒引当金を控除した金額で評価しております。
リース債権は常に全期間の予想信用損失をもって貸倒引当金を算定しております。リース債権は地域及び回収期日経過日数でグルーピングした上で、過去の貸倒実績に現在の状況及び将来の経済状況の予測を勘案し、予想信用損失を測定しております。一方、信用減損金融資産については、個別に予想信用損失を測定しております。信用減損金融資産に該当しているか否かは、長期の回収期日経過、債務者の破産等の客観的証拠により判断しております。回収期日経過があった場合でも、その原因が一時的な資金需要によるものであり、債務不履行のリスクが低く、近い将来に契約上のキャッシュ・フローの義務を履行する能力を有しているものと判断された場合には信用減損金融資産として取り扱っておりません。なお、信用減損金融資産に係る信用補完として当社製品を前年度4,294百万円、当年度4,467百万円有しております。
リース債権のリスク分類別の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は次のとおりです。
リース債権の年齢分析は次のとおりです。
貸倒引当金の増減は次のとおりです。
③ 小売金融債権に係る信用リスク測定
当社は主に北米地域において、ディーラーを通して当社の農業機械等を購入した顧客に対して小売金融を提供しております。小売金融債権は個人及び法人の最終ユーザーに対する製品の提供に関して、当社とディーラーで交わされた契約により生じたものです。当該債権は償却原価から貸倒引当金を控除した金額で評価しております。
小売金融債権は当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない場合は12ヶ月、信用リスクが著しく増大している場合は全期間の予想信用損失をもって貸倒引当金を算定しております。小売金融債権については、主として回収期日経過日数でグルーピングした上で、報告期間の末日時点の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、過去の貸倒実績に現在の状況及び将来の経済状況の予測を考慮して、12ヶ月の予想信用損失を測定しております。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、過去の貸倒実績に現在の状況、将来の経済状況の予測及び当社製品の差押えによる回収可能価額等を勘案し、全期間の予想信用損失を測定しております。信用減損金融資産に該当しているか否かは、主として一定の期日経過情報に基づいて判断しておりますが、債務者の破産等のその他の客観的証拠も考慮しております。なお、信用減損金融資産に係る信用補完として当社製品を前年度1,050百万円、当年度1,379百万円有しております。
小売金融債権のリスク分類別の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は次のとおりです。
小売金融債権の年齢分析は次のとおりです。
貸倒引当金の増減は次のとおりです。
(3) 流動性リスク
当社は債務の履行が困難になるという流動性リスクにさらされております。
当社は適切に剰余金を維持し、キャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることにより、流動性リスクを管理しております。
金融負債の期日別残高は、次のとおりです。
(4) 市場リスク
① 為替リスク
主として国際的な事業活動に係る外貨建資産及び負債が外国為替レートの変動リスクにさらされており、このリスクを軽減するために先物為替契約、通貨スワップ契約及び通貨金利スワップ契約を行っております。
当社が報告期間の末日に保有する外貨建金融商品について、日本円が1%円高になった場合に連結損益計算書の税引前利益が受ける影響は次のとおりです。なお、下表には円建の金融商品並びに在外営業活動体の資産、負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としております。
② 金利リスク
当社は固定金利及び変動金利の債務を有しており、主としてこれらの債務が金利リスクにさらされております。このリスクをヘッジするために、金利スワップ契約及び通貨金利スワップ契約により金利の変動に対応しており、金利リスクは当社のキャッシュ・フローにとって重要ではありません。
(5) デリバティブ及びヘッジ会計
「※3 重要な会計方針 (3) 金融商品 ③ デリバティブ及びヘッジ会計」に記載のとおり、当社はヘッジ会計を適用しておりません。
(6) 金融商品の公正価値
① 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値は次のとおりです。
レベル1に区分した負債性金融資産及び資本性金融資産は活発な市場における同一資産の市場価格を用いて評価しております。
デリバティブは主要な国際的金融機関による提示相場を用いて評価しているためレベル2に区分しております。
レベル3に区分した資本性金融資産及び負債性金融資産は非上場株式であり、EBIT倍率(4.7~15.2倍)を用いた類似企業比較法等により公正価値を測定しております。なお、EBIT倍率が上昇(下落)した場合、公正価値は増加(減少)します。
レベル間の振替は振替のあった報告期間の末日に認識しております。当年度においてレベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に分類された金融商品の当年度における変動は次のとおりです。
(注) 1 連結損益計算書において「金融収益」または「金融費用」に含めております。純損益に認識した利得または損失合計のうち、当年度末において保有する金融商品に係るものは、699百万円であります。
(注) 2 連結包括利益計算書において「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含めております。
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値は次のとおりです。
金融債権、長期売掛金、社債及び借入金の公正価値は、将来のキャッシュ・フローを現行の市場利子率によって割引いた現在価値により表示しており、レベル2に分類されます。なお、上記長期売掛金には連結財政状態計算書の営業債権に含まれる、1年以内に回収予定の長期売掛金を含めております。
