文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、1909年の創業以来110余年にわたり、お客様満足第一の製品の供給とサービスの提供により、社会のインフラ整備、ライフラインや産業設備の拡充に取り組んでまいりました。引き続き、次の100年に向けて一層価値ある企業であるために、バランスの取れた着実な持続的成長に向けて、企業理念ならびに経営理念の実践を通じ、お客様満足に徹したモノづくりで、社会の生命線と人々の暮らしを守り、社会に貢献してまいります。
また、透明性をもった健全経営を実践し、当社に投資したいと思える「企業価値」を提供し続けるため、積極的な情報開示に努め、社内に優秀な人材を育成し、CSRの充実を図る事を基本方針としております。
昨今の当社を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の広がりが確認されてから1年以上が経過しましたが、未だ沈静化の目処が立たず、さらなる感染拡大が懸念される中で、当社グループにも徐々に影響がでてくるなど、さらに不透明感が増してきております。
このような情勢下ではありましたが、当中期3ヵ年経営計画の最終年度となった2020年度連結業績は、新型コロナ禍の影響があったものの、官需分野においては、当社グループの手掛ける製品・サービスが生活に欠かせない社会インフラということもあり、コロナ禍においても安定した出荷が継続され、民需分野においては、複数の大型工事進行基準案件など、例年以上の受注残による売上が堅調に推移したことなどにより、期初の業績予想値と比較いたしますと売上高、営業利益ともに予想を上回る結果となり、前年度と比較しても増収増益を達成いたしました。結果として、当中期3ヵ年計画においては、3ヵ年すべてで、当初の計画値を売上高、営業利益とも上回りました。

当社グループはこの度、着実な持続的成長の道筋を付けるために2021年度からスタートする新中期3ヵ年経営計画を策定いたしました。
新型コロナ禍でのスタートとなりますが、国土強靭化やカーボンニュートラルに向けた長期的視点での社会からの要請は変わらないとの信念のもと、新中期3ヵ年経営計画では、既存事業のさらなる基盤強化を図るとともに、前中期3ヵ年経営計画期間にて芽吹いた新たな事業の成長を加速させてまいります。なお、定量目標値としましては、2023年度に達成を目指す業績目標を売上高1,200億円、営業利益55億円(営業利益率4.6%)としております。
当社グループは、この社会環境の変化を当社が抱える課題を解決する好機と捉え、業務改革によるニューノーマルへの適応、人材戦略推進に加え、SDGs、ESGを包括したCSR経営の推進により経営基盤強化を図り、企業の持続的成長と収益性の改善を目指してまいります。
新中期3ヵ年経営計画業績目標
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(パイプシステム事業)
鉄管部門の主要市場である上水道市場では、施設老朽化に伴う更新需要は依然としてあるものの、水道事業の民間業務委託が増加傾向にあるなど、事業環境が変化しつつあります。当社グループにおいても、従来から行っている資材の製造・販売といったビジネスモデルに加えて、工事・サービスも含めたソリューションの提供を行うビジネスモデルの確立が急務となっております。当社グループは、従来からのビジネスである製品販売ビジネスの生産合理化を進めるとともに、設計・施工・メンテナンスといった業務の受託に向けた体制を整備し、今後の事業拡大を推進してまいります。
(機械システム事業)
当事業にて、熱間鍛造プレスなどを供給している自動車産業は、「CASE」に代表されるような世界規模の大きな変革の時を迎えております。当社グループにおきましては、鍛造プレス機や混練・混合機などの産業設備製造技術や、強化プラスチック製品製造ノウハウといった当社グループ保有のコア技術を活かし、軽量で高強度な先進材料として注目されているCFRPなどの強化プラスチックや二次電池などの製造設備へ最適なシステムを提供することで、自動車業界をはじめ様々な分野において、低炭素社会の実現へ貢献してまいります。
(産業建設資材事業)
建築、下水道、電力、鉄道など様々な市場へ資材を提供している当事業では、グループ経営の新たな柱となる事業を長年模索しております。その中で、特に需要増大が期待される道路・橋梁の維持メンテナンス市場でのビジネス拡大を推進してまいります。国土強靱化の流れの中、道路や橋梁本体の補修・メンテナンスのみならず、メンテナンス用設備やその周辺資材へのニーズは増加傾向にあります。当社グループはかねてより、多種多様な周辺資材の製造・販売を行ってきた強みに加えて施工会社をグループ会社とすることで、提供するソリューションのラインナップ拡充により、国土強靱化へ貢献すると共に事業拡大を目指します。
いずれの事業におきましても、当社グループが主に行ってきた資材や設備の製造・販売に加えて、設計・施工・メンテナンスなどのサービスも含めた付加価値をお客様へ提案することにより課題解決をはかるとともに、経営理念で謳う「最適システムの提供」により、広く社会に貢献してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
リスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があるため、当社グループは事業の継続性を確保する観点から経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。また、当社グループはこれらリスクの発生回避及び発生した場合の迅速な対応に努める所存であり、リスク管理体制等についての詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経済状況の変動リスク
当社グループの事業は、国際情勢・国内経済・為替・疫病の蔓延等、当社グループに起因しない外部環境の変動が、受注量や原材料調達コストの増減等で当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症蔓延による業績への影響)
新型コロナウイルス感染症という大きな外部環境変化により、日本のみならず世界規模で経済への影響が懸念されています。当社グループの主要事業は国内公共事業に関連する分野であり、官需分野と民需分野の売上構成比率がほぼ同等であることから、比較的安定した業績ではあるものの、民需分野では新型コロナウイルスの影響により、2020年度に民間設備投資が中止、延期され、受注額が減少したことなどに伴い、2021年度の売上高が一時的に減少する見通しです。2021年度通期の業績見込値は売上高1,070億円、営業利益35億円を見込んでおります。
なお、今後想定されるリスクとして、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響による発注延期や工事進捗遅延などの可能性が考えられますが、未だ不透明な状況です。
今後の事業環境の変化に伴い、業績見込値の変動が明らかになった場合は速やかに公表いたします。
②見積り前提条件の変動リスク
当社グループは連結財務諸表を作成するに際して、たな卸資産の評価、工事原価、有価証券の減損、固定資産の減損、売上債権の回収可能性、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度に関して見積りを行っております。これらの見積りは将来に関する一定の前提に基づいており、その前提が実際の結果と相違する場合には、予期せぬ追加的な費用計上が必要となり、当社グループの事業、業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
③有価証券の損失計上リスク
当社グループの保有する有価証券については、その大半が市場性のある株式であるため、経済状況、株式市場の動向によっては譲渡及び評価損失等が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④固定資産の損失計上リスク
当社グループの保有する固定資産については、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては譲渡及び評価損失等が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤環境汚染、公害等のリスク
当社グループの現在及び過去における事業活動において、有害物質の排出・漏洩、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等を引き起こした場合、その是正措置をとることによって当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥訴訟その他のリスク
当社グループと取引企業との取引において、取引先の予期せぬ倒産等で債権回収に支障が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループを対象とした訴訟において、当社グループの主張や予測と異なる結果となった場合、あるいは当社グループに対して巨額の損害賠償請求や事業の遂行に長期的な制限が加えられた場合等、重大な法的責任の発生及び規制当局による措置は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦自然災害、事故災害のリスク
地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点における設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難により、一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧コンプライアンス違反のリスク
当社グループは、日本及び世界各国の各種法令、行政による許認可や規制に基づき、その遵守に努めております。しかし、各種法令に対する理解が不十分、もしくは改正等への対応が適切でない場合には、各種法令違反と認定され、課徴金支払命令等による損失計上やそれに伴う社会的信頼の低下等によって、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて2,035百万円減少し82,634百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加990百万円、電子記録債権の増加983百万円、仕掛品の減少3,902百万円等によります。
今後は売上債権およびたな卸資産の回転率を上げ、キャッシュコンバージョンサイクル等も意識した資産効率の良い経営を目指してまいります。
