第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

当社グループは、1909年の創業以来100年余にわたり、お客様満足第一の製品の供給とサービスの提供により、社会のインフラ整備、ライフラインや産業設備の拡充に取り組んでまいりました。引き続き、次の100年に向けて一層価値ある企業であるために、バランスの取れた着実な持続的成長に向けて、企業理念の実践を通じ、お客様満足に徹したモノづくりで、社会の生命線と人々の暮らしを守り、社会に貢献してまいります。

また、透明性をもった健全経営を実践し、当社に投資したいと思える「企業価値」を提供し続けるため、積極的な情報開示に努め、社内に優秀な人材を育成し、CSRの充実を図る事を基本方針としております。

 

(2) 中期的な課題と経営戦略

前中期三ヵ年計画の最終年度となった2017年度業績は、期初計画値を達成という結果となりましたが、右肩上がりの成長とまでは至らず、前中期3ヵ年計画期間を通して横ばいの業績推移という結果になりました。

当社グループの事業を取り巻く環境の厳しさを踏まえ、将来の成長に向け、着実に持続的成長の道筋を付けることが急務と認識しており、この度、2018年度を起点とする新中期3ヵ年経営計画を策定いたしました。この新中期3ヵ年経営計画では、創業以来築きあげたお客様からの信頼を変えないために、「変えなければならないもの」を毅然と変えていこうとしております。既存の事業領域の収益の安定を堅持していくだけではなく、ある領域ではこれら既存事業領域の境界線を越えていくことによって初めてお客様の信頼をこれからも保持し続けることができると考えております。そのため、当社グループでは「変わる」「稼ぐ」をキーワードとして、独自の生産性向上ならびにコストダウン戦略によるモノづくり活動、独自のコア技術と多様な商品展開による研究開発活動および新事業展開の加速化に注力してまいります。なお、定量目標値としては3ヵ年最終年度の2020年度には売上高1,100億円、営業利益40億円としております。       

 

(株式会社の支配に関する基本方針について) 

1.基本方針の概要

当社の株式は譲渡自由が原則であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に影響を及ぼす可能性のある当社株式の買付行為等に賛同するか否かの判断につきましても、株主全体の自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかし、当社株式の買付行為等の中には、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれをもたらすものも想定され、当社は、このような買付行為等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えております。

2.基本方針の実現に資する取組み

当社では、基本方針の実現に資するものとして、以下に掲げる取組みを推進しております。

(1) 企業価値・株主共同の利益の向上に資する「経営方針」について

当社は、1909年の創業以来100年余にわたり、ステークホルダーの皆様との信頼関係を基盤とし、お客様満足第一のモノづくりに徹することにより、社会のインフラ整備やライフラインの拡充に貢献してきました。

今後もトータル・クオリティ・サービスでお客様の信頼を得、お客様に本当に満足していただくことによって、持続的成長を目指していくことを当社及びグループ会社の「経営基本方針」としております。

(2) 企業価値・株主共同の利益向上に資する「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の充実施策」について

当社は、グループ会社と共に企業価値・株主共同の利益の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスの充実に向けて、次の施策を実施しております。

①  経営上の意思決定、業務執行及び監督

最高意思決定機関及び監督機関として取締役会のほか、代表取締役社長を中心としたメンバーによる会議体を設置し、取締役会の機能補完と意思決定の迅速化を図っております。さらに、執行役員制度を導入し、取締役の業務執行機能の一部を執行役員に権限委譲することで、取締役の監督機能を相対的に強化しております。

また、経営監査機関として、監査役会を設置しております。監査役は、取締役会、その他の重要な会議に出席し、内部統制の運営状況等の確認を行い、必要に応じて取締役会に意見を述べるなど、取締役の職務執行に対する監査を行っております。

 

②  内部統制システム

当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、「業務の適正を確保するための体制」(内部統制システム)を決議しております。

当社は、内部統制システムについての具体的な取組みとして、コンプライアンス体制にかかる規程を整備し、また、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置し、コーポレート・ガバナンス体制の強化に努めております。

