第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、

1.社会における「信頼」を創造する。

2.社内における「相互信頼」を大切にする。

3.自分自身で考え行動できる「自立人」をめざす。

4.「挑戦する姿勢」を尊重する。

の経営理念のもと、高品質で信頼できる製品づくりと環境保全への積極的な取組みを通じて、株主・投資家、顧客、取引先、従業員、地域社会等の信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考えております。株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標と位置づけ、ともに継続的な改善を図ることにより、企業価値の向上を目指します。

 

(3)経営環境

素形材を主力とする当社グループの経営環境は、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。国内鋳物事業市場の成熟化が進むなか、競合の激化、事業環境の急激な変化など、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

また、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないなか、経済活動の水準は、新型コロナウイルス感染症流行前を下回る状況が続く見通しで、当社を取り巻く事業環境の先行きは、不透明な状況にあります。

 

(4)経営戦略等と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの売上構成は、当連結会計年度において、鋳物関連事業 84%、環境関連事業 5%、送風機、機能材料を中心としたその他で 11%となっております。当社グループの基盤事業である鋳物関連事業においては、成熟市場の中にありますが、グループの経営活動の安定に向け、一層の原価低減、販売力強化及び生産性の向上に取り組んでおります。一方、会社の発展に向けては、新たな事業・製品の開発、育成が不可欠であり、全社を挙げて新たな分野、製品への取組みに注力しております。

このような状況を踏まえ、当社グループの一人ひとりが同じベクトルのもと一丸となって、企業の継続的発展を図るため、『誇り』をキーワードとした「第6次3カ年計画」に基づき、更なる品質向上、コストダウン、付加価値の創造に努め、経営基盤を強化し、虹技C&Eグループの継続的発展を図るため、以下のような取組みを進めております。

1.社会に誇れる企業を目指して

①コンプライアンスを重視した経営活動の遂行

 社会に誇れる企業として安全を最優先とし、法令を遵守した経営活動を行います。あわせて環境・安全面に配慮した設備改善等を継続的に進めていきます。

②誇れる商品、誇れるサービスをお客様に

 お客様にとって、より良い商品・サービスを提供するとともに、その信頼に応えるため、品質管理体制の更なる充実を図っていきます。

2.従業員一人ひとりが輝き誇れる企業に

①風土改革活動の継続

 従業員一人ひとりが、虹技で働くことを誇りに思う一体感のある風土作りを進めていきます。

②人材の育成

 虹技の社員として、誇りをもって行動するべく人材教育に注力いたします。

3.誇れる未来を創造するために

①既存事業の収益構造の改革

 全ての事業において将来性を見極め、ビジネスプロセス変革による生産性の向上等、取り組むべき課題の明確化を行い、より収益をあげるべく収益構造の改革を実施します。

②新たな分野、製品への取組み

 既存事業の充実に加え、たえず新しい分野の開拓、新しい製品の開発に取り組み、世に出すことによって社会の発展に貢献いたします。

③財務体質の更なる強化

 経営環境の波に対して抵抗力のある財務体質を構築します。

こうした企業体質の強化に向けた活動をグループの総力を挙げて推し進め、より一層の企業価値の増大を図ってまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大については、グローバルな視点では拡大が収束しているとは言えず、その影響について把握しきれていない状況にあります。今後、各事業への影響の把握、分析を進め経営方針、経営戦略への反映を検討していきます。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境

素形材を主力とする当社グループは、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。また、鋳物事業は市場の成熟化が今後も進むことが予想され、高付加価値製品の開発、新規市場の開拓、営業力の強化等に努めていますが、景気変動による民間設備投資、公共投資の動向や重要顧客先の生産活動が大きな影響を受けた場合、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、2021年4月に従来の鋳物事業に加えて、環境関連事業をもう一つの柱とすべく組織変更を行いました。送風機等を扱う機械事業部と都市ごみ焼却施設の建設を担う環境装置事業部を統合して、環境エンジニアリング事業部とし、シナジー効果と売上の拡大に努めてまいります。

 

(2)原材料の市況変動

当社グループの主要事業である鋳物事業は、主要原材料の購入価格が市況に大きく影響されるため、計画的な購買を実施していますが、市況が大幅に高騰した場合、原材料費の上昇を抑えきれず、また上昇分の製品販売価格への転嫁や是正の実現には顧客との交渉に長期の時間を要し、利益率の低下をともない業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、安定的な原材料の調達のため、情報収集に努めながら調達価格、時期等について的確な判断を行うとともに、適切な在庫量の維持、確保に努めております。