固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比べて2,296百万円増加し51,843百万円となりました。主な要因は、繰延税金資産の減少1,484百万円、株価の上昇による投資有価証券の増加3,252百万円等によります。
今後は経営環境の変化を注視しつつ、新中期3ヵ年経営計画に基づき、将来の事業拡大を見据えた戦略的投資を継続してまいります。
流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比べて5,782百万円減少し57,543百万円となりました。主な要因は、電子記録債務の減少1,037百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1,706百万円、前受金の減少2,069百万円等によります。
固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比べて191百万円減少し11,822百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加1,031百万円、退職給付に係る負債の減少1,189百万円等によります。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて6,234百万円増加し65,111百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加2,441百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,535百万円等によります。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
パイプシステム事業セグメント関連
パイプシステムセグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて799百万円減少し、52,891百万円となりました。その主な要因は、たな卸資産の減少等によるものです。
機械システム事業セグメント関連
機械システムセグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて419百万円減少し、21,874百万円となりました。その主な要因は、受注残高の減少に伴うたな卸資産の減少等によるものです。
産業建設資材事業セグメント関連
産業建設資材セグメント関連は、当連結会計年度末のセグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比べて2,412百万円増加し、25,072百万円となりました。その主な要因は、湖東工場における工場棟建設等によるものです。
(2) 経営成績の状況
①事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
a.事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が続いており、国内においても緊急事態宣言の発令により一定の成果が見られ、徐々に経済活動が再開されたものの、冬季に入り再び感染が拡大し経済活動が制限されるなど先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループとしましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、営業・事務部門では在宅勤務等を推奨し、工場の生産部門では、安全と健康を最優先にする対策を取った上で稼働を継続いたしました。
このような状況の中で、当社グループの当連結会計年度の業績は、建築工事の減少などにより「産業建設資材事業」で出荷が減少したことに加え、一部では新型コロナウイルス感染拡大の影響により投資計画が延期されるなどの影響が出始めていますが、一定の受注残を確保していた「機械システム事業」、「パイプシステム事業」などで出荷が増加したことにより、売上高は、前連結会計年度比6,692百万円増収の116,596百万円となりました。
損益面では、「機械システム事業」において追加工事の発生による減益、「産業建設資材事業」において減収による減益であったものの、「パイプシステム事業」において一定の利益を確保したことなどにより、営業利益は、前連結会計年度比332百万円増益の4,673百万円の利益、経常利益は、前連結会計年度比191百万円増益の4,583百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等を差し引き、前連結会計年度比400百万円増益の3,174百万円の利益となりました。
今後は、この度策定いたしました新中期3ヵ年経営計画に基づき事業を推進し、企業価値の向上と持続的な成長を達成してまいります。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
パイプシステム事業セグメント関連
「パイプシステム事業」は、売上高につきましては、鉄管部門で出荷量が増加したことに加え、バルブ部門でも民需向けで出荷が堅調に推移したことなどで、前連結会計年度比1,809百万円増収の56,185百万円となりました。
営業損益につきましては、鉄管部門、バルブ部門の増収に加え、各種原価改善に注力したことなどにより、前連結会計年度比749百万円増益の3,087百万円の利益となりました。