3.会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社株式等に対する買付提案があった場合、株主の皆様が適切にご判断いただくために必要かつ十分な情報の提供を求め、当社取締役会の意見を開示する等、金融商品取引法、会社法その他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 4.取締役会の判断及びその理由

上記2.及び3.の取組みは、いずれも1.の基本方針に沿うものであり、当社が中長期的に成長していく上で必要不可欠なものであり、ひいては当社の企業価値向上、株主共同の利益の確保に資するものであります。従って、当社は、これら取組みにつきまして、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 経済状況の変動リスク

当社グループの事業は多岐にわたり、国際情勢・国内経済・為替等、当社に起因しない外部環境の変動が、受注量や原材料調達コストの増減等で当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

② 見積り前提条件の変動リスク

当社グループは連結財務諸表を作成するに際して、たな卸資産の評価、有価証券の減損、固定資産の減損、売上債権の回収可能性、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度に関して見積りを行っております。これらの見積りは将来に関する一定の前提に基づいており、その前提が実際の結果と相違する場合には、予期せぬ追加的な費用計上が必要となり、当社グループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

③ 有価証券の損失計上リスク

当社グループの保有する有価証券については、その大半が市場性のある株式であるため、経済状況、株式市場の動向によっては譲渡及び評価損失等が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 固定資産の損失計上リスク

当社グループの保有する固定資産については、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては譲渡及び評価損失等が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 環境汚染、公害等のリスク

当社グループの現在及び過去における事業活動において、有害物質の排出・漏洩、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等を引き起こした場合、その是正措置をとることによって当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟その他のリスク

当社グループと取引企業との取引において、取引先の予期せぬ倒産等で債権回収に支障が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループを対象とした訴訟において、当社の主張や予測と異なる結果となった場合、あるいは当社グループに対して巨額の損害賠償請求や事業の遂行に長期的な制限が加えられた場合等、重大な法的責任の発生及び規制当局による措置は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 自然災害、事故災害のリスク

地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点における設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難により、一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ コンプライアンス違反のリスク

当社グループは、日本及び世界各国の各種法令、行政による許認可や規制に基づき、その遵守に努めております。しかし、各種法令に対する理解が不十分、もしくは改正等への対応が適切でない場合には、各種法令違反と認定され、課徴金支払命令等による損失計上やそれに伴う社会的信頼の低下等によって、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 財政状態の状況

①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a.事業全体の状況

流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、7,100百万円増加し86,485百万円となりました。主な要因は、2018年3月期の増収および受注残の増加等の影響により、現金及び預金が4,909百万円増加したことおよび商品及び製品が1,099百万円増加したこと等によります。

今後は売上債権および棚卸資産の回転率を上げ、キャッシュコンバージョンサイクル等も意識した資産効率の良い経営を目指してまいります。

固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、1,189百万円減少し48,637百万円となりました。主な要因は、一般株式の処分により投資有価証券が355百万円減少したことに加え、繰延税金資産が834百万円減少したこと等によります。

今後は中期三ヵ年経営計画に基づき、将来の事業拡大を見据えた投資を積極的に推進してまいります。

流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、2,583百万円減少し61,756百万円となりました。主な要因は、期末日が銀行休業日であったことによる買入債務決済遅れ等により電子記録債務が5,801百万円増加した一方で、営業キャッシュフローに基づく短期借入金返済により短期借入金が1,705百万円減少したこと、コミットメントライン、タームローン契約更改に伴い1年内返済予定長期借入金が4,990百万円減少したこと等によります。

固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、5,522百万円増加し14,266百万円となりました。主な要因は、コミットメントライン、タームローン契約更改に伴い、長期借入金が4,943百万円増加したこと等によります。

当連結会計年度末において純有利子負債(Net Debt)額が100億円を切ったことを踏まえ、有利子負債圧縮による財務体質健全化は一定の目処が付いたと認識しております。

純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度と比べて2,972百万円増加し59,100百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円等により、利益剰余金が2,014百万円増加したこと、未認識数理計算上の差異および繰延税金資産計上により退職給付に係る調整累計額が616百万円改善したこと等によります。