 

(3)海外事業

当社グループの海外子会社「天津虹岡鋳鋼有限公司」及び「南通虹岡鋳鋼有限公司」は、中国において自動車用プレス金型鋳物の生産、販売を行っておりますが、現地の政治または法環境の変化、米中貿易摩擦の影響による経済状況の急激な変動、その他の要因による社会的混乱など、予期しない事象が発生した場合、事業の遂行に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当社の取締役が海外子会社の総経理に就任するとともに、当該海外子会社の経営上の重要事項やリスク等について取締役会で適宜報告を求め、必要な助言を行っております。さらには、当社において、2013年7月に「海外事業部」を発足し、海外子会社に対する経営管理機能及び支援機能の強化に努めております。

 

(4)自然災害・事故災害

当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対して定期的な保守点検や安全・環境対策のための設備投資等を行っておりますが、地震、台風、水害や不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被った場合、操業が滞り、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、事業継続計画(BCP)の策定・訓練の実施、組織的な労働安全衛生体制の運用により、これらの災害等にかかるリスクの低減に努めております。

 

(5)保有株式の時価下落

当社グループは、上場及び非上場の株式を保有しておりますが、将来の市況または投資先企業の今後の業績動向により、当社が保有する株式の時価または実質価額が著しく下落した場合、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、保有目的が純投資目的である株式については、株式市場の変動を踏まえ機動的に売却できる体制としているほか、保有目的が純投資以外の目的である投資株式については、保有目的に見合っているかを精査し、合理性が認められない場合には、適宜売却する方針としております。

 

(6)固定資産の減損

当社グループが保有する土地・建物等について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、業績と財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、定期的に減損テストを実施することにより、潜在的な減損リスクの把握に努めております。また、必要に応じて固定資産の回収可能価額を把握するため不動産鑑定評価を実施しております。

(7)繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響する要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当該純損益額が変動する可能性があります。

当社グループでは、関係部門が定期的に監査法人と十分にコミュニケーションをとり、潜在的な税務リスクの把握に努めております。

 

(8)新型コロナウイルスの感染拡大

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、長期化により当社の事業活動に係る生産体制、物流体制、営業活動等に支障が生じた場合、当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。

また、世界的規模でのサプライチェーンの途絶等による急激な景気の悪化が生じた場合、同じく当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。

当社グループでは、取引先ならびに従業員の安全を第一に考えるとともに感染拡大を防ぐため、従業員の体調管理の徹底、テレワークやWEB会議の導入、出張制限や勤務形態の見直し等を実施し事業及び営業活動の継続に努めております。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で急激に落ち込み、総じて厳しい状況で推移いたしました。

 このような状況のもとで当社グループは、2019年度を初年度とする第6次3カ年計画に基づいて、既存事業の収益構造の改革や新たな分野の開拓、製品の開発、財務体質の更なる強化といった取組みを全社一丸となって進めてまいりました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、278億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ10億9千万円増加いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は、145億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億1百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は、132億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8千8百万円増加いたしました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の業績は、国内外の需要が落ち込む中、グループ全社をあげてのコスト削減や海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司と南通虹岡鋳鋼有限公司の選別受注や長期滞留債権の回収により、売上高 180億6千8百万円(前期 212億5千9百万円)、営業利益 2億8千4百万円(前期 5億3千9百万円)、経常利益 3億8千3百万円(前期 3億7千2百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益 2億8千5百万円(前期 1億2百万円)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

 鋳物関連事業は、売上高は152億7千万円(前期 174億8百万円)、セグメント利益は、3億2千9百万円(前期 2億6千9百万円)となりました。

 環境関連事業は、売上高は、8億4千6百万円(前期 16億5千万円)、セグメント利益は、5千2百万円(前期 2億2千1百万円)となりました。

 その他は、売上高は、19億5千1百万円(前期 22億1百万円)、セグメント利益は 1億2千2百万円(前期 1億9千6百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて4億8千2百万円増加し、25億9千1百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、20億9千3百万円の増加(前連結会計年度 21億7千3百万円 増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益3億8千3百万円、減価償却費13億9千4百万円、売上債権の減少7億7千6百万円による資金の増加と仕入債務の減少7億8千2百万円による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、11億2百万円の減少(前連結会計年度 13億9千5百万円 減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出10億9千1百万円による資金の減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、5億1千万円の減少(前連結会計年度 5億4千7百万円 減少)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増加額2億9千8百万円による資金の増加と長期借入金の返済による支出6億2千3百万円、配当金の支払1億6千5百万円による資金の減少によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋳物関連事業