今後は、当セグメントでは老朽化する社会インフラや人口減少に伴う社会構造変化などの社会の課題に対して、資材供給だけではなく設計、施工、メンテナンスといったソリューションビジネスの拡大により国土強靭化の実現へ貢献するとともに、生産合理化を推進することで収益性の向上を目指してまいります。
機械システム事業セグメント関連
「機械システム事業」は、売上高につきましては、機械部門で大型物件の出荷増に加え、大型工事進行基準物件の進捗が進んだことなどにより、前連結会計年度比6,537百万円増収の31,184百万円となりました。
営業損益につきましては、上記のとおり増収ではありましたが、機械部門の一部プラント案件において追加工事が発生したことなどにより、前連結会計年度比409百万円減益の610百万円の利益となりました。
今後は、当セグメントでは低炭素社会への対応など、日本国内はもとより世界各国におけるあらゆる産業に対して、最適システムを提案してまいります。
産業建設資材事業セグメント関連
「産業建設資材事業」は、売上高につきましては、化成品部門で電力向け、鉄道向け製品の出荷が堅調に推移しましたが、建材部門で建築工事の減少もあり空調製品を中心に出荷が減少したことなどで、前連結会計年度比1,653百万円減収の29,226百万円となりました。
営業損益につきましては、化成品部門での増収に加え、各種原価改善に努めましたが、建材部門の減収の影響が大きく、前連結会計年度比197百万円減益の1,074百万円の利益となりました。
今後は、当セグメントでは道路インフラ分野における維持メンテナンス、省人化に向けた展開や、新素材などの開発によって、新たな事業領域への進出を加速してまいります。
c.目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは2021年3月期の目標とする経営指標を「連結売上高1,100億円」「連結営業利益40億円」としておりましたところ、結果として売上高、営業利益とも目標を上回る結果となりました。これは利益面におきまして、販売価格の改善、売上構成において比較的粗利率の高い製品の出荷比率が増加したことによる増益に加え、製造原価での原価低減などによるものです。
次期の連結業績につきましては、当社グループの主要事業セグメントは国内公共事業に関連する分野で底堅いものの、民需分野においては2020年度に大型工事進行基準物件の売上計上が集中した反動ならびに一部新型コロナウイルス感染症による一時的な投資の手控えによる減収を見込んでおり、2021年度通期の業績見込値は売上高1,070億円、営業利益35億円としております。
当社グループは、この度策定いたしました新中期3ヵ年経営計画では、前中期3ヵ年期間の事業の方向性「事業基盤を確立しつつ、新たな事業規模拡大、収益性向上の種をまく」に基づく取り組みに於いて進展いたしました分野(「レジリエンス(国土強靭化)」、「新素材(コンポジット等)」、「水ビジネス」等)に於いてさらに事業拡大を加速させてまいります。加えて、脱炭素社会の実現、防災・減災等、よりクローズアップされつつある社会課題の対応に向けて最適なソリューションを提案することにより、ステークホルダーの皆様に大きな存在価値を感じていただける会社を目指して、グループ一丸となって企業価値向上と経営基盤強化に努めてまいります。
なお、今後の事業環境の変化に伴い、業績見込値の変動が明らかになった場合は速やかに公表いたします。
(3) キャッシュ・フローの状況
①現金及び現金同等物
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より28百万円増加し20,359百万円となりました。
②営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,907百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益4,538百万円に減価償却費等の非資金項目と売上債権・たな卸資産を中心とする流動資産、仕入債務を中心とする流動負債等の増減によるものであります。
③投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,034百万円の支出となりました。これは有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
④財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,815百万円の支出となりました。これは長期借入金の借入、返済等によるものであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、更新等に係る投資であります。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達をすることとしており、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保することを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、23,242百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、20,359百万円となっております。
