第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、

1.社会における「信頼」を創造する。

2.社内における「相互信頼」を大切にする。

3.自分自身で考え行動できる「自立人」をめざす。

4.「挑戦する姿勢」を尊重する。

の経営理念のもと、高品質で信頼できる製品づくりと環境保全への積極的な取組みを通じて、株主・投資家、顧客、取引先、従業員、地域社会などの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考えております。株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標と位置づけ、ともに継続的な改善を図ることにより、企業価値の向上を目指します。

 

(3)経営環境

素形材を主力とする当社グループの経営環境は、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。国内鋳物事業市場の成熟化が進むなか、競合の激化、事業環境の急激な変化など、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

また、中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産、販売を手がけている海外子会社は、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速懸念も残り、依然として不安定な状況が続くものと予想されます。

 

(4)経営戦略等と事業上及び財務上の対処すべき課題

こうしたなか、当社グループの一人ひとりが同じベクトルのもと一丸となって、企業の継続的発展を図るため、2019年度を初年度とする「第6次3カ年計画」は、キーワード『誇り』を合言葉とし、以下のような取組みを進めてまいります。

1.社会に誇れる企業を目指して

①コンプライアンスを重視した経営活動の遂行

 社会に誇れる企業として安全を最優先とし、法令を遵守した経営活動を行います。あわせて環境・安全面に配慮した設備改善等を継続的に進めていきます。

②誇れる商品、誇れるサービスをお客様に

 お客様にとって、より良い商品・サービスを提供するとともに、その信頼に応えるため、品質管理体制の更なる充実を図っていきます。

2.従業員一人ひとりが輝き誇れる企業に

①風土改革活動の継続

 従業員一人ひとりが、虹技で働くことを誇りに思う一体感のある風土作りを進めていきます。

②人材の育成

 虹技の社員として、誇りをもって行動するべく人材教育に注力いたします。

3.誇れる未来を創造するために

①既存事業の収益構造の改革

 全ての事業において将来性を見極め、ビジネスプロセス変革による生産性の向上等、取り組むべき課題の明確化を行い、より収益をあげるべく収益構造の改革を実施します。

②新たな分野、製品への取組み

 既存事業の充実に加え、たえず新しい分野の開拓、新しい製品の開発に取り組み、世に出すことによって社会の発展に貢献いたします。

③財務体質の更なる強化

 経営環境の波に対して抵抗力のある財務体質を構築します。

こうした企業体質の強化に向けた活動をグループの総力を挙げて推し進め、より一層の企業価値の増大を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状況等に重要な影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境

素形材を主力とする当社グループは、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。また、鋳物事業は市場の成熟化が今後も進むことが予想され、高付加価値製品の開発、新規市場の開拓、営業力の強化等に努めていますが、景気変動による民間設備投資、公共投資の動向や需要顧客先の生産活動が大きな影響を受けた場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)原材料の市況変動

当社グループの主要事業である鋳物事業は、主要原材料の購入価格が市況に大きく影響されるため、計画的な購買を実施していますが、市況が大幅に高騰した場合、原材料費の上昇を押さえきれず、また上昇分の製品販売価格への転嫁や是正の実現には顧客との交渉に長期の時間を要し、利益率の低下をともない業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)海外事業

当社グループの海外子会社「天津虹岡鋳鋼有限公司」及び「南通虹岡鋳鋼有限公司」は、中国において自動車用プレス金型鋳物の生産、販売を行っておりますが、現地の政治または法環境の変化、米中貿易摩擦の影響による経済状況の急激な変動、その他の要因による社会的混乱など、予期しない事象が発生した場合、事業の遂行に影響を与える可能性があります。

 

(4)自然災害・事故災害

当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対して定期的な保守点検や安全・環境対策のための設備投資等を行っておりますが、地震、台風、水害や不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被った場合、操業が滞り、業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)保有株式の時価下落

当社グループは、取引先との関係維持や事業拡大のため、上場及び非上場の株式を保有しておりますが、将来の市況または投資先企業の今後の業績動向により、当社が保有する株式の時価または実質価額が著しく下落した場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の拡大や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しました。

このような状況のもとで当社グループは、『1.社会における「信頼」の創造』、『2.社内における「相互信頼」の醸成と「自立人」の育成』、『3.新たな領域への挑戦』を柱とする第5次3カ年計画(2016年~2018年度)を推進し、国内事業の基盤強化に努めてまいりました。

また、海外事業においても、中国の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司において事業の拡大を図ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、285億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は、156億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億2千9百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は、129億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加いたしました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高240億1千3百万円(前期 229億4千2百万円)と前年同期比4.7%の増加となりました。