現金及び現金同等物、営業債権(1年以内に回収予定の長期売掛金を除く)、その他の金融資産(公正価値で測定する負債性金融資産、資本性金融資産及びデリバティブを除く)、営業債務及びその他の金融負債(デリバティブを除く)については満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(7) 金融資産と金融負債の相殺
強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金額に重要性はありません。
※28 連結子会社
(1) 主要な連結子会社
当社の主要な連結子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 [連結子会社]」に記載のとおりです。
(2) 重要な非支配持分がある連結子会社の要約財務情報等
当社が重要な非支配持分を認識しているサイアムクボタコーポレーション Co.,Ltd.(タイ)の要約財務情報等は次のとおりです。
※29 関連当事者
主要な経営幹部である親会社の取締役及び社外取締役に対する報酬は次のとおりです。
※30 コミットメント及び偶発負債
(1) コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントは前年度72,758百万円、当年度256,524百万円です。また、無形資産の取得に関するコミットメントは、前年度2,089百万円、当年度837百万円です。
なお、前年度及び当年度のコミットメントの主な内容は、研究開発拠点設立に伴うものです。
(2) 保証債務
当社は販売会社及び取引先の銀行借入金に対して保証を付与しており、当該保証の契約期間中に販売会社及び取引先が債務不履行に陥った場合、当社は支払義務を負います。販売会社及び取引先の銀行借入金に対する債務保証の契約期間は1年から4年です。保証債務残高は前年度3,442百万円、当年度3,539百万円です。
なお、これらの損失発生の可能性はほとんどありません。
(3) 訴訟事項
日本国内において2007年5月以降、当社もしくは国及び当社を含む複数のアスベスト取扱い企業に対して51件のアスベスト関連訴訟が提起されております。
これらの訴訟のうち14件を集約した4つの訴訟について、最高裁判所は2021年5月までに審理を終えて国及び一部のアスベスト取扱い企業の賠償責任を認める判決を下しましたが、当社への損害賠償請求はすべて棄却され、確定しました。
また、係属中の訴訟は37件あり、アスベスト疾病に罹患した建設労働者のべ578名を対象として合計21,421百万円の損害賠償請求がなされております。これら係属中の訴訟のうち、10件の訴訟を対象に4つの一審判決が下されており、当社は1つについては損害賠償金等2百万円の支払が命じられ、他の3つについては勝訴しました。これら4つの訴訟についてはいずれも控訴審で審理されており、うち2つの訴訟については控訴審判決が下され、いずれも当社は勝訴しております。なお、これら2つの訴訟についてはいずれも上告されております。
当社は訴訟の進展や最終的な結果の見込みに関する社外弁護士への確認を含め、訴訟の状況についてのレビューを継続しておりますが、現時点でこれらの訴訟の最終的な結果を予測することは困難であると考えております。
なお、当社はこれらの訴訟すべてにおいて、国または他の被告企業等とコスト負担の協定を結んでおりません。
(4) アスベスト健康被害に関する事項
当社は過去に石綿管や屋根材、外壁材等の石綿含有製品を製造・販売しておりました(旧神崎工場では1995年、その他の工場でも2001年までに製造を中止しております)。当社は旧神崎工場周辺のアスベスト疾病患者の方々に対し、2005年6月に見舞金制度を、2006年4月に救済金制度を定めました。また、当社は当社方針に従い、アスベスト関連の疾病に罹患した従業員(元従業員を含む、以下同じ)に対して一定の法定外補償を行っております。
当社はアスベスト健康被害に係る将来の支出額を見積るために、当社における過去の請求額や支払額の時系列データ、アスベスト関連疾病の発症率に関する公開情報等を含む入手可能な情報を検討しております。しかし、アスベストによる健康被害は潜伏期間が長期にわたるため、発症率を推定するための情報は入手できておりません。また、日本国内における他社のアスベスト問題で健康被害に係る個々の原因及び発症率に関して最終結論に至った事例もありません。このため、当社は本件に係る将来発生しうる結果の範囲を決定するための情報はないと考えております。
従って、当社はこれらのアスベスト健康被害に係る債務の金額について信頼性をもって見積ることはできないと考えており、引当金を計上しておりません。
また、2006年3月、国は石綿健康被害救済法(石綿による健康被害の救済に関する法律)を施行しました。同法はアスベストに起因する健康被害者の中で労災保険法に基づく労災補償による救済の対象とならない人々を速やかに救済する目的で制定されたものであり、救済給付の原資は国、地方公共団体、事業者の負担とされます。事業者による負担額は2007年度から徴収されておりますが、この中には、石綿との関係が特に深い事業活動を行っていたと認められる事業者の負担となる特別拠出金が含まれております。
当社は見舞金、救済金、従業員に対する補償金及び特別拠出金について、請求があった時点で負債を認識しております。アスベスト健康被害関連の負債計上額は前年度222百万円、当年度125百万円です。また、アスベスト健康被害に関連して認識した費用の金額は前年度817百万円、当年度626百万円です。
※31 後発事象
該当事項はありません。
※32 連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2022年3月18日に親会社代表取締役社長 北尾裕一及び代表取締役副社長執行役員企画本部長 吉川正人によって承認されております。
該当事項はありません。
当該情報は「注記 ※14 社債及び借入金」に記載しております。
当年度期首及び当年度末における資産除去債務の金額が、当年度期首及び当年度末における負債及び資本合計の100分の1以下であるため、記載を省略しております。
注記「※30 コミットメント及び偶発負債 (3) 訴訟事項」に記載した事項を除いて該当事項はありません。