当連結会計年度において、当社は2017年12月26日に関係金融機関と契約締結を行ったシンジケーション方式による総額280億円のコミットメントライン契約と総額50億円のタームローン契約の満期終了に伴い、2020年12月28日に関係金融機関との間で、シンジケーション方式による総額300億円のコミットメントライン契約を締結しました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。又、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は、売価換算額によります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
①繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性の評価については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能と認められない金額については、評価性引当額を計上しています。
なお、当社及び一部の国内子会社は、連結納税制度を適用しているため、繰延税金資産の回収可能性の判断については、連結納税グループ全体の課税所得の見積りにより判断しています。
当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
繰延税金資産の内訳等については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載のとおりであります。
②退職給付債務の算定
当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付制度を採用しております。退職給付債務に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算定しております。
これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の多くの見積りが存在します。当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付債務に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の前提条件は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
③工事進行基準
当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。
工事進行基準の適用にあたっては、収益を認識する基となる工事原価総額及び進捗率の合理的な見積りが可能であることが前提となります。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(提出会社)
主要な業務提携契約
(注)前連結会計年度まで記載しておりましたアンドリッツ・ハイドロ・リミテッドとの技術導入契約につきましては、重要性が乏しくなったため記載を省略しております。
当社グループは有用な製品とサービスを社会に提供して、人類社会の幸福に貢献するという企業理念のもと、基盤となる事業ドメイン「社会インフラ」および「産業設備」において、鋭意研究開発活動に努めております。近年は新事業創造に向けた研究開発成果の早期創出を目指して、コーポレート研究開発部門(クリモト創造技術研究所)と各事業部門との連携をより一層強化しており、市場直結型の技術開発を推進すると共に、オンリーワンの高機能材料ならびにその生産プロセスの開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
~主要研究開発活動~
(社会インフラ関連)
① 水道管路耐震化に向けた製品の開発およびICTを活用した水道管工事管理業務の効率化
地震が頻発するわが国において、管路の耐震性を高めることは重要課題でありますが、現状耐震性を有する管路比率は40.9%程度に留まっております。ところが管路更新が捗らず、管路の老朽化は年々進んでいるため耐用年数を超過した管路の比率(管路経年化率)は既に17.6%を超えています。そのような状況を踏まえ、管路更新・耐震化促進に資するため、長寿命を特長とする耐震管GX形のラインナップを拡充(全口径75mm~450mm)し、拡販に努めており、全国の政令指定都市をはじめ多くの事業体様にご採用いただいております。また、GX形に加え、さらに低コストで軽量化を実現したNS形E種管(全口径75mm~150mm)のラインナップ並びに中大口径管路の更新事業においても当社独自工法となる「ハイブリッドシステム工法」により、事業体様からの多様な要望に応え、市場での拡販を精力的に進めてまいります。
さらに、昨今の人口減少に伴う水需要量の減少および官民ともに技術者不足、技術の継承といった問題が顕在化しており、これらの課題に対しても業務の効率化に資するICTを活用した水道管工事施工管理システムの開発にも努めてまいりました。具体的には工事現場での情報をスマートフォンやタブレット等の携帯端末に入力することで、工事書類作成の自動化や情報のクラウド上でのリアルタイム共有化により業務の効率化を図り、水道事業運営コストの削減による老朽管路の更新、耐震化の促進に貢献すべく、取り組んでまいります。
② インフラ向け更生管の開発、自動車・鉄道分野ならびに橋梁補修分野への新規参入