損益面につきましては、国内事業の鋳物関連事業及びその他の事業は総じて堅調に推移しましたが、海外事業の天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や原材料価格高騰分の価格転嫁に苦戦し、営業利益12億8千4百万円(前期 13億3千5百万円)、経常利益13億円(前期 13億3千6百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億3千4百万円(前期 6億5千7百万円)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

 鋳物関連事業は、売上高は197億2千5百万円(前期 174億3百万円)、セグメント利益は、10億2千4百万円(前期 11億8百万円)となりました。

 環境関連事業は、売上高は、19億8千7百万円(前期 32億6千2百万円)、セグメント利益は、2億5千2百万円(前期 2億8千3百万円)となりました。

 その他は、売上高は、23億円(前期 22億7千6百万円)、セグメント利益は 2億1千5百万円(前期 2億5百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて1千1百万円増加し、18億8千2百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、21億7千9百万円の増加(前連結会計年度 1億9千4百万円 減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益12億6千4百万円、減価償却費13億2千6百万円による資金の増加とたな卸資産の増加2億7千2百万円、利息の支払1億5千6百万円による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、14億6千1百万円の減少(前連結会計年度 35億6千9百万円 減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出14億7千2百万円による資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、6億8千3百万円の減少(前連結会計年度 26億6千6百万円 増加)となりました。主な内訳は、長期借入金による収入12億円、短期借入金の純増加額2億3千1百万円による資金の増加と長期借入金の返済による支出17億3千1百万円による資金の減少によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋳物関連事業

19,869

4.6

環境関連事業

1,981

△39.2

その他

2,323

2.9

合計

24,174

△1.4

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ロ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 鋳物関連事業のうち一部鋳物製品については見込み生産を行っているため、受注高及び受注残高の金額には含まれておりません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高(百万円)

前年同期比

(%)

鋳物関連事業

16,875

15.5

3,757

18.0

環境関連事業

518

△84.3

1,416

△50.9

その他

2,500

11.7

774

34.8

合計

19,894

△1.2

5,948

△10.5

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋳物関連事業

19,725

13.3

環境関連事業

1,987

△39.1

その他

2,300

1.0

合計

24,013

4.7

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、165億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億1百万円減少いたしました。これは、主として仕掛品が2億4千4百万円、電子記録債権が2億3千万円増加した一方、受取手形及び売掛金が3億9千6百万円減少したことなどによります。

固定資産は、120億6千万円となり、前連結会計年度末に比べ5億9千1百万円減少いたしました。これは、主として有形固定資産が3億1百万円、退職給付に係る資産が1億4千万円減少したことなどによります。

この結果、総資産は、285億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円減少いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、113億2千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億9千6百万円減少いたしました。これは、主として短期借入金が2億9百万円増加した一方、未払金が7億4千4百万円減少したことなどによります。

固定負債は、42億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億3千3百万円減少いたしました。これは、主として長期借入金が6億8千4百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、156億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億2千9百万円減少いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、129億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加いたしました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したことなどによります。

この結果、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べ92円43銭増加し3,139円89銭となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の34.5%から36.4%となりました。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

2)経営成績

(売上高)

売上高は、国内事業の鋳物関連事業及びその他の事業が総じて堅調に推移し、海外子会社南通虹岡鋳鋼有限公司も好調に推移したことなどにより、240億1千3百万円(前年同期比 4.7%増)となりました。そのうち国内売上高は170億9千7百万円(前年同期比 0.5%増)、海外売上高は69億1千6百万円(前年同期比 16.6%増)となりました。

(営業利益)

売上原価は、海外子会社天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や主要原材料価格の高止まりなどにより、199億4千万円(前年同期比 5.1%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、南通虹岡鋳鋼有限公司が開業2年目となり、年間を通じた営業活動を行ったことなどにより、27億8千8百万円(前年同期比 5.8%増)となりました。

これらの結果、営業利益は、12億8千4百万円(前年同期比 3.8%減)となりました。

(経常利益)

営業外損益は、前期の1百万円(純額)から1千5百万円(純額)となりました。

そのうち営業外収益は、前期の1億8千4百万円から2億9千5百万円に増加し、営業外費用は、前期の1億8千2百万円から2億7千9百万円に増加いたしました。

これらの結果、経常利益は、13億円(前年同期比 2.7%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

非支配株主に帰属する当期純利益は、前期の3億5千3百万円から1億4千7百万円に減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億3千4百万円(前年同期比 11.6%増)となりました。

