第2【事業の状況】

1【事業等の概要】

(1)業績

  当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国をはじめとした新興国経済の減速に加えて年明けから円高・株安が急速に進む等、企業業績の悪化懸念が強まり、景気の先行きは不透明な状況にあります。

 鉄鋼業界におきましては、国内での自動車向けや建築・土木向け鋼材需要は力強さを欠き、輸出市場においても価格が低迷する等、需要環境の悪化により、生産活動は全般に伸びを欠き、平成27年度の国内粗鋼生産量は2年連続して前年を下回る結果となりました。また、当社製品の最大の最終ユーザーである自動車業界においても国内生産台数・販売台数がともに前年実績を割り込みました。

 このような経済状況の中で、当社グループは、中期計画(平成27~29年度)を策定し、鉄鋼製品事業において、みがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制の下で収益体質強化と強靭な財務体質確保に取り組んでおります。

しかしながら、主力である自動車部品向けみがき帯鋼において、国内での自動車生産・販売台数減少や中国の景気減速による一部大口需要家の需給調整の影響を受け、受注数量が回復しませんでした。一方、ステンレスは輸出を中心に上半期好調に推移し、また全社的に固定費・原料費等の継続的コスト削減にも努めましたが、みがき帯鋼の落ち込みをカバーすることができませんでした。

その結果、当連結会計年度の売上高は9,079百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は281百万円(前年同期比45.8%減)、経常利益は211百万円(前年同期比48.7%減)となりました。繰延税金資産計上による法人税等調整額の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は226百万円(前年同期比37.4%減)となりました。

 

 鉄鋼製品事業

 当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先の自動車部品向け販売が需給調整等の影響により減少いたしました。

ステンレスは輸出中心に上半期好調に推移し、下半期に入りその反動があったものの、期を通してみると、前年を上回るレベルで推移いたしましたが、子会社でのステンレス加工販売は市況環境が厳しく苦戦いたしました。

 その結果、事業全体の売上高は8,877百万円(前年同期比8.9%減)、経常利益は123百万円(前年同期比61.0%減)となりました。

 

  不動産事業

不動産事業の売上高は202百万円(前年同期比11.9%減)、経常利益は87百万円(前年同期比8.1%減)となり、賃貸土地の売却や一部テナントの退去等の影響があったものの、引き続き利益面での下支えになっております。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

 (2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,214百万円となり、前連結会計年度に比べ113百万円減少いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は599百万円(前年同期比421百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益216百万円、減価償却費438百万円、売上債権の減少額308百万円に対して、仕入債務の減少額448百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は225百万円(前年同期は188百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入187百万円によるものであります。

 

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は937百万円(前年同期比273百万円増)となりました。これは主に借入金の返済によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業(百万円)

7,787

92.4

 (注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業

8,841

90.9

733

95.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼製品事業(百万円)

8,877

91.1

不動産事業(百万円)

202

88.1

合計(百万円)

9,079

91.0

 (注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 (1)当社グループの現状の認識について

 当社グループは鉄鋼製品事業におきまして、収益力のあるみがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する新事業体制を立ち上げ、その新事業体制のもとで、採算性重視の受注活動を推進するとともに、固定費削減他あらゆるコスト低減策の継続実施等により、事業の黒字化を目指してまいりました。

 それら施策を着実に実行することにより、平成25年3月期には営業損益において第2四半期連結会計期間より黒字化し、平成26年3月期以降は平成28年3月期まで3期連続して通期ベースの営業損益、経常損益がともに黒字を継続しております。

 収益力の一層の強化は引き続き粘り強く進めていきますが、これまで生み出された利益やキャッシュフローを基に財務体質の強化は着実に進展しております。

 

(2)当面の対処すべき課題の内容

当社グループは収益力の改善と財務体質の強化を最重点課題と認識しております。事業として適正な利益を確保できる基盤を築くとともに、株主、従業員そして社会の負託に応え、どのような環境下でも継続的に黒字を確保できることを目指し、グループ連結経営の強化を図ってまいります。

一連の事業構造改革の効果により、鉄鋼製品事業での黒字体質は定着いたしましたが、さらに収益力を高め、財務体質の改善を図ってまいります。また、収益の下支えのため、不動産事業においても所有不動産の一層の有効活用を推進してまいります。

 

(3)対処方法及び具体的な取組状況等

当社グループは、平成27~29年度の3年間を「収益力向上」の時期と位置づけ、顧客とともにグローバルに発展していくため、経済環境の激変に耐えうる企業への成長を目指し、「平成29年度中期計画」を策定いたしました。

 

「継続的発展のため、全員の知恵と工夫で収益体質を強化し、強靭な財務体質の確保を図る」

のスローガンのもと、当社はいかなる環境下でも黒字が確保できる収益体質を確立してまいります。

 