当社は連続FW成形*技術をコア技術として、電力ケーブル保護管、下水道管および農業用水管など主にインフラ市場向けにFRP(M)管を販売してきました。しかし、近年インフラ設備は成熟期を迎え、既存設備の更新や長寿命化が課題となっております。そこで、当社は今日まで約50年間培ったFRP製品に関する技術力を生かし、施工性に優れ、かつ高耐震性、高強度を有した更生工法の開発に注力しております。
自動車分野ではコンポジット新製品や生産設備販売ビジネス、また鉄道分野では今までにない高機能なFRP新商材を基軸に事業展開を進めております。併せて、橋梁補修分野に関してはFW成形および引抜成形技術も活用し、軽量性および耐食性に優れた製品展開を進めてまいります。
* FW成形:フィラメントワインディングと呼ばれるFRP成形法の一種。
(産業設備関連)
① 二次電池向けプロセス設備の開発
自動車メーカが掲げるEV化への展望を始めとする世界的な二次電池市場の拡大を見据え、二次電池関連の製造設備市場へ装置・システム・プラントで積極的に参入すべく2011年より試験研究、販売活動を推進しています。営業活動、PR効果促進はもとより日進月歩で開発される各種電池材料に対する技術ノウハウの獲得・構築およびコストダウンを加味した各装置の改良・改善に取組んでおり、販売実績も得られて参りました。2021年度には粉体機器の組立専用工場も開設する予定であります。また当社住吉工場内テストセンターに、長年の粉体装置事業で培った技術を活かした電池スラリーの混練設備(ドライルーム)、電池原料の乾燥・焼成・粉砕設備を設置し、顧客対応実証実験と自主実験による研究開発を進め、さらに創意工夫を重ねて改良・改善を行い、国内外に営業展開を進めてまいります。
② サーボプレスの応用技術開発
当社は近年、湿式クラッチブレーキの開発、サーボプレスの開発を行い、納入実績を積み重ねております。サーボプレスにおいては油圧装置と組み合わせた複合成形にも取り組み、鍛造技術の開発を進めております。更に、数年前に開発済みのM2M(遠隔監視装置)に加えて、プレスの状態が把握でき、保全性が高まる「見える化」の開発も進めており、両輪により営業活動を強めていく予定であります。
(コンポジットプロジェクト関連)
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のハイサイクル成形システムおよび成形品の開発
炭素繊維強化プラスチックは軽くて強いという性質を持つ優れた部材であり、近年では金属製部品の代替として様々な分野・製品への適用が進んでおります。しかしながら、自動車部品など身近な製品へのさらなる普及のためには、製造コストの低減や生産サイクルの短縮、品質管理の強化など様々な課題を克服する必要があります。
当社は、混練装置やプレス機などの設備製造技術と国内有数のFRP成形実績を基盤とし、独自のCFRP量産テクノロジーの開発を進め、各種課題の解決に取り組んでおります。主な取り組みとしては、Carbon-LFTDシステム*1、ハイサイクルRTMシステム*2およびCFRP引抜成形について、デモ成形設備を導入し、具体的なCFRPパーツの設計、試作、量産から設備までのトータル・ソリューション開発を進めてきました。2019年には開発の拠点としてコンポジットセンター新建屋を完成させ、2020年度に大型引抜成形装置を導入し、大型試作から小量産まで対応できる体制を構築中です。また大型成形機HR4-10SPを開発し、実際の製品レベル(1.5m×1.5m)で、Carbon-LFTDおよびハイサイクルRTMの大型試作、検証が可能となりました。新規導入設備を有効活用して成形設備および成形品分野での事業展開を目指します。
*1 Carbon-LFTDシステム:原材料である炭素繊維ロービングと熱可塑性樹脂を直接混練してプレス成形するCFRTP
成形システム。
*2 ハイサイクルRTMシステム:積層された炭素繊維シートに、熱硬化性樹脂を注入・含浸させ、加熱硬化させて成
形するシステム。
(クリモト創造技術研究所関連)
磁気粘性流体(MRF)の開発
磁気粘性流体とは、油の中に鉄微粒子を分散させた機能性流体であります。流体に磁力を与えると急激に粘性が増して半固体状態になり、磁力を取り除くと流動性のある液体状態に戻るという特徴があります。これを利用して、自動車用ダンパー等に実用化されております。当社では、鉄微粒子を今までより小さいナノサイズにしたMRF(商標名:SoftMRFⓇ)を新たに開発し、従来適用例が少なかったクラッチ、ブレーキ等の回転系デバイスへの採用に取り組んでおります。鉄微粒子のナノサイズ化によって、流体の再分散性および耐久性が向上しました。また、この流体を用いたデバイスは俊敏な磁気変化に対する応答性能が優れていることから、リアルな触感を発現できます。これらの特長を活かしてSoftMRFⓇの製品として下肢装具関節部への適用やVR(バーチャル・リアリティ)アクティビティおよびゲーム機部品への採用が実現しました。これらの採用実績をベースに、今後、市場拡大が予想されるハプティクスデバイス*関連分野をはじめ、産業分野での実用化を目指して、流体のバリエーション拡大、コストダウンと安定生産技術の確立を進めると同時に適用範囲を拡大しSoftMRFⓇの販売を進めていく予定であります。
* ハプティクスデバイス:人間が手などを使って得る触覚や力覚を情報として扱う学問分野をハプティクスと称し
ここではナノMRFを使って主に力覚を人工的に与えられるデバイスを指します。