また、1株当たり当期純利益は221円52銭(前連結会計年度 198円64銭)に増加いたしました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりと認識しており、これらのリスクについては発生の回避に、また発生した場合の対応に万全を期すべく努力してまいります。

 

ハ.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金で調達しております。

 借入金の一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されておりますが、金利スワップ取引を利用してヘッジしております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は79億4千9百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は18億8千2百万円となっております。

 当社は、将来の資金需要に対して安定的、機動的かつ効率的な資金調達を可能にするため金融機関10社と総額25億6千万円の特定融資枠契約を締結しております(借入実行残高10億5千3百万円、借入未実行残高15億6百万円)。

 

ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考え、株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標として位置付けております。

当連結会計年度における売上高経常利益率は5.4%(前期 5.8%)、総資産経常利益率は4.5%(前期 5.0%)であり、自己資本比率36.4%(前期 34.5%)となりました。

これらの要因については、売上高経常利益率は、海外子会社天津虹岡鋳鋼有限公司の稼働率低下や主要原材料価格の高止まりなどにより売上原価が増加したことなどで低下しております。

また、総資産経常利益率は、上記要因に加えて、海外子会社南通虹岡鋳鋼有限公司の事業活動により、事業開始前と比べて総資産が増加したことなどで低下しております。

自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ当連結会計年度末の総資産が減少したことで増加しております。

当連結会計年度の状況を認識した上で、引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1 鋳物関連事業

 鋳型は、エネルギー関連の低迷で、鍛鋼、厚板用鋳型の需要は減少しましたが、自動車、航空機向けの特殊鋼用鋳型が好調で、売上高は、前期並みで推移しました。ロールは、国内高炉メーカー向け需要は回復したものの、電炉メーカー向け需要が伸び悩み、売上高は、前期並みで推移しました。自動車用プレス金型鋳物は、海外自動車メーカー向け案件の受注により、売上高は、前期を上回りました。大型産業機械用鋳物は、工作機械、鍛圧機向けが好調で、売上高は、前期を上回りました。小型鋳物は、機械鋳物が好調で、売上高は、前期を上回りました。デンスバーは、年度末に国内在庫調整の影響があったものの、第3四半期まで建設機械向けを中心に主要顧客先の需要が好調で、売上高は、前期を上回りました。中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司は、第1四半期における現地環境規制強化による稼働率の低下が影響し、売上高は、前期を下回りました。南通虹岡鋳鋼有限公司は、好調に推移し、その結果、海外事業トータルでは、売上高は、前期を上回りました。

 この結果、当事業の売上高は197億2千5百万円(前期 174億3百万円)、セグメント利益は、10億2千4百万円(前期 11億8百万円)となりました。

 

2 環境関連事業

 環境装置事業は、大型案件の工事進行基準による売上対象が昨年の3件から本年は2件となり、売上高は、前期を大きく下回りました。

 この結果、当事業の売上高は、19億8千7百万円(前期 32億6千2百万円)、セグメント利益は、2億5千2百万円(前期 2億8千3百万円)となりました。

 

3 その他

 送風機は、鉄鋼、化学、環境関連の大口案件があり、売上高は、前期を上回りました。環境・省エネ商品のトランスベクターは、半導体関連向け需要が好調で、売上高は、前期を上回りました。KCカーボンセラミックスは、アルミ関連向け需要が堅調でしたが、銅関連向け需要が伸び悩み、売上高は、前期並みで推移しました。KCメタルファイバーは、自動車向け需要が低水準にあり、売上高は、前期を下回りました。

 この結果、当事業の売上高は、23億円(前期 22億7千6百万円)、セグメント利益は 2億1千5百万円(前期 2億5百万円)となりました。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は鋳物関連分野及び機械、環境関連分野において多彩な技術を追求する企業として、社会に有用な商品を創り出し、提供することを行動指針の一つととらえ研究開発に取り組んでおります。鋳物関連技術では、新しい機能を有した合金鋳鉄材などの材料開発に取り組む一方で、商品開発や生産技術の向上にも注力しております。また新規事業化を目指して金属3Dプリンターを導入し、広い分野において貢献できる新たな材料の創造・開発にも着手しております。

 鋳物関連技術以外では省力化・省エネ化など時代の変化に合わせた新しい機械、環境関連技術や商品開発などを積極的に推し進めております。

  現在、研究開発活動は、当社は開発部と各事業部の技術スタッフで実施しております。また海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に携わっている人数は当社グループ全体で45名であります。

 当連結会計年度における全社の研究開発費は326百万円であります。なお、研究開発費には、当社の開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社的な基礎的研究など、各事業に配分できない費用が3百万円含まれております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次の通りであります。