15,472

△13.8

環境関連事業

852

△48.4

その他

1,914

△15.4

合計

18,239

△16.6

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ロ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 鋳物関連事業のうち一部鋳物製品については見込み生産を行っているため、受注高及び受注残高の金額には含まれておりません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高(百万円)

前年同期比

(%)

鋳物関連事業

12,454

△11.6

2,743

△17.7

環境関連事業

3,873

95.2

4,784

172.5

その他

1,762

△20.3

605

△22.7

合計

18,090

△1.1

8,133

38.5

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鋳物関連事業

15,270

△12.3

環境関連事業

846

△48.7

その他

1,951

△11.4

合計

18,068

△15.0

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、155億4千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億4百万円増加いたしました。これは、主として現金及び預金が4億8千2百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が3億6千3百万円減少したことなどによります。

固定資産は、122億6千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億8千6百万円増加いたしました。これは、主として投資有価証券が5億5千1百万円、有形固定資産が3億7千万円増加したことなどによります。

この結果、総資産は、278億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ10億9千万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、111億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億8千9百万円増加いたしました。これは、主としてその他流動負債の前受金が5億2百万円、未払金が4億9千5百万円、短期借入金が2億9千8百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が8億7千2百万円減少したことなどによります。

固定負債は、33億9千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ8千7百万円減少いたしました。これは、主としてリース債務が3億3千5百万円、繰延税金負債が1億7千3百万円増加した一方、長期借入金が5億9千9百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、145億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億1百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、132億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8千8百万円増加いたしました。これは、主としてその他有価証券評価差額金が増加したことなどによります。

この結果、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べ209円69銭増加し3,257円60銭となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の37.8%から38.8%となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

売上高は、180億6千8百万円(前年同期比 15.0%減)となりました。そのうち国内売上高は127億2千9百万円(前年同期比 21.0%減)、海外売上高は53億3千9百万円(前年同期比 3.6%増)となりました。

(営業利益)

売上原価は、154億1千9百万円(前年同期比 14.3%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、23億6千5百万円(前年同期比 13.1%減)となりました。

これらの結果、営業利益は、2億8千4百万円(前年同期比 47.3%減)となりました。

(経常利益)

営業外損益は、前期の△1億6千6百万円(純額)から9千8百万円(純額)となりました。

そのうち営業外収益は、前期の1億1千万円から3億6百万円に増加し、営業外費用は、前期の2億7千6百万円から2億8百万円に減少いたしました。

これらの結果、経常利益は、3億8千3百万円(前年同期比 2.7%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前期の投資有価証券評価損3億1千2百万円がなくなったことなどにより、3億8千3百万円(前年同期比 307.2%増)となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失は、前期の△1億8百万円から1億7百万円に増加したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、2億8千5百万円(前年同期比 179.9%増)となりました。

また、1株当たり当期純利益は86円18銭(前連結会計年度 30円79銭)に増加いたしました。

 

ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりと認識しており、これらのリスクについては発生の回避に、また発生した場合の対応に万全を期すべく努力してまいります。

ハ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考え、株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標として位置付けております。

当連結会計年度における売上高経常利益率は2.1%(前期 1.8%)、総資産経常利益率は1.4%(前期1.3%)であり、自己資本比率38.8%(前期 37.8%)となりました。

 

ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

鋳物関連事業

 鋳型は、鍛鋼向けが低迷し売上高は、前期を下回りました。ロールは、国内電炉メーカー向けの受注残が売上に寄与したものの、コロナ禍の影響があり売上高は、前期を若干下回りました。自動車用プレス金型鋳物は、主力カーメーカーの新型開発プロジェクトの受注が活発だった一方、コロナ禍による需要の伸び悩みがあり、売上高は、前期を若干下回りました。大型産業機械用鋳物は、回復基調にあるものの、期前半の不振が響き、売上高は、前期を下回りました。小型鋳物は、公共工事の延期や中止、機械鋳物の減少により、売上高は、前期を下回りました。デンスバーは、緩やかに回復してきているものの期前半の大幅な需要減が影響し、売上高は、前期を下回りました。海外事業の天津虹岡鋳鋼有限公司、南通虹岡鋳鋼有限公司は、期前半は中国経済の減速の影響がありましたが、その後の現地自動車産業の回復により、売上高は前期を上回りました。

 この結果、当事業の売上高は、152億7千万円(前期 174億8百万円)、セグメント利益は、3億2千9百万円(前期 2億6千9百万円)となりました。

 