 

 

b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況 

パイプシステム事業セグメント関連

パイプシステムセグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて1,763百万円増加し、53,732百万円となりました。主な要因は、鉄管製造工場の維持更新に係る設備投資等によるものです。

機械システム事業セグメント関連

機械システムセグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて1,059百万円増加し、17,943百万円となりました。主な要因は、売上高の増加に伴う売上債権の増加および平成29年4月1日に株式会社佐世保メタルを存続会社とし株式会社香春製鋼所を消滅会社とする吸収合併(現ジャパンキャステリング株式会社)を実施したことに伴う資産の増加等によるものです。

産業建設資材事業セグメント関連

産業建設資材セグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて2,390百万円増加し、23,879百万円となりました。主な要因は、平成29年8月3日にダイカポリマー株式会社より合成樹脂製品の製造、販売に係る事業譲受を実施したことに伴う資産の増加等によるものです。

 

(2) 経営成績の状況

①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a.事業全体の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策などを背景に、雇用・所得環境の改善などで緩やかな回復基調が続いているものの、米国政権の動向や英国のEU離脱問題に加え、緊張が続く北朝鮮情勢など依然として先行き不透明な状況で推移しました。

このような状況の中で、当社グループの当連結会計年度の業績は、「パイプシステム事業」で減収となりましたが、「機械システム事業」「産業建設資材事業」で出荷が増加したことにより、売上高は前連結会計年度比5,475百万円増収107,122百万円となりました。

利益面では、「機械システム事業」における増収の影響などにより増加しましたが、「パイプシステム事業」においての減収による減益の影響に加え「産業建設資材事業」においても売上構成の変化により減益となり、営業利益は3,409百万円(前連結会計年度比11百万円減益)、経常利益は3,077百万円(前連結会計年度比53百万円増益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上があった反面、前年度に「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を適用したことなどで法人税等調整額を戻し入れた反動で、2,400百万円(前連結会計年度比1,703百万円減益)となりました。

今後は、2018年度よりスタートいたします中期経営計画に基づき、現有事業の境界線を見定め、それを堅持すると共にある領域ではそれを越えていく取組を各事業毎に推進し、企業価値の向上と持続的な成長を達成してまいります。 

 

b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況 

パイプシステム事業セグメント関連

パイプシステム事業セグメント関連は、売上高につきましては、鉄管部門において自治体の発注動向など市場環境は依然として厳しく小口径管を中心に出荷が減少したことなどで前連結会計年度比3,901百万円減収55,272百万円となりました。

営業利益につきましては、鉄管部門において減収及び原材料高、出荷量減少に伴う減産の影響などもあり減益となったことに加え、バルブ部門でも前年度のような海外向け大型物件が減少したことなどで、前連結会計年度比809百万円減益1,295百万円の営業利益となりました。

今後は、当セグメントでは老朽化する社会インフラや人口減少に伴う社会構造変化などの社会の課題に対して、資材供給だけではなく維持管理、メンテナンス含めて貢献してまいります。

 

 

機械システム事業セグメント関連

機械システム事業セグメント関連は、売上高につきましては、機械システム部門において粉体機器の海外向け大型物件の出荷があったことに加え大型のプラント案件の売上が計上されたことなどで増加し、前連結会計年度比7,681百万円増収27,381百万円となりました。

営業利益につきましては、機械システム部門の増収による増益が大きく寄与したことなどで、前連結会計年度比1,244百万円増益1,790百万円の営業利益となりました。

今後は、当セグメントでは低炭素社会への対応など、日本国内はもとより世界各国におけるあらゆる産業に対して、最適システムを提案してまいります

 

産業建設資材事業セグメント関連

産業建設資材事業セグメント関連は、売上高につきましては、化成品部門において前年度に大型海外案件の売上があった反動で減収となったことに加え、建材部門において消音製品の出荷が減少したことにより減収となりましたが、第1四半期より連結子会社が増加したことなどで、前連結会計年度比1,695百万円増収24,468百万円となりました。