 

1 鋳物関連事業

 主に開発部と関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。開発部では新規事業化を目指して新たに金属3Dプリンターを導入し、高機能・高付加価値材料の創製と実用化に向けた取り組みを開始しております。本装置は真球に限りなく近い数十ミクロンオーダーの金属粉末にレーザービームを照射し、そのレーザーの熱による粉末の溶融、接合及び積層を3Dデータに基づき繰り返して行い、直接的に極めて精緻な金属の形状を創り出す機器で、付加製造と呼ばれています。現在、この装置を用いて従来の鋳物には醸し出すことができない超精密な構造を持ち、耐食性や磁気特性などにも優れた機能性商品を開発すべく基礎試験を行っております。

 また鋼に匹敵する高ヤング率・高疲労強度を有する極低炭素球状黒鉛鋳鉄の開発も継続して行っており、鋳造プロセスの実用化検討に取り組んでおります。既に複数の関連特許を出願しており、PR用カタログの作成も進めております。さらに従来の鋳鉄材にはない高強度と高靭性を併せ持つ合金鋳鉄材を開発し、鋼と同程度の機械物性パフォーマンスを見出すことができ、既に特許出願に至っております。

 解析の分野においては、お客様の設計仕様を踏まえつつ、より質の高い鋳物の提供を目指すため流動解析と熱解析に応力解析を連動させた鋳造CAEの技術向上にも取り組んでおります。既に特定のユーザーと共同で、鋳造後の鋳物における割れや欠陥の発生位置をあらかじめ予測することで、模型段階での事前施策を講じる実証実験を行っております。今後は検証を重ねつつ解析精度の向上を図っていきます。

 事業部門では連続鋳造鋳鉄棒において新材質を開発し、業界随一の多様な商品ラインナップを揃えることができ、さらなる拡販・売上の増加に貢献しております。

 大型鋳物製品においてはこれまでに培ってきたフルモールド鋳造法の技術をさらに醸成し、高難度鋳物の製造技術を確立しております。さらに日本海事協会から船舶製造に要する鋳造品製造法の承認を取得できたことによって船舶関係分野へのさらなる展開も推し進めてまいります。

 また公共関連製品においては自社型人孔鉄蓋や電線共同溝用鋳鉄蓋の開発も進めており、特許出願数のみならず売上の拡大にも貢献しております。景観商品としてはボラード(車止め)の開発も積極的に行っており、姫路市へ納入することで地域産業の発展にも貢献できました。

 中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司は、黒龍江科技大学と共同で鋳鉄材試験の研究を行っております。また、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。

 当事業に掛かった研究開発費は312百万円であります。

 

2 環境関連事業

 環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心になって研究開発を進めております。

 これまでに開発された新型ストーカ方式焼却炉は実証試験を終え、実際の大型ごみ焼却施設として稼働を始めております。この焼却炉は大幅な省エネ効果とCO2の削減効果が期待できるため、これを皮切りにさらなる新規案件の受注拡大に繋げていきます。

 また送風機事業と合同で送風機器及びその関連技術の知見を用いた新たな商品化開発も手がけており、さらなる事業拡大を図ってまいります。これらの事業に掛かった研究開発費は3百万円であります。

 

3 その他

 機械関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで実施しております。主に自動車の摩擦材のフィラーとして使われているメタルファイバーの材質、サイズ及び形状の種類を大幅に拡大して、様々な用途開発に取り組んでおります。特殊な形状のファイバーやインデント効果を狙った破砕チップなど自動車以外の摩擦材としても一部はすでに売上に貢献しており、数年後には大量受注が期待されるので、それに備えて量産体制を整えていきつつあります。また自動車分野のみならずセメントや耐火材の強度向上のための骨材やフィラーとしての用途や電磁波シールド材、熱交換器部材への展開も推し進めております。

 セラミックス関連では有形成形技術と製品開発を実施しております。耐熱性、耐スポーリング性、加工性を併せ持つカーボンセラミックス材は高機能セラミックス展に出展、好評を博しました。特に耐熱部材へ用途を拡大し、売上増加に貢献しております。また新規用途及び新規顧客層拡大のため、ガラス製品製造用冶具材や環境分野への展開も推し進めつつあります。

 工場用送風機装置ではこの事業部の技術スタッフが中心となって研究開発を進めており、高効率の送風機を開発でき、受注増に寄与しつつあります。さらに、大型品での高効率送風機の開発が実機検証の段階に入りつつあり、ボイラー業界や集塵機業界などに市場シェアの大幅な拡大を目指していきます。これらの事業に掛かった研究開発費は6百万円であります。