2)環境関連事業

 環境装置事業は、東京都八丈町からごみ焼却施設37億円の大口の受注があったものの、業績への寄与は来期以降となり、売上高は、前期を下回りました。この結果、当事業の売上高は、8億4千6百万円(前期 16億5千万円)、セグメント利益は、5千2百万円(前期 2億2千1百万円)となりました。

 

3)その他

 送風機は、鉄鋼向けの大口案件があったもののコロナ禍の影響を受け、売上高は、前期を若干下回りました。環境・省エネ商品のトランスベクターや機能材料のKCカーボンセラミックス、KCメタルファイバーは、主要顧客先の需要減退により売上高は、前期を下回りました。

 この結果、当事業の売上高は、19億5千1百万円(前期 22億1百万円)、セグメント利益は、1億2千2百万円(前期 1億9千6百万円)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

.キャッシュ・フローの状況

 当社グループは、営業活動によって得られた資金を、市場環境や資本効率等を総合的に勘案し、更新投資及び成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分し、また必要に応じて追加の資金を財務活動によって調達することをキャッシュ・フローの基本方針としております。なお、更新投資は生産設備の更新及び合理化設備に、成長投資は人材獲得及び育成、研究開発及びそれに伴う設備投資等に、手許資金は運転資金、財務基盤の強化等に、株主還元は配当金の支払等に充当しております。

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 同期間における営業活動によるキャッシュ・フローは20億9千3百万円の収入であり、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得等により11億2百万円の支出及び財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金、短期借入金の収入や返済等により5億1千万円の支出となったことから、当連結会計年度における連結ベースの資金は、前連結会計年度から4億8千2百万円増加し、25億9千1百万円となっており、企業運営に必要となる十分な水準の資金を確保していると評価しております。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金で調達しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は77億4千万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は25億9千1百万円となっております。

 当社は、将来の資金需要に対して安定的、機動的かつ効率的な資金調達を可能にするため金融機関11社と総額65億円の特定融資枠契約を締結しております(借入実行残高32億4千万円、借入未実行残高32億6千万円)。

 新型コロナウイルスの感染拡大により急激な景気変動が起これば、資金面でも影響を懸念されますが、この特定融資枠契約によりリスクヘッジをしております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

イ.固定資産に対する減損

 固定資産に対する減損の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

ロ.繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は鋳物関連事業及び機械・環境関連分野において多様な技術を追求する企業として有用な商品を創出し、我が国の産業界に資することを行動指針の一つとして研究開発に取り組んでおります。鋳物関連技術では、機能性に富んだ鋳鉄材などの材料開発に取り組む一方で、新規商品開発や生産技術の向上にも注力しております。また新規事業として金属3Dプリンターを導入し、広い分野において貢献できる新たな材料の創造・開発にも取り組んでおります。

 鋳物関連技術以外では省力化・省エネ化などに対応した先進的な機械、環境関連技術や商品開発などを果断に推し進めております。

 現在、研究開発活動において、当社は開発部と各事業部の技術スタッフで実施しております。また海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に専門的に携わっている人数は当社グループ全体で45名であります。

 当連結会計年度における全社の研究開発費は347百万円であります。なお、研究開発費には、当社の開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社にわたる基礎的研究など、各事業に配分できない費用が3百万円含まれております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

1 鋳物関連事業

 主に開発部と関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。開発部では新規事業化を目指して金属3Dプリンターを導入し、高機能・高付加価値材料の創製とその実用化開発に取り組んでおります。本装置は真球に限りなく近い数十ミクロンオーダーの金属粉末にレーザービームを照射し、そのレーザーの熱による粉末の溶融、接合そして積層を3Dデータに基づき繰り返して行い、従前の鋳物では実現できない極めて精緻な金属の形状を直接的に創り出す機器で、付加製造と呼ばれております。現在、この装置を用いて耐食性や磁気特性などに優れた機能性商品を開発すべく基礎試験を行っております。

 また、当社は本開発の活性化を図るとともに早期事業化を目指すべく、公立大学法人兵庫県立大学に開設した新材料の研究・開発中核拠点である「金属新素材研究センター」が主催する産学官連携プロジェクト「ひょうごメタルベルトコンソーシアム」に一昨年より委員として参画しております。新型ウイルス感染拡大を懸念した現況下ではありますが、関連大学や企業との交流を積極的に推し進め、研究開発の質的な向上を図っております。

 鋳鉄材の研究・開発においては従来の鋳鉄材では成し得ない微細な黒鉛組織を有する球状黒鉛鋳鉄の開発を行っており、自動車ボディ鋼板プレス型用鋳物やその他高強度・高靭性を求められる構造物への適用を目指しております。