営業利益につきましては、建材部門では、空調製品の増収で増益となった反面、化成品部門で前期の減収の影響に加え、全般的に原材料等の価格が上昇傾向であったことで、前連結会計年度比553百万円の減益427百万円の営業利益となりました。

今後は、当セグメントでは建設、土木分野での省人化、維持メンテナンス分野への展開や、新素材などの開発によって、新たな事業領域への進出を加速してまいります。

 

c.目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは平成30年3月期の目標とする経営指標を「自己資本比率43.5%以上」「ROE(自己資本当期純利益率)3.9%以上」を確保することと期初に定めておりましたが、結果としては自己資本比率43.2%、ROE4.2%とほぼ達成との結果となりました。なお、自己資本比率が目標よりも下回った要因は、期末日が銀行休業日であったことによる買入債務決済遅れ等により、総資産が増加したことによるものであります。
 これまで当社グループは利益処分を内部留保優先としてまいりましたが、このように自己資本比率については当面の目標でありました40%を超える水準まで到達いたしましたので、今後は内部留保から将来に向けた投資や株主配当を重視してまいります。

 

 

②生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

パイプシステム事業

49,354

△0.6

機械システム事業

19,048

7.9

産業建設資材事業

18,727

5.1

合計

87,131

2.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 金額は、売価換算額によります。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

パイプシステム事業

55,750

△4.3

11,101

4.5

機械システム事業

27,432

36.2

17,592

0.3

産業建設資材事業

25,152

9.6

4,596

17.5

合計

108,335

6.9

33,291

3.8

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

パイプシステム事業

55,272

△6.6

機械システム事業

27,381

39.0

産業建設資材事業

24,468

7.4

合計

107,122

5.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

①現金及び現金同等物

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より4,907百万円増加し23,134百万円となりました。

②営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、9,522百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益3,403百万円に減価償却費等の非資金項目と売上債権・たな卸資産を中心とする流動資産、仕入債務を中心とする流動負債等の増減によるものであります。 

③投資活動によるキャッシュ・フロー 

投資活動によるキャッシュ・フローは、745百万円の支出となりました。これは有形及び無形固定資産の取得による支出、有価証券及び投資有価証券の売却による収入等によるものであります。 

④財務活動によるキャッシュ・フロー 

財務活動によるキャッシュ・フローは、4,349百万円の支出となりました。これは短期借入金の返済、長期借入金の返済等によるものであります。 

⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報  

当社グループの主要な資金需要は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、更新等に係る投資であります。

当連結会計年度において、当社は平成26年12月25日に関係金融機関と契約締結を行ったシンジケーション方式による総額300億円のコミットメントライン契約と総額110億円のタームローン契約の満期終了に伴い、平成29年12月26日に関係金融機関との間で、シンジケーション方式による総額280億円のコミットメントライン契約と総額50億円のタームローン契約を締結しました。

 

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

34.8

38.4

38.8

43.0

43.2

時価ベースの自己資本比率(%)

23.7

24.0

16.6

22.8

20.1

債務償還年数(年)

5.2

10.2

12.0

4.4

3.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

14.9

8.2

7.4

22.2

36.0

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。

  3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。又、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(提出会社) 

(1) 主要な技術導入契約

 

契約の相手先

国名

契約の内容

契約期間

アンドリッツ・ハイドロ・
リミテッド

スイス

バイプレンバタフライ弁・球形弁の製造販売権

自 昭和59年4月6日

至 平成6年4月5日

以後2年毎に自動的に更新される

 

(注) 上記については、ロイヤルティとして売上高の一定率を支払っております。

 

(2) 主要な業務提携契約

 