基本方針7項目と経営目標とする基本数値は次の通りです。

 

≪基本方針≫

① 販売部門と製造部門が一体となって、提案力を高め、機動力を活かし、「高砂ならでは」「高砂でなくては」の商品をお客様とともに育てることで、受注量を拡大しながら、受注構造を改善する。

② コストの削減、固定費の削減を限界まで追求するとともに、固定費の変動費化に取組む。これをもって、コスト競争力を高め、損益分岐点の引き下げを図り、いかなる環境下でも、黒字を確保できる企業体質を早期に確立する。

③ 原料メーカー、流通各社との機能的連携を図り、受注量および受託加工量を拡大する。

④ 製造部門は製造実力を高め、お客様が要求する、品質、コスト、納期を満足するために不断の努力に全力を尽くす。

⑤ 社員一人ひとりが、常に業務品質の向上を目指して業務に取り組み、いかなる状況でも迅速且つ効率的に対応できる体制を構築する。

⑥ 課題や目標に対しては、情報を共有して全社一丸となって取り組み、組織力のさらなる強化を図る。

⑦ 各人が企業人の常識として守るべき法令、ルールについての知識を身につけ、高い倫理観と責任感を持って、業務を遂行する。

 

≪経営目標とする基本数値≫

経営目標とする基本数値(連結ベース)

平成26年度実績

平成27年度実績

売上高経常利益率(ROS)

5%以上

4.1%

2.3%

自己資本比率

35%以上

18.4%

23.5%

D/Eレシオ

1.0倍以内

2.1倍

1.5倍

  平成27年度の実績は、売上高減少等によりROSは低下いたしましたが、利益剰余金の増加や借入金の削減等により自己資本比率とD/Eレシオは着実に改善いたしました。

 

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあります。

  なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)グループ経営方針・体質強化施策について

 当社グループでは、今後とも体質強化のための諸施策を推し進めてまいりますが、それに伴って処理上の一時的損失が発生する可能性があります。

(2)原料関係について

 当社グループの鉄鋼製品事業では、みがき帯鋼及びステンレス鋼の原料価格が大幅に変動することが予想されます。製品価格への転嫁と共にコスト引き下げの取組みに全力を傾注しておりますが、進展状況においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの鉄鋼製品事業の原料調達は特定メーカー依存度が大きく、供給遅延、品質問題が発生した場合は、生産減少、製品納期遅延等により売上が減少する可能性があります。

(3)販売関係について

 当社グループの鉄鋼製品事業の主力製品であるみがき帯鋼は、自動車用部品向けが中心であり、その受注状況は自動車業界の動向と密接に関連しており、急激な自動車の生産・販売台数の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)繰延税金資産について

 繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断しております。将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には繰延税金資産が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)金利変動リスクについて

 当社グループの運転資金や設備資金等必要な資金は、主に銀行からの借入金等により調達しているため、急激な市場金利の変動等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害リスクについて

 当社グループの主要製造・販売拠点は東京都にありますが、将来これらの拠点で想定を超える大規模な災害が発生した場合には、工場の操業や製品の配送等に支障をきたすとともに、経済活動全体が停滞し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  特記事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、鉄鋼製品事業について、当社の販売部および品質保証部で推進しております。みがき帯鋼においては、極薄みがき帯鋼、電磁軟鉄板の開発に取り組んでおります。また、ステンレス製品では、表面に新たな意匠や機能を付加した商品の開発を進めております。

   当連結会計年度における研究開発費は、鉄鋼製品事業において1百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国をはじめとした新興国経済の減速に加えて年明けから円高・株安が急速に進む等、企業業績の悪化懸念が強まり、景気の先行きは不透明な状況にあります。

 このような経済状況の中で、当社グループは、中期計画(平成27~29年度)を策定し、鉄鋼製品事業において、みがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制の下で収益体質強化と強靭な財務体質確保に取り組みました。

しかしながら、主力である自動車部品向けみがき帯鋼において、国内での自動車生産・販売台数減少や中国の景気減速による一部大口需要家の需給調整の影響を受け、受注数量が回復せず、一方、ステンレスは輸出を中心に上半期好調に推移し、また全社的に固定費・原料費等の継続的コスト削減にも努めましたが、みがき帯鋼の落ち込みをカバーすることができず、前年同期比減収減益となりました。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、有利子負債の削減に努め、財務体質の改善を進めるとともに、キャッシュマネージメントシステムの導入等により、グループ全体としての資金効率の向上と資金流動性の確保に努めております。当連結会計年度におきましては、資金の安定性・安全性にも十分に留意した資金繰り運営を行いました。

 当社グループの資金の状況については、「第2 事業の状況 1.事業等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。