 解析の分野においてはお客様の設計仕様を踏まえつつ、より質の高い鋳物製品を提供するため、流動解析と熱解析に応力解析を連動させた鋳造CAEの技術向上にも取り組んでおります。昨年からは特定のお客様と共同で、鋳造後の鋳物における割れや欠陥の発生位置をあらかじめ予測することで、模型段階での事前施策を講じる試みを実施しており、現在では実際の鋳物製品への適用と施策の標準化を進めております。今後はより一層の解析精度の高品質化を図ってまいります。

 事業部門において連続鋳造鋳鉄棒についてはこれまでボトルネックであった熱処理工程を短縮可能とした品種の拡大や新材質の適応サイズを拡充することによって主力商品群のラインナップが充足化し、ゆるぎない業界随一のシェアのさらなる向上と売上拡大に貢献しております。

 大型鋳物製品においてはこれまでに培ってきたフルモールド鋳造法の技術をさらに錬成し、高難度の鋳物を製造しております。現在、特に製造し難い構造を有する特殊な工作機械の鋳物部材について独自の工法を開発中であり、今後はその方法を用いてあらゆる産業機械分野へのさらなる展開を推し進めてまいります。

 圧延ロール関連商品についてはこれまで国内の製鋼メーカーに納入し、お客様から高評価をいただいている当社の質の高いロール製造技術を元に、海外輸出案件にも取り組み、売上拡充の一役を担っております。

 また公共関連商品においては自社型マンホールやセキュリティの観点から施錠を可能とした電線共同溝(CCボックス)用鋳鉄蓋さらには鋳鉄製グレーチングの開発も進めており、特許出願数の増加のみならず売上の拡大にも貢献しております。景観商品としては伝統的な街並みの景観を損なわない鋳鉄蓋や車止め・ボラードの開発も継続的に行っており、地場産業発展への貢献にとどまらず他の地域への展開も進めております。

 中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司は、黒龍江科技大学と共同で鋳鉄材試験の研究を行っております。また、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取り組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。

 当事業に掛かった研究開発費は326百万円であります。

2 環境関連事業

 環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心となって研究開発を進めております。

 これまでに開発されたストーカ方式焼却炉は、実際の大型ごみ焼却施設として稼働しており、安定的な燃焼効率や大幅な省エネ効果が得られるなどお客様から高評価を得ております。これら実績が実を結んだ結果としてこの度、新聞各紙に掲載のとおり東京都八丈町のクリーンセンター建設を受注することができました。当社が誇るストーカ方式焼却炉を2炉有する過去に類を見ない大型の施設で、2024年3月完成を目指します。今後はこれを足掛かりとして各地方自治体から発信される都市ごみ焼却事案の受注拡大に繋げてまいります。また送風機事業と合同で送風機器及びその関連技術の知見を用いた新たな商品化開発も進行中であり、現在基礎試験を行っております。この技術を早期に具現化することによってさらなる事業拡大を図ってまいります。これらの事業に掛かった研究開発費は1百万円であります。

 

3 その他

 機械関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで実施しております。主として自動車の摩擦材として使われているメタルファイバーはその材質、サイズ及び形状の種類を大幅に拡大して様々な用途開発に取り組んでおります。中でも当社独自の技術によって開発した特殊なR形状やL形状のファイバーは新聞各紙にも大きく取り上げられ、摩擦材以外の熱交換器部材への展開も大いに期待されております。その他の用途としてセメントや耐火材の強度向上のための骨材、電極材、吸音材あるいは電磁波シールド材への適用も推し進めております。

 セラミックス関連では有形成形技術と製品開発を実施しております。現在では耐高温酸化性も併せ持つ利点を生かし、特に耐熱部材へ用途を拡大し、売上増加に貢献しております。

 送風機事業においては、この事業部の技術スタッフが中心となって研究開発を進めており、これまでにも様々な送風機を開発し、現在の受注増に寄与しております。さらに環境への配慮から低騒音で気密性が高くかつ良好な効率を示す送風機を開発中であり、将来的には集塵機業界などに市場シェアの大幅な拡大を目指してまいります。これらの事業に掛かった研究開発費は15百万円であります。

 なお、2021年4月から前記の環境関連事業と送風機事業を統合し、環境エンジニアリング事業部として生まれ変わりました。鋳物事業と並ぶ大きな事業の柱となる当社の成長戦略の一つとして醸成を図ってまいります。