契約の相手先

国名

契約の内容

契約期間

ホソカワミクロン株式会社

日本

ナノ技術領域を含む粉体技術に関する技術契約
相互にそれぞれの粉体機器の非独占販売権の供与

自 平成20年2月21日

至 平成25年2月20日

以後1年毎に自動的に更新される

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは有用な製品とサービスを社会に提供して、人類社会の幸福に貢献するという企業理念のもと、基盤となる事業ドメイン「社会インフラ」および「産業設備」において、鋭意研究開発活動に努めております。近年は新事業創造に向けた研究開発成果の早期創出を目指して、コーポレート研究開発部門(クリモト創造技術研究所)と各事業部門との連携をより一層強化しており、市場直結型の技術開発を推進すると共に、オンリーワンの高機能材料ならびにその生産プロセスの開発に取り組んでおります。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,516百万円であり、セグメント別の研究開発費は、パイプシステム事業398百万円、機械システム事業116百万円、産業建設資材事業137百万円であります。主な研究概要とその成果については次の通りであります。なお、研究開発費については、コーポレート研究開発部門で行っている新規分野開発と基盤技術研究の費用864百万円が含まれております。

 

~主要研究開発活動~

(社会インフラ関連)

① 水道管路耐震化に向けた製品の開発

地震が頻発するわが国において、管路の耐震性を高めることは重要課題でありますが、現状耐震性を有する管路比率は39%程度に留まっております。ところが管路更新が捗らず、管路の老朽化は年々進んでいるため耐用年数を超過した管路の比率(管路経年化率)は既に13%を超えています。そのような状況を踏まえ、管路更新・耐震化促進に資するため、長寿命を特長とする新型耐震管GX形(75mm~300、400mm)の拡販に努めており、全国の政令指定都市をはじめ多くの事業体にご採用いただいております。また、GX形に加え、さらに低コストで軽量化を実現したNS形(E種管)のラインナップにより、事業体様からの多様な要望に応え、市場での拡販を精力的に進めて参ります。

さらに喫緊の課題となる中大口径管路の更新事業においても、事業体様のご要望にお応えする形で、このたび当社独自工法となる「ハイブリッドシステム工法」を開発しました。当工法は、中大口径更新事業の主力工法となる非開削工法において、既工法より、工期短縮およびトータルコストの削減を図ることが可能であり、水源から末端に至るトータル的な老朽管路の更新、耐震化に貢献すべく、取り組んで参ります。

 

② インフラ向け更生管の開発、交通インフラ分野ならびに橋梁補修分野への新規参入

当社は連続FW成形*技術をコア技術として、電力ケーブル保護管、下水道管及び農業用水管など主にインフラ市場分野向けにFRP(M)管を販売してきました。近年、インフラ新設事業は成熟期を迎え、既存設備の更新や長寿命化が課題となっております。そこで、当社はその分野で培った技術力を生かし、施工性に優れ、かつ高耐震性、高強度を有した更生工法の開発に注力しております。今後、この分野における製品開発を加速させ、既に市場投入している電力及び通信向け更生材の他、順次新製品を投入していく予定です。

交通インフラ分野の自動車関連ではコンポジット新製品や生産設備販売ビジネス、また鉄道関連では不燃性樹脂および絶縁性をキーワードにした新商材を基軸に新規参入を進めております。併せて、橋梁補修分野に関しては引抜成形技術を活用した製品を中心に種々の製品展開を進めて行く予定です。

* FW成形:フィラメントワインディングと呼ばれるFRP成形法の一種。

 

③ 軽量鋼管分野、消音分野における開発 

軽量鋼管分野においては、既存製品であるスパイラルダクトのカシメ部にシール剤を封入し、リーク低減を実現した「プレミアムスパイラルダクト」を開発、市場に投入しました。今後もコア技術を軸とし、顧客ニーズに対応した付加価値製品の開発に取り組んで参ります。また、消音分野では、道路インフラ更新需要に対応する遮音壁の開発に取り組んで参ります。

 

 

(産業設備関連)

① 二次電池向けプラント開発

当社の長年の粉体装置事業を基盤とし、リチウムイオンを主とする二次電池市場へ装置・システム・プラントで 積極参入すべくプロジェクトを2011年より立ち上げ活動を推進しております。その一環として、営業活動、PR効果促進、技術ノウハウの獲得・構築及び各装置の改良・改善のため、当社住吉工場内に、電池スラリーの混練設備、電池原料の乾燥・焼成・粉砕設備を配置した二次電池用のテストセンターを設置しています。信頼性のある高精度供給装置、摩耗に対するコンタミレス等に改良を加えた設備であり、本センターで顧客対応実証実験と自主実験による研究開発を進め、さらに創意工夫を重ねて改良・改善を行い、営業展開を強めております。

さらに、最近では中国・欧州を中心に将来の自動車EV化に向けた電池の大容量設備計画が増加するなか、当社提案の連続化スラリープロセスが評価され始めており、営業展開を進めています。加えて、次世代リチウムイオン電池として着目されている全固体電池材料製造プロセスの研究開発にも鋭意取り組んでいます。

 

② サーボプレスの応用技術開発

当社は近年、湿式クラッチブレーキの開発、サーボプレスの開発を行い、納入実績を積み重ねております。サーボプレスにおいては油圧装置と組み合わせた複合成形へも取り組み、鍛造技術の開発を進めております。更に、数年前に開発済みのM2M(遠隔監視装置)に加えて、プレスの状態が把握でき、保全性が高まる「見える化」の開発も進めており、両輪により営業活動を強めていく予定であります。

 

(コンポジットプロジェクト関連)

炭素繊維強化プラスチックのハイサイクル成形システムおよび成形品の開発 

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は軽くて強いという性質を持つ優れた部材であり、近年では金属製部品の代替として様々な分野・製品への適用が進んでおります。しかしながら、自動車部品など身近な製品へのさらなる普及のためには、製造コストの低減や生産サイクルの短縮、品質管理の強化など様々な課題を克服する必要があります。

当社は、混練装置やプレス機などの設備製造技術と国内有数のFRP成形実績を基盤とし、独自のCFRP量産テクノロジーの開発を進め、各種課題の解決に取り組んでおります。主な取り組みとしては、Carbon-LFTDシステム*1、ハイサイクルRTMシステム*2およびCFRP引抜成形について、デモ成形設備を導入し、具体的なCFRPパーツの設計、試作、量産から設備までのトータル・ソリューション開発を進めております。各種デモプラントが稼働する「クリモトコンポジットセンター」を有効活用し、成形設備および成形品分野での事業展開を目指します。

*1 Carbon-LFTDシステム:原材料である炭素繊維ロービングと熱可塑性樹脂を直接混練してプレス成形するCFRTP

成形システム。

*2 ハイサイクルRTMシステム:積層された炭素繊維シートに、熱硬化性樹脂を注入・含浸させ、加熱硬化させて成

形するシステム。

 

(クリモト創造技術研究所関連)

磁気粘性流体(MRF)の開発

磁気粘性流体とは、油の中に鉄微粒子を分散させた機能性流体であります。流体に磁力を与えると急激に粘性が増して半固体状態になり、磁力を取り除くと流動性のある液体状態に戻るという特徴があります。これを利用して、自動車用ダンパー等に実用化されております。当社では、鉄微粒子を今までより小さいナノサイズにしたMRF(商標名:SoftMRFⓇ)を新たに開発し、従来適用例が少なかったクラッチ、ブレーキ等の回転系デバイスへの採用に取り組んでおります。鉄微粒子のナノサイズ化によって、流体の再分散性および耐久性が向上しました。また、この流体を用いたデバイスは応答性能が優れていることから、リアルな触感を発現できます。これらの特長を活かしてSoftMRFⓇの製品として下肢装具関節部への適用やVR(バーチャル・リアリティ)アクティビティへの採用が実現しました。今後、市場拡大が予想されるハプティクスデバイス*関連分野等での実用化を目指して、流体のバリエーション拡大、コストダウンと安定生産技術の確立を進めると同時に適用範囲を拡大しSoftMRFⓇの販売を進めてまいる予定であります。

*  ハプティクスデバイス:人間が手などを使って得る触覚や力覚を情報として扱う学問分野をハプティクスと称

      し、ここではナノMRFを使って主に力覚を人工的に与えられるデバイスを指します。